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高畑裕太、強姦致傷事件不起訴処分の不思議

高畑裕太、強姦致傷事件不起訴処分の不思議

突然の釈放にびっくり

 俳優の高畑裕太氏が釈放されました。強姦致傷事件は、重大事件として刑期は無期又は5年以上の懲役に処する(刑法181条)と定められています。警察庁が定める刑事事犯の区分でも「凶悪犯」に分類されているんです。ですから、少なくとも5年はいわゆるムショ暮らしをするのかと思いきや、事件から僅か20日にも満たない超短期で、「凶悪犯」が出てきてしまったんです。みんなが驚いたのも無理はありません。

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 私も、刑務所内での態度良好な罪人、つまり模範囚は刑期の半分くらいで釈放されると知っていますから、実質、2年から3年くらいで出てくるのではないかな~くらいに思っていたんです。ですから、事件発生後、20日未満で釈放されてしまうなんて、驚き以外の何物でもありませんでした。
 しかも、釈放後に弁護士名で発表されたコメントに、更に、非常な違和感を覚えたんです。コメントの全文は、次のようなものでした。

今回、高畑裕太さんが不起訴・釈放となりました。
これには、被害者とされた女性との示談成立が考慮されたことは事実と思います。しかし、ご存じのとおり、強姦致傷罪は被害者の告訴がなくても起訴できる重大犯罪であり、悪質性が低いとか、犯罪の成立が疑わしいなどの事情がない限り、起訴は免れません。お金を払えば勘弁してもらえるなどという簡単なものではありません。
一般論として、当初は、同意のもとに性行為が始まっても、強姦になる場合があります。すなわち、途中で、女性の方が拒否した場合に、その後の態様によっては強姦罪になる場合もあります。
このような場合には、男性の方に、女性の拒否の意思が伝わったかどうかという問題があります。伝わっていなければ、故意がないので犯罪にはなりません。もっとも、このようなタイプではなく、当初から、脅迫や暴力を用いて女性が抵抗できない状態にして、無理やり性行為を行うタイプの事件があり、これは明らかに強姦罪が成立します。違法性の顕著な悪質な強姦罪と言えます。
私どもは、高畑裕太さんの話は繰り返し聞いていますが、他の関係者の話を聞くことはできませんでしたので、事実関係を解明することはできておりません。
しかしながら、知り得た事実関係に照らせば、高畑裕太さんの方では合意があるものと思っていた可能性が高く、少なくとも、逮捕時報道にあるような、電話で「部屋に歯ブラシを持ってきて」と呼びつけていきなり引きずり込んだ、などという事実はなかったと考えております。つまり、先ほど述べたような、違法性の顕著な悪質な事件ではなかったし、仮に、起訴されて裁判になっていれば、無罪主張をしたと思われた事件であります。以上のこともあり、不起訴という結論に至ったと考えております。

平成28年9月9日
弁護士 渥美陽子
弁護士 小佐々奨

(注:アンダーラインは、筆者)

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 事件発生時、本人は大変憔悴しきっているように見えました。また、母親である高畑淳子さんも記者会見で、「大変なことをしてしまったね。一生かけて謝らなければいけないよ。」といった言葉で接見時の様子を話していました。また、会見の席で報道陣から「本人は強姦致傷という事件を受け入れているように思えましたか?」と質問されたことに対して、「そのように思えました」と返答していました。
 つまり、事件当初は、事実関係そのものはきちんと認め、深く反省しているという状況だったんです。
 それなのに、なぜ突然の釈放になったのか、なぜ不起訴処分になったのか、私たち外部の人間には疑問符だらけ、と言ってもよいでしょう。通常なら、示談が成立した後に、こんな文書をマスコミ向けに一方的に出されたら、「ふざけるな、示談は破棄だ」と怒り狂うはずです。それなのに、敢えてこのような文書を公表したのは、示談時にその旨合意していた。その代わり、「示談金に色を付けた」と考えるのが常識的な判断と言うべきでしょう。

