時事寸評 書評コーナー

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コロナパンデミック後、日本経済はV字回復します

コロナパンデミック後、日本経済はV字回復します

生活や経済への深刻な打撃

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 この度のコロナ騒動は、日本はもちろんのこと、世界にも極めて深刻な影響をもたらしました。その度合いは、超ド級の災害に匹敵すると言ってもよいでしょう。人々の生活は、根底から脅かさ、覆えされたのです。世界との対比でみれば極めて死亡者の少なかった日本も、3ヵ月にわたる自粛耐乏の生活を強いられ、緊急事態宣言解除後もなお、3密回避の不自由な生活を余儀なくされています。
 この影響により、世界経済は、リーマンショックをはるかに超え、正真正銘の恐慌と言われるほどの経済の落ち込みを余儀なくされました。世界銀行も、6月8日、2020年の世界全体の経済成長率が前年比5.2%減(リーマンショック後の成長率は対前年比1.8%減)と、「第2次世界大戦以降で最悪の不況」になるとの見通しを公表しました。更に世銀は「前例のない政策支援があるにもかかわらず、過去80年間で最も深刻な不況だ」とも述べています。
 私たちの周りを見回しても、すべての行動にこのコロナ騒動が大きな影を落としています。多くの非正規労働者の職が奪われただけでなく、大企業の正規職員でさえ、ボーナスの大幅減またはボーナスなしが避けられません。すべての飲食業、旅行業、娯楽施設から火が消えました。うどんすきで有名な美々卯も全店舗6店を閉店するなど、中堅の飲食店すら次々と閉店に追い込まれています。日の出の勢いを誇ったスポーツジム、RIZAP(ライザップ)も、2期連続の大幅赤字に喘いでいます。

財務省の嘘がバレる

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 このため、国や自治体は、緊急の経済対策を講じることを余儀なくされました。国は、事業規模ベースで、第一次で108兆円、第二次で94兆円、合計200兆円を超える超大型の補正予算を編成しました。当初予算を含めた今年度の国債の新規発行額は、過去最大の90兆2000億円に達し、歳入の56%を国債に頼ることとなったのです。
 このような事態が生じたのは、あまりにも深刻な経済実態が明らかになり、すべての国会議員にその認識が共有されたためです。さすがに「何があっても安倍が悪い」の野党議員でさえも、大胆な新規国債発行で経済を下支えすることに一切異を唱えることができなかったのです。
 新規国債発行が単年度で90兆円を超える、ということが何を意味するかお分かりでしょうか。そう、「財務省の嘘がバレる」ということです。
 財務省はこれまで国と地方を合わせた国の借金は1,100兆円を超えた。国民一人当たり900万円の借金に相当する。財政赤字だ~!財政健全化を図るためには消費増税が必要だ~!などと主張し、消費税10%への引き上げを強行したのです。
 このような財務省の緊縮財政論に、マスコミやお抱え御用学者はもちろんのこと、財界さえもが同調し、消費増税を強行したのです。これ以上の国債発行による財政出動は、プライマリーバランスを崩し、将来世代に借金のツケ回しをすることになる、という論理です。
 ですから、この度の90兆円を超える新規国債発行など、従来の財務省の論理からすれば、驚天動地の出来事で国家破綻レベル、ハイパーインフレ間違いなし、ということになります。

神風が吹いた

 しかし、実際にはこれだけの新規国債を発行しても、国家破綻もハイパーインフレも起こらないことが徐々に明らかになるでしょう。経済が成長するためには、財政と金融を総動員する必要がある、という当然の事実が明らかになるのです。
 日本は、これまで30年以上にわたる、長期のデフレから脱却することができませんでした。3本の矢、すなわち大胆な金融政策、機動的な財政出動、民間投資を喚起する成長戦略を謳うアベノミクスも、途中で腰折れしてしまいました。腰折れした原因は、財務省が後ろから安倍総理を羽交い絞めにしたからです。財務省幹部の頭の中は、財政規律、プライマリーバランスという言葉が金科玉条になっており、そのためには消費増税は絶対に必要と信じられていたのです。それはもはや信仰と言ってもよいでしょう。そしてその信仰自体が、日本の経済発展を阻害し、長期デフレをもたらした元凶なのです。

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 しかし、この度の90兆円を超える新規国債の大量発行により、財務省のウソが見事にバレることになります。その意味で、私は、この度のコロナパンデミックは、日本経済を立て直すための「神風」であったと信じています。この神風がなければ、財務省の「信仰」は決して打破できなかったはずです。
 私は、この神風ついでに、最低5%への消費減税も実施していただきたい、と切に願っています。第3次補正予算の代わりにです。第3次補正も結構ですが、補正予算の効果は基本的に単年限りです。それよりは通年の効果が期待できる消費税の減税こそが本命であるべきです。財務省はまたしても必死になって抵抗するでしょう。が、財政主権は財務省にあるのではなく、国民にあるのです。国民の代表である国会議員が声をそろえて消費減税を主張すれば、財務省は従わざるを得ない。それこそが財政民主主義だからです。

MMT理論の正しさが立証される

 MMT理論とは、先ごろ来日したステファニーケルトン教授の提唱する理論です。この理論は、「自国通貨を発行する政府は、市場の供給能力を上限に、貨幣供給をして需要を拡大することができる」とするものです。自国通貨建ての債務であれば、政府の財政的な制約はないため、赤字が増えても財政は破綻しない。自前の通貨を持つ国がいくら自国通貨建てで(!)国債を発行しても債務不履行(デフォルト)には陥らないとするものです。三橋貴明、田中秀臣、高橋洋一、藤井聡、上念司、中野剛志各氏などのほか、政界でも安藤裕、西田昌司議員なども同様の主張をされています。
 このことを右の図で説明しましょう。この図は三橋貴明氏作成の図であり、非常に理解しやすいので、以下、同氏の説明を一部引用させていただきます。

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『政府の支出が、ジョウロで水を注ぎこむことであるのに対し、徴税はシンクの底の排水管から水=貨幣を「抜く」ことを意味する。
 図を見れば一目瞭然だが、「政府支出」と「徴税」には直接的な関係はない。徴税された我々の税金は、ブラックホールに投げ込まれて消滅するだけだ。国民経済のシンクは、水が大量に溢れる(=インフレ率高騰)のも、水が不足する(=デフレ)のも問題だ。政府はインフレ率を見ながら、政府支出や徴税をコントロールしなければならない。
 インフレの原因には、無論、「貨幣が水(貨幣)を注ぎすぎた=需要を膨らませすぎた」も含まれるが、民間主導で物価が高騰するケースもある。というわけで、シンクの中には民間のインフレ決定要因として「所得」「消費性向」「信用創造(銀行の貨幣発行)」「投資」「生産性」を入れておいた。
 所得が増える。あるいは消費性向が高まることは、消費という需要を拡大させるインフレ要因だ。逆に、所得減少、消費性向低下は、消費を減らすデフレ要因になる。信用創造(銀行の預金貨幣発行)が活発で、企業の投資が拡大すると、短期的にはインフレ要因になる。銀行の貸し出しが細り、投資が低迷することは、まさに現在の日本がそうだが、経済のデフレ化をもたらす。

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 また、銀行の信用創造及び企業の投資が活性化すると生産性が向上する。すると、供給能力が高まる。右図でいえば、シンクの大きさが大きくなるのだ。これがまさに、経済成長である。』(引用了)
 このような理論は、財政規律を重んじる財務省からすれば、許しがたいトンデモ理論ということになります。賛否両論ありますが、私は、正論だと思っています。
 そして今、このコロナパンデミックという未曽有の経済危機に際して、世界各国は否応なくこの理論を実践せざるを得なくなっています。つまり、財政収入を大幅に超えてでも、緊急かつ大胆に財政出動をせざるを得ない状態に追い込まれているからです。
 これまでの財務省の論理によれば、赤字国債の大量発行は、財政赤字をもたらしハイパーインフレを引き起こす、ということになります。しかし、現実はそうならないはずです。つまり、財政というものは、常に赤字の状態にあるもので、ことさらに均衡状態に持っていく必要などないからです。そこが家計と大きく異なるところです。財政(国)は家計と異なり、徴税権や国債発行権など特別の権能があり、しかも経済発展という実現すべき国家目標もあるのです。家計の論理を振り回す財務省や御用学者、マスコミ、財界には大いに反省していただきたいものです。
 どちらの主張が正しいのかは、いずれ明らかになります。その結果、財務省が言っていた論理が誤りだったことが白日の下にさらされることになるでしょう。今から楽しみで仕方がありません。

日本経済は大復活する

 その結果、どうなるか。私は、今回のコロナパンデミックにより、日本経済が急回復するとみています。もちろん、これだけの大打撃を受けた直後ですから、当分の間、経済実態が低迷するのはやむを得ません。中小零細企業はバタバタと倒れ、大企業社員もボーナスの大幅減など厳しい家計状況が続くんですから当然です。しかし、中長期的に見れば、次の3つの理由から日本経済は大きく復活するとみています。
 第1の理由は、財政出動が速やかに実施されるようになったからです
 前述したように、財務省は、財政規律を順守する立場から、デフレ下においてもなお財政出動を極力抑制してきました。プライマリーバランスを維持するため、財布のひもを固く固く締めてきたのです。そのうえ、子孫に借金のツケ回しをするのかといった殺し文句、いや脅し文句で、御用学者やマスコミを総動員して緊縮財政と消費増税政策をとってきました。しかし、このコロナパンデミックは、従来からの財務省の論理を一気に打ち壊しました。「理屈を並べている暇はない!今はとにかく金を出せ!!」、という圧倒的な声に押し切られ、巨額の財政出動と速やかな消化が喫緊の課題とされたのです。全国民に一人10万円を支給するなどという平時には考えられない政策も、パンデミックならばこその緊急措置でした。

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 第2の理由は、企業の社内留保が潤沢だからです
 日本企業には2018年度ベースで、総額約463兆円の内部留保金があります。この内部留保金は、1年間に稼いだ純利益から配当などを差し引いたもので、決算上は利益剰余金として扱われるものです。この内部留保金は企業の体力とも言えます。多ければ多いほど企業体力は強いということも言えるからです。
 それはともかく、同じ2018年度の一般会計予算の総額は97兆7128億円ですから、企業が社内に留保しているお金は、国家予算の約4.7倍という巨額なもの、ということになります。ですから、今回のコロナパンデミックにより経済的打撃を受けますが、大企業がバタバタと倒産するというような事態は避けられる、と考えてよいでしょう。少なくとも、諸外国の企業に比べれば、かなりの安定感があります。これが日本経済の強みです。
 第3の理由は、中国が大きく衰退するからです。
 なぜ中国が衰退するのか。理由は簡単です。それは習近平という国家の指導者があまりにも無能だからです。中国は、習近平が就任してから、内政外交すべての政策が失敗しています。
 内政では、言論の自由、行動の自由を制限する一方、監視カメラを全国に配置し、国民を厳しい監視下に置き、チベット人やウイグル人を弾圧しています。更に、ウイグル人をはじめとする自国民の臓器売買を組織的に行うなど、非人道的な行為を行っています。
 他方、対外的には南シナ海を勝手に占領し、軍事基地化を急ぎ、ハーグの国際司法裁判所の判決をも無視し、領土拡大に勤しんでいます。その意図は尖閣諸島や台湾にも及んでおり、台湾進攻のための軍事訓練さえも海外メディアに披露しています。
 覇権を外国に及ぼす一帯一路政策も、衣を被った侵略主義であることが次第にバレ、当該国だけでなく、各国からも非難されるようになりました。

中国の香港政策は大失敗

 決定的な誤りは、香港政策です。香港の返還に際し、中英両国は共同宣言を発表しました。中国は、一国二制度を50年間守ると約束したのです。この宣言では、香港返還後50年間は「高度な自治」を持つとし、社会、経済制度、生活様式は変わらないと明記しました。言論や集会の自由も盛り込まれています。この宣言は、国際条約として国連にも登録されており、国家間の約束とみなされています。ですから中国の「内政問題で、外国の干渉は許させない」との主張は通らないのです。しかし、中国は約束の半分にも満たない23年で、事実上、この共同宣言を破棄しました。
 香港政府は、人民元を自由にドルと交換できるドルペッグ制を採用しています。自由主義諸国と共産主義独裁国家中国が貿易取引をするには、格好の市場となっていたのです。習近平は、中英共同宣言を破棄することにより、このドルペッグ制の恩恵を自ら放棄しようとしているのです。50年たてば、自然に熟し柿がぽとりと落ちてくるというのに、渋い内に強引に取ろうとする権力者。無知無能という以外の表現を知りません。
 今のところ、トランプ大統領は、まだこのドルペッグ制破棄を正式に通告していませんが、香港に進出している米国企業約3,000社が香港外に移転するよう勧告しています。そして移転が完了する頃合いをみて必ず実行するはずです。なぜなら中国経済の拡大を野放しにすることは、軍事力の拡大をもたらし、世界の脅威となることは明らかだからです。自由貿易市場香港の存在は、中国の経済発展にとって、死活的に重要な位置を占めているのです。この香港の優位性を、習近平という暗愚の宰相は自ら放棄しようというのです。

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 このように習近平という指導者は、やることなすことすべて悪手を打っています。その意味で、私は内心で、「習近平よ、ありがとう」と快哉を叫んでいるのです。聡明な指導者であったなら、アメリカでさえ到底立ち向かえないほどに巨大なるまで、密かに爪を研ぎ、時が来るのをじっと待っていたはずです。鄧小平の唱えた韜光養晦(とうこうようかい)「才能を隠して、内に力を蓄える」を地で行っていたなら、こんな愚かな政策を行っていなかったはずです。
 更に言えば、そもそも中国という国は、世界標準で言うところの「超大国」ではありません。確かに広い国土と多くの人口を擁し、政治、経済、軍事面で影響力を行使し、大国であるかのような振る舞いをしています。しかし、この国には、国民を食べさせるに足る食料がありません。また、自国で賄えるだけのエネルギーがありません。食料とエネルギーという基礎資源に困るような国が、超大国であるはずがありません。
 それにこの国には、言論の自由、法治主義、基本的人権がなく、「国家としての品格」もありません。自国がもたらした新型コロナによって世界中が塗炭の苦しみに悶え苦しんでいるときに、詫びの一つも言わず、密かに世界中からマスクや防護服を買い漁り、あろうことかそれを高額で売り付けたり、人道援助と称して送ったりする国家。それが中国という国家の品格です。放火魔が消防服を着て現場に駆けつけ、見学料を取る姿と寸部も違わないではありませんか。個人に品格が必要であるのと同じく、国家にも最低限の品格が必要とされるのです。この度のコロナパンデミックによって、中国というものの本質を世界の人々が知ってしまったのです。

中国の衰退がなぜ日本復活になるのか

 中国が衰退し、国際的な経済力が低下することにより、なぜ日本経済が復活するのか。その理由は、国際分業体制が再調整を余儀なくされるからです。
 中国は、これまで低賃金で豊富な労働力、それに14億人の消費需要を武器に経済発展を遂げてきました。しかし、米中経済戦争と今回のコロナパンデミックにより、中国との連携(カップリング)は極めて危険である、ということに世界中が気づいたのです。資本移動の自由がなく、中国企業との合弁を強制され、技術は盗み放題。しかも経営陣の上に中国共産党の組織があるなんて国家が健全であるはずがありません。ひとたび労働者が騒げば、中国から撤退することすらできない。こんな恐ろしい国家に、これまで残っていた企業の強心臓にただただ驚くばかりです。更なる驚きは、この期に及んでなお中国に1,300億円も新規投資を行うと決めたトヨタ自動車、新工場を作ることを決めた日本電産などの大企業。何か不都合が生じても日本政府に頼らないことを祈るばかりです。
 いずれにしろ、日本企業をはじめ多くの外国企業が中国からの撤退を始めました。日本に回帰しても、日本企業の競争力が失われることはないと思います。なぜなら日本企業の産品は、外国企業と競合するものが少なく、また、生産技術の高さや多品種少量生産、特許の多さ、優れた生産方式によるコスト削減力など、他の国を圧倒する競争力を持っているからです。確固たる比較優位の地位を占めているのです。中国の衰退により、貿易における日本の比較優位の立場が、より一層明確になってくるのです。

デジタル人民元への対応

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 中国は、アメリカによるドル支配と中国叩きを回避するため、ドルに代わる通貨を模索しています。その一つがデジタル人民元です。人民元をブロックチェーン方式によりデジタル化し、世界中に流通させようというのです。すでに国内の特定地域で試験運用していると報道されています。
 デジタル人民元は、アメリカの息のかかったところに本格的に普及できるはずはありません。中国はアジア、アフリカ、ヨーロッパの一部地域など、一帯一路などにより、中国の影響力の強い地域を中心に順次普及させることになるでしょう。この場合、アメリカによるドル支配体制は揺らぎますから、アメリカも何らかの対抗措置を講じることになるでしょう。
 いずれにしろ、ビットコインやリブラなど貨幣のデジタル化は社会の進歩ですから、止めようがありません。便利なものになびくのは世の常だからです。デジタル化は、決済や送金手数料の引き下げにつながるからです。日本でもデジタル円の検討を始めていますが、対応が急がれます。日本はアメリカと組むことにより、デジタル人民元の普及に対抗し、覇権主義国家中国の経済発展を、いかに阻止するかが今後大きな課題になります。

株価急上昇は日本経済の発展を織り込みつつある

 以上に述べたような事情から、コロナパンデミックの終息後の世界は、景色が大きく変わると思います。財務省のウソがばれ、機動的な財政・金融政策が実施され、かつ、貿易による日本の比較優位が顕在化してくる。これによって、30年ぶりに日本経済は、大きく上昇軌道に乗ることができるのです。
 現在、日経平均株価は急上昇しつつあります。経済実態がこれほど落ち込んでいる中で、株価だけが急上昇することは、本来ならあり得ません。
 しかし、この急上昇の裏には、上に述べたような事情があるのです。そのことを知れば、現在の日本株の上昇は、何ら異常ではなく、通常運転だということもできるのです。
 もちろん株価は常に変動します。今急上昇しているなら、急下落もあるでしょう。株格言の「山高ければ谷深し」は、株式市場において常に真実です。重要なことは、大局・長期の趨勢を見ることです。その観点からは、日本経済は長期の上昇局面に入ったとはっきり言えると思います。これまで30年以上も言い続けてきた財務省のウソが、完全にバレてしまった、いやバレてしまうからです。

香港に代わる国際金融市場はどこに

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 以上述べたように、中国が短兵急に香港における一国二制度を放棄したことにより、香港におけるドルペッグ体制は近い将来崩壊します。米国が中国叩きの一環として、進出企業の回帰策をとり、一連の事務処理が終わるころには、ドルペッグ体制を廃止することは間違いないからです。米国の覇権に挑戦する国に保護を与える必要はないのです。
 では、香港に変わる国際金融市場となるのは、一体どこになるのか。シンガポールや台北、深圳などの名が挙がっているようです。シンガポールは華僑が多く、中国の影響を受けやすいという難点があります。深圳は中国そのものです。台湾の主要都市も有力候補になり得るでしょう。しかし、絶えず中国からの侵略に怯えていなければなりません。
 そういう中で、東京は、一番有力な候補地になる可能性があります。この点については、トルコ出身で複眼経済塾塾頭のエミン・ユルマズ氏の意見が極めて参考になります。氏は、シンガポールのような都市国家でなく、世界第3位の経済力もある。人々は温和で親切。教育水準や医療水準が高く治安もよい。風光明媚で温泉など豊富な観光資源もある。江戸時代から続く企業が3000社以上もある世界一の長寿企業大国です。しかもミシュランの三ツ星の店が世界一多い。いわば何もかも揃っている国なのです。
 そういえば、佐藤智恵著「ハーバードはなぜ日本の基本を大事にするのか」という本を読んでいたら、マサチューセッツ工科大学とハーバード大学が共同で開発した「経済複雑性指標」、つまり各国の社会に「どれだけ知識が集約されているか」を数値化したものですが、これによれば、日本は1995年から毎年1位なんだそうです。日本は世界で最も知識が集約された社会というわけです。ちょっとくすぐったいような気もしますが、このようなことからも、国際金融都市に名乗りを上げる資格十分といえるのではないでしょうか。
 では、エミンユルマズ氏の動画もぜひご覧ください。(エミンユルマズ氏動画→こちら)を参照してください。

中国切り捨てと消費減税で安倍政権は安泰

 安倍総理にとって、今回のコロナパンデミックをどのように活用するかが、政権の盛衰を決定します。安倍政権を維持するためには、次の二つを実行することが重要です。
 一つは、当然、中国の切り捨てです。中国の衰退は、米中経済戦争の帰趨を見るまでもなく、アメリカの一方的な勝利に終わります。これは断言できます。前述したように、習近平はまれに見る暗愚の大将です。打つ手のすべてが悪手悪手の連続です。最終的には、国を亡ぼすことになるでしょう。日本は、このような独裁の侵略国家と手を切り、自由と民主主義、法の下の平等など、価値観を共有するアメリカと同一歩調をとる以外に選択肢はありません。
 二つは、消費税減税です。消費減税は、恐慌と言われる今のこの時期だからこそ、実行可能と言えます。財務省の抵抗をはねのけ、財政民主主義を実行する絶好の機会なのです。「財政財務省主義」を許してはなりません。第二次補正予算まで通したこの機に、圧倒的な国会議員の賛同を得て、一気呵成に消費税減税まで実現させるべきです。そして、その勢いを借りて、念願の憲法改正をぜひ実現していただきたい。安倍総理を措いて、憲法改正を実現できる総理はいません。
 そうすれば、安倍政権はまだまだ安定政権として維持することができるでしょう。安倍さんと自民党に期待しています。(R2・6・11記)

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