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前川前文部次官の講演に問合せをしたことはいけないことなのか

前川前文部次官の講演に問合せをしたことはいけないことなのか

文科省が教育委員会に問合せ

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 名古屋市立中学校の授業に前文部科学次官が講演をしたことについて、文科省が市の教育委員会に対して、メールで問い合わせをしたことが問題になっています。
 文科省が問合せをしたのは、自民党文部科学部会の赤池誠章部会長(参院比例)が、文科省に講演内容を照会していたことが、その前提になっているようです。赤池議員は、自民党の文部科学部会の会長ですから、その職責上、文部科学行政に関し調査・研究など、関連分野に精通していることが求められます。
 その赤池文部科学部会長が、前川喜平前次官が公立の中学校で講演をしたというんですから、その内容について文科省に対して、問合せをしたというのは、自らの本分を尽くしたものであり、特段越権行為というわけではないと思います。まず、そのことを押さえておく必要があります。

誰が講演したかは重要

 前川喜平氏は、言わずと知れた加計学園問題に火をつけたいわば張本人です。その前川氏は、文部科学次官という文部科学行政の事務方のトップを務めた要人です。
 しかし、彼の一連の行動は、およそ教育行政の長として相応しい人物ではありません。歌舞伎町の出会い系バー「LOVE ON THE BEACH」に足繁く通い、そのことを恥ずかしげもなく「若い女性の貧困の実態を調査しに行っていた」などと宣っていた人物です。評論家の須田慎一郎氏が実際に現地で調査したところ、この店は、暴力団の経営する完全な管理売春の店だったそうです。しかも、この前川氏、前任者の次官まで連れ、二人で貧困の実態を調査に行っていたともいうんですから驚きです。
 その前川次官は、一連の文科省の組織的な天下り人事を指揮した中心人物として、責任を取る形で辞任しています。本来は、懲戒免職になってしかるべきところ、政権の恩情によって、辞任した人物なのです。8,000万円の退職金付きです。

面従腹背を信条とし行政を歪めてきた張本人

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 この前川前次官は、「私の信条は、面従腹背です」と公言して憚からない人物です。およそ文部行政の長として相応しくない人物であることは、この一言をもってしても明らかです。
 この人物は、辞任後、「加計学園の認可に政治的圧力があり、公正な行政が歪められた」として、マスコミにリークした人物でもあります。行政が歪められたか否かについては、見解が分かれるところではあります。が、前愛媛県知事、加戸守行氏の発言が真実を語っているというのは、衆目の一致するところでしょう。
 加戸氏は、四国にも獣医学部を新設したいと検討していたところ、加計学園が手を挙げてくれたため、その実現に向け、今治市長と二人三脚で奔走していた時の知事だった方です。ですから、当時からの経緯を十二分に承知している人物です。
 その前知事が、国会で極めて冷静に、「長年獣医学部を認めてこなかった文部行政が、国家戦略特区によって実現することになった。行政が歪められたのではなく、行政が正されたんです」と述べたんです。同氏は、更に「東京の有力な私学にも声をかけたが、けんもほろろだった。愛媛県にとっては、12年間、加計ありきだった。」とも述べているのです。
 それを阻害してきたのは、文科省が省内で定めた、単なる内規に過ぎない「告示」です。この告示の存在を根拠に、50年以上の長期にわたって、獣医学部の新設を認めてこなかったのです。この内規に過ぎない告示こそが、行政を歪めてきたのです。

このような人物が中学生に何を教えるのか

 このような品性下劣な人物が、まだ社会的意識の熟していない成長段階にある中学生の前で、一体何を語るというのでしょうか。自分の胸に手を当てて、「自分の子供にこのような人間の教訓を聞かせたいと思うか」問うてみたらどうでしょうか。私は、人間として唾棄すべきこのような人物に、絶対に自分の子供の前で講話などしてもらいたくはありません。このような人物を講師として招聘する、学校当局の姿勢こそ問われるべきなのではありませんか。もっとも、今のマスコミは、決してそのような方向からの指摘はしません。常に、政権、行政当局を批判するという視点からしか問題提起をしないのです。
 私は、この前川氏が私立学校で講演するなら、全く問題にする必要がない、と思っています。私立学校は、それぞれの学校に建学の精神、教育方針があってしかるべきだからです。「父母に孝行し、兄弟仲良く、夫婦相和し、学を修め業を習い」など、教育勅語を教えることも自由なのです。
 しかし、今回の講演は、「名古屋市立中学校」で行われたというのです。公立の中学校で、面従腹背を信条とし、出会い系バー通いをし、それを平然と貧困女性の実態調査などと宣い、更には、法に違反する天下りの陣頭指揮を執った人物に講演させる。
 これが普通の公立学校で行うことなんでしょうか。これに対して、疑問を持つことがいけないことなのでしょうか。教育行政に携わる文科省が事実関係を調査することも許されないことなのでしょうか。逆に、現場である公立学校は、一切の指示監督を受けない独立機関なのでしょうか。
 私は、今の文科省は不要な役所の最たるものだと思っています。少子高齢化社会のなかで、天下り先とすべく地方大学を乱立させ、教育の質の低下を招いているだけのくだらない組織だと思っているからです。それでも、その組織がある以上、教育行政にそれなりの関心を持つのは当然です。発育段階にある子供たちに、面従腹背を信条とするような人物が講演することに関心を持つのは、職務上、当然のことです。

マスコミは一方的すぎる

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 毎度のことですが、マスコミの取り上げ方は、余りにも一方的です。文科省に問い合わせたのが赤池氏だと分かると、マスコミが押し掛け、非難めいた取材を行っています。本当に気の毒です。
 私だって、このような教育に相応しくない人物が公立中学校で講演をしたと聞いたら、怒りを禁じ得ません。文科省が、問い合わせたのは、「どのような内容の講演だったのか」というものであり、その限りにおいては、特段問題にすべきものではありません。
 ただ、今は財務省の書き換え問題で国会が揺れているために、その延長線上で、このことが必要以上に問題視されているだけです。
 前川氏の講演は2月16日、赤池氏側からの問い合わせは2月中になされたそうです。文科省が市の教育委員会にメールで問い合わせたのが3月1日と6日です。そしてこのメールの問い合わせがマスコミで取り上げられたのが、確か17日頃でした。財務省の書き換え問題に合わせて、一斉に問題視したというのは、単なる偶然の一致なのでしょうか。

 
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