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私、過去21年間健康診断や人間ドッグに行ってません

私、過去21年間健康診断や人間ドッグに行ってません

人間ドッグへの疑問

 皆さんは今の健康診断、人間ドックについて考えたことがありますか。本来、健康診断や人間ドックの機能は、病気の有無を判断し、人の健康な生活を維持する役割を果たすものだと思います。しかし、健康診断や人間ドックを受けたことのある人なら誰でも経験があると思いますが、X線写真はともかくとして、レントゲン写真はこれでもかと言うくらいにバンバン撮りますよね。

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 胃のバリウム検査など、正面から、側面から、斜めから、頭に血が上るほどの傾斜角度でも撮ります。その上、胃部に突起物で強い圧迫を加えて更にあらゆる角度から、これでもかと言うほどにX線撮影を行います。福島原発によって発生するセシウムの量に対しては、これほどまで神経質になっている日本国民が、これまでは健康診断や人間ドックという言葉を使うと、魔法にかかったように疑いの念すら持ちません。原発による放射線とX線や胃のレントゲン撮影による放射線は、基本的に全く同じものであると思います。
 肺のX線写真でさえ人体に有害であるからこそ、X線技師は、わざわざ鉛で覆われた防護エプロン服で完全武装し、そのうえ自分は部屋を出て遠隔操作で撮影に臨むんですよね。今は分かりませんが、20年以上前はそうでした。それ程に危険とされる代物を毎年、数回も受検して平気であるという感覚を私は信じることができません。肺のX線撮影は1枚か2枚ですが、胃のバリウム検査は10枚以上は撮るはずです。放射線技師学会誌によれば、1年間に自然界から受ける放射線量は0.2msv(マイクロシーベルト)だそうです。同誌によれば、集団検診によって被曝する放射線量は、胃で4.1msv、胸で0.3msvだそうです。また、奇形や精神発達障害が現れるのに必要な放射線量は50msvとも記載されています。胃の集団検診によってでさえ4.1msvの放射線を浴びるということは、バリウム検査ではその10倍は超えるということになります。つまり、毎年バリウム検査を受けている人は、毎年、奇形や精神発達障害が現れる程度の放射線量を浴びているということになります。

人間ドッグと被曝

 いまでこそ原発問題がクローズアップされたから、放射線量に対して国民が神経をとがらせていますが、そもそも我が国において、健康診断や人間ドックを毎年受検することが、真に有効なのかどうかの検証は本当になされてきたのでしょうか。毎年、きちんと健康診断をし、人間ドックまで受けている人と、そういうものを全く受けていない人との対比がなされてこそ、有効か否かの判断が出来るはずですよね。今の日本では、そのような数量的なデータに基づく検証はなされていないと思います。がん治療にしても、放射線治療を受けた人と受けなかった人の生存率をきちんとデータによって検証しているのでしょうか。私には、そのような検証がなされているようには思えないのです。

48歳から人間ドッグを拒否

 私は、48歳の時から既に20年以上、健康診断、人間ドックというものを一切拒否してきました。それは、その当時、近藤誠という人が出版した「患者よがんと闘うな」という本を読んだことがきっかけです。著者は、慶大の放射線科の技師ですが、きちんとしたデータに基づいて検証し、その結果に基づいて本を出版されたのです。その当時、日本では「がん告知」は一切なされていませんでした。従って、がん治療を施した人と、施さなかった人の比較データは全くなかったのです。それにもかかわらず、当時の日本の医学界は、「がん治療は有効である」と決めつけていたのです。比較できるデータがないのにどうして有効であるという結論が出せるのでしょうか。私は、先ずその点に大きな疑問を持っていました。そういう時期に近藤誠さんの本が出たので、十分に納得できたのです。
 
 近藤医師は、アメリカでとられた豊富な資料をもとに研究を重ね、数量的なデータに基づき、がん治療は睾丸ガンや子供の白血病など、ごく一部の治療を除き、全く有効性が認めらなかったとの結論に達し、それを公表したのです。アメリカでは、その当時でさえ、がん患者に対してがん宣告をし、「がん治療を行うか否かは自分で決めて下さい」と告げていたのです。がん治療を拒否した患者に対しては、「医学の進歩のためにデータをとることに協力して下さい」と言って、生存率など、きちんとデータをとっていたのです。アメリカは自己責任の社会ですからそれができたのです。近藤さんはその米国のデータを活用したのです。そして、たどり着いた結論が、上記のような結論だったのです。
 しかし、このような「がん治療は有効でない」という結論は、当時の医学界からすれば、絶対に認めてはならない結論だったのです。当然、医学界は猛然と反発しました。医学界あげて、「患者よがんと闘おう」という本を出版するなど、反近藤キャンペーンを展開しました。当然、近藤医師は、大学の中での昇進は望めなくなりました。医者が儲からなくなるから当然です。医学界は、国民の健康よりも、先ず、医学界の利益の方が重要なのです。

