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憲法を改正し緊急事態法を早期に整備すべきです

憲法を改正し緊急事態法を早期に整備すべきです

新型コロナウイルスの脅威

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 中国武漢で発生した新型コロナウイルスによる感染は、中国本土はもちろんのこと、中国以外の国にも広がり始めました。中国では、2月3日現在、すでに1万6千人以上が感染し、360人が死亡したとされています。日本でも2月3日現在、すでに20人の感染が確認されています。
 中国では、震源地となった武漢市全域を封鎖といった強硬措置をとるなど、対応に大わらわです。武漢市の人口は、約1千100万人と言われます。東京とほぼ同じ人口を擁するこの大都市を封鎖するというんですから、大変な事態と言ってよいでしょう。もっとも封鎖直前に500万人ほどが脱出したと言いますから、残された(逃げ遅れた?)実人口は600万人程度かもしれません。
 日本政府もこの事態を受け、武漢在住の日本人を急遽、チャーター機で帰国させるなど緊急措置を取りました。この新型コロナウイルスは、潜伏期間が最大14日あるとされ、その間には、特段目立った症状が出ないことも多いとされています。ですから、感染しているのに、そのことに気づかず、ほかの人にうつしてしまう可能性があります。このため、完全に封じ込めるためには、相当長期の期間を要することになりそうです。しかし、水際で入国者を阻止し、最大14日間隔離するなどの措置をとれば、感染拡大を防ぐことはできるということになります。
 国は、武漢市から搬送された日本人については、本人の同意を得て、ホテルなど宿泊施設に寝泊まりし、室内にとどまってもらう措置を取りました。
 しかしながら、乗客のうち2人は、診察そのものを拒否し、直接自宅に帰ってしまったとのことです。我々国民の側からすれば、震源となった武漢市から帰国したというのに、直接帰宅されたのではたまったものではありません。ウイルスが拡散する可能性が大だからです。本人の同意がなくとも、強制的に検査を行い、陽性判定が出た場合はもちろん、陰性判定でも、潜伏期間内は隔離をするなど然るべき措置をとるのは当然との思いがあります。
 しかるに、本人が「いや、検査は受けない。自宅に帰る」と主張すれば、これを強制できる法的根拠はないとのこと。多くの国民は「え~、なんで~?」と思ったはずです。これができない理由は、憲法で定める基本的人権を侵害することになるからできない、というわけです。つまり、検査の強制や帰宅の禁止は、憲法の定める移動の自由や令状なしでの拘束になる、というわけです。

▶▶▶武漢市民の叫び

患者数も死亡者数も2桁違う?

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 Youtubeを見ていたら、現地武漢市から生々しい報告をしている青年がいました。彼は、実際にそこに生活している立場から、国が発表する患者数や死亡者の数は、「2桁違う」ということを強調していました。「こんな放送をすると、公安に逮捕されることになるだろうけど、世界の人に真実を知ってもらいたいという一心から、こうして現地から報告するんだ」とも述べていました。
 私も、実態は、彼の言う通りではないかと思います。なぜなら、今、武漢の状況は、いわば死の街です。どこの病院も、待合室どころか廊下にまで患者が溢れており、診てもらえない。病院内に重症患者があちこち横になったり、まるで野戦病院の雰囲気です。医師も看護婦も皆、防護服に身を包み、満足にトイレにも行けない。已む無く紙おむつをしながら対応している、とも述べていました。現地の映像で、彼らが椅子やソファで死んだようになって仮眠している姿は、本当に痛々しいほどです。
 病院がこんな状況ですし、バスやタクシーなど交通手段もない。したがって、多くの住民は症状が出ても、病院に行かず(行けず!)家の中で横になっているだけ。家族も手を付けられない。死んでも火葬場にすら持っていけない。火葬場には対応する職員もいない。普通に考えれば、こういう状況だろうと思います。ですから、患者数も死亡者数も2桁違う、というのは極めて真実に近いと推察されます。
 日本人を輸送するため、チャーター便が現地に向かいましたが、中国当局は、管制官や職員を空港に集めるのに、大変な苦労があったとされています。何とか3便までは搬送できたものの、残りの日本人は、本人が希望しても帰国は容易ではなさそうです。武漢市はもちろん、同市周辺のあちこちの道路が封鎖されており、搭乗希望者を空港に確実に集めることが困難だからです。

