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クーリングオフ

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クーリングオフができるのは?

 クーリングオフというのは、一定の期間、何らの説明をすることもなく無条件で「申し込みの撤回」、又は「契約の解除」ができるという制度です。

 自宅のインターフォンがなり、出てみたら某企業の営業マンが立っており、立て板に水のごとくセールストークをされ、つい断りきれずに品物を買ってしまった、あるいは買う契約をしてしまった。しかし、営業マンが帰った後でよく考えてみたら、「やっぱり買うんじゃなかった」というようなことがある筈です。
 古き良き時代には、「押し売り」といって、玄関先に座り込んでゴムひもや歯ブラシなど、生活用品を売りつけ、「俺は刑務所帰りだ。買うまでは帰らない。」というようなこともかなりありました。さすがに今は、このようなことは少なくなりましたが、それでも社会経験の浅い若い主婦などは、この手の営業マンに勧められ、百科事典や消火器を買わされたという類の話はいくらでも存在します。

 このように、クーリング制度というのは、消費者が営業マンの不意の訪問を受けて勧誘され、自分の意思がはっきりしないうちに契約の申し込みをしてしまった場合に、頭を冷やして再考する期間を与える制度なのです。
 ただ、勘違いしてはいけないのは、衝動買いのように、スーパーに買い物に行き、買い物ついでに本来は買う予定でなかった品物を買ってしまったというような場合は、クーリングオフの適用はありませんので念のため。

クーリングオフの種類

 それでは、クーリングオフの適用されるのは、実際にどのような場合なのででしょうか。一覧形式でお示ししましょう。

                クーリングオフ一覧表

商品、販売方法、契約の種類クーリングオフのできる期間関係法令
訪問販売契約書面受領日から8日間特定商取引に関する法律第9条
電話勧誘による販売   同上特定商取引に関する法律第24条
連鎖販売取引(マルチ商法)契約書面受領日から20日間(但し、商品再販売の場合は、書面受領日か最初の商品受領日の遅い方から20日間)特定商取引に関する法律第40条
特定継続的役務提供(別途、後記で解説)契約書面受領日から8日間特定商取引に関する法律第48条
業務提供誘引販売取引契約書面受領日から20日間特定商取引に関する法律第58条
個別信用購入あっせん契約書面受領日から8日間割賦販売法第35条の3の10~12
預託取引契約(現物まがい商法)契約書面受領日から14日間特定商品等の預託等取引契約に関する法律第8条
宅地建物取引(宅建業者が売主で事業所外での取引に限る)契約書面受領日から8日間宅建業法第37条の2
ゴルフ会員権契約   同上ゴルフ場等に係る会員契約の適正化に関する法律第12条
投資顧問契約契約契約書面受領日から10日間有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律第17条
保険契約(保険会社外での契約に限る)契約書面受領日から8日間保険業法第309条

目的は消費者保護

 クーリングオフの制度は、消費者を保護するために定められた制度です。ですから、契約者が事業者の場合には、特定商取引法のうち、訪問販売、通信販売、及び電話勧誘販売に関する規定は適用除外となっており、クーリングオフをすることができません。
 もっとも、個人事業者であっても、その事業と関係のない契約については消費者の立場になるので、クーリングオフの適用があるとされています。

 最近問題となっているのは、事業者のうち、個人事業者を対象にした訪問販売です。訪問販売によって、高額の家庭商品の購入契約をした個人事業者にクーリングオフが認められるのかどうかという問題です。購入契約をした商品が、事業用なのかそうでないのかということは、結構判断が難しいからです。

トラブルの多い特定継続的役務提供契約

 次のような役務については、解約を巡ってトラブルが多発しています。

  1. エステティック
  2. 語学教育
  3. 学習塾
  4. 家庭教師
  5. パソコン教室
  6. 結婚情報提供

 これらの役務は、実際に受けてみないとその効果がわからず、実際に受けてみたら効果が思わしくないから解約したい、ということから、業者との間でトラブルになるわけです。
 
 国は、消費者保護の観点から、これらの契約については、「特定商取引に関する法律」によって、どのような場合にクーリングオフや中途解約ができるかを定めています。
 先ず、どのような役務が解約の対象になるのか、一覧表で示すことにしましょう。

       クーリングオフや中途解約のできる役務とその内容 

役務名 役務の定義対象となる期間及び金額
エステティック 人の皮膚を清潔にし若しくは美化し、体形を整え、又は体重を減ずるための施術を行うこと1ヶ月を超え、5万円を超えるもの
語学教育 語学の教授(入試対策や学校教育は除く。)。教室で行うものに限定されず、電話、FAX、インターネット等によるものも含まれる。外国語に限定されない。2ヶ月を超え、5万円を超えるもの
家庭教師等  事業者の用意する場所以外で、中学、高校、大学、専修学校又は各種学校の入学試験対策をすること、並びに小中高の補修をすること。通信添削、電話、FAX、インターネット等によるものも含まれる。2ヶ月を超え、5万円を超えるもの
学習塾等 事業者の用意する場所で入学試験に備えるため又は学校教育の補修のための児童、生徒又は学生を対象とした学力の教授(但し、専ら浪人生のみを対象とするものは除かれていることに注意)2ヶ月を超え、5万円を超えるもの
パソコン教室等 電子計算機又はワープロの操作に関する知識又は技術の教授。電話、FAX、インターネット等によるものも含まれる。2ヶ月を超え、5万円を超えるもの
結婚情報提供結婚を希望する者への異性の紹介2ヶ月を超え、5万円を超えるもの

書面の交付義務

 上に掲げた役務の提供者は、契約を締結しようとするときは、契約を締結するまでにこれらの役務の概要について記載した書面(概要書面)を契約の相手方に交付しなければならないこととされています。
 そして、実際に契約を締結したときは、遅滞なく、契約書面を交付しなければなりません。

契約書面をもらえなかったら

 契約書面をもらえなかったときは、クーリングオフをする期間が自動的に伸びると考えることができます。なぜならば、クーリングオフの行使期間は、「契約書面の交付を受けた時から○日間」と定められているからです。

中途解約について

中途解約とクーリングオフの違い

 中途解約とクーリングオフの違いについて説明しておきます。
クーリングオフ
 契約を完全に解除することです。入会金など、初期費用を含めて一切金銭支払いの義務はなくなります。
■中途解約
 クーリングオフのできる期間が過ぎてから解約することです。法律で定められた額以上の金銭を支払い義務がなくなります。すでに支払っている金銭についても返還してもらうこともできます。

業者側が請求できる上限

 契約者から中途解約がなされた場合、業者側が請求できる金額については、特定商取引に関する法律第49条の政令で次のように定められています。

            業者側が請求できる金額の上限

役務の名称役務の提供期間契約の解除によって通常生ずる損害の額契約の締結及び履行のために通常要する費用の額
エステティック1月2万円又は契約残額の10%相当額2万円
語学教育2月5万円又は契約残額の20%相当額1万5,000円
家庭教師等2月5万円又は1月分の役務の対価に相当する額のいずれか低い額2万円
学習塾等2月2万円又は1月分の役務の対価に相当する額のいずれか低い額1万1,000円
パソコン教室等2月5万円又は契約残額の20%相当額のいずれか低い額1万5,000円
結婚情報提供2月2万円又は契約残額の20%相当額のいずれか低い額3万円

 この表から分かるように、契約者がクーリングオフ期間を過ぎて中途解約した場合、業者側から請求できるのは、この表に定めた金額までですから、契約者がこの金額以上の支払いをしている場合には、その返還を請求できるということになります。

外部リンク(クーリングオフ関係)

■ 特定商取引法/概要・条文
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S51/S51HO057.html
■ 契約の基礎知識/クーリングオフ制度(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_volunteer/mj-chishiki12.html
■ 消費生活相談FAQ/クーリングオフ(東京都)http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/sodan/s_faq/kiso/k_c_off.html

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