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捻じ曲げられたマスコミの安倍暗殺報道

捻じ曲げられたマスコミの安倍暗殺報道

変質する安倍暗殺事件

安倍総理

 安倍元総理の暗殺事件は、日本の近代史においても重要事件として記憶されることになるでしょう。社会党の浅沼稲次郎党首が日比谷公会堂で演説中、山口二矢によって刺殺された、あの事件のことが生々しく思い出されたものです。それほどに衝撃的な事件でした。
 しかし、事件発生当初こそ、山上徹也容疑者(41)に対し非難する声が大きかったものの、母親が旧統一教会にのめり込み、容疑者が不遇な半生を過ごした生い立ちなどが明らかになるにつれ、報道の姿勢は大きく変わり始めました。非難の矛先が、旧統一教会の霊感商法にまでさかのぼり、山上容疑者の減刑を求める請願運動にまで発展する始末となったのです。この請願に前代未聞である220万以上(令和4年9月16日現在)の署名が集まり、Change.orgでの活動史上最多だというのです。
 そのうえ、この旧統一教会とつながりのある国会議員、特に与党議員のつるし上げにまで至るという異常事態になっているのです。
 その結果、安倍元総理の国葬についても、当初こそ国葬に賛成の意見が過半を占めていましたが、日を追うごとに反対意見が多数を占めるようになってきました。先日行われた沖縄県知事選において、自民党など保守系候補が惨敗したのも、新聞やテレビなど、マスコミによる自民党潰しの影響が大きく作用したことは間違いないでしょう。

疑問符だらけの暗殺事件

画像の説明

 このような一連の流れは、新聞やテレビなど、マスコミによって誘導された結果であることは明らかです。マスコミは、問題の本質の論点ずらしをしたのです。
 本来、安倍元総理の暗殺事件の本質は、次のようなものです。
①国にとって枢要な人物の警護体制が、余りにもぜい弱なのではないか
②山上容疑者が使用した銃器は本当に殺傷能力があったのか。容疑者は、銃器を作るためネットを活用したとされているが、ネット情報だけで殺傷能力のある銃器が製造できるのか、また、可能だとすれば、そのような情報源は規制の対象にする必要があるのではないか
③地元奈良県警は、これらの事実関係について何ら具体的な説明を行わず、逆に、統一教会との関連など論点ずらしの情報をマスコミに垂れ流しているのではないか。
④本件の背後に、中国など外国勢力が関与している可能性はないのか。例えば、山上容疑者は銃器製造のためだけに、別に部屋を借りていたが、その資金は誰が負担していたのかなど、資金の流れや交友関係をもっと解明する必要があるのではないか。
 マスコミは、本来、これらのことについて実態解明を進めるべきであるのに、問題の本質を旧統一教会との関連にのみ焦点を当て、協会と接点のあった自民党議員の責任追及ばかりしています。これって、おかしいと思いませんか。過去に旧統一教会の会合に出席したり、祝電を送ったりする程度の接点があった議員をパージするなら、自民党に限らず、ほかの野党議員も皆大同小異でしょう。選挙の時に、会合で挨拶してほしいとか事務所で手伝いをすると言われて、断る議員がどれほどいるのでしょうか。1票でも多く欲しい、猫の手も借りたい議員にとって、「この会合はどのような団体の会合か」とか、手伝いを希望する人に「どのような宗教を信じているのか」問えとでも言うのでしょうか。
 安倍が憎けりゃ袈裟まで憎い、と言わんばかりのマスコミの姿勢。そしてそのマスコミの誘導に易々と乗ってしまう世の風潮に、大きな違和感を感じるのです。
 上に挙げた疑問点について、もう少し検討してみましょう。

