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歯止めのかからない医療費の増大

歯止めのかからない医療費の増大

 厚生労働省が今年11月4日に公表した平成24年の国民医療費の総額は、過去最高の38兆5850億円に上るとのことです。前年度比3.3%の伸びです。新聞報道によれば、この原因は、「高齢化の進展」や「医療技術の高度化」が原因だそうです。
 念のため、厚労省の公表資料を調べてみたら、全く同じ表現が使われていました。何のことはありません。お役所が発表した文章をそのまま転載しているに過ぎないのです。これこそ「記者クラブの面目躍如」、といったところでしょうか。役所の公表資料をそのまま発表するだけなら、小学生にでもできることだからです。
 「高齢化の進展」と「医療技術の高度化」がその原因だというなら、今後、20年から30年間、国民医療費が減少することはない、ということを意味しています。なぜならば、今後、20年から30年程度、高齢化の波が衰えることはありませんし、医療技術の開発も止まるということはないと思われるからです。

防衛予算と比較すると

 因みに、この38兆円という数字、国の防衛予算と比較してみたいと思います。平成24年度の防衛予算は4.8兆円ですから、国民医療費の約12.4%ということになります。国家の防衛に要する予算が、医療費の10%強に過ぎないということです。しかも、国民医療費は、毎年、1兆円以上ずつ増大し、逆に、防衛費は、過去10年以上、ほぼ減額の一途を辿ってきました。安倍政権になって、若干増加に転ずる機運もありますが、それでも微々たるものです。両者の数値は、文字通り「ワニの口」のように、大きく乖離しつつあるのです。
 これが平和国家日本の美しい姿なのだ、と胸を張れるならば問題はありません。憲法の前文にも「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、我々の安全と生存を保持しようと決意した」と書かれていますから。しかし、日本を取り巻く北朝鮮、韓国、中国。これらの国々は、平和を愛する諸国民と呼んでいいのでしょうか。美しい女性を見たら、例えその女性が他人の妻であっても、「俺の女だ」と言い続ければ自分のものになる。それが確信的利益だと固く信じて疑わないあの赤い国。国家間の条約によって戦後の賠償責任をすべて果たした日本に対して、国民から直接日本政府に対して、戦時賠償請求をさせるばかりか、従軍慰安婦の像を、自国ばかりか米国にまで建てさせる隣の国。、首領様の命令によって、日本の国民を直接拉致しておいて恬として恥じない狂気の赤い国。
 こういう国に周囲を囲まれていながら、国民受けのいい社会保障費ばかり増大させ、国防に裂く予算は、長年にわたって減額を続けてきた我が日本。私達の子孫は、本当にこのまま繁栄を続けることが出来るのでしょうか。いや、安全は確保できるのでしょうか。私は、大いに疑問を感じています。いえ、疑問どころではなく、大いなる危機感をもっています。

医療費の増大を抑えるには

 このように医療費を含む社会保障費は、なぜ拡大する一方なのでしょうか。団塊の世代の退職に伴い、公的年金の負担が拡大していくのは、必然的な現象としてある程度は仕方がありません。しかし、医療費増大の原因を、単に高齢者の増大と医療技術の向上にのみ求めることには異議があります。
 医療費は、今後、大幅に減額させていくことを真剣に検討すべきです。私は、それが可能だと信じています。
 これまで、多くの人が「病気になったら医者に行く」「病気を予防するためには健康診断や人間ドックを受ける」ということを、神様のご託宣のように信じきっています。厚労省も医学会も異口同音にそう言ってきたからです。国民の側も、すっかりそれを刷り込まれてしまっているのです。
 ここで私は、次の3つのことを守るだけでも、医療費の増大は大幅に抑えることが出来ると信じています。
① 風邪を引いた程度の軽い病気では絶対に医者に行かない
② 健康診断や人間ドックは絶対に受けない
③ 健康年齢を維持するため適度な運動をする
④ 役所は健康に関する余計なお節介をしない
 この4つを徹底するだけでも、国民医療費は大幅に改善されるはずです。もう少し具体的に説明しましょう。

第1 軽い病気では絶対に医者に行かない

 日本人は「医者好き」が多いと言われます。風邪を引いた程度でも、すぐに医者に行き診察を受けます。特に高齢者に多いとも言われています。毎日のように医者通いをし、待合室は老人の溜まり場と化す。「今日は山本さん来てないね」、「今日は風邪ひいて来られないらしいよ」、なんて笑話が出来るくらいとも言われます。

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 そのうえ受診すれば、素手で帰ってくることはほぼ皆無でしょう。咳止めやら熱冷まし、必ずいくつかの錠剤をもらい、規則正しくそれを飲みます。これでは国民医療が増大するのは当たり前です。そもそも、軽度の病気でも、「薬で治そう」という、その呪縛から解放されることが必要です。
 人間の体には、「自然治癒力」というとてつもない力が備わっています。大半の病気はこの自然治癒力で治ります。逆に、薬などに頼ると、一時的に治りが早まりますが、自然治癒力の働きを弱め、結果的に体の抵抗力を弱めることになります。
 私は、風邪を引いたくらいでは、絶対に医者に行きません。悪寒がし、熱が出、咳も出たりすることもありますが、安静を心がけ、早めに就寝する。それだけで治ってしまいます。熱が出たり、咳が出たら、「今、侵略ウイルス軍と体の免疫軍が戦っているんだな」と思い、免疫軍に「頑張れよ」と応援しています。庭木消毒の際、タオルなどで防備をするのを怠り、顔や首、背中にひどい湿疹が出来、顔がお岩さんのよう腫れ上がったときも、自然治癒力に任せました。草取りの作業中、何かの虫に刺されたらしく唇が大きく腫れ上がったこともありました。この時もすべて自然治癒力に任せました。それでも必ず、1週間から10日も経過すれば治ってしまいます。
 このように、軽度の病気はすべて自然治癒力に任せる。薬はすべて毒だと考える。こう考えるだけで、国民の医療費は大幅に減額されるはずです。そういう私も、腎臓結石の時だけは流石に医者に行きました。あの痛みは、一晩中続き、悶絶しました。原因が分からなければ話になりません。でも、こんな激しい痛みを伴う病気は、そう度々起こるものではありません。

