時事寸評 書評コーナー

welcome to shimada's homepage

日本発、夢の常温核融合が実現するかもしれない

日本発、夢の常温核融合が実現するかもしれない

核融合は人類の夢

 核融合という言葉を聞くと、太陽の中で起きている「核融合」現象を連想します。太陽は推測年令46億年、今後さらに46億年位はもつと言われる超巨大な天体です。その太陽の中心部で起きている現象こそが核融合反応です。人類は、この核融合現象をこの地球上で安全に起こせないかと試行錯誤を重ねてきました。
 開発の最前線は、日米欧などが2007年からフランスで建設中の国際熱核融合実験炉「ITER」です。この実験炉の稼働予定は3年後、2025年です。文科省の工程表によれば、2035年頃に、ITERの成果を踏まえ、次の段階である原型炉の国内建設を行い、2050年頃に運転開始を行う予定とのことです。これだけ聞くと、かなり先の話で、実際に稼働するのかどうかさえ不安になります。莫大なエネルギーが期待できる半面、巨大な装置、管理の困難性などが予想されるからです。

民間企業が常温核融合に挑戦

量子水素

 ところが日本の民間企業が、これらの困難な問題を克服し、常温で核融合が可能となる簡易な核融合方式を確立し、その装置を2023年、つまり、来年にも製品化できるというのです。驚くではありませんか。
 この会社はクリーンプラネットという会社です。2012年に設立したベンチャー企業です。2015年に東北大学と共同で、同大学内にある電子光理学研究センターの「凝縮系核反応研究部門」などを拠点に、量子水素エネルギーの実用化に取り組んでいるというのです。東北大では、三菱重工業在籍中にこの分野で成果を上げた岩村康弘特任教授を中心に基礎研究を行い、実用化に向けた開発を続けているのです。発熱現象の再現性については、すでに100%を確保しており、今後の研究課題は定量的な再現性、つまり必要な時に必要なだけのエネルギーを創出する段階に移っているというのです。
 クリーンプラネットの研究成果で注目すべきは、比較的コストの低いニッケルと銅、軽水素を主体とした反応系での発熱で100%の再現性を実現している点です。具体的には、14nm(ナノメートル)のニッケルと2nmの銅を多段に積層したチップ(発熱素子)を真空状態に置き、軽水素を封入して加熱すると投入エネルギーを超える熱が長期間にわたって放出されるというのです。この発熱量は化学反応では説明ができないというから驚きです。

量子水素のしくみ

 チップ金属の結晶構造には、所々に格子状の欠陥があり、複数の水素原子が欠損部にはまり込むことで接近し、凝縮により原子核の融合に至る。その際、質量欠損分が熱として放出されるというのです。残念ながら、化学に弱い私には、このあたりのことは理解困難です。
 通常、熱核融合炉では中性子線やベータ線といった放射線が放出されますが、この凝縮系核反応による核融合の場合、これらの核融合装置では放射線はまったく観測されていないというのです。
 この発熱素子のナノレベルの積層構造の製造には、日本の製造業が強みとする薄膜加工技術を生かすことができます。また、こうしたノウハウのある企業と組むことでチップの大面積化、シート化も容易になると見込まれており、そうなれば応用範囲は更に広がるというわけです。日本にとって大きく明るい展望が開けるではありませんか。
 常温核融合の技術は、当然、発電システムへの展開が可能になります。蒸気タービン発電機との組み合わせがイメージされているそうです。熱電素子によるコンパクトな構造も可能ですが、発電効率を重視するならば、熱を蒸気に転換し発電機を回すランキンサイクルという方式が有利とみられているようです。

クリーンエネルギーの最たるもの

 量子水素エネルギーは、燃料である水素を再生可能エネルギーで製造するものですから、CO2を排出しないカーボンフリーのシステムです。現在、再エネ由来の水素を電気に変える場合、燃料電池を使いますが、その場合、発電効率は50%前後とロスが大きいとされています。しかし、量子水素エネルギーであれば、ランキンサイクルによるロスを含めても、発熱量が大きい分だけ同じ量の水素から生み出せる電気の量は大きくなります。その大きさは燃料電池の数倍以上に達する可能性があり、その分だけ、再エネにレバレッジ(てこ)の効果が働き、結果的に再エネの開発容量を減らせるというのです。
 この分野で先頭を走るクリーンプラネット社の吉野英樹社長の言によれば、「現時点で(当社は)、量子水素エネルギーの製品化では世界の先頭を走っており、すでに21カ国で特許を取得した。ただ、ここにきて欧米でも、官民挙げてこの分野への投資を、急拡大させる動きがある。今後もノウハウを持つエネルギー関連企業と連携することで開発速度を上げ、さまざまな用途に展開していきたい」と話しています。

