石垣市長の陸自配備協力に安堵しました
石垣市長の陸自配備協力に安堵しました
見識ある決断
防衛省が進める石垣島への陸上自衛隊配備計画を巡って、地元石垣市の中山義隆市長が協力する旨の意思を表明しました。当然のこととはいえ、ほっとしました。
陸上自衛隊が石垣市に配備しようとしているのは、押し寄せる敵の艦や航空機を撃退するための地対艦誘導弾(SSM)や地対空誘導弾(中SAM)であり、純粋な自国防衛のための装備です。中国本土の基地を直接攻撃するというものではありません。
それなのに反対派は、「ミサイル基地配備反対!」と叫び、市内各地にのぼりや看板を立てて反対運動を展開してきたのです。
迫りくる沖縄の危機
反対派の人達は、一体誰のために活動をしているのでしょうか。今、尖閣諸島周辺は、連日、中国海警の巡視船が接続水域や領海の侵犯を繰り返しています。しかも、日本で西日本豪雨災害が生じ、多くの自衛隊員が災害現場に投入されているそのさなか、石垣島周辺海域の排他的経済水域(EEZ)内で、中国の海洋調査船が5日連続(7月18日現在)、ワイヤのようなものを海中に垂らして航行したのです。当然、海保の巡視船は「日本の同意がない調査は認められない」と中止を求めましたが、一向に聞く耳などもちません。
今、尖閣諸島周辺では、中国漁船のみが漁を行い、日本漁船は立ち入ることさえ禁じられているという有様です。実質的には、中国の海と化す異常事態が生じているのです。
日本の固有の領土の周辺において、なぜこんな異常事態が生じるのか。その理由は、端的に言って、両国の軍事力の差と、自国防衛のための軍事力の保持を認めない日本国憲法に、その根本原因があります。
国家間で領土をめぐる問題が生じた場合、それを解決するのは、最終的には軍事力しかありません。嘗て、サッチャー政権時、イギリスとアルゼンチンとの間でフォークランド紛争が生じました。イギリスが実行支配していたフォークランド島をアルゼンチンが領有権を主張して正規軍が上陸したのです。しかし、アメリカやNATO諸国の支援を受けたイギリス軍が反撃し、これを奪還したのです。情報網の発達した現代において、話し合いの機会はいくらでもありますが、最後は、力には力で対抗する以外にないのです。
ロシアによるクリミア半島の併合も、基本的には軍事力が背景にあります。各国は、ロシアの行動を非難しつつも、圧倒的な軍事力を誇るロシアと、直接軍事衝突をすることは避けたかったのです。そして、一旦占拠された領土は、軍事力以外で奪還することはほぼ不可能であることは歴史が証明しています。竹島も北方領土も全く同じです。理が通っているかどうかではないのです。
中国が尖閣を急襲しないのは
その中国は、連日のようにあからさまな領海侵犯を行いながら、今のところ、尖閣諸島に対して、軍事侵攻するところまで至っていません。それは、日米軍事同盟に基づき、米軍が本当に日本に対して軍事支援を行うのか否か瀬踏みをしているからです。
結論から言えば、当面(!)今の中国は、尖閣列島を急襲することはないと断言できます。なぜなら、今の安倍政権は、歴代の米政権と緊密に連携し、特に、トランプ大統領との仲が緊密であることは世界の常識になっています。安倍総理は、現在に至るまでトランプの最重要な外交指南役であり、且つ世界首脳の中で最大の対中警戒論者という点でも共通しています。両首脳とも、直接には北朝鮮を睨んではいますが、頭の中は、共に中国に対してこそ最大の警戒網を張り巡らせているのです。
中国が日本に擦り寄り、何とか日米に亀裂を生じさせようとしているのは、そのためなのです。「力の信奉者」である中国は、経済が減速し始めたところに、トランプ大統領から経済戦争を仕掛けられ、青息吐息の状態にあるため、手を変え品を変え、さまざまな手練手管を講じて日本を懐柔しようとしているのです。絶対にこの偽エビス顔に騙されてはなりません。
民主党政権が続いていたとしたなら、今頃は、尖閣諸島は中国に支配されていたことは十分に想定できます。同政権時、漁船と称する中国船(=中国民兵)が日本の海上保安庁の巡視船に体当たりをしました。菅政権は、中国政府から「船長を返せ」との脅しを受けると、即座に釈放してしまいました。弱腰の民主党政権なら当然です。しかも、当時の菅首相、ぬけぬけと「釈放は那覇地検が独自の判断で行ったことであり、自分は知らなかった」とのたもうたのです。地球の裏側に行っていようと、通信手段はいくらでもあったのにです。
