時事寸評 書評コーナー

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今年こそ日本経済を成長させよう

今年こそ日本経済を成長させよう

世界最高の国ランキングで2位

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 謹賀新年。令和2年の御代が明けました。今年もよろしくお願いいたします。当方、後期高齢者。今年77歳になります。これほどの歳になると、ほとんど欲得もなく、平穏に過ごせることのみを希うばかりです。年初に当たり、子や孫たちのため、少しばかり日本の行く末のことを考えてみたいと思います。
 先日発表されたアメリカのU.S. News & World Reportというアメリカの雑誌が、「世界最高の国ランキング」なるものを発表しました。この雑誌社は、グローバル大学ランキングや高校ランキングなどさまざまな世界ランキングを発表しており、それなりの実績もあります。ですから、この雑誌社から世界最高の国ランキングで2位と言われれば、決して悪い気はしません。
 確かに、生活の質を考えてみれば、納得できる部分も多々あります。日本全国、ほとんどの家で蛇口をひねれば新鮮な水がふんだんに出てくるし、24時間切れ目なく供給される電気により、ボタン一つで風呂も沸く。冷たい水仕事とも無縁です。洗濯も炊飯もすべてボタン一つです。大東亜(太平洋)戦争中に生まれ、上野駅の地下道に多くの生活困窮者が群れていた戦後の貧しい時代を知る身として、今の生活は、文字通り、天国で暮らしているかのような贅沢な気分でいられます。耐乏生活と豊かな生活の両方を知っているからこそ、今がいかに幸せであるか、ということが実感できるのです。社会生活の面でも、好き勝手なことが言える言論空間があり、女性・子供が独り歩きできる治安の良さもあります。おいしい店も、芸術文化の施設もたくさんあります。災害時にもボランティアが集まる助け合いの文化もあります。本当に良い国だと思います。

まだまだ多くの国民は貧しい

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 しかしながら、昭和の後期から平成の時代に生を受けた人たちにとって、私と同じ感想を持つことはかなり難しいのではないでしょうか。なぜなら、この時代に生まれた人たちは、生まれたその時からすでに、電気・ガス・水道は言うに及ばず、カラーテレビ・カー・クーラーが当たり前の時代になっていたからです。そのうえ、スマホやインターネットにより、世界中から情報を集めてくることも容易です。上に述べたようなことは当たり前のことであり、特段有難がるようなことではない、という意識もあるでしょう。
 ならば、これらの人たちが、現状のままでいい、これで充分幸せだと考えているかといえば、必ずしもそうではないでしょう。結婚したくてもできない。マイホームを持ちたくても今の給料ではとても無理。車を持つ余裕もない。賃金の上昇も見込めない。
 そのためか、いじめや自殺、引きこもり、子の虐待、親殺し、子殺しといった、負の社会問題も多々報じられています。昨年の3月には、中高年の引きこもりが61万人なんていうニュースもありました。また、若い人たちからは、老後は安心して暮らせるのだろうか、年金は本当にもらえるのだろうか、といった不安の声も少なくありません。つまり、現役世代にとって、現状に満足している人はほとんどいないのではないでしょうか。
 もっと具体的に言えば、日本の税金はあまりにも高すぎる、ということに尽きます。ここで言う税金とは、「税」という名前が付いたものばかりではありません。強制的に取られるものは、名前を変えた税金と言ってよいでしょう。健康保険料、介護保険料、厚生年金、雇用保険、社会保険料、所得税、住民税など、びっくりするくらい税目が並んでいます。このほか、NHK受信料や車検代、強制保険料なんていうのも、任意ではありませんから税金と同じです。更に、無事ぽっくり亡くなれば、相続税という追い打ちが待っています。現役世代なら年金を含む社会保険料の重さに、愕然としているのではないでしょうか。基本給30万円のサラリーマンなら社会保険料だけで7~8万くらいは引かれているはずです。現役世代が重税感に喘いでいるのは当然なのです。

