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報道ステーションの沖縄県民投票報道の欺瞞

報道ステーションの沖縄県民投票報道の欺瞞

後藤健次発言は一方的

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 昨日、1月15日、夜の報道ステーションの番組で、沖縄の県民投票に関し、後藤健次が次のように語っていました。
 「民主主義にとって非常に問題だと思いますね。県民投票は県の条例に基づく投票なんですが、やはり民主主義というのは民意がどこにあるのか、日常的には全員が参加できないので、議員が代理で政治を行うということなんですが、こういう風にテーマがしっかりした問題については、是非みんなの意見を聞こうというのが民主主義の原点だと思うんですね。」
 この後藤発言は、サブキャスターである徳永有美の「同じ沖縄県に住んでいて、ある市の方々は投票できる、でもある市に住んでいたら投票ができない。これは解せない気がするんですが」という質問に答えたものです。
 一見すると、公平で真っ当な議論のように聞こえますが、決してそうではありません。
 要するに、この議論の前提は、沖縄の普天間基地を辺野古に移設させない、とする玉城デニー知事の意向に沿う極めて政治的なものです。玉城知事は、辺野古への移設反対を掲げて当選した知事ですから、基本的に、その際に県民の意思は示されおり、再度、民意を問う必要などないのです。
 当選後、知事は、普天間基地への移設は不当だとして、辺野古基地の埋め立て工事を「あらゆる手段を使って」阻止しようとしてきました。実際、知事は、辺野古の埋め立て工事着手に抗議するデモにも参加し、反対演説をしたりしています。
 その知事が、普天間飛行場の辺野古への移設の是非を問う県民投票条例を制定し、今年2月24日に投票を実施しようとしているのです。知事という中立公正であるべき立場ではなく、あくまでも辺野古移設を阻止する目的での条例制定でしかありません。
 この知事のやり方は強引であり、余りにも一方的です。仮に、投票により、移設反対の結論が出たとしても、国はその結果に拘束されるものではありません。なぜなら、この移設問題は、国の防衛政策そのもの、安全保障の問題であり、国の専管事項だからです。
 玉城知事のような極端な左翼思想に染まった知事が出てきて、県内のことはすべて差配できるということになれば、国防・国の安全保障政策など全く成り立たなくなるのです。

客観報道こそマスコミの使命

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 今に始まったことではありませんが、後藤謙次の発言は、物事を客観的に見る視点に欠けています。解説者として説明をするなら、次のような視点から行う必要があります。
①国防問題を、自治体が住民投票という形で行うことは是認されるのか、その法的根拠は何か。仮に、実施された場合、国はそれをどの程度尊重する必要があるのか。
②移設を巡っては様々な問題、論点がある。辺野古埋め立ての是非という二者択一のやり方だけで県民の意思が十分に反映されるのか。また、その際、普天間の危険性が除去されず、固定化してしまうことについてどう考えるのか。
③複数の市町村が投票に参加しなかった場合でも、県民投票を実施する意味があるのか
 など、広く問題提起をすることこそ、解説者の役割なのではありませんか。
 後藤謙次は、同番組の中で「今のVTRにもあったように賛成の人も投票したいという人も出てくると思うんですね。そういう人の投票権も奪っていいのか。そういう問題もあると思うんですね」とも述べています。
 当然ですが、現在の法体系のなかで、国防問題に関する是非を県民投票で問うことを是とする規定はありません。つまり、住民がどのような投票をしようと、国は、その結果に拘束されることはないのです。投票結果に国が拘束される必要がないというのに、5億5千万円もの経費を投じて実施する意味は何か。玉城知事の執念以外の何物でもありません。

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 更に言うなら、「投票権を奪う」というなら、国民は憲法で保障された憲法改正案についての投票権を、かつて一度も行使できないでいます。国家レベルで見るなら、このことの方が余程重大なのではありませんか。投票権を奪うというなら、こちらの方こそ強く言っていただきたい。「安倍の下では改正を認めない」とか、そういうレベルの話ではないのです。
 このように、この条例に基づく投票の意味は、最初から無理筋であることはわかっているのです。それにも関わらず、県議会で多数を占める立場を利用して、強引に県民投票条例を制定し、投票に同意しない市町村に対して、副知事が直接出向いて、投票を行うよう勧告する。このような強引な手法こそが問われなければなりません。
 後藤健次は、日頃の発言から、中立公正な立場ではなく、常に左寄りであることは百も承知しています。彼の発言は、一言で言えば、「朝日新聞的発言」あるいは「共産党的発言」と表現すれば、分かりやすいでしょうか。
 今更マスコミの偏向ぶりをあげつらっても仕方ありませんが、本当にこういう解説者が、さも中立的な装いで画面に登場する度に、強い違和感、不快感を覚えるのです。

県民投票不参加は5自治体

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 県民投票に不参加を表明している自治体は、1月16日現在、宜野湾市、宮古島市、沖縄市、うるま市、石垣市の5市です。約3割の住民が投票に参加しないということです。特に、普天間飛行場の地元である普天間市が不参加を表明しているのは象徴的です。
 玉城知事は、事あるごとに県民の民意だと言いますが、投票に反対する5市の民意には無関心です。民意がそれほど大事だというなら、これら5市の民意にも思いを致すべきは当然です。
 普天間飛行場の移設に関しては、すでに20年以上も前から、日米両政府、沖縄県、宜野湾市、名護市など、政治の場で多様な議論がなされてきました。その結果、移設先は辺野古に決まったのです。移設への反対は、これら先人たちの努力を無にすることでもあります。
 マスコミ人は、これらの経緯も踏まえ、客観的かつ中立的な立場で報道に携わっていただきたいものです。特に、偏向報道として著名な報道ステーションとサンデーモーニングに、そのことを切に願うものです。(H31・1・16記)(文中敬称略)

【参考】辺野古移設に関する安倍首相発言全文

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 まず誤解を解かなければいけないが、日本国民の皆さんも全く新しく辺野古に基地を造ることを進めていると思っている方が多いが、市街地の真ん中にある世界で最も危険な基地と言われている普天間を返還するためにどうしたらいいかということをずっと考えてきて、その中で普天間の返還を行うために、代替の基地である辺野古に基地を造りますよ、しかしその代わり世界で最も危険と言われている普天間基地は返還されるということであり、この計画を今進めている。
 民主党政権時代にも、最低でも県外という宣言をしたが結局どこにも持っていくことができずに辺野古に移設すると決まった。今その計画にのっとって作業を進めているのです。

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