時事寸評 書評コーナー

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日本学術会議は民営の組織にすべきです

日本学術会議は民営の組織にすべきです

6人の任命を拒否

平和ボケ

 学者の国会と呼ばれる日本学術会議の任命をめぐって、大騒ぎをしています。この学術会議、定員は210人で、任期は6年。3年ごとに半数が入れ替わるんですね。推薦は会員である学者が推薦するということですから、自分の考えに近いような人物を推薦する、ということは十分にありうることですね。今回任命から外されたような人たちに共通しているのは、左翼系、日本を悪くしたい人達ということです。
 具体的には、6人のうち、4人が安保法案に反対していました。ほかの2人のうち、一人が特定秘密保護法に反対、もう一人が共謀罪に反対していた人物です。確かに、総理が任命するなら、このような人物を任命したくないのは当然でしょう。
 では、なぜ、このように総理が任命するシステムになっているのか。本来なら、学術会議なんて、政府と離れ、自由に活動すべき民間団体のはずです。高橋洋一氏の言によれば、外国でこの種の団体を国の機関にしている国はどこにもない、とのことです。同氏の説明によれば、嘗て、小泉内閣の時、「行政改革」の一環として、日本学術会議を民営化し、総理任命制を廃止しようとしたことがあるそうです。その際、学会の幹部が頻繁に官邸詣でをし、必死になって民営化阻止に向け陳情したそうです。

任命拒否6人

 民営になれば、年間予算10億円はなくなり、「特別職国家公務員」の地位もなくなるからです。要するに、彼らは、国の予算と公務員としての身分を保持したかったのです。
 具体的には、会員(210人)の年間報酬は一人100万円以上、連携会員(2000人以上)に年間一人10数万円の報酬が支払われているんだそうです。元々彼らには、本業としての大学教授や助教授などの身分があるわけですから、結構おいしい副収入ということになるんでしょうね。
 こういった諸々の事情を考えると、民営化ではなく、官に寄り添って甘い汁を吸っていたほうが得ということになります。
 しかし、彼らは、国家公務員として甘い汁を吸いながら、今回のように、任命を拒否されると「学問の自由の侵害」だの、「学術会議の独立性の侵害」だのと、騒ぐわけです。

学問の自由など侵害していない

高橋洋一2

 今回の任命拒否をめぐって、当事者はもちろんのこと、マスコミや野党も、「学問の自由の侵害だ」などと騒いでいます。しかし、この反発がいかに的はずれなものであるかは、本当は皆分かっているはずです。
 一般に学問の自由とは、①学問研究の自由、②研究成果発表の自由、③教授の自由からなるとされています。一体、これらのどの自由が侵害されたというのでしょうか。学術会議の委員にならなかったからといって、これらの自由のどこが侵害されるというのでしょうか。学問自由の侵害は、中国や北朝鮮のような国を言うのです。あまりにも頓珍漢な意見であり、地上波テレビなどが大真面目にこれを取り上げているのを見ると、本当に開いた口が塞がらなくなります。

独立性の侵害?

 確かにこの要素はあるでしょう。しかし、国の機関として国から10億円も受け、特別職の国家公務員の身分を有しているとなれば、そもそも独立の機関とはいえません。
 独立性を確保したいなら、学術会議を国から独立した機関と位置付ければよいのです。しかし、小泉内閣の時の行政改革時に、必死になって国の機関として残してほしいと陳情しまくったのは、当の学術会議自身ではありませんか。
 独立機関として自由に運営していくか、国の機関として国の予算をもらいながら運営していくべきか、その選択はその時に行ったではありませんか。国の機関として存続することを望んだ以上、国の予算を得る代わり、総理の任命権に服するのはやむをえません。法的にもそうなっています。われわれ国民も、国の予算を使う以上、予算の適正な執行に関与するのは納税者として当然の権利です。民主主義社会において、納税者としての権利の行使は、国民によって選ばれた議員によって実現してもらうということになっているのです。

軍事研究を拒否

大学関係者

 日本学術会議は、平成29年3月に「大学などでの軍事的研究を拒否する」との声明を出しました。これを受け、北大などは防衛省が発注する基礎研究を辞退する(いや、辞退させた!)など、実際に影響が出ています。
 私は、この声明を聞いた時、強い違和感を覚えました。日本が外敵から防衛するための研究を行わない、ということは国民の生命財産を守らないということと同義だからです。自国を防衛するため、中国や北朝鮮からのミサイル攻撃をいかにして防御するのかは正しく軍事研究です。しかしその研究なくして、国の安全を守ることなどできません。
 まして軍事技術の発達は日進月歩です。核を含むミサイル攻撃はもちろんのこと、電磁パルス攻撃、レーザによる攻撃、サイバー攻撃、極超音速滑空兵器などはもちろんのこと、今は宇宙空間においてまで、軍事攻撃と防御技術は発展しつつあります。カバーすべき技術分野は余りにも広大で日進月歩なのです。
 特に中国は、米軍を凌いで、世界のトップの地位を占めるべく、急速に軍事費を拡大し、各種の軍事研究を進めているのです。

