時事寸評 書評コーナー

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内容証明

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内容証明郵便はなぜ必要なの?

内容証明郵便とは

 相手に送った郵便物(文書に限られます!)の内容を郵便局が証明してくれる制度です。

 内容証明郵便はどのような場面で使われるのか。一度でも利用したことのある方ならば、その必要性は十分にお分りになるでしょう。我々は、意識しているか否かは別として、毎日、法律的な活動をしています。それにも拘らず、法律のことを意識したり、法律の文言が問題になるということはほとんどありません。それでも、年に1回、あるいは数年に1回は、法律的なことで問題が生じ、悩まされたりすることもあるはずです。例えば、次のような場合です。

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事例1

 住宅の購入契約をして手付金を払ったけれど、営業マンの態度が気に入らないので、契約を解除したい。解除した場合に手付金は戻ってくるのだろうか。電話商法で業者の甘言に乗せられて契約してしまったけれど、契約解除できないか。割賦販売で高額な商品を買ってしまったが契約解除したい。保険の契約をしたがよくよく考えてみたら、まだまだ家計が苦しいので契約を取りやめたい。
 これらの契約を止める(解除する)場合、クーリングオフという制度をつかえるケースが少なくありません。その場合、クーリングオフの権利を内容証明郵便によって行使すれば、あとで契約解除があったかなかったかという存在又は不存在が問題となることはありません。契約解除という行為がいつなされたのかというのは、第三者である郵便局がきちんと法的な裏付けを持って証明してくれるからです。

事例2

 民事上のトラブルでは、時効が問題となることがしばしばあります。時効というのは、民法167条以下(一部は自賠責法やPL法にも)に規定されていますが、通常の債権は10年です。しかし、短期消滅時効という特別の定めがあり、その内容によって、短いものでは1年、2年、3年という定めがあります。逆に、不法行為や抵当権、地役権については、20年とする特別の定めもあります。
 この時効という制度は、極めてシビアな制度で、その定められた期間が1分、1秒でも過ぎてしまえば、本来主張できる権利であっても主張できなくなってしまいます。勿論、相手が大変良心的な人で、時効にはなっているけど払ってあげるよと言ってくれれば、何も問題は生じません。しかし、「時効になっているから払いません」と主張されたら、裁判所ですら、もうどうすることもできません。それが法治国家というものの宿命なのです。

結論

 上記には、典型的な例を二つだけ掲げましたが、現実には、まだまだ内容証明を活用できる場面はたくさんあるのです。
 要するに、これらのことから見えてくるものは何でしょうか。「法律を知っているか否か」、更に、法律を知っていても「適切な時期に適切な行動をしないと、守られるべき自分の権利も失われてしまう」という厳しい現実です。
 自分はいくら清廉潔白、善良な人間だといっても、法律の世界では通用しません。それでは、自分を守るために、一念発起、今から一生懸命に法律の勉強をしますか。それは不可能とは言いませんが、文字通り徒労と言ってもよいでしょう。自分の健康を守るため、今から医者に負けないよう、同等レベルの医学の勉強をしますか、と問われているのと同じようなものです。私なら、専門家である医者に身を委ねます。それが経済コストも安く、一番合理的な方法だからです。
 内容証明郵便に関しても、同じことなのです。法律の専門家である行政書士に相談をし、適切な時期に適切な内容証明郵便を出すことによって、自分の権利を守ってもらったらそれでよいのです。勿論、そのためには、多少の出費を伴うことにはなりますが、それはお医者さんに診療費を払うことと同じと考えればよいのです。是非、私ども行政書士を活用し、無駄なエネルギーを使わないで済むようにして下さい。
 では、以下に、念のため、内容証明に郵便に関する基礎知識だけ解説しておきますので、参考にして下さいね。ただし、あくまでも基礎知識ですから、どういうタイミングでどのような内容証明郵便を作成したらよいか、という具体的なことは、是非、当事務所までお問い合わせください。

内容証明郵便の利点

 内容証明郵便の利点として、次の3つを挙げることができるでしょう。

①証拠力がある

 配達証明で出した文書については、「そんな文書は受け取っていない」という主張は通りません。法律上、相手が読んだか読まないかは関係ないのです。従って、「読んでいない」という主張も通りません。

②心理的圧力をかけられる

 郵便物が普通の葉書で来るのと内容証明郵便で来るのとでは、「構え方」が違ってきます。自分に置き換えて考えてください。内容証明郵便で「本信到達後5日以内に100万円を支払え。支払いがない場合は、訴訟、強制執行等の法的措置をとらせていただきます。」なんて書いてあって、しかも文書の末尾に、法律の専門家である弁護士や行政書士の署名と職印が押してあったら、簡単にポイ捨てはできません。後回しにしようと思っていたとしても、この人間はうるさそうだから、先に払っておこうか、という気持ちになることもあるのではないでしょう。

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③一時的に時効を中断させる効果がある

 債権には、時効というものがあります。飲み屋のつけのようなものは1年、普通の債権なら10年、・・・という具合です。時効というのは、この定められた期間が過ぎると自動的に時効完成です。「オレんちは、ちゃんと請求書を出しているし、その後も口を酸っぱくして催促しているんだから時効になるはずないよ」なんて、呑気にしていると、時効完成です。この時効を一時的に中断させる効果もこの内容証明による請求にはあります。一時的ですから、その後6か月以内に、裁判上の請求をする必要があります。
  

注意すべき点も

 内容証明郵便を出す場合には、次の二つのことに注意しましょう。

今後の円満な取引は困難と割り切ること

 内容証明郵便は、前述したように、相手を「身構えさせる」という効果がある半面、最終的は法的手段で解決を図るつもりだな、ということを相手に認識させる行為でもあります。従って、「これからも円満に取引をする」ことは難しくなる、と考えるべきでしょう。内容証明郵便には「最後通牒」的な意味合いもあるのです。

財産隠しの恐れも

 内容証明郵便で、「支払いがない場合は法的手段もとる」と言われれば、財産隠しに走る可能性もあります。自分の名義にしておくと、訴訟で負けた時にとられてしまうと思えば、不動産を妻の名義に変えたり、会社資産を個人資産に変えたりといった可能性があります。このような場合は、別途、不動産等に仮差押えをするなどの法的手段を検討すべきことになります。

専門家の有効活用を

 通常、問題を解決する方法は、一つとは限りません。複数の解決策の中で、内容証明郵便の送付は一つの解決方法にすぎません。誠実に対応したいと思っている相手にいきなり内容証明郵便を送付すると、本来、丸く収まるはずのものでも余計にこじれてしまうということもあります。
 つまり、相手によっては、先ず、弁護士や行政書士から普通の郵便物で穏やかな「通知」文書を出して、相手の意思を探るということも有効かもしれません。要は、事案ごとにケースバイケースなのです。事案の内容をよく行政書士に話して、内容証明を出した方がよいケースなのか否かを相談するようにしてください。

  • 特にクーリングオフの場合は
     クーリングオフの場合には、有効期間がありますので、確実に解約の意思表示をする必要があります。また、クーリングオフ期間が過ぎているような場合にも、行政書士は、契約書面の不備などから契約解除が可能と判断することもありますので、念のためご相談ください。

内容証明郵便の作り方

 内容証明とは、郵便物の文書の内容を証明する特殊取扱のことです。内容証明の特殊取扱とする郵便物は、同時に書留の特殊取扱としなければなりません。

あらまし

 内容証明は郵便物の差出日付、差出人、宛先、文書の内容を特殊会社である郵便局が謄本により証明する制度です。

 2007年9月30日までは郵政職員はすべて公務員だったので認証にあたることができましたが、郵政事業の民営化にともない民間会社員となったため、郵便事業株式会社・郵便局株式会社の社員の中から総務大臣が任命する「郵便認証司」という役職の者が認証を行うことになりました。

 同時に配達証明も利用すると、郵便物が配達された事実の証明および配達日付の確認が可能です。内容証明を用いるような郵便物は法的紛争もしくは紛争予防のための証拠とすることを意図することが多いため、配達証明と併用することが一般的です。

 内容証明は必ず一般書留扱いとしなければなりません。同時に利用できる特殊取扱には、速達、本人限定、引受時刻証明、配達証明、配達日指定、代金引換といったものがあります。

 また、電子内容証明を除けば、郵便事業が配達を行う事業所のある郵便局および郵便事業が指定する一部の郵便局の窓口で差し出さなければならず、集配を行わない郵便局では受付ができません。ただし、これらの受付箇所においては、郵便局会社の窓口だけではなく郵便事業会社の窓口(ゆうゆう窓口)においても、郵便認証司が執務していれば受付が可能です。

 当然のことではありますが、文書以外の物、例えばゆうパックを内容証明の対象とすることはできません。内容証明はあくまでも「文書の存在とその内容を郵便事業が第三者として証明する」ものだからです。記載された内容の法的な正当性の有無について関知しないのはもちろんのこと、文書に関して紛争が生じたとしても郵便事業は一切関与しません。

様式は?

紙様式による内容証明(内国郵便約款による)

・用紙は自由です。内容証明用の原稿用紙を利用すれば後述する文字数制限を使う必要はありません。ただし、郵便事業での文書の保存期間は5年となるため感熱紙は使用できません。公文書にA4判が採用されるようになってからはA4判で書くことが標準的な書き方となりました。

・筆記具は自由です。ただし手書きによる作成の場合は、インクの出る筆記具を用いるのが一般的です。パソコンやワープロの使用も可能です。実務上はパソコンやワープロにより、裁判文書と同様に、活字の大きさが12ポイントで作成することが多いようです。正本および謄本合わせて1枚あたり3通となる文書は手書きでの作成の場合はコピー、カーボン紙の利用などで謄写するのが一般的です。

(注意)内容証明では使用可能な文字が限定されます。

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•ひらがな・カタカナ
•漢字
•数字(算用数字・漢数字)
•句読点、かっこ、記号。記号は、一般的なものに限られます。
•英字(アルファベット)は、氏名・会社名・商品名などの固有名詞のみ使用できます。たとえばJRは「ジェイアール」と書いても誤りではなく認められますが「JR」と書くことも認められます。
内容証明は日本語でのみ作成可能です。

謄本に関する制限

 内容証明の形式は自由ですが、同時に提出しなければならない謄本2通には以下のような制限事項があります。

◆表裏合わせてで1枚520字以内です。1枚の表に520字を書いた場合、その裏に一文字でも何かを書くことは許されません。以下における1枚あたりの行数も同じです。

●横書き1行20文字1枚26行で作成するのが標準的であるが以下の様式もあります。
●縦書き1行20字以内、1枚26行以内。

●横書き1行13字以内、1枚40行以内。

●横書き1行26字以内、1枚20行以内。

●句読点や記号は1個1字と計算します。記号は一般的な記号に限られます。単位を表す記号などは通常認められますが、カタカナで「パーセント」「キログラム」などと書く方が確実です。句読点については、文末文頭にあるものも1字と数えます。このため、手書きの場合は文頭に句読点が来ることもあります。パソコンやワープロで文書を作成する場合、「禁則処理」機能を外すか、もしくは1行の文字数を規定よりも1文字減らした設定(1行を20字にして書こうとしている場合は、1行を19字に設定するということ)で文書を作成する必要があります。

●パソコンやワープロを用いる場合、半角文字についても1字と計算されます。

●後述する字の訂正や挿入部分は字数に数えません。

●行の追加挿入は認められません。

●なお、横書き1行20文字1枚26行で作成するのが標準的です。

複数ページにわたる場合

 内容証明が複数頁にわたる場合、綴じたもののつなぎ目に契印を押します。文書自体に押印があるときは、その押印と同じ印章で押印をするのが普通です。

作成通数と保存期間

 郵便に付するときに正本1通と謄本2通を作成する必要があります。正本は送達され、謄本のうち1通は郵便事業が5年間保存し、もう1通は差出人の保存用として返却されます。

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同封

 文書以外の資料等を同封することは認められません。内容証明では文書の存在そのものが証明され、それ以外の物を同封することが認められないのです。

電子内容証明

 電子内容証明郵便と類似の制度として電子内容証明サービスがあります。Microsoft Wordもしくはジャストシステムの一太郎がインストールされているインターネット環境を有するパソコンがあれば利用できます。紙による文書よりも準備するものが少なく、規則が少ない。2011年1月、Windows Vista以降に対応していませんでしたが、2011年4月現在、vista、windows7に対応しています。

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