余りにも脆弱な警護体制

素人のガン

 先ず、検証すべきは、警護体制の問題です。この点については、事件発生当時、警護員がSPを含め、6人もいたのに、護れなかったのは、おかしいということが言われていました。特に、警護員が一人を除き、全員が安倍元総理と同じ方向を向いていたということは、警護の基本からして、余りにもお粗末、いや杜撰と言わざるを得ません。後ろを向いていたなら、山上容疑者が銃を構えて近寄ってきた段階で、大きな声で制止するなどして、警備陣に知らせる必要があった。その基本的な動作をしなかったのはなぜか。
 また、一発目と二発目の間に、約3秒程度の時間差があった。なのに、誰一人、安倍さんをかばうとか、背後から突き飛ばすなど、警備官なら当然行うべき基本中の基本となる行動をとらなかったのはなぜか。単なる警備ミスで済ませる問題ではないはずです。

銃器の殺傷能力はあったのか

安倍氏のみに

 今回使用された銃器は、山上容疑者がネットの情報を基に、1人で作ったとされています。しかし、ネットの情報だけで。このような殺傷能力のある銃器が製造できるものなのでしょうか。今回の銃器は一度に6個の弾丸が発射できるとされていますから、機能的には散弾銃ということです。単発の弾丸と散弾銃の製作は、どちらがより製作困難なのか分かりませんが、素人目線では単発の方が力が一点に集中できる分、殺傷能力が高くなるような気がします。
 報道によれば、現場で押収された手製の銃は長さ約40センチ、高さ約20センチ。山上容疑者の供述では、金属製の筒を2本束ね、木製の板やテープで固定。筒にはカプセルのようなものが入っており、カプセルの中に6個の弾丸を込めることが可能で、一度の発射で1本の筒から6個の弾丸が飛び出る仕組みだったとされています。

吉留氏

 散弾銃なら、安倍元総理にのみ命中し、ほかの人には一切当たらなかったというのは不自然です。現場には多くの聴衆や党の関係者、報道関係者、警護員などがいたからです。奈良県警は、このことについても、きちんと説明すべきです。
 また、奈良県警は、この素人が作成した銃器に本当に殺傷能力があるのかという点について、きちんと検証したのでしょうか。奈良県で唯一の銃砲店として銃器を取り扱う専門業者キタヤマト ガン サービス 吉留敦浩氏の言によると、 「弾を発射するパイプの部分が短かったので、飛び出した後がすぐにばらけると思うんです。そういうこともあって精度は悪かったと思います」と述べています。つまり、殺傷能力について大きな疑問を呈しているのです。
 さらに、このような素人の作製した散弾銃が安倍元総理にのみ命中し、ほかの誰にも当たっていない。多くの人が集まった当時の現場写真から見て、極めて不自然であり、吉留氏の「すぐにばらける」という証言とも合致しません。

医師たちの証言とも合致しない

植山医師

 さらに、ドクターヘリで搬送した植山徹医師は、次のように述べています。
「その時点で、いったい何発撃たれたのか、どんな銃が使われたのかといった情報は何もありませんでした。背後から撃たれたというので背中側に手を差し入れても、出血はなく、傷口は見当たりません。機内でできることは限られますが、病院に到着すれば手術ができるので、なんとかそれまでに位置を特定して病院のチームの助けになることが一番の仕事だと考えていました」。つまり一番最初に手当てにあたった医師は、「背後から撃たれたというが背中側に出血はなく、傷口も見当たらなかった」と証言しているのです。
 さらに、植山医師は、揺れる機内で全身を観察し、傷を探したと述べ、「傷は背中ではなく、体の前方にあった。首に2つと、更に左肩にも1つ。特定できたのはヘリが病院に到着する2分前だった」と述べています。
 ヘリ到着後、実際の手術を担当したのは救急医である福島英賢教授をはじめとするチームでした。福島教授によれば、「治療は困難を極めた。胸を開いてみると傷は血管だけでなく、心臓にまで達していた。血圧は急激に低下していて、血液は輸血したそばから失われていった。自動のポンプだけでは追いつかず、医師と看護師が交代しながら手動で血液を送り込んだ。」
 と述べています。つまり、弾丸は、心臓にまで達していたというのです。背後から撃たれ、弾丸が心臓に達していたなら、背広の裏側にその痕跡が残っているはずです。その背広は、なぜ公開されないのでしょうか。全身を観察した植山医師は「傷は背中側でなく前方にあった」と述べています。また、手術を担当した福島教授も、「傷は血管だけでなく心臓にまで達していた。」と述べています。