第2 健康診断や人間ドッグは受けない

 これも重要です。健康診断や人間ドックを受けると、早期発見、早期治療が可能になる、というのが厚労省や医学界の言い分です。では、早期発見、早期治療が徹底した結果、病気になる人の数は顕著に少なくなり、医療費は大幅に減額されたのでしょうか。自分の周囲を見回して下さい。病人だらけです。「コレステロール値が高い」、「血糖値が高い」「ガンマGDPが高い」、「血圧が高い」、「脂肪肝がある」。みんな病人だらけです。健康診断や人間ドックに行かなければ発見されなかったような、潜在的な病気をすべて掘り起こし、「病気」のレッテルを貼り、診察と投薬を押しつけるんですから、病人が増えるのは当たり前です。

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 特に罪が深いのは、高血圧症でしょう。高血圧の問題については、別のコーナー「私はガンで死にたい」でも述べましたが、嘗ては、高血圧の基準が「180mg以上」だったのです。血圧が180以下の人は、高血圧とは言われなかったのです。それが、2000年に170mg以上に引き下げられ、更に、2004年には140mg以上に引き下げられたのです。それでも足りず、何と2008年のメタボ検診の基準では、130mg以上が高血圧と診断されることになったのです。こんな基準を適用されたのでは、50歳以上の人は、大半が高血圧の烙印を押されることになります。
 人間の体は、歳をとればとるほど、老化しますから血管だけが老化を免れるということはありません。老化=硬化だからです。しかも、このように徐々に判定基準を下げてきたのは日本だけです。当然患者は大幅に増えます。うな垂れるのは国民ばかりで、お医者さんはウハウハです。
 そもそも病院に勤務する医者の数は、昭和57年から見ても、毎年増加の一途をたどり、平成22年時点では、既に倍増しています。医者が増えれば、病人が減るのは普通の常識です。でも、この国では、医者の数が増えるのに比例して病人の数も増えているんです。医者の増加に見合うように、患者の数を増やすような政策がとられてきたからです。
 我々国民も、「早期発見・早期治療」によって、病気になる人がぐんと減り、「最近、自分の周りに病人は滅多に見られなくなった」と言うなら、なるほどと納得できます。それが全く逆の状況を呈しているのというのでは、どのような言辞を弄されても、私は納得することが出来ません。

第3 健康年齢を維持するための適度な運動

 こんなことを言うと、医学界から「そんなことをしたら病人がいなくなってしまいじゃないか」と、お叱りを受けそうです。でも、究極的には、これが最善の方法です。土地のある人なら畑仕事でもいい。主婦なら家事労働でもいい。土地のない人なら、ラジオ体操でも、或いは私の実行しているヨガなどでもいいでしょう。とにかく体を動かすことです。
 人間の体は、使いすぎは困りますが、適度に使っていれば長持ちのするように出来ています。中小企業で、毎日大事に使われている工作用機械と同じようなものです。機械は、掃除をし時々油を差し、適度に動かしてやれば非常に長持ちします。人間の体も、適度に動かし、油、つまりバランスの良い食事を摂ることによって、長く持つように造物主は、我々人間を作り賜うたのです。

第4 役所は余計なお節介をしない

 ここ数年、市役所から、健康に関する案内状が送られてきます。やれ健康診断を受けなさいとか、やれ健康チェックに回答し返信して下さいとか、です。放っておくと、再度、詰問するように、あなたはまだ健康診断を受けていません、と催促状が来ます。更に、健康問診票です。「毎日の生活が充実していると感じますか」だの、「手すりがなくても階段を上れますか」だの、「周囲の人から頼りにされていると感じますか」といった類のくだらない質問がびっしりと並んでいます。私もとうとうこんな質問に回答しなければいけない年齢になったのか、と思うと同時に、なぜこんなことを市役所の人間に回答しなければいけないんだ、と腹立たしくなります。
 しかも、こういう質問を作ったり、手紙を出したり、回答を集計したり、と言ったところにも厚労省の予算が使われ、詰まるところ医療費の増大に拍車をかけているはずです。やらなくてもいいことをやる。そして、始めた以上絶対にやめない。こうして医療費は毎年増大していくんですね。こんな業務は、ただ今即刻廃止しても、役人と医者以外に困る人は誰一人いないと断言します。
 厚労省は、口では「毎年増大する医療費を節減する必要がある」などと綺麗ごとをいう一方で、役所の予算増大につながるなら、このようなやらないでもいいことを沢山作り出しているのが実態なのです。
 これまで私達夫婦は、20年以上、健康診断や人間ドックには一切行ったことがありません。このまま行くと、そんな人間には罰則として「年金を減額するぞ」とか言ってくるのではないかと本気で心配しています。私達のような夫婦は、本来、医療費の減額に功労があったとして、「医療費減額功労賞」をもらってもおかしくないと思います。ところが、今の雰囲気では、逆に、懲罰を受けそうな雰囲気なんですから、この国の医療政策は根本的なところで大きな誤りを犯していると思います。

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