その当時ならば、仮に尖閣諸島を奪われても、菅総理は自ら奪還命令を出さなかったでしょうし、米軍の支援も要請しなかったことでしょう。中国は、こういう政治力学の隙間を見るのが極めてうまい国です。日本の野党やマスコミを使い、陰で安倍下ろしの糸を引いているのも、他ならぬ中国であることを、日本国民はゆめゆめ忘れてはなりません。
対外侵攻を明確にする習政権
周知のとおり、中国は、習近平による独裁体制が確立し、中国軍の内部教材「習近平強軍思想」の中で、大規模な軍の組織改革を行い、「国土防衛型」から、「外向型」に転換した旨を明記しています。更に、この教材において、「軍は長年の陸戦型、国土防衛型の布陣を変え、外向性を増強した。戦争を抑止し戦争に勝ち、国家利益拡張を全方位で守るのに有利にした」と記しているのです。
今、世界の中で中国を侵略しようとする国など存在しません。侵略されないことをいいことに、国際法秩序を守らず、近隣諸国を威圧し、南シナ海の岩礁を埋め立て、軍事拠点化を進める中国。この中国に対し、近隣諸国は大きな脅威を感じているのです。
中山市長の判断は極めて妥当
こういった周辺状況を踏まえるならば、地元の市長として、国の守りとして、防衛のための部隊配備を認めるのは、いわば当然のことです。もちろん、沖縄という特殊な政治風土を考えると、この決断をするまでには多くの時間を要したものと推察します。実際、防衛省が正式に配備計画を石垣市に打診してからでさえ、2年8ヶ月の長きを要しています。
市長個人としては、いくら「国土防衛」の必要性を痛感しても、反対派は、時として過激な反対運動を展開し、日常の行政を妨害するなどの示威行動を取ることも少なくありません。
しかも、反対派は、一般市民に訴える手法が巧妙です。「我が町にミサイル基地を作らせるな」とか「基地があれば真っ先に攻撃の対象になる」といったアジ表現は、市民を味方につけるのに有効です。
国土の防衛のために絶対に必要である、ということは認めつつも、「それは我が町以外に作れ」「無人島に作れ」といった市民エゴを説き伏せるのは難しいものです。「火葬場は必要だが、自分のところには作るな」「ゴミ焼却場は必要だが、自分のところには作るな」という主張と同じです。
市長など、行政の長が悩まされるのは、常に、この住民のエゴとの闘いの連続であると言っても過言ではないでしょう。
本来外交と防衛は国の専管事項
言うまでもありませんが、国家主権の行使である外交と防衛は国の専管事項です。昨今は、この基本原則をないがしろにして、何事も地元が反対すれば、防衛問題でも変えられると思っている人々がいるように思われます。むしろ旗を掲げ、基地反対を唱えれば基地ができない、というのであれば、国の防衛など成り立ちません。
旧ソ連邦が健在であった頃、ソ連は、不凍港を獲得するため、いわゆる南下政策を取り、北海道への侵攻を画策した時期がありました。太平洋戦争終結時も、スターリンは、北海道を二分割して北半分をソ連によこせ、とアメリカに要求したのは歴史的事実です。トルーマン大統領がこれを拒否したものの、戦後もソ連邦は虎視眈々と領土的野心を抱いていました。
自衛隊の主力が北海道に集中しているのも、そのためです。その後、世界情勢が変化し、特に、ソ連邦からロシアへ体制転換がなされたことにより、ロシアからの脅威は大きく減少しました。
代わって、中国の経済力の発展に伴い、急速に軍事力の強化が行われました。共産党による一党独裁体制の下での軍拡であり、理不尽で手前勝手な理由で周辺諸国を威圧し、領土的野心を隠そうともしていません。
だからこそ、日本は、北海道に重点配備していた自衛隊を南西諸島にシフトしようとしているのです。その場合、どこに防衛のための基地を配備すればよいかを考えるのは、言うまでもなく、地方自治の問題ではなく、国の問題、国の専権事項なのです。
中山市長は、そのあたりのことを十分に理解していたからこそ、今回の決断になったのだと思います。市長の判断を多としたいと思います。
中国の支配下に入った時を想像すべき
中国の人民解放軍による、自国民弾圧の現実に、既に多くの人は気付いています。毛沢東の唱導した文化大革命によって、4000万人を超える人民が殺害されたとされています。天安門においても、民主化を求める学生など数千人の市民が虐殺されました。現在でも、チベットやウイグル自治区において、多くの市民が弾圧されています。(弾圧の実態は、チベットから脱出したペマ・ギャルポ氏の「祖国を中国に奪われたチベット人が語る侵略に気づいていない日本人」(ハート出版)などを参照してください。)。また、香港返還時、イギリスとの間で「一国二制度」などといって市民の権利を保証したにも関わらず、いつの間にか、市民の権利をはく奪した共産党という政党の恐ろしさ、私たち日本人は、これらの実態、過去の経験から学ぶべきです。
八重山日報で沖縄情勢を注視
私は、埼玉県に住んでいます。沖縄に住んだことはありませんが、現役時代、何度か訪ねたことがあります。海の透明度の素晴らしさは、沖縄で初めて知りました。
しかし、そのすばらしい沖縄も、隣国に、中国という「力の信奉者」がいるため、沖縄のことが気になって仕方がありません。力の信奉者は、力で反撃しない相手に対してはどこまでも攻め込んできて、相手を苛め支配し尽くすまで攻めることを止めない、という性質があります。中国は、既にあらゆる手段を講じて、沖縄を懐柔しようとしています。反日の翁長雄志知事という人物を見出し、知事候補に祭り上げたのは中国華僑たちの結束の賜物であったことは既に知られています(後記<参考>をご覧ください)。
中国の後ろ盾があってこその知事ですから、ことごとく政府の方針に反対し、県政を混乱させるのは当然のことです。地元沖縄県知事として、尖閣諸島への不当な領海侵犯についても、一言の抗議もしないのも、米軍のヘリから部品が落下したとなると、火がついたように怒りを爆発させるのはそのためです。親中知事としては当然の行為なのです。
こうした巧妙かつ強引な覇権主義国家中国をバックに、中国をお迎えする「龍柱」などを建立し、更に肩入れしようというんですから、日本国民として心配しない方が不思議というものです。
しかも、その沖縄で発行されている新聞は、「琉球新報」と「沖縄タイムス」のみです。この両新聞が、いかにコテコテの反日新聞であるかは、知る人ぞ知る、です。恥知らずと言ってもよいほどに反日・親中新聞なのです。本土で発行されているような大手新聞(読売、朝日、毎日、産経、日経)は発行されていません。どうしても読みたいときは、日遅れでしか読むことができないのです。葬儀等に関する情報は、日遅れでは間に合いません。勢い、沖縄市民の読む新聞は、コテコテの反日・親中新聞のみということになります。
このようなマスコミ事情を憂いた八重山日報紙が、「沖縄本島版」を発行することにしたのです。当然、両紙から各販売店に「取り扱うな」との厳命がなされるなど、嫌がらせがあったようです。ですから、当面は、少量の部数しか発行することはできません。
仮に、八重山日報紙が反日両紙の妨害により維持困難となれば、またしても、沖縄本島には、反日新聞の独占状態になってしまうのです。
私は、このような沖縄の特殊事情から、ささやかな支援の一環として、敢えて八重山日報紙を定期購読することにしたのです。そして同紙を通じて、石垣島における自衛隊基地配備の動向を注視していたのです。
ですから、今回、中山市長が陸上自衛隊配備に協力する旨を表明した時は、心底胸をなでおろしました。中山市長に心から敬意を表したいと思います。心ある多くの日本人が、沖縄のことを心配していることを、沖縄の人達にも是非理解してほしいと思います。(H30・7・25記)
<参考>
「沖縄の危機」という観点から、翁長知事が反日・親中になった理由について、青山繁晴氏(青山氏の肩書はこの記事を書いた2016・6・8現在)が語った部分を再説しておきます。
青山繁晴氏の解説
沖縄知事選に際して、福岡にある中国総領事が沖縄に飛び、華僑を集め、誰か中国に都合のよい知事候補がいないかと物色をしていた。その時、偶々、地元那覇市長である翁長雄志は不平不満の塊で、「なぜ俺が国会議員になれないのか」と、不満を募らせている、ということが分かった。
そこで、自民党員である翁長市長に働きかけ、「知事にしてやる。そして李克強首相にも面会させてやる。その席で沖縄と福州市の定期航空便の開設も約束してやる。」という餌でもちかけたんです。
私は、インテリジェンスの世界で、その情報はきちんと掴んでおり、裏もとっている。華僑の中には、日本が大好きな人間もおり、そういうチャンネルから情報を得ているので間違いはない。(筆者要約)
なるほどそういうことなら、「中国さまさま」「反米・反日」「尖閣はどうぞご勝手に」という姿勢のすべてが違和感なく理解できます。完全に裏で繋がっていたんですね。正に売国奴という名にふさわしい知事だったのです。
それにしてもこのような売国知事が、現職でいられるということは、沖縄の言論空間が、いかに沖縄タイムスや琉球新報に牛耳られているかということの証明でもありますね。
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