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大西つねき氏、政府通貨発行で国債残高は10年でゼロに!

大西つねき氏、政府通貨発行で国債残高は10年でゼロに!

日本は世界一の金持ち国のはず

 今の日本、不思議なことで溢れています。日本は3兆ドル(約339兆円)の対外純資産があり、「ダントツ世界一の金持ちの国」だと喧伝されています。
 それなのに、世の中を見渡すと、それに反するような話で溢れています。やれ国の財政は借金漬けで首が回らない。国の借金はすでに1,000兆円を超し、1人当たり800万円以上の借金を抱えている。だから消費税を10%にしなければ予算を組めない。しかも国の借金は、毎年増える一方だ。

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 年収をみても、厚労省白書によれば、世帯主が40歳台で年収300万円未満の世帯の割合は、2014年までの20年間で11%から17%に増えたとのことです。こういう低所得世帯が、20年間で1.5倍も増えたというのです。生活保護世帯も、毎年、右肩上がりで増えています。自殺者も、一時の3万人超よりは低下したというものの、依然として2万人以上をキープしています。
 ここでの疑問は、ダントツ世界一の金持ちの国だというのに、なぜ日本には低所得者=貧乏人が溢れているのか。なぜ、国は借金で首が回らないのか。なぜ20年以上もデフレで苦しんでいるのか。なぜ繰り返し消費税を上げなければいけないのか。世界一の金持ち国だと言うなら、そのお金は一体どこにあるのか。このような疑問が、次から次へと湧いてくるのは当然のことです。

対外資産をなぜ持ち帰らない

 金持ち国という場合、そのお金は、そもそもどこにあるのか。それは外国に置いてある、というのが正解です。ならば、そのお金を日本に持ち帰って日本人のために使ってくれ、と思うのは国民として当然のことです。でも、それは簡単には出来そうもないようなんですね。

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 その理由は、「外国に持っているお金」というのは、基本的にドル(一部ユーロなどもありますが)です。日本に持ち帰るためには円に交換(両替)する必要があります。日本国内でドルは使えません。大量のドルを円に交換するということは、実質的に「ドル売り円買い」ですから、円高要因になります。円高になると、輸出企業は不利になります。
 このため、過去に、急激な円高になると財務省が市場介入し、円安方向に誘導しました。米国のようなドル基軸国も、大量のドル売りを嫌います。仕方なく、日本企業は、稼いだドルは、そのまま外国で使うことになります。外国で工場を建て、外国人労働者を雇用します。その結果、利益が出て、益々ドルが溜まり、対外資産ばかりが増えていく。とまあこういう構図です。
 しかし、これでは、日本に住んでいる私たちの雇用が生まれず、賃金も増えません。賃金が増えなければ、需要は喚起されず、生活も向上しません。このような典型的なデフレ状態に、日本国中が、20年以上も呻吟しているのです。
 とどのつまり、貧困層の拡大と国家財政の大赤字、というのでは到底納得できません。使いきれないほどお金が一杯あるというのに、神棚から下ろして使うことができないというこの現状、「何かがおかしい」「何か解決策があるのではないか」と誰でも思いますよね。
 そのことにズバリ回答を示してくれたのが、大西つねき氏です。彼の経歴は別掲で見ていただくとして、外資系企業で働いただけあって、日本の金融、お金の本質について、確固とした信念を抱いています。
 私は、気になって、彼の動画や対談、講演会などをYoutubeを検索して何度も視聴しました。弁舌が爽やかすぎるところが、ちょっと気になりますが、主張自体は極めて筋が通っていると思います。これまで高橋洋一、上念司、三橋貴明、藤井聡、藤井厳喜、田中秀臣各氏などの動画もよく見てきましたが、一脈相通じるものがあります(こういった反財務省の人達が地上波テレビに出演できないことが日本のガンですが)。
 大西つねき氏の主張は、極めて論理的でかつ明快で、お金の本質と、日本の借金問題の解決策について、具体的に説明していると思います。敢えて、ここに掲載し紹介する次第です。

