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呆れた日本の防衛、宮古島駐屯地から武器弾薬を撤去

呆れた日本の防衛、宮古島駐屯地から武器弾薬を撤去

防衛装備品撤去に唖然

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 今年(平成31年)3月、宮古島に陸上自衛隊の駐屯地が開設されました。同月26日には、380人の警備部隊と先行配備したとのニュースを見て、南西諸島の警備も着々と進んでいることに安堵の胸をなでおろしていました。
 駐屯地を配備した翌日、3月27日付けの八重山日報紙は、次のように報じました。

八重山日報紙の報道(3月27日)
 宮古島市にある駐屯地で開かれた部隊編成完結式で訓示した陸上自衛隊第15旅団長の原田智総陸将補は『宮古島の防衛は極めて重要。わが国の安全保障に死活的な任務を担うことになる』と隊員を激励した。宮古島市の下地敏彦市長らも参加した。

 
 国防のための自衛隊駐屯地の配備ですから、武器弾薬など必要な防衛装備品を備えるのは言うまでもありません。実際に、中距離多目的誘導ミサイルや迫撃砲などを装備したようです。
 ところが、何と、自衛隊は、これら装備した防衛装備品をすべて島外に撤去したというのです。その理由は、「約束違反だ」として、地元住民の一部が反発したから、というのです。

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 たしかに沖縄タイムス紙は、社説で、次のように述べています。

沖縄タイムス社説

 陸上自衛隊宮古島駐屯地(千代田地区)に弾薬庫が整備され、中距離多目的誘導弾(ミサイル)や迫撃砲を保管していたことがわかった。防衛省はこれまで駐屯地には「小銃弾等」しか保管せず、弾薬庫は造らないと明言してきた。虚偽説明であり、弾薬庫を撤去すべきだ。

何というあきれた主張でしょうか。国の防衛を担う自衛隊に対して、「小銃弾しか持つな。弾薬庫は作るな。そういう条件で認めたんだ」というんです。中国政府が泣いて喜ぶような主張をするのが沖縄2紙、沖縄タイムスと琉球新報です。つまり、赤旗よりも赤い報道をしているのがこの2紙なのです。しかも、沖縄には、この2紙以外に有力な地元紙がありません。
 左翼勢力の反対の理由は、常に、一貫しています。「中国脅威論はない」「軍隊は増殖する」「軍事拠点は攻撃の対象になる」「環境に悪影響をもたらす」といった類のものです。岩屋防衛大臣の撤去命令は、これら左翼勢力の、言いがかりにも等しい主張に屈したというわけです。

一部に反対があるのは当然

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 警察にはピストルと警棒、それに駐在所が必要です。消防署には消防車と消防隊員が必要です。同じように、国を防衛する自衛隊には隊員と武器弾薬が必要です。猫に鰹節が必要というくらい、常識中の常識です。両者は密接不可分の存在です。自衛隊の駐屯地を作ることは認めたが、武器弾薬を置くことまでは認めていないという言い草、なんという詭弁でしょうか。
 この時思い出したのはシェークスピアのヴェニスの商人の一節です。そう、「肉は切り取っても良い。ただし、血は一滴も流してはならぬ。」です。そんな馬鹿な話はありません。生きた人間の肉を切ることを認めたが、血を流すことを認めた覚えはない。反対派の連中は、正にこれを要求しているのです。
 これは単に平和ボケ、というような生易しい言葉では表現できません。馬鹿を通り越して、狂人の類の主張です。数学者の小室直樹氏は、このあたりのことを、次のように喝破しています。

