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ブログ/2014-10-11

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春日部支部秋の旅行会に行ってきました

寅さん待ってた、ホイ

 台風18号と19号が僅か1週間の合間を置いて、やってきました。春日部支部秋の旅行会は、丁度この合間を縫うように実施されたのです。「日頃の行い」がいかに良かったかということです。
 10月11日、総勢12名。他人様からは、町内会の慰安旅行かゲートボールクラブの慰安旅行会のような風景に見えたはずです。午前8時30分、春日部駅西口に集合し、電車でスタートしました。

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 北千住を経て、同じ東武線にある牛田駅で下車。東武線沿線に住んでかれこれ40年。これまで1回か2回しか降りたことがありません。それくらい、縁のない駅です。更に、そこから京成電車に乗り換え、柴又駅で下車。ここがお馴染みの葛飾柴又です。
 駅前では、あの懐かしい寅さんの像が、我々一同を出迎えてくれました。先ずはここで全員集合の記念撮影。あ、全員集合と言っても、撮影者の私は入っていません。考えてみれば、この旅行の間中、誰も、「撮るのを代わってあげましょう」なんて言ってくれる人がいませんでした。高齢者というのは、そういう気遣いができないようになるから嫌われるのかもしれませんね。ですから、この支部旅行会では、私自身の写真は1枚も入っておりませんのです、ハイ。

回顧、蒼い青春時代

 寅さんの映画は、全部で48作まであったそうです。葛飾柴又「帝釈天」の参道で、くるまやという団子屋を営むおいちゃんとおばちゃん夫婦。寅次郎には母親の違う妹がいたんですね。この妹役が倍賞千恵子でした。嘗て「下町の太陽」という歌がヒットしました。

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 若き日の私は、田舎から両親を呼んで、浅草の国際劇場で「倍賞千恵子ショー」を見せてあげました。上野駅、始発電車のホームで、両親が嬉しそうに礼を言ってくれました。今でも瞼に浮かびます。貧乏学生で、牛乳配達で学費を稼いでいた時期でした。生活は本当に苦しかったです。8畳間に8人が寝泊まりしてました。え?どうやって寝るの?疑問は当然です。二段ベッドです。二段あれば、4畳分の余裕がでます。そういう空間で仲間同士、酒を飲んでだべったりしてました。ナッキンコールやレイ・チャールズ、フランクシナトラ、プレスリーなどの歌を聴いたのも、この時期でした。仲間にそういう歌が好きな人がいたんです。
 寅さん記念館で倍賞千恵子のポスターと出会ったら、そんな昔のことを思い出しました。男ばかりの5人兄弟で育ち、高校は質実剛健を校是とする男子校。その上、寝泊まりは、男ばかりの8人暮らし、と来るんですから、女日照りもいいところです。若い女性が牛乳を買いに来たりすると、嬉しくて涙が出そうでした。代金の受け渡しの時に、ほんのちょっぴり指と指とが触れ合ったりすると、天にも昇る位ドキドキしたものです。

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 配達していた牛乳は、雪印でした。当時から森永や明治の牛乳は、隆盛を極めていました。北海道が発祥で新参者の雪印は、これら他の販売店の配達員から、しばしば意地悪をされました。間違いなく配達したのに、他の販売店の配達員が牛乳を盗んだり飲んでしまうんです。そうすれば「だから雪印はダメなんだ」ということになる訳です。その都度、ひたすら謝りに行きました。
 当時の配達は、自転車でした。勿論、軽快なスポーツタイプなんかではありませんよ。「頑丈」だけが取り柄の、がっしりした自転車です。自転車を止める時の台、あれは三角形の形をしてました。倒れないようにするためです。荷台には、上のイラストのように、牛乳の木箱4つを積むんです。木箱ですよ。ガッチリしてました。
 そのうえ、前側の両サイドに牛乳の麻袋をぶら下げ、各々20本くらいずつ入れるんです。そうしないと、荷台の重量が勝り、後ろにひっくり返ってしまうんです。もちろん、ひっくりかえらないように、前傾姿勢をとりました。今考えると、随分重労働をしていたものだと思います。

輝ける、マドンナ群像

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 「男はつらいよ」の映画、一作ごとに登場したのが、マドンナです。「寅さん記念館」では、しばし、青春時代にタイムスリップしたかのように、歴代のマドンナの画像に見入ってしまいました。初代の光本幸子は全然分かりませんでしたが、2代目の佐藤オリエは名前くらいは分かる。
 3代目の新珠三千代からはすべて名前と顔が一致します。歳を感じます。栗原小巻や吉永小百合などは複数回出演していたんですね。芦川いづみなんてマドンナもいた・・・と、思ってました。でも、なかったんです。おかしい。あの芦川いづみがいないなんて。信じられません。清純そうで、私好みの女性でした。ただ、向こうが好みでなかっただけです。そういえば、彼女、石原裕次郎なんかとよく共演をしていましたね。