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 たまの休みに家族連れで温泉にでも行こうとすると、ガソリン税、高速料金、料理飲食税、入湯税と税金まみれになりながらの旅行ということになります。そのうえ、何か買い物をすれば、引き上げられたばかりの消費税10%を支払うことになります。意識するかしないかにかかわらず、私たちの生活は、「税金まみれ」になっているのです。その税金を使って、国会では年収4千万円(+政党助成金!)の先生方が、モリカケ問題や桜を見る会で3年以上、お祭り騒ぎをしているのです。
 もっとも、この重税感は、決して現役世代だけに特有の問題ではありません。私たちのような高齢世代にとっても、今の世の中、生活苦に喘いでいる世帯が少なくないのです。事実、私の住んでいる田舎の町でも、大手スーパーが、シニア限定で毎月、3日間、一回限り10%値引きしてくれます。その3日間は、高齢の買い物客が殺到します。もちろん、私も妻のお供で、必死でまとめ買いをします。これらの姿を見ていると、高齢者たちも、みんな生活にゆとりがないんだな~、ということを実感します。つまり今の日本人、基本的に豊かではない、ということです。豊かでないなら、昔のように、電気・ガス・水道、それにテレビや車のない時代に戻れるか、と言われれば戻れません。一度上げてしまった生活レベルを下げるのは、極めて難しいのです。従って、必要経費は毎月、ほぼ確実に出て行きます。

世界との対比でみた日本の生活レベル

 それでは世界レベルで、日本が置かれた現状についてみてみることにしましょう。IMF(国際通貨基金)が調べた国別の裕福度調査というのがあります。このデータは、IMFが保有する1人あたりの購買力平価(PPP)ベースのGDP(国内総生産)データを基に公表したものです。
            
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 最初に述べたように、「世界最高の国ランキング」で堂々2位の日本が、裕福度という指標では、世界30位というわけです。このランキングを見れば分かるように、アメリカ、中国、日本、ドイツ、イギリス、フランス、インドといったGDP大国は、どこもベストテンに入っていません。わずかにアメリカとドイツがベスト20位以内に入っているにすぎません。つまり、GDP大国必ずしも裕福度大国ではない、ということです。しかも、日本は、自由主義国家の中では、ようやくインドよりも上位にいるというレベルなのです。
 このように、日本は、GDPこそ世界3位と上位に来るものの、国民一人一人の裕福度となると、決して高くはないのです。国民が豊かさをほとんど実感できないのは、当然なのです。

今の日本の経済状態

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 豊かさを実感できない最大の理由は、経済政策の失敗ということに尽きます。なぜなら、日本は、過去20年以上にわたって、デフレ状態にあり、これを解消できていないからです。デフレとは、物価が持続的に下落することです。物価が下落するとは、別の言い方をするとお金の価値が上がるということです。同じ1万円でも、今年より来年の方が余計に物が買えるなら、なるべくお金を使わない方が得、ということになります。
 しかし、そうなれば、企業の売り上げは伸びず、利益も増えません。したがって、従業員の賃金も増やせません。結果、消費も増えない。消費が増えない状態が20年以上も続いている。消費の増加が期待できず、しかも人口も減っているなら、企業は、日本国内で新たに工場を建て、事業を拡大する意欲など起きるはずがありません。そのため企業は、中国をはじめ米、東南アジアなど、海外に投資先を求め進出しています。これが大企業が社内に利益を溜め込んでいることの背景です。しかし、中国のように、資本移動の自由のない国では、いくら儲かってもその利益を日本に持ち帰ることができなければ、日本を豊かにすることはできません。アメリカやアジアなど海外でいくら儲かっても、日本に利益を還元するのでなければ、日本人は豊かになれないのです。つまり、企業の貸借対照表がいくら改善されても、それだけでは日本人は豊かさを享受することはできない、ということです。

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 端的に言って、経済とはお金を回すことです。お金の回転が速ければ早いほど、経済は活性化します。お金を回して自分の手元を離れても、すぐに戻ってくるなら、誰でもお金を回します。その状態が、かつてのバブルと言われた時代です。しかし、今は、誰も積極的にお金を使おうとしません。使わず貯めこんでおけば、お金の価値が上がるんですから当然です。会社員も、給料が増えないという状態が20年以上も続いているんですから、保守的になります。未婚者も、将来の給料アップが見込めないなら、結婚をためらいます。
 年寄りだって、現役ではありませんから、必死になって生活防衛に走ります。年金だけでの生活は苦しく、これまでの貯えを一日でも細く長く使おうとするからです。これが今、日本の置かれた現状で、当たらずとも遠からずといってよいでしょう。

デフレ経済の弊害

 デフレ経済は、負のスパイラルを生む悪性ガンのようなものです。デフレの弊害は、単に国民生活の停滞と閉塞感をもたらすだけではありません。デフレ=経済の停滞ないし縮小ですから、GDPも伸びません。GDPが伸びなければ、国民の所得も伸びません。所得が伸びなければ、今後深刻さを増すといわれる少子高齢化への対応も困難になります。年金など現在の社会保障制度は、積み立て方式でなく、現役世代が高齢者世代を背負う賦課方式ですから、少子化の進展により現役世代の負担は益々重くならざるを得ません。