多くの分野への応用が可能

プロトタイプ

 この常温核融合が実現できれば、さまざまな分野への応用が可能になります。
 発熱密度が都市ガスの10,000倍以上、というんですから、継続して180日以上の利用が可能ということになります。発熱できなくなったら、カートリッジを取り換えるだけで、再度、180日以上の利用が可能になる、ということです。
 このような常温による核融合技術が実現すれば、これまでの化石燃料に 依存してきた概念が、根本的に変革される可能性があります。
 化石燃料すら不要になる可能性があるのです。化石燃料を使用する場合には、採掘、運搬、加工などの過程で巨大な装置が必要になります。また、電気エネルギーに変換する場合、発電所はもちろん、送電線や変電所などの施設も必要になります。常温核融合なら、これらのかなりの部分が不要になる可能性があるのです。
 自動車に適用すれば、何百日でも走り続けることができます。もちろんオイル交換も不要になります。空飛ぶ自動車も、現実のものとなります。自動車が空を飛ぶなら、山間地の道路の多くが不要になるかもしれません。
 ドローンに適用すれば、何百日でも滞空することが可能になります。ということは、電波の届かない空間にドローンを滞空させておけば、山岳地帯でさえ24時間通信が可能ということになります。
 豪雪地帯では、雪下ろしなどは住民にとって雪が悩みの種ですが、屋根に温水を循環させておけば、雪下ろしの労働からも解放されることになるでしょう。溶けた雪は淡水として世界に輸出し、日本は淡水輸出大国になるかもしれません。

太陽光発電から常温核融合に大転換を

吉野社長

 これまで世界は、地球温暖化を悪者にし、脱炭素社会を実現すべく邁進してきました。日本も、その方向に進むべく巨額の投資をすることにしています。私は、これまで何度も、地球温暖化のまやかし、胡散臭さを指摘してきました。脱炭素化の究極の狙いが、ガソリンエンジン車の高度な技術を取得できない中国など後発国が、米国の元副大統領アル・ゴアなどと結託し、「環境」という葵の御紋を掲げ、一気に巻き返しを図ったまやかしの政治ショーだと考えているからです。多勢に無勢、世界の大勢は、脱炭素に向かって「猫まっしぐら」、というのが現実の姿です。
 しかし、この常温核融合が実現すれば、地球温暖化という呪縛から解放される可能性があります。CO2を排出しない、莫大なエネルギーが得られるからです。もちろんこのような常温核融合が現実味を帯びてくれば、既存の既得権者からさまざまな妨害がなされることになるでしょう。石油や石炭はもちろん、天然ガスなど既存のエネルギー業界は、壊滅的な打撃を受けることになるからです。液化天然ガスを輸送する必要すらなくなるかもしれません。原子力発電も用済みになるかもしれません。
いずれにしろ、この常温核融合が実現した社会は、今と全く異なる世界になるでしょう。
 しかし、これまでも私たち人類はそのような大転換を何度も経験し、それを乗り越えてきました。電車もバスも飛行機もない時代からそれらを自由に乗りこなす社会を作ってきました。遠距離との通話も、郵便を介して行う時代から電話になり、スマホに変わっていきました。指先でチョンチョンと操作するだけで、交換手を介さず映像で地球の裏側の人と会話できるようになったのです。
 今、夢のエネルギー、常温核融合社会が実現すれば、そのような大転換が起きる可能性は十分にあります。そしてその技術が、今、日本で実現する可能性があるというのです。心静かに期待をもってその実現する日を待ちたいと思います。(R4・5・31記)

<参考動画>
▶▶▶【常温核融合】量子水素エネルギーの謎【実用化?】
▶▶▶量子水素発電ご紹介します!
▶▶▶クリーンプラネット社、吉野社長の挨拶
▶▶▶次世代技術“核融合”の可能性【日経プラス9】

a:637 t:2 y:3

powered by Quick Homepage Maker 5.1
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional