中国設置のブイ、即時撤去せよ
中国設置のブイ、即時撤去せよ
上川外相発言に失望
中国が日本の排他的経済水域(EEZ)内に設置したブイをなぜ撤去しないのか、日本国民はイライラ感を募らせています。日本のEEZ内に勝手に設置したんですから、その撤去は主権国家として当然行使しうる権利です。ブイを設置したのは今年7月です。ブイには「中国海洋観測浮標QF212」と書かれているとのこと。既に4カ月も経過しているというのに、日本政府は未だに撤去しない。
この件に関し、上川外相が発言した内容に、失望を禁じえません。国連海洋法条約では「他国のEEZ内で当該国の同意なく海洋調査をすることはできない」と定めているのです。同意なしには海洋調査すらできないというのに、海底に定着し発信機まで装備したブイを撤去できない理由はありません。
それなのに上川外相は、11月1日の参院予算委員会で、日本維新の会の東徹氏がブイを撤去すべきと主張したのに対し、「国連海洋法条約など国際法に関連規定がない」として撤去しない方針を表明したのです。
私は、内心、上川外相には期待していました。法務大臣の時、オウム真理教事件での死刑囚13人を含む計16人の死刑執行命令書にサインをしたのです。多くの男の法務大臣が先送りしてきた案件を、一気に処理したのです。その胆力があれば、外相としてもきちんと職責を全うしてくれるものと期待していました。
ところが、その結果が、このブイ問題で一気に期待外れになってしまったのです。
国際法に禁止規定がないなら堂々と撤去せよ
日本の国内法なら「規定がないからできない」という論理は、日本人にとってあまり違和感はないでしょう。つまり法律など多くの諸法規では「ポジティブリスト」で考え、「条文に書いてあるからできる」「条文に書いてないからできない」とするのが普通だからです。
しかし、この点に関し、高橋洋一嘉悦大学教授は、『国際法は基本的には英米法だ。英米法は「ネガティブリスト」で規定しており、やってはいけないことが規定として書かれている。撤去してはいけないと書かれていないのであれば、撤去してもよいとなる。』と述べています。極めて常識感覚に合致しています。
日本の法律では、自衛隊法など国を守るべき法律でさえポジティブリストで書かれているので、これが常識と思いがちですが、国際法は「やってはいけないこと」を明記し、それ以外はやってもよい、というのが常識です。
本件の場合で言えば、自国が管理するEEZ内に中国が勝手にブイを設置したんですから、これを撤去するのは主権(海洋管理権)の行使として当然行うべき行為です。この余りにも常識的な行為を、「中国様」の反発を想定し怖気ついている、というのが日本の対応です。
ここで、近隣のフィリピンやインドネシアの対応を見てみましょう。フィリピンは、同国の海域内に中国が勝手に設置したブイを即時に強制撤去しました。中国は、一応抗議しましたが、具体的な反撃行動はとっていません。
また、インドネシアでは、スシ・プジアストゥティ海洋水産大臣が2014年に就任以来、拿捕した違法中国船150隻を次々と爆破し脚光を浴びました。この強硬姿勢に対して中国は型通りの抗議はしたものの、それ以上の行動は起こしていません。違法行為をしたのは、中国側だからです。毅然として、自国防衛の行動をとる者に対しては、軍事力の勝る中国と言えども反撃はできないのです。このスシ大臣の行動と上川大臣の行動を対比すると、彼我の差を感じざるを得ません。
中国は、これまでも日中中間線の付近でガス田などを設置し開発するなど、一方的な行動をとってきました。日本政府は度々中止を求めてきましたが、全く意に介しません。中国はサラミ戦術を得意としている国です。相手が一歩でも譲歩すれば、更にもう一歩踏み込んでくるのです。そして気づいたときには、すっかり、「自国領土だ」などと言い出します。当然の権利を行使しないと、弱腰とみられ、少しずつにじり寄り、気が付いた時には回復不能なほどに侵食されてしまうのです。