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 もっと深刻なのは、GDPの伸びないデフレが続くと、安全保障に回す財源も縮小せざるを得ないことです。グラフで見るように、日本と中国のGDPは逆転し、すでに中国の3分の1というレベルまで縮小してしまったのです。このことにより、中国は、尖閣諸島を初め、「一帯一路」の大方針の下、世界に覇権を拡大しつつあります。日本は、今後、石油の輸送ルートであるCレーンの安全確保もままならない、という現実に直面することになるでしょう。軍事力のない日本が、尖閣諸島を守り切ることは、かなり難しくなるのです。

日本はもう一度経済成長を目指すべき

 では、このような閉塞状況を打開するにはどうすればよいのか。結論から言えば、もう一度、GDPの拡大など国民の所得を増やすため、大胆に経済の成長を目指すべきです。だからこそ安倍総理も、経済拡大を目指し、財政出動、金融緩和、成長戦略の三本の矢からなるアベノミクスを実行する、と公約したのです。
 ところが、このアベノミクス、金融政策は黒田日銀総裁の奮闘により実行されたものの、他の2本の矢が腰折れし、ほとんど実行されませんでした。実行されなかった最大の原因は、財務省主導により唱導された「財政健全化」「プライマリーバランス」といった耳障りのよい財政均衡論です。財政均衡を旗印にする財務省によって、アベノミクスは阻止されたのです。
 財務省の言う財政健全化とは、プライマリーバランス、つまり基礎的財政収支論を守れ、ということです。財政均衡論について、財務省は、常に家計に例え、財政は税収に見合って支出されなければならない、と主張したのです。
 彼らの考え方の基本には、「どうすれば経済が活性化するか」という発想はなく、「いかにして、負債を減らして財政収支を均衡させるか」という発想しかないのです。この観点からすれば、まず消費税を上げて税収を増やし、歳出との均衡を図るのは当然、ということになります。
 この発想から、常に家計を引き合いに出し、「国の債務は1,000兆円を超した。一人当たりに換算すれば、一人当たり830万円を超した」といった説明をするのです。この発想から一歩も抜け出していませんから、消費税を引き上げたばかりだというのに、更にまた消費税率の引き上げさえ目論んでいるのです。
 このような財務省のコチコチ頭の発想に対して、日経新聞など新聞も地上波テレビも同調し、ほとんど批判をしません。昨年10月1日、消費税が10%引き上げられたその日、読売新聞の社説は何と書いたか。何と「10%の先の税率引き上げに関する議論を、封印すべきではない」と書いたのです。消費税引き上げで消費意欲が落ち込んでいるその日に、再度の引き上げの検討をせよ、というんですからひどいものです。このような論調は、決して読売新聞だけのものではありません。他のマスコミもほぼ同じように、家計に例えれば式の説明で、財務省の財政健全化論におもねっているのです。
 これでは、日本は益々経済規模が縮小し、デフレを脱出することなど望むべくもありません。

経済発展の具体策

 ならばどうすればいいのか。どうすれば経済成長できるのか。私は、年金改革と徹底した減税政策こそ、基本政策に据えるべきだと思っています。今の年金制度は、世代間扶養を前提とした賦課方式をとっています。しかし、この制度は、基本的に人間の本性に反しています。自分の年金は自分で積み立ててこそ励みになるのであり、どこの誰のために使われているの分からない、という今の制度には重大な欠陥があります。自分の年金を自分で積み立てているという意識がないから、みんなが無責任になり、年金運用にも無関心となります。よって根本的な見直しが必要だ思いますが、ここでは詳しく述べません。
 減税については、断固やるべきだと思います。経済の浮揚につながるからです。嘗て、アメリカのケネディ大統領は大幅な減税策を打ち出しました。余りに大胆すぎるというので議会が反対しましたが、ケネディは次のように述べ、説得したとされています。「A rising tide lifts all boats」つまり、満ち潮になればすべての船が浮かぶ、というわけです。減税によって、景気が良くなれば、企業業績が良くなり、結果、税収も増加する、というわけです。ケネディは、この減税効果を見る前に凶弾に倒れましたが、彼の主張は間違っていなかったことがその後のデータで立証されています。その後、レーガン大統領も、レーガノミクスという名の大幅な減税と税の簡素化に取り組み、同様の成果を上げています。現在のトランプ大統領も、減税政策に取り組んでおり、その結果、GDPの成長と雇用の拡大(失業率の減少)につながっています。その結果が税収増をもたらすことは明らかでしょう。
 日本では大胆な減税政策を掲げた総理はいません。議院内閣制と大統領制の違いというべきでしょう。ただ一人、池田勇人という総理が「所得倍増」という大胆な政策を掲げたことがありました。10年間で国民の所得を2倍にする、と公約したのです。その時は、私も「ホントカイナ」と思いましたが、大いに期待しました。多くの国民も、私と同じく夢を見ることができたのです。結果は、10年もかからず、7年か8年で実現しました。国のトップが国民に夢と希望を与え、引っ張っていくという気概があれば、国民はついていくのです。
 このように国のリーダーが本気になって取り組めば、今の日本でも経済発展は十分に可能だと思います。が、今の安倍総理に、そこまでの底力、力量があるかとなると、かなり疑わしいでしょう。
 となれば、妥協の産物として、せめて次のような経済政策だけでも実行していただければと思います。
①先ず、消費税率を直ちに5%まで戻し、国民の痛税感を和らげる。
②子育て、子の教育費の無償化、科学技術の開発、防衛のための技術開発及び国土強靭化に投資するため、今後10年間、既存の予算と全く別枠で、投資に限定した予算として毎年10兆円から20兆円規模の新規国債を発行する。

お金は家計と企業にある

 毎年予算と別枠で10兆円から20兆円の新規国債を発行するというと、どこにそんな金があるのかと目をむく人もいるでしょう。しかし、日本国内に、お金はあるのです。
 例えば、日銀の資金循環統計によれば、国民の貯蓄額(家計の金融資産)は2016年末で1,752兆円です。何と国家予算の17倍もの金融資産があるんです。このうち現金と預金が計916兆円です。家計が現金と預金だけで国家予算の9倍も持っているというんですから驚きです。しかもです。総務省の全国消費実態調査(14年)によれば、40歳から49歳の世帯では平均915万円なのに対して、60歳から69歳は1,991万円、70歳以上で1,824万円というんです。つまり、退職時近辺の人達が一番裕福で、年齢を重ねるに従い、それを取り崩しているという実態が浮かび上がってきます。
 もう一つ、お金が眠っているところがあります。それは企業です。財務省が令和元年9月2日に発表した法人企業統計によると、企業内の利益の蓄積である2018年度末の「内部留保」金は、前年度比3.7%増の463兆円で、7年連続で過去最高を更新したとされています。内部留保金というのは、売上高から人件費や原材料費などの費用を差し引き、更に法人税や配当を支払った後に残った利益を積み上げたものです。いざという時のお金、投資機会を待っているお金、ということもできます。そのお金が国家予算の5倍近くもあるのです。
 企業がこれらの内部留保金を従業員の賃金や国内での新規投資に積極的に充ててくれるなら、何の問題もありません。しかし、実態は、人口減少や国の緊縮財政政策などから、賃金や国内での新規投資に充てられることはありません。その大部分は、海外への投資やM&Aなどに充てられているのが実態なのです。

今こそ国の出番

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 このように見てくると、今こそ国はこれらのお金を有効に活用し、経済発展につなげることを真剣に考える必要があります。繰り返しますが、国内にお金がないわけではないんです。お金は有り余るほどあるんです。それを有効に使う、いや、「有効に使えるようなシステムを作る」ことこそが、国の役割なのです。
 「お金を喜んで出せる」ようにするには、国民が投資したくなるような有益な投資先を作るということです。決して国民のお金を巻き上げるのではありません。有効な投資先に誘導し成果を上げる。そのことが国にとっての最重要課題なのです。
 そして、その投資先こそ、前述した子育て、子供の教育費、科学技術の開発、防衛のための技術開発、国土強靭化のために投資です。これらの分野には、「長期投資」という共通項があります。
 子育て・教育には長い時間がかかります。しかし、ここに重点投資をすることにより、後の世で立派な社会人となり、優良な納税者として社会に還元してくれます。つまり、投資に見合う十分なリターンが得られるのです。その成果は必ずしも数量的に把握できないかもしれませんが、成果は確実に出ます。
 科学技術への投資も、そのすべてが数量的に明確に示せないかもしれませんが、必ず大きな成果に結びつきます。多くの分野で地道な努力を続ける科学者に継続的に投資をすることは、後の時代に大きな成果をもたらすことは、過去の歴史が証明しています。国が、腰を落ち着けて研究できる環境を整えることこそ、人材という資源しかない日本に求められている重要な課題なのです。ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授のような方が、研究費が足りないため、資金確保のため東奔西走しているなんて姿、日本の恥、国の無策のせいというべきです。岩手県北上山地が候補地になっている国際リニアコライダーなんていうのも、日本は率先して誘致すべきプロジェクトというべきです。