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 私は、この書籍を熟読しました。豊富なデータに裏打ちされていましたから、すべて納得できるものでした。その結果、「今日を限りに、健康診断、人間ドックは一切拒否しよう。がんになったら、その時はその時だ。」と心に決めて、今日まで過ごして来たのです。従って、今日まで、無用の放射線は全くと言ってよいほど浴びていませんが、極めて健康で、これまで病気らしい病気はしたことがありません。手術の経験も、目にできた物もらいの手術以外一切ありません。現在医者のお世話になっている唯一のものは、高血圧の薬だけです。2カ月に一度、薬をもらいに行くだけです。もちろん、稀には歯医者のお世話になったりすることはありますが、その程度です。

健康維持に見返りのない国

 もちろん、健康維持のためには、努力をしています。毎日、ヨガを実践したり、極力散歩にも出ます。階段もエスカレーターに乗らないなど、健康保持には努力をしています。それにもかかわらず、健康保険税を毎月49,500円も支払っています。努力して健康を維持して、殆ど医者にもかからないのに、毎月5万円の負担はないでしょう、と言いたい気持ちでいっぱいです。
 そのような意味でも日本の医療制度は、明らかに間違っていると思います。努力をして健康を維持している人間には何の恩恵もなく、医者通いが趣味のような人間には、手厚い保護がなされる。医者通いをしてくれる患者は医学界にとって有難い存在ですから、このようなシステムになっているということでしょう。医療費を遣わない人間の健康保険税は安くする、という当たり前のシステムにしない限り、医療費の抑制はできないでしょう。
 高血圧の治療にしても、世界基準よりも高い「正常値」なるものを設定し、その基準からはみ出た者を「病人」扱いにしてしまう。ですから、今の日本は、高血圧症の人間が社会に溢れているという状況で、医者は患者が増え、ホクホクです。しかも、高血圧の薬は、一度飲み始めたら、止めることができないと言われていますから、お医者さんは、笑いが止まらないのではないでしょうか。私の場合は、明らかに血圧が高すぎ、鼻から出血したまま止血できなかったので、やむなく薬のお世話になりましたが、殆どの高齢者は、本当は薬のお世話になどならなくてもよかったのではないかと思います。「正常値」の基準が余りにも厳しすぎるために、不必要な病人を作り出しているためだと思います。第一、正常値と言うなら、高齢になればなるほど血圧は上昇するのが自然的変化ですから、「年齢別の正常値」を定めるべきで、年齢不問で一つだけの正常値を公表するというのは明らかにおかしいと思います。医者が儲かるように、国民を総高血圧症に追い込む陰謀ではないかとさえ思ってしまいます。

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正論を言うものは叩かれる国

 日本では、あらゆる学界で、今でも隠然たる「権威主義」がまかり通っているように思われます。しかし、冷静に見て、既存の学会に対して、「反旗を翻した者の方が真実を語っている」というのが、これまた真実であるように思われます。「正論を言う者は叩かれる」、正にこの構図です。
 嘗て、環境問題で問題提起を行った宇井純さんという東大助手がいました。彼の主張は正論でしたが、学会では異端児扱いをされました。そのため、東大の中では、ついに助手以上に昇進することができませんでした。近藤誠さんの主張も、きちんとしたデータに基づいていたのですから、正に正論でしたが、学会の異端であったがゆえに、何年たっても教授になることはできません。
 今問題になっている原発問題でも、昔から終始一貫して原発は廃止すべきである、と主張してきた京都大学の小出浩章助教は、これまで全く表に出ることはない学会の異端児でした。しかし、今となっては彼の主張はまさに正論だったということができます。
 原子力学会にとっては、電力会社、経産省といった圧倒的な力をもつ勢力に加担しておく方が、受益の方が圧倒的に多いですから、誰も真実を語ろうとしなかったのです。大勢に加担しておけば、政府の審議会の委員や電力会社からの経済的援助も受けられますから、当然と言えば当然です。福島原発が発生した当時、マスコミに登場した専門家の発言、「チェルノブイリと福島?とんでもない、とても比較になるようなレベルのものではありませんよ」とか、「炉心溶融?とんでもない」、「私は自分の子供に福島の農産物を喜んで食べさせますよ」などと言っていた専門家達の発言を、今からでもきちんと検証して欲しいものです。

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