時事寸評 書評コーナー

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大局をみない小泉環境相のスプーン有料化

大局をみない小泉環境相のスプーン有料化

レジ袋の次にスプーン有料化とは

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 小泉進次郎環境大臣が、コンビニなどで販売する食料品につけるスプーンを有料化すると述べました。それを義務付ける「プラスチック資源循環促進法案」が3月9日、閣議決定されたのです。法案が今国会に提出されれば、来年4月から施行されるというわけです。
 このことについて小泉環境相は、「コンビニでスプーンなどが有料化されれば、自分でスプーンを持ち歩く人が増えていく。こうしたことでライフスタイルを変化させていきたい」とも発言しています。マイ箸に続いてエコバッグ、マイスプーンを持ち歩け、というわけです。環境省は更に法案成立後、省令でコンビニエンスストアのプラ製スプーンのほか、飲食店のストローについても有料化することを検討する方針とのことです。
 このニュースを聞いた時、多くの国民が「ああ、またか~。また天下りポストが一つ増えるな~」という思いにとらわれたのではないでしょうか。私も、第一印象は、「どうしてこんなチマチマしたことに、国民を巻き込まないといけないのか。環境省は本当に無能官庁だな」との思いにとらわれました。このレベルの愚策を推し進める環境省という役所に対する反感と、小泉進次郎という人間に対する不信感が思い切り増幅しました。同時に、こんな人物を絶対に総理になどしてはいけない、との確信をもつに至ったのです。余りにも人間としての器が小さく、政治家としての大局観がなさすぎるのです。

レジ袋やスプーンなどの有料化は本当に必要か

ニューヨーク

 当然のことですが、既に政府が進め、あるいは進めようとしているレジ袋やスプーン、ストローなどの有料化は、詰まるところ、その最終目的は「地球温暖化の防止」というところにあります。これら石油製品が二酸化炭素(CO2)を排出するから、これを防止する必要がある、というわけです。小泉環境相は、地球温暖化→海水面の上昇・気候の変動→CO2が原因→排出抑制が必要→排出権取引で調整という一連の流れについて、疑問を持ったことはないのでしょうか。この排出権取引に至る一連の流れは、日本のような技術先進国から金をむしり取る「悪意の集金収奪システム」であるということに気付かないのでしょうか。
 排出権取引とは、CO2を排出する国が排出量に応じて「罰金」を払う、というのが基本です。日本のように技術が高度に発達した国の場合、率直に言って、CO2などの排出量の削減は極めて厳しい。乾いたタオルを絞るようなものだからです。これに対して、中国をはじめ、後進国は、技術開発が不十分というだけでなく、政策として、厳しい環境政策をとっていません。よって削減余地はいくらでもある。北京や上海など、昼なお暗い大都市の公害スモッグは有名です。CO2を思い切り排出しているのです。それどころか、プラごみなどを満載した収集車が、白昼堂々と大河にごみを投棄する映像など、ネットで見ることができます。官民ともに住民の環境に対する意識が低いのです。

▶▶▶(動画)大河にごみを丸ごと投棄する中国という野蛮国家

 日本は、こういう垂れ流しの国から、排出権という権利を大枚をはたいて買うということです。本来、こういうゴミ垂れ流しの国と日本が競うなら、日本は、他国が日本と同じレベルまで、近づいてくるまで排出抑制など全く必要ない、というのが合理的な判断というものです。
 しかし、COP20(気候変動枠組条約第20回締約国会議、以下COP20と表現)などを見ていると、他の諸国と比べて、日本ばかりが厳しい目標達成を求められ、それが達成できないときは、毎年、兆円単位のお金を排出権取引によって確保しなければならない、というのです。しかも、日本の歴代の政治家たちは、この不合理を主張せず、それどころか鳩山バカ総理のように自ら高い排出抑制基準を打ち出すなど、唯々諾々とCOP20の誘導に従ってきたのです。
 こんな不合理がまかり通っているのがCOP20という組織の本質です。この胡散臭いCOP20には、いくつかの根本的な疑問があります。この疑問は、素人の私が言っているのではなく、多くの科学者達が言っていることです。