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 防衛のための技術開発も、極めて重要です。防衛技術なんて言うと、反日左翼の人たちは、条件反射的に拒否反応を示す人が少なくないと思います。しかし、私たちの身の回りの品々は、その多くが軍事技術の成果と言っても過言ではありません。ロケットや携帯電話、電子レンジ、自動ドア、腕時計、ティッシュペーパーなど、すべて軍事技術から発展したものです。今なら、スマホやインターネットも軍事技術の成果です。例えば、軍事技術の中では、戦闘機の自主開発も重要です。今後、日本がF2に代わる国産の後継機を自主開発するとすれば、その波及効果は計り知れません。最先端技術の塊である部品点数が数十万点、いや数百万点に及ぶ航空産業分野は、自動車よりもすそ野が広く、重要な基幹産業になりうるのです。
 橋や堤防など、国土強靭化への取り組みも重要です。地震や台風の度に大きな被害を出すこの脆弱な国ニッポン。地上波テレビは、涙を流している被災者の映像を放映する時間があるなら、国土強靭化の必要性について、もっと時間をとるべきです。この国を災害から守ることは、立派な投資であり、長期的には十分に元のとれる事業であることを理解すべきです。投資なきところに経済の発展などあり得ない。これはイロハのイです。

国債発行で破綻などしない

 これらの分野への投資の収支は、必ずしも数量的に明確に把握することはできないかもしれません。しかし、数量的把握が明確でなくとも、確実に投資への見返りがあり、かつ、国家として重要な分野ばかりです。だからこそ、国が前面に立ち、率先して旗を振る必要があるのです。
 企業の内部留保金と家計の金融資産を引き出し、有効に活用するためには、国が国債発行という形で、民間資金を吸収し、それを活用する。こういう分野に国債を発行すれば、将来、債務残高が膨れ上がり、返済できなくなるなどという人も出てくるでしょう。しかし、国債が国内で消化されている以上、返済に窮することはありません。デフォルトが起こるのは、外国から資金を借りて投資をする場合の話で、日本のように、すべて円建てで国内で国債が消化されるなら、決してデフォルトなど起きるはずがないのです。
 家計と国の財政が異なるのは、国には、憲法で定められている徴税権(憲法83条)があり、国民はその定められた税金を納める義務(憲法30条)があります。また、国は、財政法の定めるところにより、国債を発行する権限もあります。
 家計には徴税権も国債発行権もないのです。仮に、私がご近所を回って「家計が火の車なので、お金を出しなさい」と言えば、「70過ぎてとうとう脳に毒が回ったか」と言われるのがオチです。また、私債として「島田債」なるものを発行しても誰も買ってくれないだけでなく、精神病院送りとなるのが関の山でしょう。つまり、家計と国とは、同じお金を扱うにしても、根本的に違っているのです。それなのに、財務省は、二言目には「家計に例えると」式の説明をするのです。
 経済学的に見れば、国債発行額=国民の所得額(資産)です。国債を発行すればするほど、国民の資産は増えていくのです。この発想が財務省には全くありません。国債発行額=負債とみるのです。これでは、長期投資により経済の活性化を図る、という発想は望むべくもありません。

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 松下電器の創業者、松下幸之助翁は、「国家が赤字の時こそ減税すべき」と言いました。織田信長も楽市楽座により、既存の特権を持つ座を排除し、自由な取引や税の減免などによって、商業を活性化させました。
 このように、経済を活性化するためには、国民から「搾り取る」という発想ではなく、逆に「減税と投資を進めることによって大幅な増収を図る」と考えるべきなのです。このことを戦国時代の信長も、昭和の大実業家も熟知していたのです。こんなことを令和の政治家が理解できないはずがありません。「そんなこと財務省が許すはずがない」というなら、そのような役人の首は直ちに切るべきです。役人は公僕です。役人を使いこなすのが政治家の役割・本分なのです。今はこの基本に立ち返り、安倍総理はじめ令和の政治家たちには、これからを生きる若者たちに、明るい夢と希望と勇気を与えていただきたいものです。(令和2・1・3記)

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