時事寸評 書評コーナー

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医者が増えるほど病人も医療費も増える日本の不思議

医者が増えるほど病人も医療費も増える日本の不思議

医者が増えれば必ず病人が増える

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 最初に、右の図で日本のお医者さんの数がどのように推移してきたのかご覧ください。少し古いですが、これは厚生労働省が2019年12月19日に公表した2018年の「医師・歯科医師・薬剤師調査」を示したものです。このグラフから分かるように、日本の医師の数は、戦後一貫して増えてきました。   
 病院に勤務する医師に限定すると、最も多いのは内科医で2万1981人、次いで整形外科医1万3497人、精神科医1万1747人、外科医1万1293人などが多くなっています(臨床研修医1万5321人を除く)。

外来患者数

 これほど増えてきたなら、さぞ全国の病人の数は減少し、薬を飲む人の数も減少しただろう、と考えるのは思考回路の筋道として決して誤りではありません。なぜなら、医師の最大の仕事は「病気を治す!」ことだからです。警察官の数が増えれば、それだけ犯罪数は減少するはず、というのと同じ理屈です。
 では、病気持ちの人、すなわち病人の数は一体どうなっているのでしょうか。上の図でご覧ください。
 エ~!?医者の数が増えれば増えるほど、病人が増えているじゃないか、と誰もが思うはずです。そうなんです。事実に照らせば、医者の数が増えれば増えるほど病人も増える。つまり、医者は病人を治すために存在するのではなく、「病人を増やすため」に存在する、というのがデータからみた現実なのです。

人間ドッグは病人の大量生産システム

 人間ドッグ学会が発表したデータによれば、人間ドッグで、基本検査の全項目で異常が認められなかった者を示す「スーパーノーマル」に該当する人は20万7,438人で、全体の6.6%(男性5.5%、女性8.3%)だったということです。逆に言えば、93.4%の人が、何らかの異常があったということになります。基本検査というくらいですから、すべての検査項目でなく、主要な検査項目に限った検査だけで、異常値のあった人が93%というのはすごい数字です。
 普通の人は、人間ドッグで「異常があった」と言われれば、改めて再検査を受けるとか、その異常値を修正すべく薬をもらうとか、することになるでしょう。よって、医者は大繁盛、ということになります。つまり、人間ドッグは、病人の大量生産システムでもある、ということもできるのです。
 人間ドッグ学会の発表でも、人間ドックの普及に伴い、反復受診者の割合は全受診者の70~80%を占めるようになったとのことです。つまり、人間ドッグの受診者の大半は人間ドッグを繰り返し受け、病気を発見してもらっている、というわけです。

最優秀の集金システム

バリウム検査

 私はすでに78歳、今は人間ドッグも健康診断も受けませんが、現役の頃は、毎年のように、健康診断、人間ドッグを受けました。職場の指導で、半ば強制的に受診するよう命じられていたからです。今思い返せば、受診の都度、「不整脈がある」とか「胃に異常がある」などと指摘され、より精密な検査へと誘導されました。胃のバリウム検査など、何回受けたか分かりません。
 しかし、今から考えれば、人間の体なんて、すべてが正常なはずはない。一日の内でも朝は体調がいいが、午後には体調がすぐれないなど、何らかの変化があるのが当たり前。血圧だって、一日の内で高くなったり低くなったり、さまざまに変化します。
 健康診断や人間ドッグで、精密な検査をすれば、人間ドッグ学会の調査結果が示すように、90%以上の人が「何らかの異常あり」となってしまうのは当然なのです。換言すれば、これほどうまい顧客勧誘システムはないのです。もっと意地悪な言い方をすれば、「合法的に人を脅して合法的に金を巻き上げるシステム」として、健康診断、人間ドッグほど優れたシステムはないのです。

適正値も自分たちで勝手に決める

 人間ドッグを受ける人達を脅す方法として、一番優れた方法は、健康か否かを判断する基準値、すなわち「健康の基準値」を決めることです。血圧やメタボ、LEDコレステロール値など、さまざまな基準値をどこに設定するか、ということです。この基準値の設定の仕方によって、基準値から外れる「不健康な人」を増やすことも減らすこともできるのです。
 例えば血圧です。嘗て高血圧かどうかの基準は、長い間、最高血圧は180mgと設定されていました。要するに最高血圧が180以上なければ、高血圧とは診断されなかったのです。それが2000年に170に引き下げられ、更に、2004年には140に、そして2008年メタボ検診では130にまで引き下げられたのです。私はメタボなんて言葉、それまで一度も聞いたことがありませんでした。いきなりカタカナ用語を持ち込んできて、もっともらしい理屈をつけるのは、厚労省や医学会の常套手段です。
 その結果、どういうことが起こったか。患者の激増です。当然の結果です。東海大学医学部の大櫛陽一教授は、最高血圧130mgと設定したことにより、高血圧患者数が3,060万人になると試算していました。130mg以上は高血圧だというなら、50歳以上の成人の大部分は高血圧症になってしまいます。
 人間は歳をとればとるほど、すべての臓器は老化します。当然、血管も老化し弾力を失います。弾力を失った血管に血液を送り全身に運ぶんですから、より強い圧力が必要になるのは理の当然です。つまり、歳をとれば血圧が上昇するのは自然の摂理です。こんなことは、医学の素人でも分かる自明の真理です。血圧の上昇は加齢現象そのものなのです。

禿も白髪も

 そして加齢現象は、どのような理屈をつけようと病気ではありません。これが病気だというならば、禿げも皺も白髪も運動機能低下もすべて病気だということになります。高血圧症が「病気」としてまかり通るならば、これらも白髪症、皺症、禿げ症、運動機能低下症と呼び、「病気」と認定しなければなりません。白髪は全て黒く染め、皺はシワ伸ばし機で牽引し、禿頭は植毛しなければ「病気」は治らない、ということになります。
 このように、血圧の上昇は単なる老化現象ですから、その標準値も20代、40代、60代、80代というように、年代別に段階的に設定するのが当然です。なのに、老いも若きも同じ数値、同じ物差しで計測すべき、というのは全く合理性がありません。
 こんなことを普通のお店がやっていたら、間違いなく、「詐欺商法」として、即刻摘発されるはずです。しかし、医学の世界では、もっともらしく、「医学」とか「学会」という衣を被って「適正値」を決めるので、一般の人はみな騙されてしまうのです。メタボやコレステロール値などについても同様のことが言えますが、長くなるので、これらについての説明はここでは省略します。
 このように国民の恐怖心を煽り、医者だけが儲かる仕組みを作った例はほかにもあります。昨今の新型コロナ騒動がそれです。コロナ騒動は、マスコミと行政を味方につけて、大いに不安を煽り、巨額の補助金が医者の世界に流れ込むようにしたシステムです。客観的なデータを示さず、「感染者数」のみを大々的に報じ、連日「過去最高」を喧伝し、不安を煽りました。治験中にすぎないワクチンを緊急承認し、老いも若きも「打て打て」と奨励したのです。
 本来なら、「ワクチン」という定義にすら該当しないmRNAなるものを強引にワクチンと定義し、世界を販路として大々的に販売されました。しかも」ファイザー社のCEO(社長)が、予防効果はないと言っているにも関わらず、日本では感染予防のためと喧伝されたのです。
 他方、この新たな疑似ワクチンに疑問を呈するような意見は、「虚偽報道」とか「捏造報道」といったレッテルを張り、報道自体を規制したりしています。いや、今現在も規制され続けているのです。

▶▶▶<参考動画>尾身分科会の学術的なウソ

実は日本は健康後進国

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 日本人は世界一寿命が長いとされています。しかし、それは本当に喜ばしいことなのでしょうか。私は、そのことに若干の疑問を持っています。なぜなら、人間の生きる喜びとは、健康で長生きをすることであって、単に寿命が延びたから幸せと感じる生き物ではない、と信じるからです。
 健康で長生きすることの指標として、「健康寿命」というのがあります。健康寿命とは、平均寿命から寝たきりの期間を引いた期間のことです。いくら生きていても、ベッドで寝た切りでは、少しも楽しくありません。いや、むしろ大いなる苦痛でしょう。
 では、日本人の健康寿命、すなわち健康的に生活を送ることのできる期間はどれくらいなのでしょうか。
 内閣府の発表によると、日本人の平均寿命は男性で80.98歳、女性で87.14歳となっていますが、健康寿命となると男性は72.14歳、女性は74.79歳となっています。その差、すなわち寝たきりの期間は8~12年もあるのです。つまり、亡くなるまでの10年前後は、なんらかの健康トラブルを抱え、介護など人の助けを借りながら不自由な思いをして過ごすということです。平均で約10年もの長い期間を寝たきりで過ごすというのです。何と先進国の中では、寝たきり期間が一番長いというのです。ウ~ンと考えざるを得ないではありませんか。
 その観点で見るならば、日本は、決して健康先進国などではなく、立派な健康後進国なのです。
 因みに、OECDの調査によれば、自分自身の健康状態が良いと考える人の割合は、米では90%が健康状態が良いと答えたのに対し、日本は僅か30%。OECD35か国中最低なのです。これまたウ~ンと考えざるを得ないではありませんか。

