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テロ等準備罪に騒ぐ野党とマスコミの無責任

テロ等準備罪に騒ぐ野党とマスコミの無責任

テロ防止法の必要性は各国の共通認識

 国民の生命や財産をテロや暴力団の犯罪から守るための法律、いわゆる「テロ等準備罪」が成立しました。これは共謀罪の構成要件を厳格化したもので、テロ等準備罪を改正組織犯罪処罰法の中に新設したものです。

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 野党は、この法案に「平成の治安維持法」などとレッテルを貼り、徹底的に反対しました。安全保障関連法を「戦争法案」と呼んで反対したあの手法と全く同じです。日本の野党の未熟さここに極まれり、と言っても過言ではないでしょう。未熟というより、余りにも無責任です。
 そもそもこのテロ等準備罪の新設が必要なのは、世界的に頻発するテロを防止するためです。日本は、国連が採択した国際犯罪防止条約(TOC条約)を批准する前提として、この法律を成立させておくことが必要だったのです。
 世界各地で頻発する重大なテロ犯罪に対して、世界は共同して立ち向かわなければなりません。世界に拡散するテロを防止するためには、一国のみで頑張っても防止することはできません。テロ防止には世界各国の連携が必須要件なのです。なぜなら、テロ活動家たちは、国際的に連携し、秘密裏に国をまたいで情報交換や資金を融通し合っているからです。
 このため、日本では、過去3度にわたって、共謀罪として法案提出が試みられましたが、いずれも野党の反対で廃案になりました。こうした経緯を踏まえ、新たに「テロ等準備罪」として衣替えをして先の国会に提出されたのです。通信傍受や司法取引などを法案の対象外とすることにより、反対圧力を幾分なりとも弱めようとしたのです。

締約国は187か国

 前述したように、国際犯罪防止条約(TOC条約)については、すでに187か国がこの条約を締結しています。締結していないのは、日本を含め、僅か11か国にすぎません。日本以外の10か国は、イラン、ソマリア、南スーダン、北朝鮮、ブータン、ソロモン諸島、コンゴ共和国、パラオ、パプアニューギニア、ツバルです。これらの国をじっと眺めてみれば、さもありなん、ということが分かります。

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 内戦を抱えている国か、自らテロ行為を行っている国、あるいは、余りにも国土面積が小さくテロなどの心配のない国、そういう国ばかりです。先進国で締結していないのは、日本だけなのです。
 私は、個人的には、国連というものを信用していません。1945年に国連が発足して以来、37回の戦争が起きていますが、国連は戦争回避にはほとんど無力でした。なぜなら、紛争当事国には東西いずれかの利害関係国があり、双方が国連で拒否権を乱発するため、実際には、国連の紛争解決能力は機能していないからです。それどころか、国連人権委員会における国連特別報告者にみられるように、一方当事者の言い分だけを聞いて、悪意と偏見に満ちた報告をするなど、目と耳を疑いたくなるような行為もしばしばみられます。(注:この件については、社民党福島瑞穂議員の夫である弁護士が、彼ら特別報告者と内通し、文章作成に協力したことが知られています。)南京大虐殺など、全く存在しなかったことを、中国の言い分だけ聞いて世界記憶遺産にしたのも国連の機関です。ですから、国連の信用は既にガタ落ちといってもよいでしょう。
 それにも関わらず、私は、今回のいわゆるテロ等準備罪については、是非とも必要な法律であると考えています。

なぜ必要なのか

 テロ等準備罪が必要な理由としては、次のようなものが考えられます。

テロ等準備罪を新設することが必要な理由

①一つは、国際的なテロ活動は、世界的な広がりを見せており、各国が相互に協力しなければ、テロを未然に防止することはできないこと
②二つ目は、テロ資金の洗浄の防止です。テロ犯罪者たちは、規制の緩い日本を踏み台にして、テロ資金を融通したり資金洗浄したりすることを目論んでおり、今はそれを防止することができない状態になっていること
③三つ目は、その結果、締約国187か国は、日本をテロ支援国家と同列視する可能性があり、その場合には、テロ組織が口座を持つ日本の銀行は国際間取引ができなくなる可能性があります。また、日本企業も同様の扱いを受け、貿易に深刻な打撃を与える可能性があること
④最後は、3年後に控えたオリンピックはソフトターゲットとして、テロ組織の格好の標的となる可能性があります。このため、多くの国から参加をボイコットされる可能性があること

