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川崎ストーカー殺人事件への警察の対応は余りにもお粗末だ

川崎ストーカー殺人事件への警察の対応は余りにもお粗末だ

またまた起きたストーカー殺人

あさひさん

 川崎市川崎区の民家にあったバッグの中から、白骨化した女性の遺体が発見されました。ストーカー事件の被害者の遺体です。またか~、というのが率直な感想です。そしてこの種の事件が起きる度に思うのは、「なぜ警察は本腰を入れて取り組まないのか」あるいは「取り組まなかったのか」という疑問です。
 今回のこの事件の被害者はアルバイトの岡崎彩咲陽(あさひ)さん20歳、加害者は白井秀征(ひでゆき)27歳です。
 2人は昨年まで交際関係にあったということですが、交際を解消した後も白井容疑者が岡崎さんの自宅周辺をうろついたりしていたため、彩咲陽さんは度々警察に相談していたということです。
 彩咲陽さんの自宅をうろつく姿を撮影した動画などを見ると、覆面で顔を隠し、尋常ではない状況が伝わってきます。そのため岡崎さん側は何度も警察に相談しており、報道によれば9回も通報しているというのです。
所轄の川崎臨港署は彩咲陽さんに「白井容疑者には連絡しないように」と伝えただけで、白井容疑者に対する聴取はしなかったとのことです。これではストーカー法の意義は全く生かされません。
 ストーカー法では、「つきまとい等の行為があるとして警告を求める旨の申し出」があり、かつ、「このつきまとい行為が繰り返される恐れがあるとき」は、「警告」をすることができる旨規定しています。
 さらに同法では、警告を受けた者が、この警告に従わず更につきまとい等の行為を繰り返す恐れがあるときは、本人を聴聞したうえで「禁止命令」をすることができることになっています。また、緊急性があると認めるときは、聴聞抜きでもいきなり禁止命令を発することもできるのです。

違法性は明らか

守ってくれてるの?

 9回も警察に通報があったことや自宅周辺を覆面姿でうろついている動画なども残されている状況から見ると、彩咲陽さん本人も家族も相当神経を使っていたことが窺われます。この間の事情を、父親の鉄也さんは、次のように証言しています。
 「繰り返し暴力や連れ去りがあり、彩咲陽は買ったばかりのスマホを容疑者に取り上げられた上、勝手に売却されたこともありました。白井のストーキングはほぼ毎日。いつ寝ているのかというくらい、夜中から朝方まで。だからずっと、家族みんなで彩咲陽を守っていました」。
 「いつ寝ているのかというくらい、夜中から朝まで」執拗に付きまとったというんですから、もう完全に「禁止命令」の範疇です。
 このような状況にあるのに、警察の対応は余りにも手ぬるかった。身の危険を感じ、何度も警察に相談しているにも関わらず、禁止命令はおろか、一度の警告すらもしていない。これではストーカー法の意義は全くありません。
 警察は白井容疑者を7回も事情聴取をしたと言っていますが、それは昨年の3月末の頃の話です。つまり、彩咲陽さんが身を寄せいていた祖母宅から行方不明になってからのことです。ストーカー法の目的は、事前に被害者の身を守ることが目的です。行方不明という重大事になってから、急に走り回っても遅いんです。

お粗末な実地検分

 しかも、川崎臨港署員は、身を寄せていた祖母宅のガラスが割られ、彩咲陽さんが行方不明になった時点でもなお、「室内から割った可能性もある」などと事件性を否定する言動をしていたというんです。何というお粗末な対応でしょうか。警察に何度も相談し、祖母宅に身を隠すということ自体が異常なこと。そのうえ祖母宅のガラスが割られ、彩咲陽さんがいなくなったとなれば、重大事件を想定するのは常識でしょう。それなのに「事件性がない」として実地検証も行わない。もう何をかいわんやの世界です。

抗議のため集合

 要するに、警察は、「殺人」という重大事件が発生するまでは、極めて不誠実な対応をしていたことが読み取れます。これまでの一連の流れを見れば、警察当局は、少なくとも「警告」、常識的には「禁止命令」を発しておきべき事案だったと言わざるを得ません。
 警察も忙しいことは理解しています。しかし、交通法規の細かな違反を取り締まる余裕があるなら、こういった悪質なストーカー事件を未然に防ぐためにより多くの時間を割いていただきたいものです。
 交通法規違反で思い出しました。私は、数年前、一時停止違反で数万円の罰金を課され、そのうえ退屈な講習を受講させられたことがあります。
 その場所は信号のない田舎道の十字路で、「一時停止」の標識がありました。しかし、左右が十分に見通せる場所で、全く一時停止をする必要を感じない場所でした。私は最徐行で左折をしたところ、どこかで見張っていたパトカーがサイレンを鳴らし、とんできました。即、一時停止違反の現行犯です。私の後ろについてきた車も一緒につかまりました。私は、「左右を十分に見通せるんだから一時停止をする必要はないのではないか」と主張しましたが、この主張は通りませんでした。

白井容疑者

 私は日頃から、交通法規はきちんと守る人間です。誰も来ないと分かっていても赤信号では青になるまできちんと待ちます。まあ、それと同じか、と諦めて罰金を払い(つまらない!)講習も受けました。
 でもその時に感じた印象は、警察は、わざと違反をしやすい場所を作り、陰から見張っていれば、必ず違反者がでる。つまりいくらでも「カモ」がくる。こういう罰金収入が多くなれば警察はもちろん、財務省も喜ぶ。警察と財務省が結託しているのではないかと、疑わざるを得ませんでした。ふいに足払いをかけられたような、警察に強い不信感を感じたのは事実です。

市民の信頼を得る組織になれ

 話が脱線しましたが、警察にはもっと市民に喜ばれる、真に市民を助けるような組織になって頂きたいのです。男女のもつれなんて、こんな面倒なことに煩わされたくないと言うなら、即、警察官をお辞め頂きたい。面倒なことも危険なことも、警察官の仕事なのです。今回の一連の対応は、警察というものに対する信頼を大きく損なったことは間違いありません。
 最後に、父親鉄也さんのことばを述べておきます。
「娘ではないことを願っていたが、娘だったら早く連れて帰りたかったので、ほっとした部分もある。警察は遺体が見つかる寸前まで事件性がないと言っていた。本当の話をしてほしい。」
 お巡りさんよ、事なかれ主義に走らないでください。ストーカー事件には、加害者側にもっと厳しい態度で対応してください。やさしいだけが警察ではありませんよ。(R7・5・5記)



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