画像の説明

 そういう環境の中で、「軍事に関する研究は行わない」などと学術会議は宣っているのです。平和憲法を神棚に飾って祈り、お守りしていれば、国の安全は護られると信じているのです。いや、信じたふりをしているのです。
 そもそも、研究テーマとして、最初から「これは軍事技術である」という限定された研究などあるのでしょうか。高度な科学技術は、すべて軍事転用が可能となるものであり。民生用にしか利用できないものなどありません。
 日本人が開発した八木アンテナは民生用でしたが、すでに軍事技術として高度に応用されています。太平洋戦争時、ターニングポイントなったミッドウエイ海戦において、日本は手痛い敗北を喫しました。日本人が開発した八木アンテナを軍事転用した米軍によって電波を傍受され、暗号解読に成功した米軍によって作戦が筒抜けになってしまったのです。現在広く普及しているコンピュータも、当初は軍事用として開発されました。しかし、その後、広く民生用として活用され、国民生活になくてはならない必需品として定着しています。
 今後、研究を深めていくべき分野としては、①実用化の研究が世間の耳目を集めている夢の新素材、セルロースナノファイバーの研究。これは、強度が鉄の5倍、重量が鉄の5分の1という優れものです。②強くて燃えず、軽いという特性をもつ新マグネシウム合金の研究。③リチウム電池イオン比で遥かに高い出力密度をもち、軽量でかつ安全性の高いデュアルカーボンバッテリーの開発などと言われています。
 もちろん、これらの研究内容は民生用、軍事用、いずれにも利用可能ですが、そもそもその利用範囲を限定すること自体、ナンセンスなのです。

中国の千人計画には協力

甘利明

 このように、日本学術会議は、日本の軍事技術の開発は拒否する一方、中国の技術開発には協力する姿勢を示しています。
 自民党の甘利明税制調査会長もこのことを指摘しています。同氏は、8月6日のブログで、中国が世界から技術を盗み出そうとしているとし、米国で大スキャンダルになっている「千人計画」に、日本学術会議が積極的に協力していると批判しています。日本の安全保障技術に対しては拒否の姿勢を取りながら、他方で、中国とは密接な協力関係を維持していると明確に指摘したのです。
 具体的に言いましょう。例えば同会議は、2015年9月7日、中国科学技術協会との間で、両機関の協力の促進を図ることを目的とした「覚書」を結んでいます。中国科学技術協会というのは、中国全土すべての学会と科学館を管理し、国内の科学技術知識の広報に大きな役割を果たしている組織です。日本学術会議は、こういう組織と覚書を交わし、技術協力するというのです。
 周知のとおり、中国は、2050年までに科学技術において、世界のリーダーになることを目指しています。党が民間の技術を軍事に利用することを定める「軍民融合」政策を実践しているのです。
 自民党の佐藤正久議員も、ツイッターで、「日本の軍民複合と言われる分野の基礎研究にさえ反対なのに、中国軍と縁のある研究は反対せず許容している。このことは、自民党内では保守系にかかわらず批判が多い。仮に日本学術会議が中国と縁を切っても、困るのは中国の方で日本ではない」と書いています。
 このように、自民党内でも、日本学術会議の在り方、特に中国依存の姿勢については強い批判があるのです。

常に反日的行動を

 この日本学術会議なる組織。これまで常に日本を弱体化させる反日的行動を続けてきました。日本の軍事研究阻止はもちろんですが、そのほかにも枚挙にいとまがありません。
 東日本大震災時に、復興増税を提言したのも日本学術会議でした。経済が疲弊しているさなかに増税を提言するなど狂気の沙汰です。アイヌ新法を提言したのも日本学術会議です。「報告 アイヌ政策のあり方と国民的理解」なる文書を出し、「アイヌは先住民族であり、過去に不遇をかこったアイヌの人々には特別な保障等が行われてしかるべき」と提言したのです。
 更に、日本学術会議は今年1月30日、大型研究計画に関する方針「マスタープラン」をまとめ、建設候補地の岩手・宮城両県や物理学者らが誘致を目指す次世代加速器「国際リニアコライダー(ILC)」を優先度の高い「重点大型研究計画」に選びませんでした。このリニアコライダー計画というのは、全長約20kmの直線状の超電導加速器をつくり、現在達成しうる最高エネルギーで、電子と陽電子の衝突実験を行うという計画です。宇宙創成初期に迫る高エネルギーの反応を作り出すことによって、宇宙創成の謎、時間と空間の謎、質量の謎に迫る、というのが研究の目的というわけです。合わせて東北地方の活性化にも貢献するものとして、地元も大いに期待していたのです。ところが、日本学術会議は、これを拒否したのです。
 このように、日本学術会議は、こんなろくでもない勝手な報告などを次々に出すのか不思議に思っていましたが、その謎が解けました。有本香氏が月刊Hanadaに次のように書いていました。
「この問題の火付け役というか、最初にスクープ記事を書いたのが、朝日でも毎日でもなく、日本共産党の機関紙「赤旗」だったことだ。つまり彼らはもはや隠さなくなったのである。日本の「エリート」とされる集団のバックに、昔も今も共産党がべったり憑依していることを・・・」
 なるほど、共産党の操る組織である、という前提で考えるとすべてがすっきりと理解可能になります。日本弁護士連合会も愛知トリエンナーレも、日本の胡散臭い組織には、すべて日本共産党がとりついているんですね。