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 テロ組織は、国境という壁を乗り越えて、資金と情報を交換しています。警備当局が、テロ活動を行う組織と人物をきちんと把握し、その情報を相互に交換することは、犯罪の未然防止という観点からも極めて重要なのです。
 前述したように、日本は、3年後にオリンピック開催という国際的行事を控えています。テロ活動家たちは、ソフトターゲットとして、大勢の人が集まる劇場や野球場、サッカー場などを犯行現場として狙いを定めています。オリンピック以上に宣伝効果の高いターゲットはありません。しかも、開催国がテロ準備行為を取り締まる法律すら整備していない、となれば、これ以上の美味しいターゲットはありません。当然、オリンピック参加を辞退する国が続出するはずです。日本だって、逆の立場だったら、そんな危険な場所に選手を送り出すことはしない筈です。
 それほどに、テロ活動家たちは、インターネットの闇サイトなどを活用して、目まぐるしく世界中を動き回っているのです。

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テロは計画段階で把握することが必要

 野党の人たちは、一般人が捜査対象になる、とか、内心の自由が侵される、息苦しい監視社会になる、などと反対の理由を挙げています。中には、「居酒屋で冗談半分に言っていたことでも逮捕される」なんて、論調もありました。政府側は繰り返し、「一般人は100%対象にならない」と答弁しています。余りにも杞憂にすぎます。
 交通規則などもそうですが、違反をしようと思っていなければ、警察が怖いということはありません。野党、特に共産党や社民党が反対する理由はある程度分かります。破壊活動防止法によって、左翼団体が7つ、右翼団体が8つ指定されています。共産党や朝鮮総連は左翼団体として、既に破防法上「要監視団体」に含まれているからです。
 また、社民党は、これらの指定団体にはなっていませんが、沖縄基地移転反対闘争に率先加勢するなど、各地の反対闘争で共産党と連携しています。ですから、彼らが要監視団体の対象になることを心配するのは当然でしょう。
 私に言わせれば、共産党のように、自由と民主主義、それに私有財産制を共通項としてもたず、独裁国家を志向する組織が、政党という名の下で活動できていること自体、不思議でなりません。自由と言論の自由があるといっても、それは、自由と民主主義という旗の下でのみ、認められる権利だからです。共産党は、その理念からして、政党活動が否定されて然るべきだと思います。共産党の歴代委員長も、誰一人党員による選挙で選ばれた者はいません。北朝鮮と同じシステムです。

野党はストーカー法では推進派でした

 ストーカー法は2000年11月24日に施行されました。埼玉県桶川市で起きた女性殺害事件を契機に成立したものです。当時、日本の刑法は、犯罪行為がなされた場合に処罰するというものでした。殺人や傷害など、具体的な犯罪行為がなければ犯罪として罰せられなかったのです。被害女性は、身の危険を感じ、何度も警察に相談に行ったにも拘らず、警察は動かなかったのです。「犯罪行為の着手があった時に警察に来てくれ」というわけです。犯罪行為の着手は凶器を購入した時点なのか否かの法的判断はあるとしても、被害女性の立場からすれば、身の危険を感じる付きまとい行為の段階から、取り締まってもらわなければ、安全は確保されません。

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 このため、犯罪行為に着手する前、つまり「犯罪の準備段階」で処罰できるようにしなければ、犯罪の未然防止にならない、という当然の論理が説得力をもち、法律として成立したのです。この時は、野党も、ストーカー法には全面的に賛成しました。でもその成立時には、女性は既に天国に召されていました。
 テロ等準備罪も、基本構造は全く同じです。テロを実行しようと目論んでいる組織、団体が具体的な準備を始めているというのに、「実際にテロ行為が生じなければ、警察は動けません」と言っていたのでは、国民は安心して生活をすることなどできません。
 ストーカー法と同じく、テロの準備段階できちんと対処できるようにするのは、国際的な常識なのです。テロ行為を実行するためには、互いに相談し、資金を調達し、資機材を購入したりします。爆弾などを製造するかもしれません。あるいはトラックなど車等を武器とするため、レンタカーを借りるということもあるかもしれません。悲惨な犯罪を防止するためには、事前に情報をキャッチすることも許される、というのが諸外国の常識です。
 でも、日本は、スパイ防止法もないお気楽天国ですから、スパイを含め、外国勢力は活動し放題です。今回のテロ等準備罪でも、通信傍受や司法取引を法案に含まれていません。通信傍受ができないようでは、中途半端な抑止力しか発揮できないかもしれません。
 また、具体的に、どのような行為が行われた時を準備行為とすべきかは、きちんと詰める必要があります。そういう部分を詰めていくのが国会論議というものです。最初から、絶対反対ありきですから、議論が全くかみ合わないのです。

