時事寸評 書評コーナー

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財務省が日本を滅ぼす

財務省が日本を滅ぼす

景気が緩やかに回復?

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 政府が2月20日に公表した月例経済報告によれば、国内景気は「緩やかに回復している」とのことです。私は、条件反射的に「バカも休み休み言え」と思いました。経済指標のどの数値を見てもプラスになっているものがないというのに「緩やかに回復している」。呆れてものが言えないとはこのことです。でも、多くの国民は、この政府の発表をそのまま受け入れたのではないでしょうか。なぜなら、新聞もテレビも、この政府発表を厳しく批判せず、ほぼオウム返しにそのまま伝えていたからです。
読売新聞も、この月例報告に対して、批判的に扱わず、次のように報じていました。

政府の月例報告に関する読売新聞の報道

 政府は今回、個人消費を「持ち直している」、雇用情勢を「改善している」とする判断を据え置いた。設備投資も底堅いとの見方を示した。(中略)西村経済再生相は、20日の記者会見で景気判断を据え置いた理由について、「雇用環境は良く、国民全体の所得は上がってきている。消費の動向も戻ってきている」と説明した。

 この政府発表に対する読売新聞自身の意見は、次のようなものでした。
「主要な経済指標から機械的に算出する景気動向指数は、昨年12月まで5か月連続で景気後退の可能性が高い「悪化」となっている。政府の判断に対し、市場では「景気はすでに後退局面」(エコノミスト)との指摘も出ている。」
 つまり、主要な経済指標から判断すれば、昨年12月まで5か月連続で「悪化」との判断が出ているのに、政府の月例報告になると、「緩やかに回復」になってしまうのです。
 財務省がこのような無理筋の判断をするのはなぜなのか。それは、昨年10月1日の消費増税の結果、経済が下向きになったことを認めたくないからです。消費増税をしても軽減税率の適用やポイント還元制度などの導入によって、経済の下振れ懸念はない、と強調していたことと辻褄が合わないからです。このため、経済は、何が何でも「緩やかに回復」していなければならなかったのです。国益よりも省益を優先する財務省の面目躍如です。
 このような場合、まともな報道機関ならば、経済判断は経済指標によって判断すべきもので、したがって、「政府の景気判断はおかしい!!」、とズバリ切り込むべきところです。なぜこのように、政府、いや財務省の判断に従順になってしまうのでしょうか。
 その最大の理由は、財務省の記者クラブに席をおくマスコミ各社の記者たちが、財務省によって、徹底的に「教育」されているから、というしかありません。財務省の意向に逆らうと、取材に際して意地悪をされるとか必要な資料がもらえなくなる、といった事態を避けるため、というしかありません。そうです、財務省は、お金を握っているだけでなく、政財界やマスコミに対しても隠然たる「言論封殺」の力を持っているのです。

IMFが定期的消費増税を提言

 財務省の暗躍する場面はほかにもあります。IMFを舞台とする工作です。一例をあげましょう。国際通貨基金(IMF)が今年2月10日、日本経済に関する年次調査を終了し、声明を発表しました。その内容は、次のようなものでした。

日本に対するIMFの勧告

 高齢化で社会保障分野の支出増が避けられないため、10月に10%に引き上げた消費税率を、2030年までに15%、50年までに20%へとさらに増税する必要がある。

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 この提言では、少子高齢化が経済成長や生産性を抑えるため税収が縮小する一方、高齢化による医療費などの支出増で財政運営が厳しくなると指摘。政府の財政再建は現実的な前提に基づくべきで、「具体的な財政施策を明示すべきだ」と注文をつけたのです。
 また、財政の持続可能性を実現するため、「年金や医療、介護の重要な改革」を求め、社会保障制度改革の加速を促した。75歳以上の人や資産を多く持つ高齢者の医療費自己負担割合の引き上げや、新薬に比べて価格が安い後発医薬品の使用拡大などを例示したのです。
 この定期的増税引き上げの提言は、10%への引き上げで音を上げている国民にさらにアッパーカットを見舞うようなニュースでした。一言で言うと、この提言は、何の知恵もない「アホバカ提言」というべきです。つまり、少子高齢化により、国家財政は火の車だ、このままでは国の借金は増えるばかりで財政は破綻する、と言っているのです。この危機的財政状況を回避するためには、消費税を増やし、財政を健全化しなければならない、というわけです。
 このIMFの提言は、文字通り、財務省の主張と瓜二つ、一卵性双生児ではありませんか。財政が悪化したから税率を引き上げろ、というだけなら、小学生でもわかる論理です。現時点で財務省が明確に定期的消費増税論を主張したことはありませんが、その意図を持っていることは明確です。なぜなら、昨年10月1日に消費税を10%に引き上げたその日に、読売新聞は「社会保障支える重要な財源だ」と題する社説で、次のように主張したのです。

読売新聞が10%以上への税率引き上げの議論をせよと主張

 今後、社会保障制度の改革論議が本格化する。国民に痛みを求める給付の切り下げなどが焦点となるが、それには限界があろう。10%の先の税率引き上げに関する議論を、封印するべきではない。

 さらに、同紙は、10月3日のコラム「10%消費税」の中で、「首相はじめ政府・与党内には、10%の次の消費税論議を当面、封印する空気が満ちている。しかし、社会保障の将来を考えれば、議論を先延ばしにできる時間はそう多くはない。」とも述べているのです。
 また、同年11月15日の読売紙によれば、財政制度審議会(財務相の諮問機関)が、2020年度予算編成に向けた建議の中で、「消費税率10%への引き上げを「財政と社会保障制度の持続可能性の確保に向けた長い道のりの一里塚に過ぎない」と指摘したうえで、一段の改革を求めたのです。
 この一連の事実は何を意味するのでしょうか。そうです。10%への引き上げが実現したなら、次は15%への引き上げの地ならしです。そのため財務省は、財務省詰めのマスコミ各社の記者に対して、10%超への引き上げの必要性と説き、記事にするよう「教育」が施されたとみるべきです。軽減税率の恩恵を施したんだから、それくらいの記事は書けよ、というわけです。そして定見も洞察力も批判精神もないマスコミ記者たちがこれを受け入れ、「提灯記事」を書いたとみるべきです。これでは報道機関ではなく、財務省のポチ、使いっ走りというしかありません。

財務省が裏で操るIMF

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 財務省は、国内のマスコミに教育を施しているだけではありません。国際機関でさえも隠れ蓑にして、更なる消費税引き上げを画策しているのです。
 昨年11月ゲオルギエバ・IMF専務理事が来日しました。この専務理事は、10月1日に着任したばかりでした。着任して僅か1月しか経っていない専務理事が、来日したその日に「日本は2030年までに消費税を15%に引き上げる必要がある」と述べたのです。文字通りひっくり返りそうになりました。着任早々で、日本の実情も知らない新米の専務理事が10%に引き上げたばかりの消費税を、更に15%に引き上げるべきだと発言したのです。冗談にもほどがあります。
 こういうバカげた提言をする裏には、必ず黒子がいます。言うまでもなくその黒子は財務省です。財務省は45人の職員をIMFに送り込み、「提言」という名の勧告を日本政府に行っているのです。財務省OBである高橋洋一嘉悦大教授は、財務省とIMFとの関係について、次のように述べています。

IMFの実態に関する高橋洋一嘉悦大学教授のコメント

 「IMFを誰がアテンドしているかというと、実は財務省なんです。私が財務官僚だった時もアテンド係をやらされましたよ。そばにくっついて、言ってほしいことをメモして渡すと、そのまましゃべるんです。」(月刊Hanada2020年3月号289頁)

 同教授は、「財務省からIMF事務局に派遣されている職員が、親元の点数稼ぎのためにIMFにこのような勧告を出させている」とも述べていますが、まさにその通りです。
 本当に、財務省という役所、この組織がある限り、日本経済は今後も長期停滞を強いられるのは必定です。安倍総理も一度、抵抗の姿勢を示したことがあります。2017年に来日したノーベル経済学賞を受賞したコロンビア大学のスティグリッツ教授が、安倍総理も出席している経済財政諮問会議で「国の借金1,000兆円というレトリックに騙されてはならない」と警告を発したのです。安倍総理は、同教授の自説を知っていたので、敢えて招聘し、同会議で発言させたのです。しかし、マスコミはこれを大きく報じませんでした。財務省のポチに徹している(あるいは忖度している)マスコミが、財務省の意を受け、報道を自己規制したというべきでしょう。

財政の健全度はバランスシートで見るべき

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 私は、このコーナーで何度も説明してきましたが、国の財政が健全であるか否かは、バランスシートで見るべきです。余りにも当然です。資産と負債と純資産のバランスが取れていれば、何の問題はないからです。それなのに、財務省は、常に、「国の借金は1,000兆円を超えた、赤ん坊まで含め一人当たり840万円だ」式の説明をします。つまり、バランスシートの右側の「負債」の部しか言わないのです。
 債務の大きさだけを言うなら、新日鉄でもトヨタでも三菱重工でも、巨額の債務を持っています。例えばトヨタ自動車です。2019年12月の会社四季報によれば、有利子負債は約19.9兆円です。単体でなく連結での従業員数は約374千人です。一人当たり約5,300万円の借金があるという計算になります。財務省式の説明なら、「従業員一人当たりの借金額5,300万円だ~!大変だ~」ということになります。しかし、この会社、倒産間違いない財政真っ赤っかの会社なのでしょうか。とんでもありません。超優良企業です。なぜか。それは利益剰余金が22.9兆円あるなど、企業の財政状況は極めて優良だからです。財務体質の健全性を判断するのは、企業も国も基本は同じです。
 国のバランスシートも、超優良です。その証拠は、毎年、国が公表している国のバランスシートにそのことが示されています。
 2017年度のバランスシートを見ると、国の資産合計は672兆円(内訳として、現金・預金が55兆円、有価証券が119兆円、貸付金が115兆円など)、負債は合計1,221兆円となっていますが、国の借金に相当するのは、公債943兆円、政府短期証券が84兆円などです。単純に負債の1,221兆円から資産672兆円を差し引けば、負債は549兆円となります。
 この負債を前提として、統合政府として国と日銀の予算を連結決算してみましょう。日銀は国の子会社ですから連結決算する合理性があります。当然のことです。連結すると、日銀の保有する国債という名の資産400兆円は、国の負債である国債と相殺することができます。よって、国の借金は、実質上、149兆円程度ということになります。
 このほかに、高橋洋一教授に言わせれば、「徴税権」という名の資産があり、これを資産評価すれば1,000兆円の資産価値があるといいます。さらに、官僚の天下り先となっている特殊法人には高橋教授の試算で約600兆円の資産がある、とされています。
 要するに、バランスシートから国の財政状況を見るなら、極めて健全な超々優良な財政状況にある、という結論になります。超優良国の国債だからこそ、マイナス金利でも日本国債は、飛ぶように売れているのです。

インバウンドに頼るような経済はダメ

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 今、新型コロナ肺炎により、世界中が慌てふためいています。震源地となった中国はもちろんのこと、日本も韓国も、イランもイタリアも、そしてアメリカも、このコロナ肺炎の旋風が吹き荒れています。と同時に、株安という超特大の激震が見舞っています。
 こういう中、日本は今後、どのような経済運営を行っていくべきなのでしょうか。私は、従来から「中国頼みの経済は絶対にダメ」と主張してきました。なぜなら、中国という国家は、自由と民主主義を基調としておらず、全体主義・覇権主義・膨張主義の国家です。あからさまに日本や台湾に対し、領海侵犯など武力による威嚇を行い、領土侵略の意図を隠そうともしません。南シナ海においても、勝手に九段線と称する図上の線を引き自国領海と主張しました。そして、この主張を否定する判断を下したハーグの常設仲裁裁判所の仲裁判断を「紙くず」と称して無視した国です。
 国内的にも、英国と締結した香港における一国二制度の約束を事実上反故にしました。チベット、ウイグルを占領し、その上住民を強烈に弾圧し、大量の住民を「職業訓練」の名のもとに拘束し蹂躙しています。ウイグル人を供給源に、年間1兆円を超える臓器売買ビジネスにより、共産党幹部が懐を肥やしています。臓器提供は死刑囚によるものだと公然と宣う鉄面皮、破廉恥国家でもあります。
 しかも資本主義のいいとこどりをし、国内への投資を促しておきながら、中国企業との合弁を強要し、技術を丸ごと盗む。そのうえ、中国共産党の細胞と称する組織を経営陣の上に配するという、信じられないご都合主義。資本移動の自由がなく、利益が出てもその利益を自国に持ち帰ることすらできません。会社をたたもうとすると、社員が賃金未払だと難癖をつければ、訴訟終了まで帰国することすら許されない。
 このような無法破廉恥国家と歩調を合わせることなどできないのは理の当然です。よって、米国と歩調を合わせ、その「経済力を削ぐ!」ことこそが、日本としての最善の選択であり、目標でなければなりません。なぜなら、軍事力の源泉は経済力だからです。武力によらず中国の膨張主義、覇権主義を抑えるためには、経済力を削ぐのが最も効果的なのです。
 この観点に立つならば、経団連など、民間企業が「巨大市場」との目論見から中国に進出するのは愚の骨頂、最悪の選択というべきです。経済界は、中国とサプライチェーンを結ぶのではなく、台湾やフィリッピン、インドネシア、ベトナム、インドなど、日本と価値観を共有できる友好国との間でこそ、協調・協力関係を築くべきなのです。
 もっと言うなら、インバウンドに頼るような日本の経済政策は、根本的に誤っています。中国人や韓国人が国内に跋扈するようになって以来、京都や奈良、富士山周辺、銀座など、これまで日本人が愛した名だたる観光地は、日本人がほとんど寄りつかなく、いや寄りつけなくなってしまいました。
 それに加えて、今回の武漢コロナ騒動です。安倍政権は、インバウンド効果を重視するあまり、中国からの観光客入国に断固たる措置をとることができませんでした。武漢あるいは湖北省に限った入国制限など、腰だめの対策ではほとんど意味がないことは、医学の素人でも理解できることでした。インバウンドに頼り切った日本経済の脆さ弱さが、こういう場面で露呈したというべきです。

