時事寸評 書評コーナー

welcome to shimada's homepage

河井法相事件、特捜検事が供述を誘導していた

河井法相事件、特捜検事が供述を誘導していた

録音データで事実が暴露

読売新聞

 またまた「ストーリーありき」の事件が発覚しました。東京地検特捜部の検事が、河井克行元法相から現金を受領したとして任意で取り調べた広島市議(当時)に対して、不起訴にすると示唆して「現金は買収目的だった」と認めさせていた、というのです。
 この授受された現金が「買収目的」だったのか、単なる「陣中見舞い」として渡されたものだったのかによって、公職選挙法違反になるか否かの分かれ道になるのです。買収目的だったということになれば、公選法違反となり、河井元法相はもちろん有罪、収賄側のこの市議も議員失職が避けられません。
 その弱点を突く形で、特捜検事は「できたら議員を続けていただきたい。そのレールに乗っていただきたい」と、不起訴を匂わす発言をして、金銭授受が「買収を目的」としてなされてものである、との供述調書の署名に誘導したのです。
 読売新聞は、それらの経緯について、録音データを裏付けに、7月21日、22日の朝刊トップページで大きく報道し、更に26,27面を使い詳細に報道したのです。録音データという、逃げ隠れできない証拠を掴んだうえでの報道です。

画像の説明

 この事件の発生当時、私も興味を持ちました。自民党本部から河井陣営に1億5000万円という、「常識の10倍」(自民選対)の巨額な選挙資金が振り込まれていたと報じられたからです。同時に、現金を渡した方が罰せられる一方、金銭を受け取った側は100人以上もいるのに、誰ひとり処罰されないことにも、大きな違和感を感じていました。公選法は、買収を目的とする贈収賄事件は、金銭を渡した側も受け取った側も同じく罰することになっているからです。私の感じた違和感は、多くの国民も感じていたようです。市民による検察審査会では、金銭を受け取った側100人のうち35人を起訴すべきだ議決すると、検察は一転して9人を在宅起訴、25人を略式起訴にしたのです。
 検事とのやり取りを録音した市議は、「検事の考えているままの内容が調書にされる」と恐怖を感じ、自己防衛のために録音を始めたというのです。この市議は、いったんは不起訴になりましたが、最終的に略式起訴となっています。
 今回の読売報道によって明らかになったのは、検察という組織は、「自らが描いたストーリーに合わせるように」任意聴取者に圧力をかけ、従わなければ有罪にするという、オイコラ警官と同様の旧来の体質を持っている、ということです。

カンニングペーパーまで作って練習

カンペ指導中

 驚いたのは、この担当検事、検事が口頭で説明した想定問答をその場でメモにまとめてリハーサルに臨んでいた、というんです。検事は、そのメモをカンペ(カンニングペーパー)と呼んでいたそうです。しかも、証言をするこの市議には「裁判になった時、カンペ、こういうものを作ったことは大っぴらにしないように」と口止めまでしていた、というのです。
 この録音データに基づくやり取りが実に詳細で具体的です。検事が市議に対して「元法相から受け取った現金を返金しなかった理由について、「しっかり先生の言葉で出していただかないと」としたうえで、『陣中見舞いという形で処理すればええかって思いが、甘い考えだけどあった。だから返そうとは具体的に思っていない』と述べ、証言の「お手本」まで示していた、というんです。
 市議が「『陣中見舞いの形』と『陣中見舞い』はどう違うんですか」と尋ねると、検事は「陣中見舞いだと、そのまま(現金の)趣旨が陣中見舞いになっちゃう。『形』は、本当は意味は選挙(の買収資金)だけど、実態と形が違う。」と詳しく説明したというんです。このようなやり取りが、録音データに残っていたということです。
 しかも、この市議、「陣中見舞いの形」を繰り返し練習し、法廷でも同様に証言したというんです。検事にそこまで演技を仕込まれてしまったら、いかに法相経験者と言えども、もはや太刀打ちすることなどできないでしょう。