このブイに関して、高市早苗経済安保相は、「日本が撤去しても違法ではない」と私見を述べました。当然のことです。この余りにも当然の発言が光るほど、日本の外交力は貧弱なのです。
米の中国問題専門家の意見が参考に
このような中国の一連の行動原理に関し、米の対外戦略研究では重鎮とされるロバート・サター氏の次の発言が参考になります。この意見は、月刊Hanada12月号で、産経新聞ワシントン駐在客員特派員との意見交換の中で述べられたものです。
ジョージワシントン大学ロバート・サター教授の発言
中国に対しては、温和な言葉は逆効果です。中国が他国に要求や抗議をぶつける時、相手が温和に出たので、中国も当初の姿勢を和らげるという実例はまずありません。
実際にはその逆に、かえってここぞとさらに攻め込んできます。日本の国内が中国の無法に激しく反発するというのは、健全かつ効果的です。
日本は中国がいま東アジア、さらにインド太平洋で守勢に立たされているという実態を認識して、中国の無法の措置には断固たる反対の態度を保つべきです。
このサター氏の言葉でも明らかなように、日本は、常に中国の強引なやり方に対し、怒らせないように下手に下手に出ていたことが、いかにマイナスに作用していたか、ということが分かります。中国のような無法国家に対しては、毅然としたと態度と行動こそが必要なのです。
ズタボロ国家中国を突き放せ
今、中国の経済状態は、文字通り、ズタズタ、ボロボロの状態にあります。恒大集団や碧桂園(カントリーガーデン)などの不動産大手企業の経営破綻が有名ですが、それだけではありません。中国のすべての不動産企業が経営破綻状態に陥っているのです。
そればかりか、大学を卒業したピカピカの卒業生の20%に職がない。いや、この数字は公式のもので、実際は46%の卒業生に職がないのです。GDPの3割を占める不動産関連がこの状態なのです。この不動産不況は、単に不動産業者に影響が及ぶだけではありません。これらの大手業者に物品を納入した企業、工事をした企業、マンションなどを購入した住民、土地を貸した自治体など、すべての関係者に多大な負の影響をもたらしています。
もちろん、不動産不況ばかりではありません。バカ殿習近平の愚策は、教育分野や外国企業などあらゆる分野にも及びます。学習塾など教育産業を潰し、習近平語録を学習させるなど、あまりにも愚かな政策を強行しているのです。スパイ防止法を強化し、難癖をつけ理由も説明せず逮捕し、密室の裁判をし懲役12年というなど、常識では考えられないような振舞い。福島の処理水を核汚染水と称し、日本産水産物を輸入禁止にするなど、常軌を逸しているのです。
その結果、今、中国経済は八方塞がりの危機的状況にあります。それでいて、海外企業に中国への投資を呼びかけているというんですから、もはや精神錯乱状態というしかありません。自分の預金が自由に下せない。抗議をすれば公安が飛んできて取り締まる。白紙を掲げてさえ取り締まる。若者はもはや何もせず寝そべるしかない。バカ殿熊のプーさんは、これさえも怪しからんと取り締まるという。
このような中国経済の現況を、現地で取材した朝倉慶氏のリポート、そして中国軍の内幕を報じた青山繁晴氏の動画を下記のURLからご覧ください。これからの中国が、長期に亘って背筋が寒くなるようなデフレ国家に陥ることになることが実感できるはずです。
つまり、そんなオンボロ国家の脅しにおびえ、無法ブイ一つ撤去できないのが今の日本なのです。もはや岸田首相には何一つ期待しません。本来は、日本保守党のような真の保守政党が政権を担うべきですが、短期的に無理です。
そのため、当面、自民党は、高市早苗議員又は青山繁晴議員を総理に擁立し、一日も早く体制を刷新するのが次善の策と言えるでしょう。間違っても小石河(小泉、石破、河野)になってはいけない。その時こそ、文字通り、日本の崩壊が現実のものとなるでしょう。(R5・11・30記)
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