数学者小室直樹氏の戦争論

 「戦争をする」という行為は、国家の命題であって、個々人の命題ではない。日本には、それを全く理解せず、1人ひとりが「平和、平和」と念仏のごとく唱え、祈ってさえいれば、平和がくると信じ込んでいる。いわば平和念力主義者たちがあまりにも多い。
 私は、「戦争が国家の命題である」ということをわかっていないそうした人たちこそが、偽りの平和論を煽り、国民に真に有効な安全保障の対策を立てさせない、まことに危険な存在だという立場から、あえて「新戦争論」の副題を「“平和主義者”が戦争を起こす」としたのである。
 常識的な考え方では、皆がいい人になれば、社会全体がよくなり、また、すべての人が平和を欲すれば戦争は起こらない、という意見が正しく見えても不思議はない。しかし、数学的論理に従ってきちんと検証してみれば、いま述べたとおり、そんなものは嘘っぱちだということが、すぐに分かる。その意味でも、数学の論理というのはきわめて貴重なものなのである。(小室直樹著「数学を使わない数学の講義」(ワック出版)より)

 別に数学の論理でなくとも、私たちの一般市民の常識で考えても、「平和を祈っていれば戦争は来ない」など詭弁であるということは十分に理解できます。平和を祈っていれば戦争は来ない、という論理が通用するなら、事件や事故は起こらないと祈っていれば警察はいらない、ということになります。火災は起こらない、起こって欲しくないと祈っていれば消防署も消防車もいらない。交通事故は起こらない、と祈っていれば事故は起きない、ということになります。
 国際関係において、国と国との関係は、常に、極めて厳しい対立関係にあります。隙あらば盗ってやろうという悪辣な国家が蔓延しているのです。日常的に接続水域や領海への侵犯を繰り返しておきながら、「日中友好が大事だ」などとすり寄ってくる中国という覇権主義独裁国家。歴史を捏造し、国際的な約束事を反故にし、恬として恥じない韓国。他国民を拉致しておきながら、金を出さなければ返さないなどとすごむ北朝鮮という独裁国家。終戦後に突如、日ソ不可侵条約を破棄し、満州や南樺太、北方領土を侵略した旧ソ連邦。
 日本の周辺国はこのような国ばかりなのです。先ず、この現状認識が必要です。日本は、そういう国々と、日々対峙しているのです。

地元民も賛成していた

 しかも、今回の駐屯地建設に関し、すでに民意は示されていたのです。すなわち、今年(H31年)1月に行われた宮古島市長選挙で陸上自衛隊基地の受入れを表明した現職、下地敏彦氏が3選を果たしました。また、先に行われた衆議院選沖縄4区でも、陸上自衛隊配備推進を訴えた自民党の西銘恒三郎氏が反対派無所属の仲里利信氏に、宮古島市で8,000票の大差をつけて当選しているのです。
 同時に行われた市議選で、陸自配備反対派の急先鋒で、自衛隊への侮辱発言を繰り返した現職、石嶺香織氏は落選の憂き目をみています。
 このように、宮古島市民は、現実をきちんと認識し、国の防衛と安全操業の確保こそが重要である、ということをきちんと理解しているのです。
 また、宮古島は台風災害に悩まされる災害の島でもあります。過去に何度も重大な台風災害の犠牲にもなっているのです。災害復旧に絶大な力を発揮する自衛隊は、島民にとっても、きわめておおきな救いとなるのです。
 家族も含めれば、2,000人ともなる自衛隊家族による人口増加も期待されます。このことが、宮古島の経済活性化にとっても大きく貢献することは間違いありません。

