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尖閣諸島の実効支配、今が絶好のタイミングです

尖閣諸島の実効支配、今が絶好のタイミングです

険悪化する米中対決

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 米中における対立は、極めて険悪な状況になっています。対立の本質は貿易戦争というよりは、通貨戦争というべきものです。両国の覇権をめぐる対立は、現在、南シナ海において先鋭化しています。米国は、中国の南シナ海における暴力的ともいえる実行支配を認めず、力によってこれを突き崩そうとしています。他方、中国は、南シナ海における実効支配を維持しつつ、隙あらば台湾や尖閣諸島へ軍事侵攻しようとしています。
 習近平が台湾への軍事侵攻を躊躇っているのは、ひとえに米国の出方を窺っているからです。本気で米国と軍事衝突をすれば、今の軍事力からして、まだ米国に敵わないとみているからで、中国勝利の目算が高ければ、台湾への軍事侵攻を実行するでしょう。中国という国は、自分より強い国に対しては、決して軍事攻撃はしません。常に、弱い者に対してのみ攻撃をするのです。よく言えば孫氏の兵法の実践者ですが、要するに「常に弱い者いじめの臆病者・卑怯者国家」ということもできます。
 現在、中国は、内外に大きな問題を抱えています。国内的には、チベット、ウイグルにおける人権弾圧や内モンゴル自治区におけるモンゴル語使用禁止問題などです。また、香港における国家安全維持法に基づく強権的な政策も、世界から強い非難を浴びています。
 更に長期にわたる降雨により、長江流域や黄河流域において甚大な洪水被害が生じ、世界一を誇る三峡ダムの決壊も現実味を帯びているとされています。加えて、トノサマバッタ被害(煌害)により、農業生産が大幅に減少しているとみられています。国家主席自らが、「食べ残し禁止令」を発したという事実が、これを如実に裏付けています。
 対外的にも、新型コロナの震源地として、世界中に甚大な被害を及ぼしました。初期の段階で感染情報を隠蔽し、その結果、世界中にコロナウイルスを蔓延させたのです。当然、世界中から強い非難を受けています。また、中国による支配を違法とする国際司法裁判所の判決を無視し、南シナ海において、いわゆる赤い舌といわれる独自の支配区域を設定し、ベトナムやフィリッピン、マレーシアなど関係国から反発を招いています。中印国境においても国境紛争で死者も出しています。日本との関係でも尖閣諸島に107日連続(令和2年7月30日現在)で海警と偽装する軍艦を出し、隙あらば奪い取ろうと虎視眈々と狙っています。文字通り、遅れてきた帝国主義の独裁国家と断じてよいでしょう。

国民の不満を外に向けるか

 今の中国は、上に述べたように内外に深刻な問題を数多く抱えています。このため、国内では、国民の不満がたまっているものと推測されます。習近平は、この不満から目をそらすため、台湾進攻・尖閣奪取などの強権的な行動をとることが懸念されています。これまで、多くの国家指導者がとってきた古典的手法だからです。

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 日本は、これまで尖閣諸島について、実効支配をしてきたと言いながら、現地での実際の行動は、中国海警に対して領海侵犯を警告するなど、いわゆる「遺憾砲」の発出と海洋での防御に徹してきました。つまり、現地尖閣諸島においては、港湾施設やヘリポート、灯台を建設したり、といった具体的な行動は何もとってこなかったのです。それどころか、尖閣諸島周辺において操業しようとする日本漁船に対して操業中止を求めるなど、実効支配の外形を示すことすら穏忍自重してきたのです。
 このような消極的対応は、二階幹事長をはじめとする親中派議員の意向や、中国に進出している多くの邦人企業の意向を踏まえたものと思われます。しかし、一般国民の目線からすれば、このようなぬゑ的な態度は到底納得できません。この生ぬるい対応こそが、中国を益々つけあがらせ、「サラミ戦術」をエスカレートさせる原因となってきたのです。これでは日本が、益々窮地に追い込まれることになるのは必定です。なぜなら、日本は長期にわたる経済の停滞により、軍事力の拡大が見込めず、遅々として防衛力強化が進まない。他方中国は、これまで経済成長以上の軍拡を実行してきました。今後も、実態経済の鈍化にも関わらず、軍事力拡大に邁進することは自明です。つまり、今後も軍事力の差は、ますます開いていくのです。
 軍事力の差こそ、「弱い者いじめ」を得手とする中国にとって蜜の味、最も得意とするところです。チベットやウイグル、モンゴルなど、外周の軍事小国を次々と侵略してきた歴史がそれを証明しています。今後、尖閣はもちろん、沖縄においても、当然起こりうる事態なのです。