世界基準に合わせる

 日本にもいわゆるテロリスト3法というものがあります。「(犯罪)収益移転防止」、「テロ資金凍結法」、「犯罪資金提供防止法」がそれです。しかし、これら3法は、実質的に取り締まりの対象を暴力団に限定したものであって、テロリストを対象としたものではありません。
 これらの法律によって、暴力団やその構成員は、銀行口座作れない、ローンが組めない、公営住宅に入居できない、年金等の社会福祉が受けられない、といった制約を受けています。銀行口座を開く場合は、「私は反社会的な団体に所属していません」と誓約をすることになっており、これに違反した場合は、明確に「詐欺罪」として立件できるようになっているのです。
 今回成立したテロ等準備罪により、暴力団ばかりでなく、テロ行為を行おうとする者にも、これらの行為、すなわち、テロリストにお金を貸したり、不動産を貸したりする行為が禁じられ、それらの組織団体の銀行口座が廃止される、ということになります。
 今は過激派や日本共産党は含まれていません。日本がパレルモ条約を批准すると、今後は暴力団など反社会的勢力だけでなく、赤軍や極右勢力などが入ってくる可能性が出てきます。テロを防止するためには、当然の措置だと思います。テロ防止に関しては、世界基準に合わせるのは合理性があります。
 世界を震撼させた2001年のいわゆる9.11事件を契機として、国連安保理決議1068が発令されました。この安保理決議は、実際の制裁権限を持っています。更に、安保理決議1373によって、「国際社会の持つすべてのリソースをもってテロと戦う」として、FATFという機関にその制裁権限を与えています。
 FATF(Financial Action Task Force:金融活動作業部会)は、1990年に資金洗浄対策の国際基準ともいうべき「40の勧告」を提言し、汎世界的な資金洗浄対策ネットワークを構築しました。アジア太平洋、カリブ海、ヨーロッパ、南東アフリカ、南米、ユーラシア、中東・北アフリカ、西アフリカ地域にあるFATF型地域体などと協力して、テロ資金供与及び関連する資金洗浄の犯罪化、テロリストの資産の凍結・没収などの活動を行っているのです。
 また、G20首脳宣言を受けて、マネーロンダリングやテロ資金供与対策が不十分な国を公表するなどしています。これを守らないと、今後は、日本人が海外旅行ができなくなったり、企業が海外との取引ができなくなる事態が生じる可能性があるのです。
 ここでは簡単に書きましたが、実際にこれらが発動されたら、大変なことになります。海外旅行は禁止され、経済も完全に窒息します。海外との取引ができないんですから当然です。
 このような深刻な事態が予想されるのに、メディアは、これらのことについて一切言及しようとはしません。野党と一緒になって、連日感情的に反発をしているだけなのです。

答弁能力を欠く金田法相

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 今回のテロ等準備罪の法案をめぐる政府側の対応は、私の眼から見てもかなり低級でした。金田法務大臣は、大蔵省の主計官まで務めた官僚出身ですが、答弁内容は余りにも稚拙で答弁能力を欠いていたと言わざるを得ません。安倍総理も、重要法案を担当させるにあたって、力量不足であることを見抜いていなかったようです。
 さすがに答弁者を官僚に変えるべく、刑事局長を答弁者に変えましたが、民進党などはこれに強く反発しました。「直接、大臣に答弁させろ」、というわけです。
 しかしながら、法案の審議は、実務に長けた官僚が一番中身を知っているわけですから、何でも大臣に答えさせるということ自体が間違っています。悪しき習慣の極みです。大臣は、大局的見地から判断し答弁すればよいのです。詳細は実務家に答えさせる方が、質問者にとっても好都合なのです。
 野党側は、脳梗塞を患った金田法相に直接答えさせ、失点を集中的に攻めることによって世論を喚起し、廃案に持ち込もうとしたわけです。
 民進党が民主党として政権をとった時にもとんでもない大臣がいましたね。田中真紀子さんの言動もひどかったけど、夫の田中直紀防衛大臣の答弁は、悲しくなるくらいにひどいものでした。柳田稔法相の、「法務大臣は楽です。この二つを覚えていればいいんですから」なんてものもありました。自分たちが政権党にいるときは、これ以上にひどい惨状だったことをすっかり忘れてしまったようです。