結論

 日本学術会議は、共産党が操る組織ですから、その行動様式は常に「日本の弱体化」「国民の分断」を志向することばかりで、日本の発展に貢献することは何一つありません。特に、国内の防衛産業への協力を拒否しておきながら、中国の科学技術協会との協力関係は維持するなど、反日の極みであり、日本国民として絶対に容認するこはできません。
 国家予算から10億円もの大金を受け取りながら、中国と技術協力をするなど、日本人の感覚からすれば、余りにも非常識です。いや、売国奴の所業です。なぜなら、中国において、高度な技術は、すべて軍事転用することが当然であり、そのためにこそいわゆる「千人計画」により、世界中から優秀な科学者を秘密裏に招聘しているのです。
 このような日本学術会議の在り様を前提とするならば、この組織は、今すぐに純粋な民間組織として再編する必要があります。民間組織として、国の税金を当てにせず、自由に人事を行うのです。必要なお金は、構成員からの会費で賄えばよいのです。そうなれば学問の自由が侵害されただの、組織の独立性が損なわれたといった問題は生じなくなります。浮いた10億円の予算は、若手研究者たちの育成に使うなど、いくらでも活用することが可能です。(R2・10・7記)



<後日記>

岩田温

 日本学術会議が共産党系の学者に牛耳られている組織だ、ということが分かりました。
 岩田温氏の著書「日本再建を阻む人々」で、この組織の実態が理解できたのです。同書の236ページに、著者が探しあてた書籍「自民党の知恵」(成甲書房)の中に、講演集なるものがあり、その中で中山太郎外相が総務庁長官時代の日本学術会議やり取りに言及した記述があります。その一部を以下に引用します。

「日本学術会議というものがございます。これは共産党の牙城だったんです。
 この日本学術会議は総務庁長官が所管しておったんですが、学術団体ですから政治が関与してはならない。
 ただし、この会員というのは共産党の影響を受けている。海外での調査に行く学者たちの振り分けは日本学術会議が中心にやる。つまり共産党の主導。これに対して私は「これはおかしい。総務庁長官として一回解体したい。」と申し上げた。しかし官僚たちは共産党の牙城なものですから絶対に賛成しない。」(前掲「自民党の知恵」157頁)
 このとき総務庁長官の権限には海外出張旅費の承認の印を押す権限が与えられており、中山長官はこの権限を最大限行使することにした。すなわち、学術会議関係の出張旅費に関する承認を一切しなかったというのです。この状況に堪りかねて、当時の学術会議会長であった伏見康治氏が中山長官を訪ね、「日本学術会議を解体するおつもりか」抗議したと、というのです。
 以下、再び、中山氏の講演録から引用。
「そこで「悪いものは直す。私の手ではなく、あなた方の手で直しなさい。」と申し上げた。すると伏見さんは「自分の座っている椅子を自分で持ち上げられない」とおっしゃった。つまり自分の力で自己改革はできない。こういうことをはっきりおっしゃった。(前掲書158頁)

 評論家の屋山太郎氏も「日本学術会議解体のすすめ」で、日本学術会議の諸悪の根源は「選挙制度にある」と述べています。日本共産党は、機関紙「赤旗」で「有権者の資格のある学者の中に手続きの仕方を知らないため届け出せず、資格を失っている学者が多い」として、有権者を大量に送り込むことを組織的に実施してきた実態が述べられています。

 ここではこれ以上言及しませんが、日本学術会議がいかに共産党によって牛耳られてきたのかの経緯が理解でき、従って、同会議がなぜ日本の防衛研究には一切協力しないが、中国の防衛研究には協力するのかが、理解できます。是非、この岩田温氏の「日本再建を阻む人々」をご一読ください。(R5・12・4記)

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