大西つねき流日本の借金問題の解決策

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 大西氏は、日本の労働生産性は世界一高い、逆に、アメリカの労働生産性は世界一低い、と言います。まず、ここからびっくりします。私たちは、アメリカやヨーロッパの方が生産性が高く、日本の生産性は低い、と信じて、いや、信じ込まされてきたからです。
 また、大西氏は、「日本人はお金の発行の仕組みを知らない。お金は記憶媒体、単なる貸し借りの情報に過ぎない」、と言います。例えば、A氏が100万円のお金を銀行に預ければ、銀行はそのうち1万円(1%)だけを日銀に預け、残り99万円は貸し出しに使う。B氏がこの99万円を借りようとすると、銀行はB氏に新規口座を作らせ、そこに99万の預金を振込みます。振り込むと言っても、現金を渡すわけではありません。通帳に99万と記帳するだけです。つまり、電子媒体で記帳するに過ぎないのです。

図2

 この時点で、当初100万円のお金が199万円に増えたことになります。100万円が「信用」によって膨らんだだけで、市中の現金がそれだけ増えたわけではありません。預金通帳にその数字が記憶媒体として記載されただけです。銀行はさらにB氏の預金99万円のうち、9,900(1%)円を日銀に預け、残り980,100円を誰かに貸すことができます。これを繰り返していけば、計算上、100万円の預金が1億円に膨らむという訳です。
 これがお金が増え続ける仕組みです。現在の金融システムは、このようにしてお金が回る仕組みの下で動いています。換言すれば、お金は増え続けないと回らない仕組みになっているというわけです。でも、お金が永遠に増え続けなければ回らない、などということがありうるのか。大西氏は、「そんなことはあり得ない」、と断言します。
 このお金の仕組みについては、次の動画で理解を深めてください。

▶▶▶基礎知識:お金の発行の仕組み           
      

国の借金800兆円を消す方法

 大西氏は、消費税の増税など税収増によって国の借金を返すことは、事実上不可能だと断言します。また、財務省の主張するプライマリーバランスを図ることによっても、国の借金を返済することもできない、と主張します。その説明についても、次の動画でご覧いただく方が理解が早いと思います。

▶▶▶(動画)国の借金800兆円を10年で返済する方法

 大西氏は、究極の解決策として、毎年、政府通貨100兆円を発行することによって可能だと言います。政府通貨は、1兆円の政府通貨100枚として発行してもいいし、100兆円の政府通貨1枚でもかまわない、と言います。この政府通貨を日銀に渡し、日銀はそれを金庫に保管しておけばそれでいい、と言うのです。この説明方法は、経済評論家上念司氏と基本的には同じです。
 国は、これを発行したことによって、政府予算に100兆円を計上すればよい、というわけです。
 これ以外の税収やその他収入、そして社会保障費や公共事業費、防衛費など、支出項目は、例年通りです。この処理をすることにより、国の貸借対照表から、毎年、80兆円ずつ国債残高が減少していく、というわけです。毎年80兆円ずつ国債残高が減って行けば、10年で、国債はすべて完済できるというのです。
 そんな魔法のような方法が可能なのか、誰でも疑問に思うはずです。私もキツネにつままれたような気持ちになりました。
 しかし、この手法は、上念司氏も基本的には同様の説明をしていました。

▶▶▶さらば財務省その1 
▶▶▶さらば財務省その2          

この解決法に問題はないのか

 この解決策については、経済の素人として、さまざまな疑問が湧いてきます。私なりに考えられる疑問点は、次のようなものです。これに対する大西氏の回答要旨を→印で表示しました。
         
▼政府通貨と既存の紙幣との混同は生じないか
 →発行された100兆円の政府通貨は、日銀の金庫に入ったままで、出てくることはないので混同することはあり得ない。
▼金庫の中の政府紙幣は今後どうなるのか。いつ償還されるのか。
 →そのまま置いておく。半永久的に。
▼国債には利息がつくが、政府通貨に利息はつかないのか。
 →つかない

画像の説明

▼ハイパーインフレにならないか
 →政府通貨を発行しても、マネーストックは変わらない。100兆円の政府通貨を10年間発行し続けても、たかだか200兆円増えるにすぎない。この程度なら、せいぜい年平均2%程度の物価上昇に過ぎない。これをハイパーインフレとは呼ばない。
 そもそもハイパーインフレになるのは、極端なモノ不足の国の場合である。今の日本はそれに程遠い。需要も少ない。経常収支が黒字の国はならない。日本は世界一の経常黒字国である。つまり、世界一ハイパーインフレになりにくい国である。
▼円が暴落することにならないか
 →円が暴落するのは、円が多すぎた場合の話。日本は対外純資産を349兆円持っている。他方、アメリカは、947兆円の対外純債務国。すでに世界中にドルが飽和している状態。世界中にドルがバラまかれているのだ。心配する必要があるというなら、円ではなくドルの大暴落こそ心配すべきである。円安でなく、円高をこそ心配すべきなのだ。
▼国債が暴落する心配はないのか
 →政府通貨の発行は、国債をチャラにするという話ではなく、政府通貨で国債をきちんと償還するということ。これまで国は、国債の償還を借金で賄ってきた。それを政府通貨に置き換えたところで何が変わるというのか。それで国債が傷つくなどということはない。
 すでに日銀は400兆円以上の国債を買っている。他方、銀行は民間に貸したくても借り手がなく困っている。日銀が買い上げた有利子の国債を政府通貨に置き換えて行けばよい。
▼こういう方法が可能なら、税金もいらなくなるのではないか
 →税金には、税の再分配機能、社会保障機能などさまざまな機能があるから不要にはならない。再分配機能がなくなれば、貧富の格差を是正することもできなくなる。また、社会保障などもできなくなる。また、税には国の形を造るという機能もある。相続税には、先祖代々お金持ちという不合理をなくせるし、負の連鎖を断ち切るという機能もある。
▼海外に悪影響をもたらさないか。また、外国から無責任だと非難されないか。
 →
▼これが可能だというなら、外国でも同様の手法が可能になるのではないか
 →既にいくつかの国が、このことに気づき始めている。大きな変革が起きる可能性がある。対外資産を存分に持っている日本だからこそ、実行する価値がある。

この項の質疑応答について、詳しくご覧になりたい方は、次の動画からご覧ください。

▶▶▶政府通貨の疑問に答える(1)
▶▶▶政府通貨の疑問に答える(2)
          

大西氏の最終目標

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 大西氏は、自らの主張を実現するためには、国会に出て、他の国会議員の賛同を得、政府、内閣を動かす以外に方法がない、と考えておられるようです。既に昨年の衆議院選挙にも立候補しましたが、敢無く落選してしまったとのことです。
 私は、大西氏とは全く面識もありませんし、立候補したことすら知りませんでした。たまたまYoutubeを散策している中で、ふと目に留まった、というだけの出会いです。
 奇想天外、見方によれば狂人にも等しいこの発想は、しかし、間違っていない、と思います。私も、これまで財務省的発想では、日本の財政再建は出来ない、ということを常々主張してきました。しかも、財務省は、今後、国債を外国にも積極的に売っていく、との考えを持っており、マスコミを手籠めにして、国債の海外販売を本格化させようとしています。読売新聞は、平成30年11月22日から3日間、「インサイド財務省」という特集記事を組み、国債を外国にも引き受けてもらわないと国債が暴落するかのような記事を掲載しました。正に財務省の提灯持ち記事そのものです。(この記事がいかに正鵠を射たものでないかについては、下記記事「国債は暴落などしないし、借金だって問題なし」をご覧ください。)
 その行き着く先は何か。文字通り、日本沈没です。今は国債が日本国内で回っているからこそ、財政は健全(財務省は健全でないと言っていますが)なのです。外国人が日本国債を大量に持つようになったら、その時こそ本当にギリシャの二の舞になります。その危険性に関して財務省は余りにも感度が鈍すぎます。
 見も知らぬ大西みつき氏ですが、私は、このような人こそ、国会に送りたいと思います。そして、日本が本当の意味で、「お金持ち大国」に相応しい生活ができるようになることを期待しています。もっとも、私は既に後期高齢者になりました。大西氏が総理になられる頃には、この世にいないでしょう。しかし、子や孫の世代のためにも、このような有為の人材に活躍してもらわなければ、本当に、日本沈没になることは必定です。
 日本はダントツの世界一の金持ち大国です。ならばそれに相応しい生活をしようではありませんか。そのためにも、大西氏の活躍を心から期待しています。(H30・12・2記)

▶▶▶大西つねき氏「フェア党」公式ホームページ

▶▶▶関連記事「国債は暴落などしないし、借金だって問題なし」(高橋洋一・山口正洋(グッチー)対談」

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