委員会採決の省略は国際社会への緊急措置

 今回のテロ等準備罪の成立直後に、内閣支持率の調査が行われています。各紙、各局の調査結果で共通していたのは、安倍内閣の支持率が低下していたことです。しかしながら、野党、特に民進党の支持率は上向いていませんでした。
 テレビや新聞報道がテロ等準備罪法案に反対の大キャンペーンを張っていたのにです。このことは何を意味するか。一つは、テロ等準備罪のもつ意味、その効果といったものが国民にいまいち理解されていなかった、ということです。なぜ理解させなかったのか、それは、野党は廃案に持ち込むことだけが狙いであるため、本質的な議論が行われなかったということです。
 本来、その溝を埋めるのがマスコミの役割です。一般の国民にとって、国会中継は、なかなか見ない。国会の場で説明しようとしても、野党は、「治安維持法の再来だ」とか、「総監視社会になる」、「内心の自由が侵害される」だの、抽象的な物言いで、印象操作ばかりに終始していました。
 マスコミも、概ね反対する立場から、「なぜテロ等準備罪が必要なのか」ということについて、丁寧な説明をしていませんでした。
 これでは国民にこの法案の必要性、重要性が伝わるはずがありません。もっとも、マスコミは反対の立場から、洟から情報を伝えようという気などなかったのです。問題の焦点は、むしろ加計学園問題でした。政権を追い込むには、テロ対策法よりも、加計学園の方が効果がある、と踏んだのでしょう。
 国会の審議は30時間を超したということで、自民党は、委員会採決を省略して、本会議で採決を行いました。野党は国会の延長を求めていましたが、その前から廃案に持ち込むべく、金田法相不信任決議案やら鈴木委員長解任決議案などを提出していましたから、もともと真摯な議論などしようという気はありませんでした。ですから、委員会採決を省略して本会議で採決したこともやむを得ない措置というべきでしょう。

支持率低下に一喜一憂しない

 法案の採決後に行われた世論調査の結果によると安倍内閣の支持率はかなり低下しました。しかし、野党の支持率が上がったというわけではありません。特に民進党の支持率は、逆に低下したのです。
 各年代別の内訳をみると、高齢者層に支持率低下が多く、若い世代ほど支持率が減少していないことが分かります。このことは何を意味しているのでしょうか。高齢者が得る情報源は、テレビや新聞に限られるのに対して、若者世代は、スマホやパソコンなど、ネットからの情報源が多くなっていることを意味します。ネット情報では、テレビなどのように、大手マスコミに支配されず、衡平な情報源が沢山あります。若者世代は、こうしたネットから、物事の本質をとらえているのです。

弁護士有志が法案賛成で立ち上がる

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 弁護士の集団である日弁連は、最近、野党と同じく、極めて左翼化していると感じていました。日弁連会長も常に野党側に身を置き、政府批判に明け暮れていました。今回のテロ準備罪についても、日弁連の意見書は法案に反対でした。反対の理由は、「テロ対策については既に国内法上の手当てが十分になされている」というものでした。テロ対策が国内法で既に十分になされているなんていう発想、どこから出てくるのでしょうか。共産党や社民党の発想と全く同じではありませんか。最近では、日弁連という名前を聞くと、「あ、どうせ共産党や社民党と同じ意見だな」と思う習慣がついています。
 ところが、今年3月6日、全国の弁護士有志130人が法案の必要性を訴える提言を発表したのです。彼らの代表が6日に東京都内で記者発表し、「日弁連は、法律家なら到底納得できない解釈で法案に反対している」「法案の必要性を広く社会に提言すべきだと考えた」と、語ったのです。
 久し振りに拍手喝采しました。私は、日頃から、日弁連は、どうして法律の専門家でありながら、野党と同じように、法律を歪曲して解釈するのか不思議に思っていたからです。とても法律の専門家集団の総意とは思えなかったのです。ですから、今回のこれら有志の発言は、まだ日弁連にも良識派がいるのだと、気持ちが晴れる思いで聞き入ったものです。(H29・6・26記)

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