村木厚子事件を彷彿とさせる

村木厚子

 2009年に障害者郵便制度悪用事件というものがありました。大阪地方裁判所が厚生労働省元局長・村木厚子氏に 無罪判決を言い渡した事件です。大阪地方検察庁特別捜査部が、自称障害者団体「凛の会」が厚生労働省障害保健福祉部企画課が発行した障害者団体証明を利用し、障害者団体向けの郵便料金の割引制度を悪用し、約100億円単位の不正減免を受けていたという事件です。
 この制度を所管する同省の村木厚子課長は、虚偽有印公文書作成罪及び同行使罪で起訴されました。大阪地裁は、村木課長が部下に指示をしたとして有罪となり、収監されました。しかし、その後、裁判で争い、無罪を勝ち取ったという事件です。部下の係長が単独で「凛の会」を障碍者団体と認める公的証明書を偽造したことを認めたからです。
 この事件でも、検察の描くストーリーは、「村木課長が部下の企画係長に指示し、不正な行使をさせた」ものというものでした。最終的に、大阪地方裁判所は村木課長の指示はなかったとして無罪判決を言い渡しましたが、この事件も、「検察に描く筋書き通りに追い込む」検察のやり方に大きな批判が巻き起こった事件でした。

旧態依然の検察の体質

 それにしても、検察の体質、いつになっても変わらないんですね~。村木厚子事件で検察は大きな反省をしたはずなのに、またまた同じことを繰り返している。
 確かに自民党にも反省すべきところはあります。前述したように、この時の参議院選の際、二階幹事長が河井杏里候補のために1億5000万円という巨額の選挙資金を提供しました。他の候補と比べても破格の金額と言ってよいでしょう。
 この金額の大きさが、他の候補や世間の反発を招き、検察に睨まれることになったのでしょう。

河井被告に私信を

安倍河井

 私は、この供述誘導事件が明るみに出るかなり前、昨年の暮れごろ、獄中の河井被告に手紙を出したことがあります。月刊Hanadaで彼の書いた「獄中日記」を毎号読んでいたからです。河井氏は獄中での生活の様子を詳細に語るだけでなく、安倍総理に師事し薫陶を得ていた状況についても詳細に語っています。河井氏の現在の心境が痛いほど身に染みて感じられたのです。そして、このような人物こそ再度政界に復帰し、国家国民のために活躍すべきだと感じたのです。
 失敗して懲りない人間もいますが、社会には多くの失敗をし、それを糧にして反省し、乗り越えてきた人物がたくさんいます。戦後、大きくなった大企業の経営者などに多く見られます。そのような人の方が、はるかに人間の器が大きくなるものです。
 河井氏に代わって、奥様の安里さんから丁重なお返事をいただきました。再度、激励の手紙を出そうかなと考えていた矢先、この読売新聞の特ダネ情報に出会ったという次第です。
 村木事件も、今回の河井事件もそうですが、国家権力である検察は、その力の行使により、無罪の人間でさえも犯罪者にもすることができます。多くの国民は、徒手空拳、この巨大な国家権力に太刀打ちすることはできません。これに逆らうためには、多くの時間と資金、それに卓越した能力を必要とするのです。だから多くの国民は泣き寝入りをせざるを得ないのです。だからこそ検察には、国民の絶対的な信頼が必要なのです。
 村木事件で大きく失墜した検察の信頼が、またしても裏切られることになったのは誠に残念です。このような事情が判明した以上、一刻も早く河井氏を釈放すべきです。もう、検察のメンツなんてまっぴらごめんです。彼は収監中に750冊からの書籍を読破したそうです。きっとそれらの書籍は、河井氏の血となり肉となり、これからの人生を豊かにし、明るく照らすことでしょう。
 そして再度、彼をして、安倍晋三元総理の意志を体した政治家として再生させることでしょう。2年以上の及ぶ獄中生活で、体力的にはかなり落ちているでしょうが、80歳の私から見れば、60歳はまだまだ若い。最後の力を振り絞って、安倍晋三の化身として、よりよい日本を作って頂きたい。切にそう願うばかりです。(R5・7・24記)

<参考動画>

a:110 t:1 y:1

powered by Quick Homepage Maker 5.1
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional