時事寸評 書評コーナー

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国会は統一教会問題より安全保障と経済問題を議論せよ

国会は統一教会問題より安全保障と経済問題を議論せよ

安倍射殺事件の本質は統一教会問題ではない

 毎度のことながら、国会の在り様をみていると、本当に情けなくなります。常に三流週刊誌並みの低俗、低劣な議論ばかりが繰り返されているからです。
 安倍元総理が暗殺されてからすでに4カ月近くが経過しようとしています。その間、国会でなされている議論は、自民党議員と統一教会との関りに関する議論ばかりです。その議論も、宗教というものの本質から逸脱したものばかりです。
 そもそも信教の自由は、内心の自由の問題であり、憲法の保障する基本的人権の問題です。憲法19条は「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」と定め、更に20条で「①信教の自由は、何人に対してもこれを保証する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。②何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない」と定めています。
 自民党議員といえども、一個人として信教の自由があり、どのような宗教を信じるかは全く自由です。その自民党議員に対して、「統一教会と僅かでも関りがあれば問題だ」と騒ぐのは異常としか思えません。
 勿論、マインドコントロールをし、億単位の金を要求したりする行為は、強く非難されなければなりません。が、その寄付行為が異常であったとしても、第三者が即座に断罪できるほど、宗教問題は簡単な問題ではありません。創価学会や多くの宗教団体も、現世利益を謳い、あるいは寄付金の多寡によって、幸福の度合いが異なるくらいのことは言っているのではありませんか。
 そもそも国会議員が、統一教会やその関連団体からの要望に応え、自らの政策を訴えることは、何の問題もありません。宗教団体の信者も日本国民の一員である以上、彼らに対して、政策を説明し、同意を得ることは、正当な政治活動であり、全く違法性はないからです。

辻元

 それに批判をしている立憲民主党でも、前代表の枝野幸男や現国対委員長の安住淳、現幹事長の岡田克也議員らが、旧統一教会と関係の深い「世界日報」の取材やインタビューに応じていたことが発覚しています。辻元清美、大串博志、原口一博らにも過去の「接点」があったことが明らかになっています。統一教会との関りは、何も自民党議員だけの問題ではないのです。辻元清美議員など、演説をした会場が統一教会の場所だとは知らなかったなどと述べていますが、その言い訳は、自民党議員のそれと何ら変わるところがないではありませんか。こういうのを目くそ鼻くその類というのです。
 本来、政治と宗教との関連が問題だというなら、憲法の精神に照らし、創価学会を支持母体とする公明党が政権与党に参画していることの方が、はるかに問題なのではありませんか。公明党は政教分離している、とはいうものの、その実態は、「宗教団体の政党」であることを多くの国民は知っています。その公明党は、常に政権与党に抱きつき、政権に強い影響力を保持してきました。国土交通大臣という多くの利権を有する大臣ポストを長年にわたって独占してきました。その異常性を追求することこそ、本来、立民など野党が果たすべき役割なのではありませんか。
 私は、統一教会はもちろん、その他どこの宗教も信じていません。それでも地元に昔からある天神神社には、散歩の折に手を合わせます。私たちの先祖や大いなる自然に対する敬意からです。そういう私の立場から見ても、統一教会問題に対する国会の対応やワイドショーなどの扱いは、明らかに異常です。なぜなら統一教会の会員数は、6万人程度とされています。だとすれば信者数800万人の創価学会や200万人の立正佼成会などに比べ、その影響力ははるかに小さい。
 そのはるかに影響力の小さい宗教団体に対して、これほどしつこく追及する野党やマスコミなどの対応は、明らかに論点ずらし、すなわち、安倍元総理暗殺事件の本質を観ようとせず、自民党政権を引きずり下ろすための倒閣運動である、と考えざるを得ません。
 この統一教会問題の本質は、嘗て中曽根康弘総理が国会で述べた言葉に尽きています。中曽根総理は「一部団体と自民党が縁を切れと言っておられますが、これは思想と行動の自由に対する重大な侵犯発言です」と述べたのです。そして、それ以上大きな問題にはならなかったのです。
岸田総理は、自己の信念がないがゆえに、説明がふらふらしていますが、確固たる意志をも言って中曽根発言を踏襲するなら、野党もワイドショーも黙らざるを得ないのです。

