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国連の世界幸福度調査で日本は58位、納得できますか?

国連の世界幸福度調査で日本は58位、納得できますか?

世界幸福度調査とは

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 平成31年3月20日、国連が「世界幸福度報告書」なるものを発表しました。余計なお世話、と思いつつも少し気になりました。その調査によると、日本の順位は、156ヶ国中58位、G7の中で最低だというんです。上位3分の1にも入っていない計算になります。
 この調査では、フィンランドが2年連続で1位になったほか、2位にデンマーク、3位にノルウェーが続くなど、北欧諸国が上位を独占しました。北欧諸国は福祉や教育が充実しているため、このような結果になったのでしょう。イギリスが15位、アメリカが19位というのも、私の実感からすれば、余り納得感がありません。特に、アメリカの場合、多民族国家として多言語が飛び交い、生活する上で多くの不便さがあります。また、銃規制がなく、原則誰でも銃を持てる。夜間の一人歩きは、男でも危険。そんな国が、日本より上位に来るというのは、幸福度というものの測定方法に問題があるとしか思えません。
 更に驚いたのは、25位の台湾、34位のシンガポールは一応いいとして、隣の韓国が日本より上位の54位だというんです。ええ~?!とビックリ仰天です。だって、超学歴社会で、トップクラスの大学を卒業してもロクな就職先もなく、韓国毎日経済新聞社調べによれば、国民の10人のうち6人が「韓国を出たい」、と思っているような国柄です。そんな国が、幸福度調査をすると日本よりも上位に来る。全くもって不思議と言わざるを得ません。また、韓国の高麗大アジア問題研究所、東アジア研究院、中央日報の調査でも、韓国の若者の半数が「国が恥ずかしい」と感じ、更に、「韓国人でいたくない」という国民が3分の1もいるというんです。そんな国の幸福度が日本よりも上位にいるって、この調査って何なの?と思うのは当然でしょう。
 自分の知人で、「日本を出たい」とか「日本を恥ずかしい」なんて言う人は寡聞にして存じません。日本は嫌いだから外国に行きたい、という話など聞いたことはないのです。それなのに、こういう序列になるというのは、一体どのような調査をしているのでしょうか。
 このランキングは、調査会社ギャラップの国際世論調査にある「自分にとって最良の人生から最悪の人生の間を10段階に分けたとき、いま自分はどこに立っていると感じるか」という質問への回答によって、幸福度をランキングしたものだそうです。
 それによると、幸福度は、①1人当たりのGDP=国内総生産、②健康に生きられる年数、③社会の自由度、④他者への寛大さ、⑤社会的支援、⑥政府やビジネスにおける腐敗のなさ、などを数値化したものなんだそうです。しかも、国連は、過去3年間のデータをもとに150以上の国や地域ごとに、これらの指数を算出しランキングづけしているとのことです。

そもそも幸福感とは何か

 そもそも人間にとって、幸福とはどのような状態のことを言うのでしょうか。お金があれば幸福なのでしょうか。お金があれば幸福なら、タイガーウッズやグーグルの社長、習近平などは幸福ということになるでしょう。また、日産のゴーン社長や美空ひばりなども幸福ということになるでしょう。

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 しかし、私には、彼らの生活を見ていて、決して幸福には見えません。今は落ち目になりましたが、タイガーウッズなど、美人の奥さんをもらって大邸宅に住んでいたものの、離婚・再婚を繰り返し、その都度莫大な慰謝料を払ったりしていました(多分)。常に、周辺にファンが取り囲み、のんびりする暇もないように見えました。習近平など権力者も、常に厳重な警護がつき、景色を愛でながら気軽に散歩をしたり、ふらっと飲み屋に立ち寄ることもできません。日産のゴーン元社長なども、高額な報酬をもらいながら、更に節税のため(?)住所を変えるなど、脱税(節税)のために腐心する実態があったことが暴露されています。
 こういう超有名人の生活を見ていて、私は羨ましいと思ったことは一度もありません。人間にとって、幸せなことは何か。それには社会的な要因と個人的な要因があるように思います。
 社会的な要因とは、治安や国の安全に関する事柄です。いくら個人が自由で楽しいといっても、安心して夜道も歩けない、外国からの侵害の危機に瀕しているというのでは、決して幸福とは言えません。また、病気になった時、安心して治療を受けられるような社会システムも重要です。
 個人的な要因としては、健康であること、働く職場があること、友人や家族に恵まれていること、近くに居酒屋やカラオケ店など趣味趣向の店があること、でしょうか。若い世代なら、衣類などお洒落な用品店や喫茶店なども魅力でしょう。
 私は、すでに後期高齢者ですから、職場は必要ありませんが、健康や友人、家族に恵まれています。家の近くに毎週通う居酒屋、カラオケ店もあります。
 これだけあったら、もう他に何もいりません。つまり、最大・最高の幸福状態なのです。野党からつまらない質問責めや野次の洗礼を受けている安倍総理よりも、私の方が遥かに遥かに幸せだと思っているんです。幸福というものは、そういうものだと思います。