著しい医療費の増加

国民医療費

 令和元年度の国民医療費は44兆3895億円、前年度の43兆3949億円に比べ9946億円、2.3%の増加となっています。 人口一人当たりの国民医療費は35万1800円、前年度の34万3200円に比べ8600円、2.5%の増加となっています。
 これらの数値は、このグラフから読み取れるように、常に右肩上がりに上昇を続けているのです。高齢者の占める割合が増えたから、というのが主な原因ですが、それにしてもこの上昇率は異常です。
 冒頭に述べたように、「医者は病気を治す」のが仕事です。だとすれば、医者は右肩上がりに増えてきているんですから、病人の数は、反比例するように病人の数も医療費も減らなければならない。ところが、実際は、正比例するように、医者が増えれば増えるほど病人も増え、医療費も増えているのです。
 これでは病気を治すはずの医者が、病気を治さず、「病人を増やし医療費を増大させることに努力をしている」、と疑われても仕方がないではありませんか。いや、そう考えるのが、合理的な解釈というものです。

財政破綻した夕張市の実例

 ならば医者を減らしてみたらどうなるのか。それを図らずも実践したのが北海道夕張市です。「図らずも」と言ったのは、夕張市は、望んでそうなったのでなく、望まないのにそうなってしまったのです。
 周知のとおり、同市は、財政破綻した町として有名です。財政破綻の原因は、炭鉱が閉鎖し、人口が減少した。それにも拘らず使われない施設を作りすぎ、その事実を隠ぺいしていたからです。

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 それはともかく、財政破綻の結果、これまで171床あった病床は19床に激減。総合病院は消え、市にはいくつかの診療所のみが存在する事態になりました。このため、破綻当初は、多くの患者があぶれ、適切な医療を受けることができなくなるものと予想されました。しかし、実際はまったく逆の現象が起こったのです。
 その間の事情を夕張市立診療所の元所長、森田洋之医師がつぎのように語っています。「それは、プライマリーケア中心の医療にシフトできたからです」と話しています。プライマリーケアというのは、大病院での専門医療に対し、地域かかりつけ医による予防から在宅看取りまでを含む総合的な医療のことです。たとえば、風邪の症状を訴えて来院した患者に関して、入院が必要な場合にのみ専門病院へ取り次ぐ。そうではない場合は診療所レベルでの治療で対処するというものです。「プライマリーケア後進国の日本ではそれを専門とする医師は存在せず、個人開業医や小児科医がその役目を果たしていることが多い」というわけです。
 この記述からも分かるように、日本の医療は「検査漬け、薬漬け、入院漬け」で、一方的に医療費が増大するシステムが創られてきたのです。
夕張市は、財政破綻という想定外の事態が生じ、図らずも医療の根本に立ち戻ってみたら、これら「3漬け」をやめることにより、却って市民の健康をこれまで以上に回復することができたというわけです。

がん治療でも大きな無駄が

 がん治療のためには、手術、抗がん剤、放射線療法が三大療法とされています。これらのがん治療が本当に有効であるか否かは、「実証的に!」証明する必要があります。確かに、がんというものが初めてこの世に出現したというなら、どのように治療すべきなのか分かりません。さまざまな手法を試みるというのも当然ありうることです。日本でも、昔は、「がんは死病」とされてきました。ですから、患者本人には絶対に病名を知らせることはありませんでした。本人には、「胃潰瘍です」とか、適当に別の病名を告げ、家族だけ別室に呼び、そっとがんであることを告知していたのです。

近藤誠

 がんであることを本人に告げていないんですから、「がん治療をしますか、しませんか」なんて聞けるはずがありません。ですから、がん宣告を受け、がん治療を行ったグループと、がん治療を拒否したグループに分け、その後の生存率を比較するなんてこと、できるはずがなかったんです。つまりデータのとりようがなかったんです。
 それにも関わらず、その当時から、三大療法に基づく治療が有効だとしてがん治療行われてきたのです。それだけでも大きな矛盾です。データに基づき、ガン治療には三大療法が有効だという大前提がなければ、そのような治療が行われるはずはないのです。
 この矛盾に反旗を翻したのが、慶応大学医学部の近藤誠医師です。彼は、慶應義塾大学の医学部をトップの成績で卒業し、そのまま大学病院で診療実務に従事した後、渡米したんです。アメリカの病院で、さまざまながん患者の治療に従事している際に、「日本のがん治療はおかしい」ということに気づいたというわけです。アメリカでは患者本人にがんであることを告知し、治療の要否を本人に選択させていたのです。もちろん、がん治療の功罪についても十分に説明したうえでです。ですから、治療グループと非治療グループのデータが、両方とも得られたというわけです。
 その結果は、がん患者に対する手術、抗がん剤治療、放射線治療は、「一部のがんを除いては!」有効でない。すなわち、がん治療は原則として行うべきではない、との結論に達したのです。
 近藤先生は、この結論を「患者よがんと闘うな」という著書を出版することにより、社会に訴えたのです。

以来、私は健康診断、人間ドッグを一切拒否

 私は、この近藤誠先生の著書を熟読しました。そしてそれを実践したのです。すなわちこの本を読んだ48歳頃から、健康診断や人間ドッグは、一切拒否しています。仮にどこかにがんがあっても、転移すべきものは転移しているから三大療法を施しても無駄。転移しない性状のものなら三大療法の必要は全くない。つまり、どちらに転んでも、三大療法は必要ない、いや無駄、ということになるのです。

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 48歳からすでに30年が経過し、現在78歳ですが、健康に関しては一切問題ありません。いや、問題があるのかもしれませんが、無理に問題を見つける必要もない、と思っています。因みに、私の妻も健康診断や人間ドッグは一切受けていません。彼女は、専業主婦でしたから、私より長期間、これらの検査は受けていないはずです。一時、米国人女性歌手レディ・ガガと同じ「線維筋痛症」という病気になったことがありました。文字通り、全身すべて痛いという厄介な病気です。総合病院などにも通いましたが、全く効果がありませんでした。担当医は、本人の顔を見ることもなく、パソコンの画面ばかりを見ている姿に不信感が募りました。レントゲンを撮るので痛い所に丸をつけよというので、全身に丸をつけたら、ひどく怒り「これではどこを撮影すればよいか分からないではないか」と言うのです。「その病状から判断するのが医者だろう!」と怒鳴りたい気持ちを抑え、以後、整骨医に替えました。今は全快し、以来、特段病気らしい病気はしていません。

薬は基本的に治癒力を弱める

 人間の体には、「自然治癒力」というとてつもない力が備わっています。大半の病気はこの自然治癒力で治ります。いや、そう信じています。逆に、薬などに頼ると、一時的に治りが早まりますが、自然治癒力の働きを弱め、結果的に体の抵抗力を弱めることになると考えています。なぜなら、自然免疫力、すなわちNK(ナチュラルキラー)細胞が活動しようとする出鼻をくじいてしまうからです。その結果、NK細胞は、働く必要がなくなる。つまり、怠惰になってしまう。人間も同じですね。
 私は、風邪を引いたくらいでは、絶対に医者に行きません。寒気がし、熱が出、咳が出たりすることもありますが、安静を心がけ、葛根湯を飲み早めに就寝する。それだけで治ってしまいます。熱が出たり、咳が出たときは、「今、侵略ウイルス軍と体の免疫軍が戦っているんだな」と思い、免疫軍に「頑張れよ」と応援しています。
 このように対処するだけで、国民の医療費は大幅に削減できるはずです。夕張市のプライマリーケアに学ぶべきなのです。

最後に

透析患者

 健康診断や人間ドックを受けると、早期発見、早期治療が可能になる、というのが厚労省や医学界の言い分です。では、早期発見、早期治療を徹底した結果、病気になる人の数は顕著に少なくなり、医療費は大幅に削減されたのでしょうか。自分の周囲を見回して下さい。病人だらけです。「コレステロール値が高い」、「血糖値が高い」「ガンマGDPが高い」、「血圧が高い」、「脂肪肝がある」。みんな病人だらけです。
 慢性透析患者だって年々増加し、2019 年末の施設調査結果による透析患者数は 344,640 人に達 し,人口百万人あたりの患者数は 2,732 人でした。1,000人いれば、2.7人が透析患者なのです。しかも、透析患者の平均年齢は69.09歳で70歳にもなっていません。
 このように、健康診断や人間ドックに行かなければ発見されなかったような、潜在的な病気をすべて掘り起こし、「病気」のレッテルを貼り、診察と投薬を押しつけるんですから、病人が増えるのは当たり前なのです。
 私たちは、今回の新型コロナの騒動でも十分に経験しました。尾身分科会会長やその他テレビに登場する医師たち。みんな不安を煽り、PCR検査やワクチン接種を呼びかける医者ばかりでした。mRNAという治験中のワクチンを、歳の葉もいかない5~11歳という幼子にさえ打たせようとする医師たち。その一方で「ワクチン」や「副反応」という用語の使用すら制限される日本の言論空間。本当に私たちの生活は、マスコミや医師たち、そして彼らを「専門家」として崇め奉っている政府や自治体の首長たち。かれらの誘導するまま、無批判に盲従することの恐ろしさに、そろそろ私たちは気づくべきなのではないでしょうか。(R4・3・30記)

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