▶▶▶最前線はまさに戦場!
▶▶▶コロナウイルス震源地武漢から命がけで上げた動画
▶▶▶武漢封鎖7日目、武漢在住者は街封鎖後に撮影した動画を和訳。動画で現地の生の情報を伝えます
▶▶▶重慶、1月31日の状況

初期対応が遅れたのではないか

 フィリッピンなどは、早々に中国から到着した飛行機をそのまま強制的に送り返してしまいました。中国以外で初の死者が出たのはフィリッピンですが、当局の対応は、迅速で素晴らしかったと思います。アメリカも1月31日に、米国と中国本土を結ぶ全便の運航を即時に停止し、この措置を少なくとも3月27日まで継続すると表明しました。
 対して日本の対応はどうだったでしょうか。政府は、1月31日、感染拡大を防ぐため、過去2週間以内に武漢市のある湖北省に滞在歴のある外国人の日本への入国を禁止する、と決定しました。また、政府は感染症法上の「指定感染症」とする政令を2月7日から2月1日に前倒しして施行することも、持ち回り閣議で決定しました。
 こういった一連の対応を見ていると、日本の対応は、あまりにも手ぬるい、後手後手に回っているとの感をぬぐえません。少なくとも、中国政府が、武漢市全域において地下鉄やフェリー、バスなどの公共交通機関はもちろんのこと、空港や鉄道駅を封鎖した1月23日の時点で、過去2週間以内に湖北省滞在歴のある外国人の入国を拒否すべきでした。中国当局が強硬措置をとっているのですから、日本もこれに平仄を合わせることは何ら問題なかったはずです。
 日本政府は、経済活性化のため、インバウンドと称する外国人客の増加に熱心のあまり、強い措置をとることができなかったということでしょう。

WHOは中国を忖度する機関か

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 WHO(世界保健機関)は、1月30日夜(日本時間1月31日未明)に緊急事態宣言を出しましたが、余りにも遅すぎた対応でした。この緊急事態宣言を出すべきかどうかは、1月22日、23日に開催された会合で見送られたという経緯があります。
 私に言わせれば、この遅すぎた決定は、テドロス事務局長が習近平主席の意向を尊重した結果、つまり忖度した結果だと思います。同事務局長は、宣言を出す前に習近平に会いに行き、習近平を喜ばせるような発言をしています。同局長は、武漢封鎖を「中国の制度の優位性を示すもの」と称賛したり、自国民を避難させる行為を「過剰反応」と批判しました。そのうえ、これまで認められてきた独立国である台湾のWHOへのオブザーバー参加すらも認めないなど、習近平の意に沿うよう極めて政治的な動きをしているのです。
 このような政治的な発言や行動は、彼の出身母体であるエチオピアが中国から多額の経済援助を受けていることと無関係ではないでしょう。彼の歯の浮くような中国礼賛は、「純粋にすべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」という、WHOの定める憲章第1条の精神に明らかに反するものと言わざるを得ません。