地球温暖化は本当か

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 そもそも地球は温暖化しているのか、という根本問題があります。温暖化に懐疑的な論者は、「地球温暖化の専門家と呼べるような科学者、研究者は世界のどこにもいない。地球の気候変動のメカニズムがほとんどわかっていない以上、懐疑論を正面から否定したり、正しい温暖化のしくみを説いてまわれるような専門家はいるはずがない」と述べます。つまり、多くの科学者は、地球温暖化とCO2との関係について疑問を持っているのです。

地球の気温

 逆に、温暖化肯定論者は、「データは様々な誤差をもっており,複雑な補正が施されているが,補正や誤差の見積もりは世界の独立した複数の研究機関により実施されて論文として発表されており,それらが互いに似た結果を示すことから,0.7℃程度上昇している」(江守正多国立環境研究所地球環境研究センター副センタ―長)と述べます。

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 このように、温暖化という事実そのものについても、根本的な見解の対立があるということを踏まえておく必要があります。武田邦彦中部大学特任教授によれば、地球は温暖化どころか、長期的には寒冷化の過程にある、と断言しています。鎌田浩毅京都大学大学院人間・環境学研究科教授も「資源がわかればエネルギー問題が見える」(PHP新書)のなかで「現在はふたたび緩やかに氷河期に向かいつつある時期にあります。じつは、人類史的に考えると、温暖化よりも寒冷化のほうが、生物には打撃が大きいのです。もし気温が下がりつづけて北半球の多くが氷河に覆われるようになると、穀物生産が激減して食糧危機が到来する恐れがあります。」と述べています。
 地球温暖化が叫ばれている折、今冬、アメリカ北東部で猛烈な寒波、運休や欠航が相次ぎ鉄道の運休や空の便の欠航、学校の休校などが相次ぎました。南部のメキシコ州でも、送電網が凍り付き大停電が発生したなんてこともありました。日本でも、裏日本の寒波により、車列が豪雪に閉じ込められたなんて事態も生じました。
 いずれにしろ日本のような海洋国家は、周囲を海に囲まれているため、仮に地球温暖化が正しいとしても、受ける影響は相対的に大陸国家よりも軽微であることは間違いありません。つまり、地球温暖化が問題だというなら、中国や中東、ヨーロッパなど、大陸国家こそ真剣に取り組むべき課題なのです。

温暖化の原因はCO2なのか

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 仮に、温暖化を事実として認めた場合、果たして温暖化の原因は、本当にCO2なのでしょうかこの点についても、科学者の意見は大きく分かれています。
 地球温暖化は複雑系の科学であるため、その予測は極めて難しいとされています。大気中の温室効果ガスの増加が、気温上昇をもたらす主な要因のひとつであることには間違いないとしても、それよりも太陽活動による影響、とくに可視光以外のX線・紫外線の変動の方が気候変動に及ぼす影響が大きいという意見もあります。また、東工大の丸山茂徳教授のように、気温上昇にともなって生じる水蒸気の影響や雲の量の影響の方がおおきいと主張する学者もいます。
 つまり、学会においても、地球温暖化の影響がCO2であるという意見は、決して多数派ではないのです。

▶▶▶<動画>武田邦彦の「ホントの話」(地球温暖化の本質:CO2を出すことこそ善)

温暖化は悪なのか

 仮に地球が温暖化していることを所与の前提としましょう。では、地球にとっていや人類にとって温暖化は、本当に悪なのでしょうか。私は、専門家ではありませんから断定はできませんが、多くの日本人は居住の適地として、寒冷地と温暖地のいずれかを選ぶとすれば、後者を選ぶはずです。私の生誕地は雪深い新潟県の津南町というところです。寒い冬は農作業ができないため、成人の男たちは、東京など表日本に出稼ぎに行くのが常でした。嫁さんたちが愚痴をこぼしている姿も知っています。
 農作物も、寒冷地より温暖地のほうがよく育ちます。当然ながら経済状況もよくなり、生活環境も快適です。鎌田浩毅教授も述べるように、私たちは、温暖化を心配するより、はるかに寒冷化こそ心配すべきなのではありませんか。

温暖化すると海面は上昇するのか

 地球が温暖化すると、北極や南極の氷が解けて海面が上昇すると主張する専門家がいます。一時、全部溶ければ、7mくらい上昇するとする説が流布されていました。天下のNHKもツバルに取材に行き、海面上昇により、島が水没する危機を生々しく伝えていました。ホッキョクグマが流氷の上に取り残されている写真も有名です。

