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話す英語、正答率何と12.4%

話す英語、正答率何と12.4%

全問不正解6割超

 8月1日の読売新聞を見て驚きました。中学3年生を対象に実施した英語の学力テストで「話す」の正答率が、何と12.4%だったというんです。しかも5問全問が不正解という生徒が6割を超えたというんです。
 遠い昔、私は文法というものが大嫌いでした。下二段活用とかいう用語が出てくるだけで、もうすべて拒否反応が生じました。ける、けれ、けろとかいう活用文字を見ると、カエルのケロケロケロとしか思えず、何でこんなもの覚えなきゃいけないんだ、なんて思いました。

下二段活用

 英語も同じで、英文法は大嫌いでした。私は今年80歳です。現役の頃は文法というものが嫌いなうえに、会話という授業もありませんでした。英語は受験のためのものであって、実用のものではなかったんです。
 でも、今は文科省も、実用的な「話せる英語」にしようと外国人を教師に迎えたりして、実践的な英語教育にしてきたはず、と思っていました。その結果がこの体たらくでは、何とも歯がゆい。しかも今は、パソコンやスマホによって、実践的な英会話を学ぶことは、昔よりはるかに容易になったはずです。その結果が、正答率12.4%なのです。

「問題」に問題があるのでは?

 そこでどんな問題だったのか、少し興味を持ち、実際の問題にあたってみました。
 問題は、次のようなものでした。

英会話問題

 英会話力のない私の立場からこの問題を見ると、かなり難度が高いように思われます。私は環境問題については、かなり批判的な立場を保持しています。小泉環境大臣の時に推進した「レジ袋廃止」のような政策には強い反発を感じる人間です。
 レジ袋を廃止したからといって、レジ袋そのものが社会から消えてなくなるわけではありません。レジ袋を、スーパーでもらえなくなったため、家庭の主婦は別途、有料で調達して使うようになっただけで、レジ袋の消費量が減少したわけではないのです。台所で出たごみは、これまでと同じように、小さなプラスチックの袋(つまり同じレジ袋)が必要だからです。

こんな感じ

 要するに、スーパーでの買い物時にもらえなくなったレジ袋を、別途、有料で調達するように変わっただけで、レジ袋の使用量が減ったわけではありません。消費者の利便性が損なわれただけにすぎないのです。
 しかもです。スーパーでのレジ袋が廃止になっただけなのに、日本全国すべてのお店から、買った商品を包む包装紙や袋がすべて消失したのです。書店で本を買っても袋をもらえません。洋菓子店でも紙の袋ももらえません。ジョイフル本田で花の苗を買っても、「段ボールは有料ですが要りますか」と聞かれるようになったのです。
 どこもかしこも商品包装紙をくれなくなったのです。意固地な私は、レジで「袋は要りますか」と聞かれる度に、意地でも「要りません」と答えます。そしてむき出しのまま、商品を持ち帰ります。外見上は「万引き」したようにしか見えません。その度に「小泉のバカ野郎!!」とむかっ腹を立てているのです。
 このように、環境問題については、「似非環境家」も多く、中学3年生レベルでこの問題の本質を捉えることはかなり難しいのではないでしょうか。CO2削減など環境問題の解決については両論があり、解決が難しい問題なのです。
 その難しい社会問題を、英語で回答するというのは、一般の中学生にはかなりハードルが高いと思います。
 つまり、社会的に様々な疑問のある環境問題を質問した、ということ自体が低回答率につながった、といえるのかもしれません。

実践的会話力の向上を

ねばねば

 私も厚顔の、いや、紅顔の美少年であったころ、英検2級を受験したことがあります。筆記試験に合格し、会話の口頭試問に臨んだのです。担当の試験官は、学校の教師風の方でした。もちろん日本人です。余り流暢ともいえない発音(多分)でしたが、私のヒアリング能力が高くないうえに、緊張感もあって、うまく聞き取れない。聞き取れないから話せない。いや、聞き取れても話せなかった(多分)。日頃から会話の練習などしたことがありませんでしたから、何と言ってよいのか分からない。ほとんど無言のまま、お互い見つめ合ったまま、すごすごと引き下がらずを得ませんでした。そして見事不合格です。
 このような経験があるので、会話力は、実践で鍛えるしかない、ということを実感しました。
 最近は、文科省も実践的な会話能力を上げるべく、全員が使えるようパソコンを設置したり、外国語指導助手(ALT)を配置したりして、能力向上を図っている、と理解していました。
 その結果がこれ、ということになると、かなりお寒い実情も浮かんできます。
 今はCHAT GPTを始め、便利な会話力向上のためのAI技術がかなり充実しているようです。シャドウボクシングならぬシャドウ英会話などを活用して、会話力を向上させ、世界で活躍できる人材が輩出されることを願うばかりです。(R5・8・7記)

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