暗殺事件の本質を追求せよ

 安倍元総理の暗殺事件をめぐり、野党が追及すべき問題は何か。それは要人警護のあり方と射殺の真実解明です。この事件が起きた当日の要人警護はあまりにも杜撰であり、警護の名に値しないことは、すでにこの欄でも縷々述べたのでここでは再説しません。
 もうひとつの「暗殺事件の真実」についても、まだ明確な説明がなされたとは言えません。第一は殺傷能力の問題であり、第二は、安倍元総理の死の原因になった弾丸は本当に山上容疑者の発射した散弾銃のものだったのか、という問題です。
 第一に、山上容疑者がひとりで作った手製の散弾銃は本当に殺傷能力があったのかという点について、十分な検証がなされたようには見えません。殺傷能力の点に関しては、事件当日、奈良県で唯一の銃砲店として銃器を取り扱う専門業者キタヤマト ガン サービス 吉留敦浩氏が 「弾を発射するパイプの部分が短かったので、飛び出した後がすぐにばらけると思うんです。そういうこともあって精度は悪かったと思います」と述べています。このような素人の作製した散弾銃が安倍元総理にのみ命中し、ほかの誰にも当たっていない。多くの人が集まった当時の現場写真から見て、極めて不自然であり、吉留氏の「すぐにばらける」という証言とも合致しないのです。

画像の説明

 第二に、安倍さんの死亡は本当に山上容疑者の発した散弾銃によるものだったのか、という点です。この点については、札幌医科大学名誉教授で物理学博士である高田純氏の検証が注目されます。同教授は、詳細な音声データの解析に基づき、「銃声は2発でなく3発だった」と証言しています。マスコミも最初、そのように報じました。同氏は、山上容疑者と安倍氏を結ぶライン上に、本庁から派遣されたSPがカバンを盾に立ちふさがったというのです。この身を挺して立ちふさがったSPの体にもカバンにも、玉は一発も当たっていなかったというのです。ばらける筈の散弾銃の玉が一発も当たっていない。
 しかも、当日、安倍氏の介抱に当たった医師たち3人のうち2人の証言でも、弾丸は後ろからではなく、前からのものであったと証言しています。一人は、路上で診ただけですからほぼ証言能力はありません。
 2人目の医師、ドクターヘリで搬送した植山徹医師は、次のように述べたのです。
「その時点で、いったい何発撃たれたのか、どんな銃が使われたのかといった情報は何もありませんでした。背後から撃たれたというので背中側に手を差し入れても、出血はなく、傷口は見当たりません。機内でできることは限られますが、病院に到着すれば手術ができるので、なんとかそれまでに位置を特定して病院のチームの助けになることが一番の仕事だと考えていました」。ドクターヘリで手当てにあたった医師は、「背後から撃たれたというが背中側に出血はなく、傷口も見当たらなかった」と証言していたのです。
 さらに植山医師は、「揺れる機内で全身を観察し、傷を探した」と述べ、「傷は背中ではなく、体の前方にあった。首に2つと、更に左肩にも1つ。特定できたのはヘリが病院に到着する2分前だった」とも述べています。
 ヘリ到着後、実際の手術を担当したのは救急医である福島英賢教授をはじめとするチームでした。彼が3人目の医師です。福島教授によれば、「治療は困難を極めた。胸を開いてみると傷は血管だけでなく、心臓にまで達していた。血圧は急激に低下していて、血液は輸血したそばから失われていった。自動のポンプだけでは追いつかず、医師と看護師が交代しながら手動で血液を送り込んだ。」と述べています。
 つまり、弾丸は、心臓にまで達していたというのです。背後から撃たれ、弾丸が心臓に達していたなら、背広の裏側にその痕跡が残っているはずです。それを立証すべき背広は、なぜ公開されないのでしょう。背広を貫通した弾丸なら、後ろから撃たれたものであるか、前からのものであるかくらいは、容易に「鑑定」できるはずです。安倍明恵夫人さえ証人喚問せよと叫ぶほどに、証人喚問が大好きな野党やマスコミはなぜ、この問題で直接治療を担当した医師やSPの証人喚問を要求しないのでしょうか。
 野党やマスコミは、このような重大な事実関係について全く関心を寄せず、ことさらに統一教会と自民党議員との関係ばかりを攻撃の対象にしています。このことには、何らか別の意図があると考えざるを得ないのです。

