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哀れ、目黒女児虐待死事件

哀れ、目黒女児虐待死事件

またまた起きた幼児の虐待死

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 私用で田舎に帰郷していたため、このブログ、少し時期遅れの話題になってしまいましたが、東京目黒区の5歳女児、船戸結愛(ゆあ)ちゃんの虐待死事件、本当に可愛そうでしたね。僅か5歳の児童が書き綴った次の文章、誰しも涙なしには読めなかったはずです。

結愛ちゃんがノートに書き綴った文章

もうパパとママにいわれなくても しっかりとじぶんから きょうよりかもっともっと あしたはできるようにするから もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします
ほんとうにもうおなじことはしません ゆるして きのうぜんぜんできてなかったこと これまでまいにちやってきたことをなおす
これまでどんだけあほみたいにあそんだか あそぶってあほみたいだから やめるから もうぜったいぜったいやらないからね ぜったいやくそくします
あしたのあさはぜったいにやるんだとおもって いっしょうけんめいやるぞ

 両親は、結愛ちゃんに十分な食事を与えず、2月下旬には父親である船戸雄大から暴力を受け、極度に衰弱していたのに、放置していたために死亡したというのです。死因は、低栄養や免疫力低下で引き起こされた肺炎による敗血症だったそうです。
 報道によると、父親である船戸雄大は、真冬にシャワーで冷水を浴びせたり、ベランダに放置したりする虐待を繰り返していました。結愛ちゃんの足の裏には凍傷まであったというんです。
 両親は、「モデル体型にする」と、結愛ちゃんの食事を制限し、朝食はスープ一杯、昼食はみそ汁をかけた茶碗3分の1程度の米、夜は茶碗半分程度の米だったそうです。しかも、その貧しい食事さえ、一食しか与えない日もあったというんですから驚きです。
 両親と弟とは別の室内灯も暖房もない部屋で寝起きさせられ、朝4時起床を義務付けられ、平仮名の練習をさせられたということです。電気もない部屋で、4時起きを強いられ、平仮名の練習を強要される。もうこれはいじめというレベルではなく、「拷問」そのものと言ってもよいでしょう。
 結愛ちゃんが亡くなった時の体重は5歳児の平均体重19キロを7キロも下回る12.2キロだったそうです。

▶▶▶関連動画(abemaTV)

単純殺人より憎むべき殺人事件

 私は、このような事件が起きるたびに、親を張り倒してやりたい衝動にかられます。同時に、このような虐待をした親は、凶悪な殺人犯と同じ重罪に処していただきたい、と強く願うものです。なぜなら、親は、単に、子の養育義務があるというだけではなく、有無を言わさぬ圧倒的な力の差があるからです。しかし、今回のこの事件、警視庁は、既に「傷害罪」として起訴済みだというんです。こんな馬鹿な話はありません。このような苛烈な方法で死に至らしめた行為が、どうして殺人罪でなく、傷害罪なのでしょうか。全く理解不能です。
 大人を虐めたというのではなく、相手は幼子です。弱い者いじめの極致ではありませんか。単なる殺人罪よりもより責任の度合いが大きい、と感じるのが健全な社会常識というものです。

またしても再婚による父親の狼藉

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 父親は、本当の親なのかと訝しんでよく見ると、やはり実の親ではなかったんですね。再婚だったんです。別に再婚が悪いわけではありませんが、人間というのは、実の子供でないと、これほどまで冷酷になれる動物なのでしょうか。
 母親は、父親である船戸容疑者に「厳しすぎる」と注意することもあったようですが、船戸容疑者の言うとおり、結愛ちゃんの平仮名が上達したため、黙認するようになったそうです。それでも、実の娘なら、父親の目を盗んででも、食事をさせるとか、何らかの庇護措置がとれなかったものでしょうか。日本人は、その最小限の母性さえも、失ってしまったのでしょうか。せめて結愛ちゃんが生きているなら、父親は終身刑、母親は短期刑で放免し、再度、子育てに戻ってほしいと思いますが、時すでに遅しです。本当にやり切れない事件でした。

連携すれば防止できたはず

 結愛ちゃんの家族は、東京の目黒に越してくる前は、香川県に住んでいました。香川県に住んでいた当時、父親は結愛ちゃんに対する傷害容疑で2回も書類送検されていたんですね。通常、子供に対する傷害容疑で2回も書類送検されるなんてことは、正に異常事態と言ってもよいでしょう。
 当時、香川県の児童相談所は、虐待の疑いがある保護者として、「専門家の指導を義務づける行政処分」も行っていました。ところが、養育環境が改善されたとして今年1月に処分を解除していたんです。

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 その後、一家は東京に転居しますが、その時、香川県の児童相談所が品川の児童相談所に連絡をしています。このため同相談所は、船戸家を訪問しますが、母親から面会を拒否されてしまいます。
 このような児童虐待のケースでは、ほぼ例外なく、本人との面会を拒否するというのが、通例と言ってもよいでしょう。真実が分かってしまうからです。任意の面会では、実態がつかめない。
 過去にもこのような悲しい事件があったため、児童虐待防止法や児童福祉法の改正などの改正がなされました。強制的に家庭内に立ち入ることができるようになったのも、その一つです。法的な手続きも簡略化され、警察官の同行も求めることもできるようになったのです。このように法的な体制は、既に整っているのです。
 ところが、今回は、母親に拒否されたというだけで、強権を発動せず、引き下がっています。これでは実態はつかめません。特に今回のように、引っ越し前の家で、2回も書類送検をされているんですから、赤丸特筆の要注意人物と言ってもよいでしょう。しかも、母親が面会を拒否したというなら、なおさら「これは怪しい」と考えるのが常識というものです。
 この点で、私は、品川児童相談所の責任は、極めて重いと思います。児童相談所として、できること、やるべきことを怠ったことは明白だからです。

小池都知事の無責任ぶり

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 今回の事件を受け、小池都知事は、新宿区の児童相談所を視察した際に、次のように述べています。「どうやれば全国での情報共有がスムーズにいくのか。全国統一のルールを国のほうで作ってもらえないか」と。
 何を言っているのでしょうか。情報は、香川県から提供され、それに基づいて一家の訪問もなされているんです。前居住地の児童相談所からきちんと報告を受けているにもかかわらず、今回の事件が起こってしまったのです。つまり、品川児童相談所が、法律で認められている強制立ち入りや、警察官の同行を要請しなかったことが原因なのです。
 「どうやれば情報共有がスムーズにいくのか」とか「「全国統一のルールを国の方で作ってもらえないか」とか、いうレベルの話ではないのです。小池知事は、現在の法体系の中で認められている権限を適切に行使しなかった、それが原因だということに気づいていないのでしょうか。
 この知事は、常に責任を自分以外に向け、自分自身はいささかの責任を感じない、無責任な為政者と断じてよいでしょう。無責任に築地の豊洲への移転を確たる根拠もなく延期し、オリンピック開催に必要となる環状道路の完成を遅延させ、莫大な損害と関係者に迷惑をかけました。あげく、風に乗って国政選挙のための政党を立ち上げ、形勢不利と見るや無責任にそれを放棄しました。無責任知事ここに極まれり、とはこのことです。
 敢えて言います。結愛ちゃんは、小池知事並びに児童相談所の事なかれ主義体質の職員達によって殺されたと言っても過言ではないのです。(H30・6・20記)

▶▶▶小池知事の言い訳は→こちらから
(動画が削除された場合は、「小池知事・目黒女児虐待死 会見」で検索してください)
▶▶▶関連動画(立川志らく:炎の論客)
▶▶▶関連動画(江原啓之氏コメント)

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