国債の大量発行で経済を建て直すべき

 ここまで経済が落ち込んでしまうと、経済を再度活性化させるのは容易なことではありません。金融緩和をしようにも、すでにマイナス金利で下げ余地はありません。したがって、今とるべき経済政策は、大幅な財政出動しかありません。
 安倍総理は、2019年のダボス会議における基調講演で次のように述べました。

ダボス会議における安倍総理の基調講演

 2010年の12月26日、私は、再度、総理大臣になりました。当時、私の国で見たのは、ある高い壁の存在でした。その壁に、たくさんの人が、言葉が書かれているのを見た。日本はもう終わっている、というわけでした。人口は減っている。その人口は高齢化している。だから成長なんかできない、とそういう言い分でした。絶望の壁でした。悲観主義の壁だったのです。(中略)
 一つここは厳かに、宣言をしていいでしょうか。日本にまつわる敗北主義は、敗北したのです。

(首相官邸ホームページより)

 つまり、安倍総理は、三本の矢という経済政策を打ち出すことにより、経済を復活させると宣言したのです。人口減も高齢化も成長の阻害要因ではない、と述べたのです。正にその通りです。
 人口が減るなら、ITの活用など人力に代替する技術力でカバーできます。自動運転システムを強力に推進すれば、タクシーなどドライバーは他の分野に振り向けることができます。駅の改札口でカタカタと切符を切っていた駅員はもういません。電電公社の電話交換嬢も今はいません。技術の進歩が旧来の業務に終了を告げ、新しい分野に労働者を誘導したのです。日本が誇る技術力を生かせば、人口減や高齢化など全く恐れる必要などないのです。為政者の役割は、日本の技術力を活かし、新規の分野に大胆に資金を投じ、人材を誘導することにこそあるのです。決して外国人労働者を大量に雇用することではないのです。

減税と長期投資で経済を活性化せよ

 私は、従来から、日本経済の復活のためには、減税と国債を活用した「長期投資」が必要である、と主張してきました。具体的には、次の二つです。
①先ず、消費税率を直ちに5%に戻し、国民の痛税感を和らげること。
②子育て、子の教育費の無償化、科学技術の開発、防衛のための技術開発及び国土強靭化に投資するため、最低今後10年間(!)、既存の予算と全く別枠で、投資に限定した予算として毎年10兆円から20兆円規模の新規国債を発行すること。
 国債を発行したとして、それを引き受けるべき財源はどこにあるのか、という疑問も生じるでしょう。これについてもすでに述べたことですが、その財源は家計と企業部門にあります。
 日銀の資金循環統計によれば、国民の貯蓄額(家計の金融資産)は2016年末で1,752兆円です。何と国家予算の17倍もの金融資産があるんです。このうち現金と預金が計916兆円です。家計が現金と預金だけで国家予算の9倍も持っているというんですから驚きです。しかもです。総務省の全国消費実態調査(14年)によれば、40歳から49歳の世帯では平均915万円なのに対して、60歳から69歳は1,991万円、70歳以上で1,824万円というんです。つまり、退職時近辺の人達が一番裕福で、年齢を重ねるに従い、それを取り崩しているという実態が浮かび上がってきます。
 もう一つ、お金が眠っているところがあります。それは企業です。財務省が令和元年9月2日に発表した法人企業統計によると、企業内の利益の蓄積である2018年度末の「内部留保」金は、前年度比3.7%増の463兆円で、7年連続で過去最高を更新したとされています。内部留保金というのは、売上高から人件費や原材料費などの費用を差し引き、更に法人税や配当を支払った後に残った利益を積み上げたものです。いざという時のお金、投資機会を待っているお金、ということもできます。そのお金が国家予算の5倍近くもあるのです。
 これらのお金は、出動すべき機会を待っている待機資金、ということもできます。このように国が年間10兆円から20兆円規模の国債を発行しても、十分に消化できる余力はあるのです。

