時事寸評 書評コーナー

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またまたマスコミの大失態!

またまたマスコミの大失態!

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他人の顔写真だった

 ひどいもんですね~。この前の時事寸評で「森口騒動は茶番」と題し、裏付けをとらないマスコミの軽率さ、いい加減さを批判したばかりなのに、またまた大失態です。
 何の失態か?あの有名になった兵庫県尼崎市の連続遺体遺棄、行方不明事件です。新聞やテレビではこれでもかこれでもかと出ていた和服姿の女性は、角田美代子被告(64歳)と全く別人だと言うんです。あれだけマスコミに頻出した顔写真が全くの別人、しかも生存している人の顔写真だったなんて、一体、許されるのでしょうか。誰が、どのように責任をとるんでしょうか。
 角田被告の弁護人から、本人ではないとの指摘があり、事件とは無関係の女性からも「私の顔写真です」との抗議があって判明したとのことです。このような超有名な事件であるにも拘わらず、マスコミは顔写真の正誤も確認しないのでしょうか。各紙、各局とも、全く同じ写真を使っているということは、誰か1紙(又は1局)の誰かが調べた結果を、そのまま転載しているに過ぎないということになります。これは1人が間違ったら、全員が間違えるということを意味しています。
 私の想像では、警察から得た顔写真かNHK当たりが使った顔写真を各紙、各局とも疑いをもたず、そのまま使ったということではないかと思います。金太郎飴的な報道姿勢が垣間見えます。

既に半月が経過

 尼崎でドラム缶遺体が発見され、殺人容疑で4人が再逮捕されたのが今年2月9日、民家床下から2遺体が発見されたのが10月14日。この10月頃から、和服姿の女性の顔写真が頻繁にマスコミに登場するようになりました。私には、この和服姿の女性と護送車の中から左目だけで報道陣をのぞき見る女性が、同じ線でつながっているようには見えませんでした。この和服姿の女性が、こんなにむごい事件を起こしたのだろうか。写真で見た印象から言えば、それ程性格がきついようには思えず、かなりの違和感があったのです。それでもマスコミが連日、当然のように報道しているので、間違いはないのだろうと思っていました。

誰も検証しなかったマスコミ

 「森口騒動は茶番」でも指摘したように、「裏付けの重要性」を指摘しました。それがマスコミ人の原点だからです。それなのに、まだ1月も経過しないこの時点で、またまた同じレベルの強烈な失態を演じています。
 このようなミスがどうして生じるのか、といえば、取材対象を「自分の足」で調査していないからです。他紙が報道したから、他局が報道したから、警察が発表したから、NHKが発表したから、間違いないのだろう、という他紙、他局の報道に依存し、自分はデスクに座ったまま。パソコンで他紙や他局の報道を見て記事を書いている姿しか浮かんできません。その報道姿勢には、「みんなで渡れば怖くない」という無責任体質がもろに現れています。

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教科書書き換え事件でも同じ過ち

 嘗て、教科書書き換え騒動というものがありました。中学校社会科の教科書の中で「侵略」を「進出」に書き換えたことがけしからん、というので、朝日新聞や毎日新聞が問題にしたあの事件です。一時はマスコミも沸騰し、中国政府も大々的に日本政府を攻撃したものでした。
 しかし、上智大学の渡部昇一教授(当時)がすべての教科書を仔細に検証した結果、「書き換えられた教科書は一冊もなかった」と公表するに及んで、マスコミからも中国政府からも潮が引くように、報道や批判が消えていったのです。書き換えがけしからんと言うのなら、先ず、それを報道するマスコミ人が事実関係をきちんと把握し、その上で批判を展開することは、イロハのイの筈です。自らは一冊も検証することなしに、大々的に反政府記事を掲載するマスコミは、社会の公器、社会の木鐸としての役割を果たしていません。
 こんなことが許されるなら、特定の書籍の批判する者の尻馬に乗って、自らは1ページも読まないで「そうだそうだけしからん」と批判することが許されるのと同じことです。

本人はなぜ黙っていたのか

 それにしても、顔写真を無断で掲載された女性は、なぜこれまで2週間ものあいだ名乗り出て抗議をしなかったのでしょうか。自分の顔写真であれば、本人が一番最初に気づく筈です。毎日飽きるほど頻繁にマスコミに登場していたにも拘わらず、直ちに、抗議をしなかったのは不思議です。
 善意に解釈すれば、一般市民にとって、マスコミというのは遠い存在であり、どこにどのように抗議すればよいのか分からなかったということでしょうか。
 いずれにしろ、今回の問題は、無断掲載された女性だけの問題ではなく、正しくマスコミ側の取材姿勢の問題です。(H24・10・27記)

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