岩屋防衛大臣の対応は誤りです

 そのような観点から見て、今回の岩屋防衛大臣の対応は、明らかに間違っています。岩屋大臣は、「(地元への)説明が不十分だった。おわび申し上げたい」と述べ、駐屯地に保管されていた中距離多目的誘導ミサイルと迫撃砲の全弾薬を島外に撤去した、というんです。
 つまり、国を守るべき軍隊が必要な装備を持たず、小銃弾などの軽装備しか持たないことになったというんです。呆れ果てて物を言う気もしない、とはこのことです。
 尖閣諸島への軍事侵攻を企て、沖縄も中国領だとさえ主張し始め、度々領海侵犯を繰り返している中国という現実の脅威を目の前にし、一旦配備した中距離多目的誘導ミサイルなどを撤去する。本当にこれが日本の防衛大臣なのでしょうか。
 地元の住民には、もちろん反対派もいるでしょう。活動家や中国からの工作員などもかなりの数紛れ込んでいる筈です。当然、彼らの声は大きい。ヤクザと同じで、彼らは少数でも声はデカい。その声に負けてしまったら、正義は通らないのです。
 島に暮らす多くの漁民は、日々、周辺を遊弋する中国軍艦の脅威にさらされ、安心して漁を行うことさえできない、という実情にあります。だからこそ、市長始め地元住民も自衛隊駐屯地の受入れを認めたのです。
 駐屯地は認めたが、小銃弾の軽装備しか認めていない、というなら、それは駐屯地そのものを認めないのと同じです。両者は、猫に鰹節と同じくらいに切り離せないものだからです。警察の駐在所は認めたがピストルを持たない丸腰の警察官しか認めていない。そんな非常識を認めてしまった、というのが今回の武器撤去問題です。

防衛は国家の問題であり自治の問題ではない

 小室直樹氏の指摘を俟つまでもなく、「国防は、国家の命題であって、個々人の命題ではない」のです。もちろん左翼勢力は、何を言っても、これを認めることはないでしょう。
 これらの勢力とまともに話をしても、所詮、無駄なのです。彼ら左翼勢力が言っている主張は、北朝鮮の金正日の主張と全く同じです。
 小泉訪朝によって、5人の拉致被害者が「一時帰国!」することになりました。北朝鮮は、「あくまでも一時帰国として認めたのに、北朝鮮に返さないのはけしからん」と息巻いたことがありました。しかし、他国の国民を不当に拉致したのは北朝鮮です。他国民を拉致しておきながら、返さないのは約束違反だと怒る、この感覚。真っ当な日本人からすれば、この北朝鮮の感覚こそがおかしい、理不尽である、ということが分かるはずです。
 誘拐犯が子供を拉致し、「一時帰宅を認めてやる。しかし(身代金を取れなくなるから)必ず戻せよ」と言っているのと、一体どこが違うというのでしょう。
 宮古島における「軽装備しか認めない」という一部地元民の主張も全く同じです。対中国を念頭に、南西諸島の警備を担当する自衛隊に、こんな主張をする住民は、正しく金正日と同じ主張をしているのです。そもそも国防、国の安全保障政策は地方自治の問題ではない、という基本認識を踏まえる必要があります。そうでなければ、国家の安全など全く成り立たないのです。

岩屋防衛大臣は大臣失格です

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 以上述べたとおり、今回の岩屋防衛大臣のとった行動、すなわち、中距離多目的誘導ミサイルや迫撃砲など、その主力装備の撤去という行為は、防衛大臣として全く見当違い。不当な要求、一部の声の大きい過激派組織、中国の工作員たちによる要求に屈したといわざるを得ません。
 岩屋大臣の今回の行動を見て思い出しました。彼は、日本の哨戒機P3Cが、日本海において韓国駆逐艦からミサイル攻撃の前提となるレーダー照射を受けた際にも、毅然とした態度を取りませんでした。本来なら、強い抗議の意思を示すべきところ、何か曖昧な態度に終始したのです。その際に、彼の優柔不断な性格が垣間見えました。
 安倍総理は、今回の件で、一刻も早く、本来の姿に戻すよう、岩屋大臣に命じるべきです。岩屋大臣がこれに従わないならば、自衛隊のトップは内閣総理大臣ですから、自ら、自衛隊に対して、一刻も早く撤去した装備品を元に戻すよう命じるべきだと思います。
 国の安全は断固として守る。その決意を見せず、地元の一部強硬派の意向のみにおもねる安全保障政策は、もう限界に達しています。ひとたび武力衝突の事態になれば、確固とした防衛力を持たない国がいかに悲惨で深刻な打撃を受けるのか、想像力の欠如した住民にきちんと説明することこそ、為政者の大事な務めなのではありませんか。(H31・4・10記)

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