進出企業を国内に回帰させよ

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 トランプ大統領は、「アメリカファースト」を唱え、中国に進出した企業に自国に戻るよう促しています。雇用を確保するためです。中国のような資本主義のイロハも理解できない国にとどまる理由などないからです。同じ理由から、日本政府も、中国に進出した企業に対して国内に戻るよう積極的に動くべきです。
 今の日本、不景気風が吹きまくっています。20年以上も初任給のレベルが上がらず、デフレに喘いでいます。安い賃金のため、結婚もできない若い労働者が溢れています。嘗ては3%程度だった男性の生涯未婚率は2020年時点で26.6%という驚くべき高い数値を示しています。ほぼ4人に一人が、生涯独身だというのです。その根本原因は、経済的な問題にあるとみるべきです。結婚しても家庭を支えられないのです。
 本来、少子化担当大臣など不要です。若い人たちに安定した仕事があり、国全体が豊かになっていく姿が見えてくれば、いくらでも結婚するんです。結婚すれば、自然に子供は増えます。若者が結婚すらできないような環境を作りながら、外国人労働者を入れるなど、愚策中の愚策です。
 今の日本、地方も疲弊しています。安い労働力を求めて、企業がどんどん中国など海外に出て行ってしまったからです。ジジババだけの農村風景が全国に広がり、限界集落が大きな社会問題になっています。
 こういった問題を解決するためにも、トランプ大統領に見習い、中国に進出した企業をどんどん国内に戻し、教育レベルの高い労働者により、品質の高い製品を生産することが必要です。日本には、1億人を超す人が住んでいます。市場規模として自立できる水準、自己完結型の経済運営ができる規模と言えます。国内で生産し、国内で消費する。これを基本政策に据えるべきです。
 中国のような非人道的な国に進出し、大変な苦労をするより、国内でまじめな労働者を雇用し、優秀な産品を生産する。そして、よろしければ外国にも買ってもらう。そういう地に足の着いた地道な産業構造、社会構造でよいではありませんか。
 前述した年間10兆円から20兆円規模の国債は、そのための長期投資に使用すべきなのです。長期投資には、必ずリターンがあります。決してドブに捨てるのではありません。

最後に

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 国家は何のために存在するのか。一言でいえば、国民を幸せにすることです。国民の幸せとは、外敵から保護され、日々健康で豊かに生活することができる、ということです。外敵からの保護は、国の安全保障であり、豊かな生活とは、主として経済的な豊かさを意味します。
 豊かな生活の前提には個々人の健康や家庭環境、職場環境など多くの要素が必要ですが、それらは基本的に個々人の差配すべき事柄です。国家がなすべきことは、個々人のなすべき事柄を実現できるよう、生活環境を整え、家計の充実を手助けすることです。つまり、家計にはもっと潤いを与えることが必要です。財務省という役所は、そのために存在しているのです。
 ところが、現実の財務省は、国益よりも省益を優先する役所に成り下がっています。上に述べたように、国の発展、国民生活の向上よりも省益、つまり、財務省の天下り先の確保や税収の確保に目がくらみ、国家としての経済発展を蔑ろにしています。経済が発展すれば、巧まずして税収も増える、という大局的な視点が全く欠落しているのです。つまり、彼らは国の借金はイコール国民の黒字、すなわち国の借金は単に帳簿に記載しただけの「政府貨幣発行残高」であるにすぎない、という単純なことが理解できないのです。
 政治家やマスコミ人を「教育」し、税率アップにより増税が達成できるとする短絡的発想。国益よりも省益の増進を図る小役人的振る舞い。財務省の役人は、日本国家に巣食ったがん細胞というべき存在に成り下がっています。その根本原因は、答えのある問題を短時間で卒なく回答するドリル計算方式で学んできた蛸壺型秀才が跋扈しているから、というしかありません。
 経済とは、経世済民をつづめた言葉です。その意味は、「世を治め、民の苦しみを救うこと」です。財務省は、民の苦しみを救うのではなく、民の苦しみを増やすことに喜びを感じる存在でしかない、と断定できます。国の財政を預かり、国民の安全と豊かな生活を実現しようとするなら、財務省は、もっと大きな「国益」「国民生活の向上」という大局的視点から日々努力をしていただきたいものです。このままでは、本当に日本は破綻します。いや、もう破綻しているかもしれません。(R2・2・28記)

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