強いて幸福の項目を列挙すれば

 幸福かどうかなど、本来、具体的に列挙すべきものとは思いませんが、念のため、思いつくまま、例示して見ます。私個人の視点というより、日本人全般として、幸福感を味わえると思われる項目です。
①治安が良い
 治安の良さは、恐らく世界一だと思います。女性が夜道を1人で歩ける国なんて世界のどこにもありません。今はかなり変わってしまいましたが、私の子供の頃、どこの家でも玄関に鍵をかけている家などありませんでした。それほどに安全な国だったのです。
②街がきれい
 日本の街は、都会はもちろん、どんな田舎に行ってもごみが散乱しているなんてところはありません。これは世界に誇るべき美徳だと思います。
③世界でトップクラスの長寿大国である
 健康で長生きは、人類普遍の願いです。それを実現している日本は本当に素晴らしいと思います。

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④国民の公徳心・道徳意識が高い
 世界中で、日本人ほど、公徳心・道徳観念の高い国民はいないのではないでしょうか。嘘はつかない、事実を曲げない、ネコババしない、といった徳性は世界に誇るべき徳目です。もっとも、最近は、オレオレ詐欺のような恥ずべき行為をする若者が出てきたことは誠に残念です。
⑤収入の格差が少ない
 日本では、大企業の社長も平社員でも、賃金格差が少ないとされています。大企業の社長と平社員が同じ食堂で食事をするなど当たり前の光景です。もっとも、ゴーン社長に見られるように、欧風化に伴い、これも最近は少しずつ変わりつつあるのは大変残念です。
⑥日本語がどこでも通じる
 北海道から沖縄まで、日本国内では日本語がどこでも通じるというのは、本当は大変ありがたいことです。外国に行くと、テレビ放送が数か国語で放送されているなんて当たり前の風景です。
⑦食べ物がおいしい
 日本では和食でも洋食でも、美味しい食事をすることが可能です。食中毒事件などめったに起きません。しかも、超一流の食事から、大衆食堂まで、その選択の幅が極めて広い。因みに、「ミシュランガイド東京2019」に掲載された宿泊施設・飲食店は全部で519軒。そのうち484店が飲食店です。三つ星と評価されたのは13軒、二つ星は52軒、一つ星は165軒という具合で、三つ星レストランは、本家のフランスパリよりも多いのです。もちろん、大衆食堂や居酒屋レベルでも、美味しい料理はいくらでも食べられます。こういうことが日本人の生活を、豊かで深みのあるものにしているのです。
⑧水が豊富にある
 日本はモンスーン地帯に位置している関係で、台風など災害も多いが、豊富な水資源にも恵まれています。水道の蛇口をひねれば、ペットボトルの水と同レベルの安全な水を得られます。こんな国は、世界にありません。
⑨四季があり緑が豊かである
 日本には四季があり、春夏秋冬、それぞれ豊かな緑に恵まれています。萌え出ずる春の息吹から秋の紅葉、晩秋、初冬の雪景色を味わえる日本は、本当に素晴らしい風土に恵まれていると思います。
⑩秩序と礼節を重んじる
 東日本大震災で経験したように、日本人は、未曽有の大災害時でも、食料の配布を受ける際、我先に争ったり、食料品店を襲ったりするような野蛮な行動はとりません。整然と並んで給付を受けます。このような秩序ある行動を取れる国民は、世界広しといえど、日本だけでしょう。
 以上、思いつくままに列挙しましたが、まだまだ誇れる項目があるはずです。人間の幸福とは、このような優れた国民、家族、近隣、自然があってこそ達成されるもので、日本人は、ほぼそのすべてを享受できているといっても過言ではないと思います。

国連が決めつけることではない

 このように、幸福というものは、あくまでも個人的・内面的なものであり、外部から客観的に測定できるようなものではないのです。それをいかにも客観的に測定したかのように公表する国連という組織。これほど眉唾のいい加減な組織はありません。国連とはUNITED NATIONSですから、本来は連合国、すなわち戦勝国側が勝手に作った組織に過ぎません。国連憲章では、第二次大戦中に連合国の敵国であった日本やドイツ、イタリアが、戦争の結果確定した事項に反したり、侵略政策を再現する行動等を起こした場合、「国際連合加盟国や地域安全保障機構は、安保理の許可がなくとも当該国に対して軍事制裁を科すことができる」、と定めているんです。今でもです。
 日本人は、戦勝国側が勝手に作り上げた、こんな屈辱的な国連を至上のものとして崇め奉る習癖があります。それは、日本占領教化政策であるWGIP(War Guilt Information Program)などを通じて、日本人に強要した戦後教育の弊害でもあります。本来、国連がなすべき最も大事な機能は、国家間の紛争の未然防止、及び紛争発生後の抑止機能です。幸福度などという、個人の内面に関する事柄まで調査し、公表するなどもってのほか、僭越と言うべきです。しかも、最重要な安全保障機能ですら、常任理事国と称する大国間の思惑で、常に相互に非難反対の応酬でまとまることがありません。
 今回の調査で、日本が58位と低迷しているのは、「人生の選択の自由度」という項目が64位、「社会的寛容さ」という項目が92位で、これらの項目が低位に貢献しているようです。人生の自由度や社会的寛容さが振るわない、と聞いて日本人に納得感があるでしょうか。
 今の日本で「人生の自由度がない」と感じる人がどれほどいるのでしょうか。会社員になるのも、公務員になるのも、自営業になるのも、基本的に自由です。高級官僚になりたいのになれない、というのは自由度の問題ではなく、能力の問題です。つまり、基本的に制限はないのです。
 「社会的寛容さがない」というのも、納得できません。日本では、誰がどのように生きようと、基本的に自由です。引きこもりになろうが、ホームレスになろうが、西成や山谷のドヤ街で焼酎を飲んでいようが、自由なのです。それが日本人の実感です。ホモだろうがレズだろうが、お好きなようにどうぞ、という社会です。ただ、基本法として憲法は夫婦という単位を社会の基礎単位として認めているということです。刑罰で禁じているわけではありません。
 唯一、社会的寛容さがないとすれば、多民族が大量に流入することには寛容でないかもしれません。しかし、これは、どこの国も大同小異であり、国家存立の問題でもあります。多民族国家として成立したアメリカでさえ、メキシコとの間に長大な壁を設けようとしています。欧州諸国も、異民族の大量流入により、大量殺人など弊害が多発し、移民を阻止する方向に動いています。これは、国家の安全保障の問題でもあるからです。

ブータンは不幸なのか

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 因みに、幸せの国ブータンは、この調査で何位になっているか分かりますか。95位です。日本のランクもひどいですが、ブータンはもっとひどい。同国は、経済的には決して豊かとは言えないと思いますが、2005年の国勢調査では、国民の97%が「私は幸せである」と答えているんです。
 幸せかどうかの判断はもうそれで十分だと思います。外部の人間が、勝手に指標に当てはめて「お前は幸福ではない」などという権利はないのです。ブータンでは、自分たちのルーツを常に忘れないようにするのと同時に、手仕事で作られる民族衣装を日常的に使うことで、民族衣装に使われる各地の織物の伝統を守っています。多くの国が、近代化の過程で西洋化し、自分たちの持つ素晴らしい文化や自然をなくしてしまいました。しかし、ブータンでは、海外の状況を知りつつも、自分たちの持つ素晴らしいものを知り、それに誇りを持つことが、ブータンの幸せにつながるのだ、という確信のもとに国家運営がなされているのです。
 こういう観点から見ても、国連の幸福度ランキングなど、余計なお世話というほかありません。

江戸時代の日本も幸せだった

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 幸福とはどういうものか、という点について、イギリス初代公使のオールコックが日本に赴任した時、次のように記しています。
「物質文明に関しては、日本人がすべての東洋の国民の最前列に位することは否定しえない。機械設備が劣っており、機械産業や技術に関する応用化学の知識が貧弱であることを除くと、ヨーロッパの国々とも肩を並べることができるといってもよかろう。
 中国人はそのうぬぼれのゆえに、外国製品の優秀さを無視したり、否定したりしようとする。逆に日本人は、どういう点で外国製品が優れているか、どうすれば自分たちも立派な品を作り出すことができるか、ということを見出すことに熱心であるし、また素早い。」

と述べた後、日本の農村についても、次のように書き残しているのです。

初代イギリス公使オールコックがみた幸せな日本人

 このよく耕された谷間の土地で、人々が、幸せに満ちた良い暮らしをしているのを見ると、これが圧政に苦しみ、過酷な税金を取り立てられて苦しんでいる場所だとはとても信じられない。
 ヨーロッパにはこんなに幸福で暮らし向きの良い農民はいないし、またこれほど穏やかで実りの多い土地もないと思う。

▶▶▶オールコックの見た日本人

 このオールコックが記述した江戸期の日本の光景は、現在のブータンにそのまま残っているようには思われないでしょうか。1859年に来日した当時の日本は、地震や津波、コレラの流行、井伊大老の暗殺、尊王攘夷派の浪士による外国人襲撃事件などが頻発した不安定な時期です。
 それでも、当時の日本人は幸せに暮らしていたのです。今のブータンの生活がそのままそこにあった、といったら言い過ぎでしょうか。
 いずれにしろ、私たち日本人は、機能不全に陥っている国連などの評価など気にせず、幸せ一杯の気持ちで生きて行きたいものです。(H31・3・28記)

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