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二階幹事長のAIIB参加発言は利敵行為です

二階幹事長のAIIB参加発言は利敵行為です

二階氏AIIB「日本参加も」発言

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 自民党の二階幹事長が、香港のフェニックステレビのインタビューに答えて、中国が主導して開業した「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」について、「(日本が参加する)可能性があると見ていただいて結構だ」と述べた、との報道が流れました。4月29日の報道です。
 更に、二階幹事長は、中国が推進する巨大経済圏構想「一帯一路」構想についても、「日本としては最大限協力していく」と述べたというのです。
 これはとんでもない発言です。自民党の陣笠代議士が発言しただけなら、無視できますが、政権与党の幹事長が、中国という場所でそのような発言をする、ということが全く信じられません。文字通り、利敵行為という以外に言葉が見つかりません。

AIIBとは

 すでに言い古されたことですが、AIIBは、中国が提唱し、途上国で道路や鉄道などのインフラ整備に必要な資金を貸し出す「銀行」のことです。この目的のためには、既にアジア開発銀行という組織があり、その総裁はこれまで日本が占めています。要するに、中国としてはこれが面白くないのです。

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 中国主導で、「自由に」「迅速に」融資案件を決められる別組織を作りたい。それが狙いです。各国の議決権は出資比率に基づいて算出されることになっていますが、中国が全体の26%を確保しています。同銀行において重要事項を決定するには75%の賛成が必要なので、中国がノーと言えば他の国がすべて賛成しても成立しないのです。26%というのは、そういう数字です。つまり、中国だけが絶対的な拒否権を持つということです。
 そんな銀行を日本が支持できるはずがないではありませんか。しかも、中国という国は、中国共産党一党独裁の国家です。民主主義国家でないばかりか、毎年、軍事費を10%以上増大させ、その軍事力によって、日本をはじめ周辺諸国を威圧しているのです。今、中国という国を侵略しようなんて国、世界中探してもどこにもありません。それなのに、毎年、軍事力を急ピッチで増大させているのです。
 軍事力の増大は、経済の成長と裏腹の関係にあります。経済が減速すれば、軍事力も衰えざるを得ません。今、中国の経済は急減速していると言われています。ですから、本当は軍事費も大幅に減少するはずなのです。ところが実際には、軍事費は、今でも年10%以上の伸びを示しています。
 統計データを恣意的に操作する国ですから、データの信頼性は全くありませんが、対外貿易量や貨物輸送量など、隠しようのないデータもあります。それらのデータによれば、中国の経済が急減速していることは間違いありません。
 中国は、何としてでも経済を減速させないような方策を考える必要があります。そこで考え出されたのが、AIIB構想であり、一帯一路構想なのです。アジアへのインフラ投資を行うことによって、落ち込んだ国内経済を活性化させることができるからです。その意図はあまりにも明白です。従って、これらの構想を支持するということは、中国経済の活性化=軍事力の強化を支持する、ということを意味するのです。小学生にも分かる論理です。

一帯一路構想も狙いは同じ

 中国が構想する「一帯一路構想」も、基本的には同じ狙いです。この構想は、中国から陸路で欧州に至る「シルクロード経済ベルト(一帯)」と、南シナ海やインド洋を経由する「21世紀海上シルクロード(一路)」に沿って鉄道や道路、送電網などを整備するというものです。インフラ投資という点では、AIIBも一帯一路も全く同じです。
 要するに、中国主導によって、アジアにおける経済秩序を確立し、中国経済を立て直そうというわけです。中国の経済が発展すれば、その資金力で更に軍事力が増強できるというわけです。
 

日本の不参加の理由

 これまで中国という国は、共産党独裁の下、周辺諸国に圧迫を加え、常に戦略的に行動してきました。ウイグル地区を占領し、チベット国を併合し、そのうえ、インド、ベトナム、ソ連と国境紛争を繰り返してきました。台湾も、嘗て、一度も中国領になったことなどないというのに、中国の一部、つまり台湾は中国の一部であると勝手に宣言し、これに異議を唱えることは内政干渉だと主張して憚りません。

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 南シナ海においても、フィリッピン領の岩礁に民間人を装って軍の兵士を取りつかせ、その救助を名目に接近し、あっという間に浅瀬を埋め立てました。そして、アメリカ政府の弱腰を見てとると、対艦ミサイルなど軍施設を整備してしまいました。中国の主張する九段線を否定するハーグの国際司法裁判所の判決に対しても、「あんなもの紙屑だ」と豪語して憚りません。
 また、日本に対しても、尖閣列島を自国領だと主張し、領海侵犯を繰り返しています。そのうえ、「中国の国家主権と安全に対するいかなる挑発にも断固対応する」(2017年版外交青書)などと、侵略の意図を隠そうともしません。こんな無法国家が、国連で拒否権を持っているのです。
 だからこそ日本は、このような膨張主義国家による独裁的な運営体であるAIIB構想、一帯一路構想に不参加の意向を示してきたのです。これらの構想は、当初から懸念されていたように、本部を北京に置き、総裁も中国人、更に、議決権も前述したとおり、中国のみが拒否権を持つという歪んだ体制です。
 このような構想に基づく組織に、日本が賛成できるはずなどないではありませんか。中国が経済的に立ち直れば、今以上に軍拡路線に邁進するのは明らかです。これらの政策を支援することは、即、中国の軍拡路線を支持することと全く同義なのです。

二階氏発言は首相への不満が原因

 それなのに、今回の二階幹事長の発言です。到底政権党の幹事長発言とは思えません。今回の発言の意図は何だたのでしょうか。

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 マスコミ報道によれば、「今村雅弘前復興相が東日本大震災をめぐる失言で、直ちに辞任に追い込まれたことについて、不満があった」とのことです。二階幹事長は、この件について「言葉が足りなかったとか、過ぎたとか、本人の話を聞いてあげてもいいんじゃないかという思いがあった。いきなりですよ、いきなり」と述べ、不満を述べたというんです。
 多分、この不満が伏線となり、かねてからの親中派議員の顔が表に出てきたというのが、真相でしょう。
 親中派議員である二階幹事長は、嘗て、総務会長だったころから中国政府と気脈を通じ、中国の緑化を支援する「日中植樹支援事業」に積極的に関わってきました。この事業は、1999年に小渕恵三首相が100億円の拠出を指示して始まったものです。中国で植林・緑化に携わる日本の民間団体に助成しているものですが、平成27年度末の残高が10億円ほどに減少する。補正予算で90億円を追加援助すれば、「満額」の100億円まで戻る、というわけです。
 この資金援助に二階氏が陰に陽に活躍している、というわけです。

なぜ中国の植林事業を支援するのか

 そもそもなぜ中国の植林事業なるものに、日本が資金援助する必要があるのでしょうか。全く感謝もされないというのに、です。名目は、日本に飛んでくるPM2.5を減少させるため、とか理由はつけているようです。でも、そんなもの自国で対策を講じればよいことです。正に国内問題なのです。

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 これらの援助金は、結局のところ、軍事費の援助をしているのと何ら変わりはありません。なぜなら、お金に色はついていないからです。本来、自国の費用で賄うべき費用を日本からの援助金で賄い、資金が少なくなったからもっと出せなんて、何という厚かましい国なのでしょう。更に、そんな国に唯々諾々と100億円近いお金を貢ぐ日本という国。お人好しの顔を絵に描いて神棚に飾ったら、きっと「日本人の顔」に見えるはずです。
 しかも、この厚かましい国は、ほぼ毎日のように尖閣列島の領海を侵犯し、そのうえ、上に述べたように、「中国は釣魚島(尖閣の中国名)に争いのない主権を有している」なんて公言しているんです。
 しかも、しかもです。ありもしない南京大虐殺事件なるものをでっち上げ、国連のユネスコの世界記憶遺産に登録までさせてしまったんです。そのユネスコに、日本は米国に次いで2番目に高い出資金を出しているのです。中国は増額になりましたが、それでも日本の半額以下です。GDPで日本を抜いたというなら、分担金もスライドさせるべきです。
 中国よりも日本に重い分担金を出させておきながら、中国の主張する南京大虐殺を「中国の言い分だけ聞いて!」世界記憶遺産にする。これがユネスコという組織です。日本のお人好し振りもここまでくると、もう何をかいわんやです。日本の分担金は、この世界記憶遺産を取り消すまでは、断固保留すべきは当然のことです。
 このように、中国は、友好国どころか、典型的な仮想敵国です。この仮想敵国に、軍事費に転用されることを承知のうえで、植林事業と称すれば100億円近い資金援助をする。どう見ても、日本は狂っているとしか言いようがありません。

二階幹事長は国賊です

 このような中国に対して、国家予算から資金援助をしようと画策する二階幹事長。そして、今回の今村復興相の更迭を不満として、中国を利するAIIB参加と一帯一路構想への参加に「最大限の努力をする」と明言する幹事長の無神経さ。

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 私は売国奴という言葉を使いたくはありません。しかし、このような事情を鑑みれば、売国奴という表現を使う以外にないのではないでしょうか。正しく敵を利する利敵行為そのものだからです。
 二階幹事長の保有する企業と資金援助との間に、何らかの癒着があると疑われても仕方がないのではないでしょうか。あるいは中国詣でで、ハニートラップにはめられた可能性もあります。そう考えなければ、自民党議員がここまで中国に加担するということはないはずです。
 こういう疑惑を暴くことこそが、週刊誌の本来の役割なのではありませんか。もっとも、週刊誌も、朝日新聞や毎日新聞の系列ということから、「中国の意に反する報道は極力控える」、ということを私たち国民は十分に知っています。
 安倍総理は、即刻、二階幹事長を辞任させるべきだと思います。ただ、安倍総理としては、安定的な党内運営を優先させる必要から、辞任させることはないでしょう。 
 でも、私たち国民は、翁長知事と同様、このような親中派議員の動向については、日頃から強い警戒心を持ち、注意深く見ておく必要があると思います。(H29・5・2記)

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