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安倍元総理狙撃死は警備の大失態だ

安倍元総理狙撃死は警備の大失態だ

余りにも衝撃的なニュース

安倍さん逝く

 安倍元総理が演説中に狙撃され、亡くなりました。この事件は7月8日、午前11時30分頃に発生しました。この時刻、私が庭で剪定したアジサイの始末をしている時間帯でした。NHKのニュースで「心肺停止」という形で知ったのは、12時を少し過ぎてからでした。大変な衝撃でした。
 安倍元総理は、マスコミや野党からさんざん悪評を言われたり書かれたりしましたが、私は終始一貫支持してきました。彼の国家観、安全保障政策に関する信念は揺るぎないものがあり、日本という国を護るためには絶対に必要な政治家だと思っていたからです。
 経済政策についても、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の3つの柱からなるアベノミクスは、方向性として全く間違っていませんでした。ただ、財務省など財政均衡主義を主張する緊縮財政派の妨害により、成長戦略が思うように実行できず、十分な成果を上げることができなかったのも事実です。

警備陣は素人集団なのか

現地

 ここでは、安倍政権の功罪を論ずることはやめます。今回は、要人警護体制のありかたについてです。報道で映像を見ている限り、SPと思われる人物が何人か配置されていますが、背後が全く無防備、がら空きになっているのが分かります。犯人の山上徹也容疑者(41)がやすやすと背後から近づける状況になっていたのです。背後は、道路になっており、それなりの交通量がありました。そこに警備陣の油断があったのかもしれません。
 山上容疑者は、交通の途絶えた瞬間をとらえて渡り始めたのか、手で交通を一時制止して渡り始めのか、正確には分かりません。いずれにしろ、かなりの交通量のある道路を横断して安倍さんに近づいています。後ろ向きで立っていたSPもいたんですから、プロならこの段階で、注目するはずです。集団で渡っているのではなく、1人だけで渡っているので目立つからです。
 その目立つ人物が、渡る前に銃を構えていたのか、歩きながら銃を構えたのか、よくわかりませんが、撃つ瞬間にはピストルのように構えていたことは事実です。

2秒ほどの余裕があった

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 映像で見る限り、弾丸は2発発射されています。一発目は当たらず、2発目に安倍さんを直撃しています。最初、映像で見たときには、1発目と2発目との間に2秒程度の時間があったことが分かります。現代兵器のような連射式ではなかったのです。報道では、2秒半のゆとりがあったとされています。
 2秒半という時間は、要人警護の際には重要な時間です。1発目で撃ち損じたとして、要人を護るのには2秒半は十分な時間だと思います。SPが安倍さんの近くにいるなら、安倍さんに覆いかぶさるとか、安倍さんを後ろから突き飛ばすとか、安倍さんを動かすことは十分に可能だったはずです。そういうとっさの行動をとれるよう日頃から訓練するのが、SP(又は警護)の本来の仕事のはずだからです。
 ところが、今回は、1発目が外れ2秒半ほどの空白があったにも関わらず、そのようなとっさの行動はとられていませんでした。警備体制というよりも、現場にいた警備陣の大失態であり、その責任を問われて然るべきだと思います。

世界的にも大きな損失

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 安倍さんを亡くしたことは日本にとって大きな損失ですが、世界にとっても大きな損失です。国連の安全保障理事会は、30秒間黙とうという形で安倍さんの死を悼みました。インド訪問時、インドではオープンカーでの大歓迎を受けました。しかし、日本のマスコミは、ほとんどこれを報じませんでした。モリカケ桜で忙しかったのです。このインドでは、安倍さんの死去の翌日、全国民が喪に服しました。外国から一日喪に服された人物は、安倍さんを置いてほかにいないでしょう。あの習近平でさえ、哀悼の意を表しました。戦時下にあり、世界中の嫌われ者となっているロシアのプーチンも、哀悼の意を表しました。
 それほどに安倍さんの存在は大きかったのです。安倍さんは、まだ67歳。あと10年は十分に働ける年令でした。本当に残念でなりません。

▶▶▶安倍総理インド訪問時の動画

特定の宗教団体とは?