緊急事態法の整備が必要

  日本には、外国からの武力攻撃や内乱等による社会秩序の混乱、地震や津波など大規模な災害などの緊急時に対応できる法律がありません。

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 一例をあげれば、阪神淡路大震災のように、大災害時に個人の所有する車などが障害になり、緊急車両が十分な活動ができない、というような場合です。この災害の時は、木造住宅が密集する地域だったため、主に焼死により約10万人が亡くなりました。直接地震で亡くなったというよりは、火災で亡くなった人の方がはるかに多かったのです。
 瓦礫から救い出すことができず、炎の迫る中、母親を救助せんとする娘に対し「私はもういいからあなたは逃げなさい」なんていう悲しい報道が数多くなされました。こういう時でも、緊急事態法があれば、ブルドーザーに先導してもらい、障害となる車両などを排除しながら消防車が進むことができ、火災も最小限に留められたはずです。
 ブルドーザーに排除されて損傷した物損の補償についてどうするかは、法律マターです。緊急時においては、「受忍の範囲」という考え方も可能でしょう。いずれにしろ法治国家である以上、緊急時といえども、強制的に排除できる根拠規定がなければ、十分な消火活動などなしえないのです。
 もう一例をあげます。昨年、台風15号により千葉県下の館山市や鋸南町などで90万戸に及ぶ大停電が発生しました。電力の回復が遅れ、1か月以上も停電が続いたなんて地域もありました。強風のため杉などの倒木が電線に倒れ掛かり、倒木を除去するため、地権者の承諾を得るため多くの時間を要した、という裏事情があったとされています。緊急事態法による緊急事態の宣言により、合法性の根拠を与えることができれば、地権者の同意を要せず、復旧作業を迅速に進めることができたのです。
 また、外国からの武力攻撃があったような場合、これにどのように対応するのか。戦車によって私有財産を排除した場合、補償する必要があるのかないのか。また、敵を殺した場合、日本刑法を適用するのか。何も決まっていません。自衛隊法にも規定がありません。自衛隊は軍隊ではないという建前ですから、軍人の服務を定めた「軍法」がないのです。軍法がなければ、戦時において、戦闘行為で殺傷した場合、いかなる法律で裁くことになるのか。軍法がない以上、刑法しかありません。戦闘行為で、敵を殺し、刑法の適用を受け「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する」なんて言われたら、誰も戦う者などいなくなります。つまり、日本の法制度には、著しい欠陥(穴)があるのです。

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 今回の場合でも、新型ウイルスの侵害に対して感染した、あるいは感染の恐れのある人を強制的に検査できるのか、あるいは潜伏期間が過ぎるまで特定の場所に拘束できるのか、法的には何も決まっていません。免疫法や感染症法といった法律はあります。が、免疫法では検査や診察を指示することはできますが、強制力はありません。感染症法も患者を強制的に入院させることはできますが、それはあくまでも感染した患者であることが前提です。新型コロナウイルスのように、武漢市から帰国した人など、保菌者なのか否か不明な人に対して、検査の強制や一定期間ホテルなどに隔離できるとする明確な法的根拠はないのです。

新型インフルエンザ等緊急措置法はある

 実は今回のような新型コロナウイルスのような感染症を想定した法律はあるのです。「新型インフルエンザ等対策特別措置法」です。
 同法では32条で、緊急事態宣言を発することができ、45条で国民の権利の制限に関する規定が設けられています。政府対策本部長、つまり内閣総理大臣が「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」を発することができる旨定められています。そしてこの緊急事態宣言を受け、同法45条で国民の権利の制限が定められているのです。どのような宣言か。一応、全文を掲げておきます。

新型インフル等対策特措法45条の内容

(感染を防止するための協力要請等)
第45条 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、当該特定都道府県の住民に対し、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間並びに発生の状況を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間及び区域において、生活の維持に必要な場合を除きみだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないことその他の新型インフルエンザ等の感染の防止に必要な協力を要請することができる。

 この規定で分かるように、チャーター便で帰国した乗客に対して、都道府県知事ができるのは、居宅やこれに相当する場所から外出しないことなどの「協力や要請」ができるだけなのです。つまり、検査の強制や自宅に戻りたいという人を強制的に隔離できるとする法的根拠はないのです。
 新型インフルエンザなどを想定した特措法があるのに、なぜ、検査の強制や帰宅の制限ができないのか、というのは多くの国民の素朴な疑問でしょう。この特措法制定時の議論の経緯は承知していませんが、基本的には、上位法である憲法の制約によるものと考えられます。憲法に定める基本的人権の制約上、下位法である特措法でこれを制限できるとする法的根拠を定めることができなかった、ということではないでしょうか。
 ならば、今回の事例を教訓にして、その法的根拠が憲法改正を要せず、法律のレベルで成文化できるのか、あるいは憲法改正が前提となるのか、これこそが国会で真剣に議論すべきテーマではないでしょうか。立憲民主党や国民民主党などは、「改憲論など、悪乗りだ」と騒いでいるようですが、悪乗りだろうが波乗りだろうが、必要なものは必要です。桜を見る会の招待者やウグイス嬢の報酬など、一日3億円の経費を費やしながら、国会で平和ボケした議論ばかりしている暇はないのです。(R2・2・4記)


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