■高畑淳子さんの記者会見時の実際の映像は→こちらから

釈放時の態度に疑問

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 彼が前橋警察署から釈放された場面も、印象に残っています。開口一番、大声で「この度は皆様に多大なるご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ありませんでした」と述べ、90度に腰を折り、約30秒ほど頭を下げ続けました。謝罪の意思をその形で告げたかったのでしょう。集まっていたのは報道陣ですから、報道陣には何ら迷惑をかけていません。報道陣は、迷惑どころかビッグな芸能ネタができたと喜んでいただけです。
 我々国民も、別に迷惑事と思っているわけではありません。謝るべきだとすれば、被害者であり、次に、テレビ番組などで出演予定をしていた番組の制作担当者、所属事務所の関係者などでしょう。
 唯一つ、彼の態度に不審なものを感じたのは私だけでしょうか。弁護士に促されて、車に乗る時の様子です。報道陣を睨むような鋭い目つきをしていましたよね。本心から詫びる人の目つきに見えたでしょうか。「こんなに大々的に報道しやがって」と、憤慨している人間の眼にしか見えなかったんですが、皆様はどのように感じたでしょうか。

同情すべき側面も

 確かに、彼には同情すべき面もあります。というのは、強姦事件というのは、年間で1,000件以上(平成23年度では1,185件:警察庁資料)もあるんです。そのうち、私たちが知っている事件はいくつあるでしょうか。年間でも数件、1桁以内ではないでしょうか。特に、大事件として報じられるのは、次の二つしかないんです。
 一つは、米軍又はその軍属による強姦事件です。特に犯罪が行われた場所が沖縄なんていうことになれば、大事件になります。「米軍出ていけ」など、大騒ぎになること必定です。沖縄の住民が同じ犯罪を犯しても、大きな事件にはなりません。
 二つ目には、今回のような有名人がらみ又は社会的により高い倫理観を求められる職業の人が犯した場合です。高い倫理観を求められる職業というのは、警察官や教師などです。牧師や神主もここに入るかもしれません。
 今回のような超有名人の息子の犯した事件など、マスコミから見たら、これほどおいしい芸能ネタはありません。食いついたら離しません。彼が釈放時に見せた敵意の籠った目つきは、正しく芸能担当の記者に向けられたものと言っても過言ではないでしょう。強姦事件は、年間千件以上もあるというのに、なぜ自分の事件ばかりこれほどまで大きく取り上げられるのか、不満があっても当然でしょう。

正負の法則

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 でも、私に言わせれば、それは贅沢と言うものです。さほど高い技量を持っているとも思われない高畑裕太という人物が、特段の努力をしたとも思えないのに、NHKの連続テレビドラマ「まれ」に出演したり、明石家サンマの番組ほか多くの番組に出演していました(私はその番組を見ていないので、正確には、「出演していたようです」)。サンマの番組は見ていませんが、「まれ」は見ていました。しかし、彼の演技は、表現がオーバーすぎて、見るに堪えない、というのが私の率直な感想でした。
 もっとも、「まれ」の番組は全般的に大味でした。まれが上京するときにリュックを担ぎ、そのリュックに傘を突き立て、東京の街を歩くなんて、今時、いくらお上りさんでも「ありえね~」と誰でも思ったことでしょう。ですから裕太氏の演技が粗雑だったのではなく、シナリオライターのシナリオが粗雑だったのかもしれません。以来、「まれ」は見るのをやめました。
 それはともかく、彼のレベルの技量でも、もてはやされたのは何故か。それは偏に、高畑淳子という超有名芸能人を親に持っていたからです。要するに、親の七光り。一般の人が芸能界デビューを果たそうとするなら、「何とかチャンピオン大会」で優勝するなり、どこかの怪しげな芸能プロダクションに所属し、こき使われ、売り出しても最初は雀の涙ほどにしかお金をもらえない、という苦難の耐乏生活を経験するのが普通です。

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 それなのに、彼がいきなり朝ドラに出られたり、チャリティ番組の司会に抜擢されるなど、八面六臂の活躍ができるのは、偏に母親のおかげです。つまり、芸能界に登場するのに、最初から高い下駄をはかせてもらっていたんです。下駄どころか、入学試験も受けずに合格証をもらったようなものだったんです。
 ですから、その代償として、何か悪事、もめ事を起こせば、大きな芸能ニュースとなり、谷底に突き落とされるのは、ある程度仕方がないことなんです。
 嘗て、「人生は正負の法則で成り立っている」と言った人がいました。たしか三輪明宏氏だったと思います。人生良い事もあれば、悪い事もある。嫌な時間の後には素敵な時間がやってくる、というようなことを言っていたと思います。
 高畑裕太氏も、今度は、別の世界でのびのびと生きてみたらどうでしょうか。自分の力だけでお金を稼ぐことが、どれほどしんどいことなのか、骨身にしみてわかるはずです。その方が、長い人生、意義深く生きられるのではないでしょうか。(H28・9・12記)

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