現地

 山上容疑者は、逮捕後に動機について「母親が特定の宗教団体の信者であり、大量の寄付をしていた。その団体とつながりのある安倍元総理が憎くて殺害しようと思った」という趣旨のことを話したとされています。
 犯人は「特定の宗教団体」などといわず、明確に団体名を言っているはずです。つまり警察が、敢えてその宗教団体名を秘諾したものと言うべきです。犯人が明確にその動機を語ったものとすれば、なぜそれを隠す必要があるのでしょうか。
 ネットの情報を総合すると、この特定の宗教団体とは「統一教会」とみてよさそうです。
 山上容疑者の母親がかつて統一教会の信者であり、大量の寄付をしていたこと、おそらくはそれが理由で2002年8月21日に破産宣告を受けていることが明らかになっており、家族が崩壊したことへの何らかの恨みを統一教会と安倍氏にぶつけた可能性があるからです。安倍さんが、この統一教会に何らかのメッセージを送った可能はあります。山上容疑者は、このことを逆恨みしたのです。
 この間の事情について、Yahooニュースは、次のように伝えています。

Yahooニュースより

山上容疑者に誘われて西大寺の飲食店で食事をしたことがあるという男性は、山上容疑者からある悩みを打ち明けられていたという。 「これまでに3回ほど、安い居酒屋でおごってもらったことがあります。ふだん山上さんは、自分のことをほとんど話しません。しかしその日は、『自分の家族が統一教会に関わっていて、霊感商法トラブルでバラバラになってしまった。統一教会がなければ、今も家族といたと思う』と語りはじめたのです。山上さんは続けて、『統一教会は、安倍と関わりが深い。だから、警察も捜査ができないんだ』と、あまり感情を出さない山上さんが、怒りにまかせたように話していました」。統一教会(現在は世界平和統一家庭連合)の広報に問い合わせると、山上容疑者の母であるA子さんが、同教会の信者であることを認めた。たしかに、同教団の関連団体が開いた大規模集会に安倍元首相が祝電やビデオメッセージを寄せてきたことは、これまでも本誌や「しんぶん赤旗」などが報じている。(Yahooニュース7月10日配信)

 このことを前提とするならば、完全な逆恨みということになりますが、中国や韓国など、反日教育を行っている外部勢力に利用された可能性も完全には否定できません。今後の捜査が待たれるところです。

安倍イズムを引き継げるのは誰か

画像の説明

 安倍さんの存在が余りにも大きかったので、彼を引き継ぐ存在はすぐには見当たりません。安倍イズムを引き継げる思想・信条を持つ人物は、高市早苗、岸信夫、青山繁晴の3人位しか思いつきません。
 高市さんは、思想信条ともに引き継げる人物だと思います。しかし、現在は派閥に属しておらず、仲間づくりをしてこなかったということが、今後、力を発揮する際に、制約となるかもしれません。現在、安倍派に属する人たちが、高市さんの復帰を認め、そのまま高市さんを安倍派の領袖として支えてくれるのか、見通せません。高市さんは、安倍さん本人と最大派閥安倍派の後ろ盾を受けることによって輝く人材なのかもしれません。その意味でも安倍さんを失ったことは、返す返すも残念でなりません。
 岸信夫防衛大臣は、思想信条ともに、安倍さんの意志を継承できる人物だと思います。実父は外務大臣・内閣官房長官を歴任した安倍晋太郎、実母は安倍洋子。実兄の安倍晋三、祖父の岸信介、大叔父の佐藤栄作はいずれも内閣総理大臣を務めている政界サラブレッドといってよいでしょう。安倍派に属しており、派閥のトップになることに違和感もありません。ただ、安倍総理が、敢えて身内贔屓ととられないよう、要職に就けてこなかったため、閣僚経験が少ないという欠点はあります。

継承者

 そして最大の不安要因は、健康問題です。現在の岸防衛大臣を見ていると、車椅子に乗ったり、杖を突いたり、健康不安がつきまといます。股関節周りの病気とのことですが、一時的な病気なのか、長期化する病なのか、その点が最大の不安要因です。国のトップリーダに、健康不安があるというのは良くありません。
 青山繁晴氏は、思想信条的にも、安倍イズムの継承者として、十分な資格があります。日本の尊厳と国益を護る会は73人の自民党員から構成されており、派閥横断的な活動を繰り広げています。仲間がおり、政治信条も安倍さんに近い。お金にもきれいだ。ただ、余りにも精力的に活動するので、体力が持つのか心配です。また、参議院議員という点も泣き所ですね。(R4・7・10記)

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