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 しかし、報道内容は、常識論で考えてさえ、いかにも嘘くさい。なぜなら、北極は地盤というものがない。コップの氷と同じで、水面下に大きな塊があり、水面上には少ない。しかし、この氷が全て溶けても、水がこぼれることはありません。アルキメデスの原理のとおりだからです。つまり、北極の氷が全部溶けても、1ミリも海面上昇は起きない。
 では、南極はどうか。南極は零下30度から40度の世界です。いや、Forbes誌によれば、学術誌「Geophysical Research Letters」で発表された測定値では、マイナス97.8度という驚異的な低温さえ記録されたというのです。このような極低温の南極で、たかだか2度か3度の気温上昇が起きたとして、氷が溶けるのでしょうか。氷結するのは気温摂氏零度です。
 零下30度が零下27度になったとしても、氷が溶けることなどあり得ません。温暖化に警鐘を鳴らすテレビなどで、しばしば南極の氷が大量に海中に没する映像が流されます。あれは、普通の自然現象です。海水が蒸発し、南極の上空に達したときに氷結する。よって、氷山のボリュームは増大する。その結果、末端部分が押し出されて海中に没する。国連の調査でも、南極の氷は増えているとの結果が報じられています。増えている理由は、温暖化により海面からの蒸発が促され、その水蒸気が南極上空で冷却され、結氷して降り注ぐから、ということで説明できます。つまり、地球温暖化によっても、海水面は上昇しないのです。ヒマラヤの氷などはあるでしょうが、海水面を数メートルも押し上げる要因にはならないでしょう。

COP20という国際会議の欺瞞

 国連の組織であるCOP20は、①地球は温暖化しているとの前提に立ち、②温暖化は悪いことと断定し、更に、③温暖化の原因をCO2と断定し、④CO2を削減するため、各国が目標を定め、⑤その目標をクリアできないときは、排出権取引により、「お金で」決済をする。
この流れを所与のものとして、これを実施する作業スケジュールを作成し、各国にその実施を迫る。これがCOP20という組織です。
 このCOP20により得をするのはどこか。それは排出権取引でお金が入ってくる国です。その代表例は中国です。では、排出権取引で損をする国はどこか。その代表例は日本です。前述したように、日本は、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料を効率的に燃焼させ、ばい煙など公害を生じないよう、高い技術を結集し、エネルギー利用の効率を高めています。
 対する中国など技術後進国は、防衛産業など一部の技術革新には熱心になるものの、直接お金にならない公害に対する認識が薄く、ばい煙など出し放題。北京や上海の冬は、青空が消え、白いマスクが一日で真っ黒になると言われています。しかもこの中国。パリ協定によるCO2排出規制の対象とされていないのです。アメリカ国防総省の衛星写真によると、2019年、中国の石炭電力発電所は100か所以上、新しく作られているというのです。紛れもなくパリ協定に違反していることは明らかです。新たに登場したバイデン政権のエネルギー政策が、いかに間違ったものであるかは明らかです。

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 これらの典型例にみられるように、COP20という組織は、高い技術を持ち、エネルギーを高度に利用する国が、公害対策も施さず、石炭電力発電所を急増し、山や川を公害で垂れ流ししている国に、お金を出して、排出権を買い取らせるシステムです。その不当なシステムの構築と実施を迫り、監視する組織、それがCOP20の本質なのです。日本の場合、その額、実に、毎年数兆円単位で海外に支払い続けなければならないと言われます。日本の国富が毎年、数兆円単位で海外に無為に流れていくのです。
 つまり、COP20という組織は、科学を論じる組織ではなく、政治的活動を行う組織に成り下がっているということです。政治的組織だからこそ、耳目に届きやすい映像が必要です。ツバルの映像やホッキョクグマの映像はまさしくその象徴です。ウミガメの鼻にストローは突き刺さった映像などもこれに貢献しました。年端のいかないスエーデンの女子高生グレタ嬢が、国連で演説し、化石燃料を使う先進国の大人たちを叱り飛ばす映像も彼らにとっては極めて効果的でした。中国の高笑いが聞こえようというものではありませんか。

EV化も地球温暖化の流れの一環

 このように地球温暖化論は、多くの矛盾、懐疑性を抱えているのに、更に、さまざまな分野を攻撃目標にしています。EV、すなわち電気自動車へとひた走る国際競争もその一つです。中国は、ガソリン車では逆立ちしても日本やドイツには追い付けない。その代替案として出てきたのがEV車です。
 EV車は蓄電池さえ積めば、高度の技術がなくても自動車を走らせることができる。自動車先進国にキャッチアップするにはEV車以外にない。そう目算した中国は、EV車の開発にひた走ります。ガソリン車やハイブリッド車を環境汚染車と決めつけ、駆逐することを目論んだのです。いわばゴールポストを動かし、EV車こそ環境に良い車なのだと宣伝したのです。
 ですから、日本は、このような技術後進国の目論見に、乗ってはいけないのです。小泉環境相は、2035年までにガソリン車を全廃すると宣言しました。これを聞いた小池都知事も、何の整合性もないまま「2030年までにガソリン車を全廃する「」と宣言しました。何という軽薄な二人でしょうか。まるでバナナのたたき売りではありませんか。
 日本は、アメリカ、ドイツと並んで、世界屈指の自動車大国として君臨してきました。中国などの追随を許さない高度な技術を持っています。傘下の中小下請け業者の、優れた基礎技術を土台として自動車産業は成り立っているのです。これらすそ野の広い自動車産業をいとも簡単に全廃するなど、真面目にものを考える為政者なら、決して口に出せないはずです。

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 それにEV車と簡単に言いますが、その電源はどこからもってくるのでしょうか。一戸建ての住宅なら可能でも、高層階に住む住民の充電装置はどう確保するのでしょう。トヨタ自動車の豊田会長は記者会見で「国内での年間の乗用車販売約400万台がすべてEVになり、保有台数(現状6200万台規模)がすべてEVになると、電力ピーク時の発電能力は現状より10~15%増強する必要がある。その能力増は原子力発電だと10基、火力発電だと20基程度に相当する」と述べています。更に、EV化に伴う充電設備については14兆~37兆円のインフラ投資が必要とも述べています。小泉環境相は、原発10基分の電源をどのように確保するつもりなのでしょうか。
 小泉環境相が取り組むべき課題は、レジ袋やスプーン、ストローの有料化といったチマチマコセコセした案件ではありません。当面する重要課題は、福島原発の処理水、すなわち除去不能なトリチウムを除き、世界基準で何ら問題のないレベルまで除染した処理水を海洋に放出することです。世界基準では十分に安全基準を満たしているにもかかわらず、地元漁民などの反対で放出できない。風評被害になるとの理由です。根本は、安全の問題でなく、風評の問題ですから、一時的に、地元から大きな反発を受けるかもしれまんせんが、理を説き諄々と説得すれば必ず分かってくれます。その苦労を買うことこそ、政治家の本務というものです。

日本は一番後からついていけ

 このように考えてくると、日本は、この地球温暖化問題については、一番消極的でよいということが、お分かりいただけると思います。鳩山由紀夫元首相が2009年9月、ニューヨークの国連本部で、温室効果ガス25%削減と発言しましたが、余りにも軽薄・軽率でした。

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 前述したように、この地球温暖化問題は、本来、科学の問題であるにもかかわらず、政治問題にすり替わってしまっています。極めて作為的な変更です。日本は、この問題ついては、あくまでも科学の問題として対応し、排出権取引など、政治問題化した分野には一切関与しない、というくらいの取り組みが必要です。
 日本人は、戦後教育の歪みで、過度の国連信仰があります。しかし、これまでの国連の各委員会は、ほぼ、いや完全に機能不全に陥っています。中国が、資金援助を餌にアフリカ諸国などを懐柔し、横暴の極みを振るっているからです。COP20など、中国などを利するような組織を崇める必要など、全くないのです。トランプの取ったパリ協定からの離脱、という措置は極めて真っ当な政策判断だったのです。
 小泉環境相には、もう少し、大人になっていただきたい。レジ袋の次は、スプーン、ストローの有料化など、余りにも軽薄の度が過ぎます。この大臣、妻はセクシーですが、旦那は全くセクシーではないのです。(R3.3.16記)

▶▶▶「地球温暖化のウソってホント!?」武田邦彦
▶▶▶【武田邦彦】虎ノ門ニュースでは語れないプライベート対談!地球の温暖化?あんなの金になるビジネスでしかない!

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