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バイデン副大統領の憲法発言、間違ってはいません

バイデン副大統領の憲法発言、間違ってはいません

バイデン副大統領の日本憲法発言

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 8月15日、アメリカのバイデン副大統領が、共和党のトランプ候補を批判する流れの中で「日本の憲法はわれわれが書いた」と発言しました。これは共和党のトランプ候補が、日本などの同盟国が核兵器を持つことを容認する意見を述べたことに対する反論として述べたものです。具体的には、副大統領は、「核保有国になれないという日本の憲法は、われわれが書いたものだということを理解していないのか」と述べたのです。
 

事実はその通り

 このバイデン副大統領の発言について、日本国民の中には驚いている人も多いのではないでしょうか。なにしろ、戦後はこの憲法を「平和憲法」と称して、金科玉条のごとく崇め奉ってきた人がかなり多いと思われるからです。少なくとも「護憲」を党是とする野党の方々はそうでしょう。そのような立場の人からすれば、「アメリカが作った憲法」だなんて、到底受入れ難いのではないでしょうか。
 しかし、これは、単に「事実か否か」というだけのことであって主義主張の問題ではありません。事実か否かと問われれば、「事実です」としか答えようがないのです。
 なにせ現憲法が公布されたのは昭和21年(1946年)です。つまり日本の敗戦の翌年に日本の憲法は公布されたのです。既に連合国によって、日本は占領下にありました。連合国(といっても実質上アメリカ)による占領が終了したのは昭和27年(サンフランシスコ講和条約)です。現憲法ができた時は、正にマッカーサー総司令官の占領統治下にあったのです。日本の主権が回復されたのは、戦後7年経った昭和27年(1952年)です。

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 そもそも主権のない国家に、自主的な憲法なんてできるはずがないではありませんか。このため、アメリカのGHQ勤務の将兵達がマッカーサーの指令に基づいて、急遽、憲法草案を作成し、それを日本国の憲法とするよう押し付けたというのが真相です。
 日本の憲法学者の中には、「GHQが示した案に対して「生存権」の条文など日本側が一部修正を加えているから「アメリカが書いた」と言うのは言い過ぎだ、なんてことを言う学者(上智大学高見勝利名誉教授など)もいます。しかし、これら枝葉の条文を一部加えた程度で「日本が書いた」憲法になるはずがありません。

GHQは絶対権力

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 当時のGHQという組織は、絶対権力だったんです。その総司令官であるマッカーサーは、当初、日本を「直接占領」することを考えていました。直接占領というのは、占領期間において、日本国内で使用するお金はアメリカの軍票を使う、公式の言葉は英語にするという統治方法です。これについては、ポツダム宣言の内容と違うということで外務省が交渉して何とか撤回してもらいましたが、そういう時代だったのです。
 その当時は、昭和天皇の生命そのものも、マッカーサーの気持ち次第という時代だったんです。A級戦犯として東条英機元首相ら7人が絞首刑にされましたが、それに勝る戦争責任者として命を奪うことも十分可能だったんです。
 ただ、マッカーサーは、日本の実情を知るにつれ、日本統治を円滑に進めるためには命を奪うよりも、国民から敬愛されている天皇を生かして利用する方が、得られる利益の方がはるかに大きいと計算したんです。
 このため、マッカーサーは、昭和天皇に次のような勅語を読ませることにしたんです。

 この憲法は、帝国憲法を全面的に改正したものであって、国家再建の基礎を人類普遍の原理に求め、自由に表明された国民の総意によって確定されたものである。

 昭和天皇は、「国民の総意」など聞かれたことがないことを十分に承知の上で、このような勅語を出さざるを得なかったのです。日本国民のだれ一人、憲法の作成に参加していないのに、「自由に表明された国民の総意」によって、憲法が作成されたことになったんです。これが歴史の真実です。
 ですから、バイデン副大統領の発言は、少しも間違ってはいないのです。

バイデン副大統領の資質

 事実の問題は、以上述べたとおりですが、この発言をしたバイデン副大統領の資質については大いに疑問があります。
 なぜなら同盟国の現職の副大統領として、「日本の憲法はわれわれが書いた」と発言することの意味、重要性を認識していないからです。この発言は、「占領統治下において」「我々が憲法案を作り」それを「日本に採用することを強制した」ということを意味します。
 このようなことは、今の時代ばかりか、その当時でさえ、戦勝国が敗戦国に憲法を押し付けるなんてことは許されない、明白な国際法違反行為だったのです。事実、今次の大戦後も、同じ敗戦国であるドイツやイタリアは、戦勝国から一方的に憲法を押し付けられた事実はありません。それを強要されたのは日本だけです。白人国家に対してはこんな国際法違反行為をしないが、有色人種の国家に対しては強要したということです。もちろん人種差別です。

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 もっと言えば、東京裁判も明白な国際法違反です。なぜなら戦勝国が敗戦国を裁く権利などないからです。でも、日本人の多くは「東京裁判史観」に洗脳されています。つまり、東京裁判は、公正な裁判によって悪い日本の戦争責任者が裁かれたと思っています。とんでもありません。勝者が敗者を裁くなら、勝者に犯罪者はおらず、敗者は全員有罪になってしまいます。従って、東京裁判のような勝者の論理による裁判は、国際法上も絶対に許されないのです。
 如何に戦争中とはいえ、東京や日本各地の都市に対して無差別の爆撃を行い、広島、長崎に対しては原爆さえも投下するなど、「非戦闘員!」に対する殺戮を目的として攻撃したのです。このような行為が許されるはずはありません。焼夷弾とは、日本の木造家屋を焼き払い、非戦闘員たる国民を炎によって大量殺戮することを目的として開発された爆弾なのです。
 対する日本は、真珠湾攻撃ですら、攻撃目標はあくまでも軍艦などの軍需施設に対するものであって、非戦闘員を殺傷することはありませんでした。東南アジアなど、他の戦闘地域でも現地の一般住民を殺戮するなどの行為は行っていません。もちろん、戦闘行為の最中に、一般住民が巻き込まれたという例外的なケースはあります。日本の軍隊は、皇軍、つまり天皇の兵隊として、極めて規律正しかったのです。歴史に興味のある方は、是非、事実関係を調べてください。
 開戦に至る動機も、ルーズベルト大統領の周到な計画によって日本が開戦に踏み切らざるを得なかった事実に気づくはずです。日本に対する石油の禁輸など、徹底的に日本を追い込んでいったのはアメリカ自身なのです。そういった事実は、いろいろな書物に詳しく載っていますが、次のような書物を2,3冊読むだけでも明らかになるはずです。


「まだGHQの洗脳に縛られている日本人」(ケント・ギルバート)、
「アメリカと中国は偉そうに嘘をつく」(高山正之)
「戦争犯罪国はアメリカだった」(ヘンリー・S・ストークス)
「日本の敵」(渡部昇一・馬淵睦夫)
「世界の地政学的大転換を主導する日本」(渡部昇一)


 話が少し脱線しましたが、要するに、バイデン副大統領の発言は、「戦勝国が敗戦国に憲法を押し付けるようなことは国際法違反で許されない行為である」ということを認識していない。その点で、超大国の指導者の一員としての資質に欠ける人物である、と言わざるを得ないのです。
 

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