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 学生の時、吉永小百合を生で見たことがあります。八重洲のフードセンターで撮影をしてたんです。カウンタの中に入って、売り子の役をしてました。私は偶々そこに居合わせただけですが、バッチリ彼女と目が合ってしまいました。だからどうなんだ、というわけではありません。印象としては、どこにでもいる「普通の女の子」という感覚でした。

国宝にせよ、帝釈堂の木彫り

 柴又帝釈天というのは、日蓮宗の寺だそうです。今から350年前、江戸時代初期の寛永年間の創立なんですね。帝釈天は、もとはバラモン教の神で、雷神であり、武勇神である力の強い神様なんだそうです。

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 一番驚いたのは、帝釈堂内陣の木彫りです。十枚の胴羽目彫刻は仏教典の中でも最も有名な「法華経」の説話から選んだ題材を元に彫刻したものだそうです。たった一枚の欅(けやき)から彫り起したもので、すべて昭和の彫刻家の手になるものだそうです。
 こういう時、私はいつも思うんです。一本の欅からこのような素晴らしい作品も生まれるけど、同時に、何の興も湧かない駄作も生まれる。要するにその欅には、ゼロから千、いや、万や億単位の可能性が秘められている。それを引き出せるかどうかは、それを扱う匠の技量次第。こういうのって、人間の可能性と似ている、と思うんですね。
 先頃、生まれた時に赤ちゃんを取り違えたという事件がありました。裕福な家庭に引き取られた子は、その後、十分な教育を受け、親の会社を引き継ぎ、社長として采配をふるっている。他方、貧乏な家庭に引き取られた子は、生活保護を受ける家庭。十分な教育を受けることも叶わず、もちろん大学にも行くことができなかった。今でも食うや食わずの生活を続けている。
 その2人が、後年になって、「どうも一人だけおかしなのがいる」って言うんで、試しにDNA鑑定をしてみた。その結果、取り違えられていたことが判明した。同じ人間なのに、取り違えによって、人生のありようが全く変わってしまう。今更、2人を取り替えても、これまでの人生が取り戻せるわけではありません。が、欅の持っている秘めたる可能性と、本来、人間が持っている秘めたる可能性に似て、その後の人生が大きく変わってしまう。残酷と言えば残酷です。

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 人間の可能性は、経済力だけで左右されるものではありませんが、経済力も大きく作用するものだということを見せつけられた、という点で、厳しい現実と、ある種の虚しさ、業というものも感じさせてくれた事件でした。
 この帝釈堂を見ていたら、昭和の御代にも素晴らしい腕の彫り師がいたことに感心すると同時に、木材と人間の持つ可能性に何か共通したものがある、ということも感じざるを得ないのです。材木の可能性を引き出すのは、匠の技量次第。人間の可能性を引き出すのは経済力、とは言いたくありません。
 元筑波大学教授で遺伝子研究者の村上和雄さんが「生命の暗号」という著書の中で、次のように述べています。
「幸せをつかむために、私たちは遺伝子をどう働かせればよいのでしょうか。それは日常生活をはつらつと前向きに生きることだと考えています。「イキキ、ワクワク」する生き方こそが、人生を成功に導いたり、幸せを感じるのに必要な遺伝子をONにしてくれる。」
 このようなONの状態を続けられる人だけが、人生を幸せに生きていけるのかもしれませんね。

わたしの矢切りの渡し

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 一同、帝釈天参道で早めの昼食を済ませ、矢切りの渡しに向かいました。31人乗りの渡し船でした。船頭さんの面白説法でも聞かせてもらえるかと期待していましたが、生憎船頭さんは、若い青年で、ひたすら無言でした。
 こういう観光地での船頭さんは、やはり世間の荒波に耐え、幾星霜を過ごし、やり手ババアとの掛け合いもできるような船頭さんの方が、場の雰囲気に合いますね。こういうところで、面白おかしく茶化してもらうと、一日愉快に過ごせますからね。
 我々12人と5,6人の乗客が相乗りになりました。偶々金城先生の隣にうら若き女性が座りました。金城先生、「冥土の土産になるな~」なんて言いながら二人でカメラに収まっていました。私も含め、殆んどの方が「冥土の土産」が欲しい年代です。
 今日は、空も青く澄み渡り、細川ひろしやちあきなおみが歌った演歌、「矢切りの渡し」のメロディが遠くの方から聞こえてきたら、なお一層旅情も盛り上がったことでしょうに、そこいらがちょっぴり残念でなりません。

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