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安全保障問題とエネルギー、食糧問題こそ議論せよ

 これまで述べてきたように、今、国会で議論すべきことは、統一教会問題ではなく、国の安全保障問題とエネルギー、そして国民の食糧問題です。

画像の説明

 第一の安全保障問題は、言うまでもなく中国問題でもあります。3期目に突入した習近平政権は、胡錦涛や李克強首相などの共青団一派を排し、完全に独裁体制を確立しました。自らの子飼いのイエスマンばかりを集めた、異様な独裁政権なのです。この独裁政権は、国民生活の向上よりも、自らの政権基盤を確立することの方を優先した政権です。本来なら、国民生活を豊かにし、国力を向上させるのがリーダーの役割ですが、この習近平政権は、そのことよりも、自らの権力基盤を強化することにのみ、意を注いだ異様異形の政権なのです。
 習政権が、国民生活を豊かにすることができないとすれば、何らか他の方法でその成果を誇示しなければなりません。他の方法とは、台湾統一など対外進出以外に考えられません。異論を許さない、イエスマンばかりを集めた意義は、正にそこにあります。台湾進攻が近い、と考える根拠はここにあります。
 外部環境も、台湾進攻を実行するのに有利であることを裏付けています。アメリカは、ウクライナへの全面支援で兵器不足を生じているばかりか、物価高騰により、経済も疲弊しています。また、中間選挙を目前に控え、政治的混乱も不可避です。更に、欧州各国も、ロシアからのエネルギー輸入の大幅な停滞を主因とする物価高という重圧に苦しんでいます。今冬の厳寒期を乗り越えられるのか、という切迫した問題を抱えているのです。
 翻って日本も、中国の浸透工作により、岸田政権幹部の弱腰が見透かされています。
 つまり、中国にとって、世界情勢は、台湾進攻に有利な条件を提供し続けているのです。そして、台湾有事は正しく日本有事なのです。
 今、この時期は、日本にとって、いかにして台湾有事に備えるべきなのか。自衛隊の反撃能力、継戦能力が問われています。すなわち戦時において有効な反撃能力、組織的に戦闘を継続する能力はあるのか。中国に10万人、台湾に2万人いると言われる在留の邦人をどのように救出するのか、南西諸島をはじめとする沖縄県民をどのように避難・保護するのか。また、本土に数多のミサイルが飛来したとき、国民はどのような対応が取れるのか。これらこそが、今、国会で論ずべき最重要なテーマなのです。

エネルギー問題も火急の大テーマ

 台湾有事だけではありません。仮に、台湾有事が起こらないとしても、エネルギー問題は、緊急に解決すべき重要なテーマです。ロシアのウクライナ侵攻により、世界のエネルギー事情は一変しました。98%を海外のエネルギーに依存する日本にとって、急激に進む円安は、諸物価高騰に拍車をかける深刻かつ重要な問題です。
 少し具体的に見てみましょう。慶応大学の産業研究所野村研究室が公表した「エネルギーコストモニタリング」のデータがあります。これによれば、2022年8月の最終エネルギー消費額は4.3兆円、前年同月比で+1.1兆円。2022年暦年の最終エネルギー消費額(予測値)は50.4兆円、前年比で+12.9兆円となる見込みだというのです。この増える分の12.9兆円という額は、GDPの約1割に相当します。日本の防衛予算が約5.5兆円であることから、その規模感が分かろうというものです。
 エネルギーコストがこれほど高いのでは、円安効果で折角国内回帰をしようとした企業も、二の足を踏まざるを得ません。エネルギー問題は深刻で且つ急を要する問題なのです。燃料費に少しばかりの補助金をつければ解決する問題ではありません。緊急に緩和策をとるためには、既存の動かせる原発を総動員するなど、取るべき方策は限られています。これらの問題こそ、国会で緊急に議論すべき重要なテーマなのです。

食糧問題も緊急のテーマ

 深刻なエネルギー問題は、連鎖的に食糧問題も引き起こします。エネルギーは、国民生活のあらゆる場面で必要だからです。

農水省予測

 先に公表された農林水産省の試算というものがあります。それによると、「稲作の個人経営は米価下落や肥料高騰の影響で、2023年には経営規模5ha以下で赤字になる」と試算しています。経営規模5haという面積はどれくらいの広さか。1haは100m四方ですからその5倍の面積です。日本の農家の98%がこれに該当します。つまり、日本の98%の農家が、来年度には赤字経営にならざるを得ない、というのです。
 因みに、同試算によれば、黒字が維持できる2%の農家でさえ、黒字額は僅か約13万円にすぎない、というのです。1年間働いて13万しか残らない農家に魅力があるでしょうか。後継者ができると思いますか。

子牛100円

 勿論、米農家が苦しければ、酪農家も苦しい。酪農家も、配合飼料の高騰で、畜産を継続することができないと悲鳴を上げているのです。あまりに輸入飼料が高騰してしまったため、uhb北海道文化放送の報道によれば、子牛に与える飼料が不足し、子牛1頭が僅か100円で取引されている、などとも言われているのです。
つまり、来年以降、米農家も畜産農家も、廃業が相次ぐのが目に見えているということです。その時日本国民は、どのようにして食料を調達することになるのでしょうか。

国会はもっと高度の議論をせよ

 以上述べてきたように、今、日本は大変大きな困難に直面し、漂流し始めているのです。安全保障問題やエネルギー問題、そして食糧問題。これらは国が総力を挙げて取り組まなければならない、緊急かつ重要な問題ばかりなのです。

日本歳時記

 翻って国会を見ると、統一教会と自民党議員との関りがあったのかなかったのか、といった低次元の問題で明け暮れています。情けないのを通りこして、モノを言う気にもなれない、というのが国会の惨状なのです。
 正しく、今の日本は、タイタニック号が氷山に激突する寸前にあるのに、甲板で椅子の並べ方や席の取り合いをめぐって言い争いをしている無能な船員たち、その姿とダブってくるではありませんか。思えば野党やマスコミはモリカケ桜で無益な3年余を費やし、安倍総理を貶め、その業績を隠し続けてきました。そしてまた今は、全く同じ手法で統一教会と自民党を関連付けることにより、論点ずらしをしているのです。
 他方、優秀であるはずの官僚は、矢野財務次官のように、文芸春秋で「今の日本の状況を喩えれば、タイタニック号が氷山に向かって突進しているようなものです。氷山(債務)はすでに巨大なのに、この山をさらに大きくしながら航海を続けているのです。」なんて、日本を憂いているかのようなノー天気な発言をしています。冗談ではありません。憂いているのは国民ですよ。PB論という統一教会員も驚くような古風な宗教にかぶれ、30年近くも日本経済を不況と停滞に導いたのは、どこのどいつですか。言うなら、断固として日本経済を復活させてから発言していただきたい。
 国民は、今度こそ、これら能天気で平和ボケした国会議員と物事の本質を論じないマスコミ、そして経済を家計簿式レベルでしか観ない財務官僚に活を入れ、性根を叩き直さなければなりません。(R4・10・31記)

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