日本のとりうる道

 では、日本はどうすればよいのか。解決策はただ一つ、一刻も早く実効支配の外形を整えることです。漁船のための港湾施設の建設または船溜まり、Hマークのついたヘリポート、灯台、自然環境観測施設の建設など、何でもよいでしょう。
 青山繁晴氏など「日本の尊厳と国益を守る会」が提案している方法もよいでしょう。同会の提案は、ヘリポートなど具体的な施設建設のほかに、①尖閣諸島周辺で米の沿岸警備隊と合同訓練を行う、②国境離党警備隊に属する154名の警察官を尖閣諸島に上陸させ、不法上陸を排除する訓練を実施する、③海上保安庁及び特殊警備隊などによる合同訓練を実施する、④これらに合わせて漁船の拿捕、船長の逮捕の訓練を行う、など、かなり具体的な行動提言を行っています。
 当然、中国はギャーギャー言うでしょうが、構うことありません。実行支配をしている国家が、国内に必要な施設を整備することに何の問題があるのか、と撥ねつけましょう。国際的な衆人環視の状況を作るため、世界に向けた広報活動も過剰と言われるくらいに行う必要があります。日本国民も断固支持するはずです。平和ボケした日本国民を覚醒させるためにも、必要な行動です。
 では、その施設建設や訓練実施のタイミングはいつがよいのか。それこそ林修氏ではありませんが、「今でしょう!」と言うしかありません。その理由は、次の6つです。

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①トランプ大統領は、中国の覇権主義的な行動に強い反発を示しており、台湾、南シナ海、東シナ海を断固防衛する意思を明確にしていること
②中国は、弱い者いじめ国家であり、よって直接、日米を相手に戦う覚悟はないとみられること
③ポンペオ国務長官が、8月8日の記者会見で、右の写真で示すように、尖閣は日本の固有の領土であり、領土紛争はない。中国は領土紛争を煽っている、と述べていること
④米国のエスパー国防長官が、河野防衛大臣と共同記者会見した際に、「尖閣諸島に対する日本の実効支配を弱めようとする、中国の一方的な行動には反対する」と明言したこと
⑤シュナイダー在日米軍司令官が、「尖閣諸島の状況についてアメリカが日本政府を助ける義務を全うする」と述べ、更に「中国が何かしらの行動を起こした場合、米軍が日本を支援する」とも述べたこと
⑥アメリカの大統領選が11月3日に予定されており、仮に、バイデン候補が勝利した場合、中国に対し融和路線に転換する可能性を否定できないこと
 私は、トランプの勝利を確信していますが、選挙には魔物が棲んでいるともいわれます。仮にトランプが敗れても、1月20日まで任期があるというものの、敗北後の大将が軍事力を行使することは難しいでしょう。

大統領選前が一番よい

 このようにさまざまな事情を総合して考えるなら、尖閣における実効支配を確固たるものにするためは、米大統領選前が最も適していると考えられます。
 仮に、トランプ大統領が敗退し、バイデン氏が大統領になったとしても、米議会は両院ともに対中国強硬派なので大きな路線転換はない、と主張する専門家もいます。しかし、馬淵睦夫氏など専門家によれば、バイデン大統領はズブズブの親中派であり、よって尖閣を共同で防衛してくれるのか、極めて疑わしいということになります。
 今すぐに行動に起こせば、仮に、尖閣に対して中国が何らかの武力行使を行ったとしても、事態の推移は世界中がみています。明らかに中国側に不利です。世界中にコロナを振りまき、詫びの一言もない。香港やチベット、ウイグル、内モンゴルでの人権弾圧、南シナ海における無法行為、それに国連機関における4つの委員長ポストを獲得し、その他の委員会でも息のかかった委員長を差配するなど、中国という国の非常識な振る舞いを、世界は嫌と言うほど見聞きしてきました。
 その中国が、今度は、小さな島国の日本の尖閣諸島を奪い取ろうとしているとなれば、世界中から強い反発、非難を受けることは間違いありません。こうした事態になれば、米国はもちろんのこと、これまで合同で軍事訓練などを行ってきた英国、インド、オーストラリアなども、共同して対決することが期待されます。

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 このような事情を考えれば、軍事強国である中国といえども、尖閣において単独で軍事行動を起こすことはかなり難しいはずです。「単独で」と言ったのは、中国と合同で軍事行動を起こすような仲間が、世界のどこにもいないからです。
 それに、尖閣が日本に属する領土であることは、中国自身が認めていたことを示す古文書なども存在しています。これらを世界に示す良い機会にもなります。もっと言えば、中国は、弱い者いじめが国是の国ですから、世界を敵に回してまで戦う度胸はないとみるべきです。
 新しく誕生するであろう菅政権には、是非とも、尖閣の実効支配に道筋をつけていただきたいものです。菅氏は、立候補にあたって、「安倍路線の継承」を謳っています。その安倍総理は、「尖閣に公務員を常駐させる」と言っていたんですから、安倍政権の路線継承と矛盾するところは何もありません。菅政権の丹力を、国民は固唾をのんで見守っています。
 それにしても、日本の与党幹事長がコテコテの親中派議員であったり、域内に尖閣を有する沖縄県知事が中国に対して一言の抗議もしないばかりか、逆に、中国のパトロール船を刺激してはならない、なんて発言をするこの国、一体どうなっているのでしょうか。(令和2・9・13記)

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