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吉田照美のソコダイジナトコ(文化放送)に一言いいたい!

吉田照美のソコダイジナトコ(文化放送)に一言いいたい!

見当外れの批判です

 今日2月16日、朝、寝床の中でこの番組をなんとなく聞いていました。その中で、吉田照美とゲストのおすぎ(映画評論家)が、「休眠口座」について民主党の考え方を批判していました。曰く、「民主党はせこい」だの「国民の懐に手を突っ込んで取り上げるなんて一体何を考えているのかしら」という趣旨の発言をしていましたが、見当違いも甚だしいと思います。
 そもそもこの「休眠口座」というのは、これまでは、銀行が、毎年、「自行の利益」として計上していたものなんです。その額は、毎年800億前後にも達していたんです。しかも、国民にはそのことは知らされず、そっと利益として計上していたものです。いわば横領をしていたものです。
 そのことに気付いたNPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹氏が、かねてから「このお金は国民のものなので、銀行の利益に計上するのはおかしい。国民のために有効に使うべきである」と主張していたんです。
 事実、駒崎氏は、麻木久仁子のTBSラジオ番組「国民政策研究所」のゲストとしても出演し、そのことを強く主張しておられました(同じTBSのラジオですよ!)。私は生放送で聞いたわけではありませんが、後からPODCASTですべて聞きましたが、極めてまっとうな意見で、全面的に賛同できるものでした。

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なぜ銀行の利益にする必要があるのか

 そもそも引き下ろしに来ないまま放置されている国民の零細な預金を、なぜ銀行の利益に計上する必要があるのでしょうか。しかも、これまで公にされることもなく、こっそり利益として計上して処理されてきたんですよ。

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 それならば、資金がなくて起業できない人達の起業資金に援助するとか、公益的な活動をしているNPO法人に援助するとか、農業や林業をやりたいという若者を支援するとか、もっと有効に使うことを考えるのは当然のことではないでしょうか。
 因みに、駒崎氏の運営するNPO法人フローレンスは、働く女性を応援するために、一般の保育所では預かってくれない感染症などの病児を積極的に預かる病児保育を推進している団体で、駒崎氏はその代表者です。
 【フローレンスの活動内容は、こちらからご覧ください。】 

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 テレビ番組の司会者やゲストは、社会的な影響があるんですから、その場その場で言葉を言い散らかすのではなく、日頃からもう少し社会の現状を把握し、何がどうあるべきことなのかについて、知識を深めておいて頂きたいものだと思います。

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今後のエネルギー確保はシェールガスとトリウム原発で

今後のエネルギー政策の方向

 福島原発の発生により、原発は恐ろしいものという固定観念が植えつけられてしまいました。私もその例外ではありません。確かに、一度事故が起これば、広範囲に影響が及び、しかも長期にわたって地域住民に深刻な影響を与え続ける。このような原発はもういらない、と私も思います。しかし、我が国のエネルギー政策をどのような方向に転換していけばよいのか、ということになると、もう少し冷静になって考えて見てもよいのではないでしょうか。
 私は、長期的には「シェールガス」を利用する方向へ徐々に舵を取るべきだと思っています。石油なら中東というような地域的な偏りがなく、中国、アメリカ、アルゼンチン、メキシコ、オーストラリアなど、世界各地にバランスよく配置された資源であり、しかも、今後、300年以上は持つと言うほどの埋蔵量があるからです。私は、このシェールガスの開発と並行して、「トリウム原発」の開発にも着手すべきであると思っています。

トリウム原発とは何か

 トリウム原発という言葉は、一般にはまだ聞き慣れない言葉ですが、実は、トリウムを使った原子炉はとうの昔からある既存技術で、ある事情から採用されなかったというに過ぎないのです。その事情というのは、嘗て、アメリカがトリウム溶融炉原子炉開発に着手しながらも、途中からウラン型の原子炉の採用一本に絞りこんだからです。アメリカは、冷戦時代、ソ連との間で核兵器の開発競争にしのぎを削りました。核爆弾を作るためには、どうしてもプルトニウムが必要だったのです。プルトニウムを作るためには、ウランを燃料とした原子力発電所を稼働させる必要があったわけです。アメリカは対ソ戦略の一環として、プルトニウムを生成することが国策・国是でもあったわけです。この段階で、プルトニウムを生成しない「トリウム溶融原子炉」は捨てられてしまったわけです。
 対する日本も、アメリカから福島の原子炉を購入するなど、アメリカの国策に追随せざるを得ない弱小国の立場であったため、この段階で、アメリカと同様、トリウム型原子炉の開発は切り捨てざるを得なかったのです。
 しかし、トリウムは、埋蔵量こそウランとほぼ同じくらいですが、エネルギー抽出量ベースではおよそ1,260倍(!)という試算もある位に極めて熱効率のよい資源であると言われています。そのため、チェルノブイリや福島の原発事故という驚天動地の教訓を得て、再度、トリウム原発にスポットが当てられることになったというわけです。

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先駆者は古川氏

 早くからトリウム原発の利点に気づいていたのは、NPOトリウム溶融塩国際フォーラム理事長の古川和男氏です。氏は、トリウム原発の利点として、次のような諸点を列挙しています。
・決定的安全性 単純頑丈な常圧構造体であるが、少し液体燃料が漏れれば燃料がなくなり、炉は止まる。空気や水などと反応せず、安定なガラス固体となる。
・高い核拡散抵抗性 プルトニウムなど超ウラン元素などの生成が千分の1で、強烈なガンマ線を発し探知されるから核拡散・テロ防止には最適。
・核廃棄物の減少 運転、保守作業の僅少化で高・低レベル核廃棄物が大きく減少する。
・高性能小型炉型も経済的 単純常圧密閉炉容器でしかも小型でも「核燃料自給自足」が可能。工場で量産でき、世界展開も容易。
・高い経済性 柔軟単純で理想的原発
・少ない開発費 単純で開発項目僅少。しかも基礎開発は完了しており、機器開発に「同じ高温融体炉のナトリウム技術」が流用可能。
・早い実用化 初期燃料に「プルトニウム含有塩」を利用すれば、約10年強で完成できる。しかも費用は1,000億から1,500億円程度で済む。
・現在の原発産業体系を乱すことなく、その難問課題のほとんどを打開救済しつつ、円滑に移行展開が可能。今世紀中頃には「世界の一次エネルギーの約半分」を供給できる経済的で巨大な新原子力産業の創世ができる。
・CO2半減を十分経済的に実現可能
 私にはこの古川氏の主張の有用性を評価できる知識の持ち合わせがありません。しかし、この技術は、アメリカで1960年代に実証実験が行われ、無事故で4年間連続運転をした実績もあるということです。また、原爆を保有するインドでは、すでに実用化もされています。中国でさえ、昨年1月にエネルギー政策として、トリウム原発の研究に着手すると正式に公表しているのです。

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各地での設置が可能

 開発費用も低いため、県営原発や村営原発、農協原発も可能という代物です。更に、トリウム原発には、次のようなメリットもあります。
・地中埋め込み式にすれば地表では温泉が湧くのと同じ効果が得られる。
・廃熱利用は温室農業でも養魚でも可能になる。
・周辺の工場や住宅では廃熱利用による冷暖房が可能になる。
 これらの利点を考慮すれば、今、豪雪に苦しんでいる東北・北陸地方の融雪用熱源としても利用できるのではないでしょうか。
 高い安全性が保障されていますから、大消費地に近い東京や大阪の大都市近郊でも設置は可能です。また、今回被害の大きかった福島、宮城の地下深くに小型のトリウム原発を作り、その上に学校やオフィス、研究所などを建設するという構想も考えられます。冷暖房費を無料にすればオフィスや住宅も集まるし、研究学園都市を造ることもできます。両県は風光明媚で景色もよく,食べ物がうまい。冬は山でスキー、夏は海でヨットやモーターボートなど、レジャーもできます。
 「羮(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」という諺がありますが、原発と聞いただけで、拒否反応を示すのは理解できますが、ウラン燃料による原発とトリウム原発では、月とすっぽんほどの違いがあります。もちろん私自身にも、従来の原発には未だ強い拒否反応があります。しかし、日本の今後の長期的なエネルギー問題を冷静に考えるならば、古川氏の言うように「決定的な安全性が保障される」ことを前提に、トリウム型の原発を真剣に検討すべきなのではないでしょうか。

自然エネルギーは非効率

 福島原発後、太陽光や風力など、循環型のエネルギー開発が喧伝されています。しかし、家庭で使用されている電力使用量は全体の約10%に過ぎません。全家庭の屋根に太陽光パネルを設置し、自家発電をしたとしても、せいぜい全体の5%程度の節約にしかならないと言われています。僅か5%を節約するために全家庭に太陽光パネルを張り付けるというのは、有効な資源の活用という観点からしても、問題があるのではないでしょうか。設置に要する費用や資材、その後に生じる大量の廃棄物を想定すると、余り効率のよい方法ではないように思われます。
 ここは少し冷静になって、これからのエネルギー開発の方向はどうあるべきなのか、じっくり考えてみようではありませんか。

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