福島英賢教授

 これらの証言から見ると、背後から撃たれたのに、背広の裏側に弾痕がない。傷は裏側でなく、前方にあったという医師の証言は、なぜ問題にされないのでしょうか。また。その弾丸は体内で見つかったのか、報道では分かりません。体内で見つからなかったとすれば、弾丸は貫通していたということになります。その貫通した弾痕は背広にはっきり残っているはずです。厳密な鑑定をすれば、その弾丸は前から来たものか、後方から来たものか、容易に判定しできるはずです。
 二人の医師の証言をつなぎ合わせると、弾丸は前から来たもので、植山医師のいう肩に一発という証言と、福島教授の傷は心臓にまで達していたという証言は、かなり近似しているように見えます。そうすると、背広の前側に弾痕が残っているはずです。
 しかし、これらの情報は、一切明らかにされていません。なぜでしょうか。前からの銃弾だとすれば、山上容疑者は、少なくとも殺人罪の適用は困難になるはずです。

統一教会は明らかな論点ずらし

 今回の事件の扱い方は、いつの間にか、統一教会問題、特に、自民党との関連において、どのようなつながりがあったのか、というところに焦点が当たっています。つまり、このような悪質な団体とのつながりのある自民党議員は怪しからん、というわけです。確かに霊感商法は怪しからんことであり、取り締まるべき行為であると思います。だからこそ、安倍総理の時に、消費者契約法を改正し、次のような規定を盛り込んだのです。

霊感商法等に関する不安をあおる告知の 付加
◆消費者契約法4条3項6号

 事業者が、消費者に対し、霊感その 他の合理的に実証することが困難な特別な能力 による知見として、そのままでは消費者に重大な 不利益を与える事態が生じる旨を示して消費者 の不安をあおり、合理的な判断ができない心情 (困惑)に陥った消費者に当該消費者契約を締結 させた場合には、当該消費者は当該契約を取り 消すことができる。

 この規定によって、統一協会の収入は、10分の1に激減したとも言われています。つまり、山上容疑者は、安倍総理がこのような規定を盛り込んでくれたことに感謝こそすれ、決して恨むべき対象ではなかったはずです。
 それなのに、山上容疑者は、安倍総理を憎み、狙撃の対象にしたことは、論点の対象が二重、三重に飛躍しています。恨むべきは旧統一教会なのであり、決して安倍氏ではありません。このような大きな飛躍が生じているのはなぜなのか、そのこと自体、何らか第三者の関与があるのではないか、と考えるのが合理的な解釈というものです。
 そもそも論として、現在のところ、旧統一教会は、名称変更後も合法の宗教団体とされています。違法な団体ならば、暴力団がそうであるように、暴力団取締法(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律)として明示しなければなりません。
 そのような明示がないままに、これとの関連があるというレベルで、非難するなら、政権の内部にまで入り込んでいる創価学会公明党やその他の宗教団体もまた同様に非難されるべきでしょう。公明党は、外見上は「政教分離」とされていますが、内実は政教一致の団体であることは多くの国民の共通認識です。ならば、その政党から支援を受けているどころか、同じ会派を組み連立政権を組んでいる公明党は、統一教会以上に強く非難されなければなりません。しかも、この政党、常に中国におもねり、何の罪もないウイグル人が強制労働や強制避妊などを強いられ、あげく何十万人という人々が強制収容所に収監されている実態に背を向け、中国非難決議にさえ反対の意思を表明したのです。
 現在活動している多くの宗教団体は、「喜捨」という美名のもとに寄付を募る(あるいは強要する)行為を常としています。統一教会が特別ひどいというなら、なおさらのこと、なぜ強く法規制を求めないのですか。なぜ議員立法を提出しないのですか。それこそが立法府の役割ではありませんか。マスコミの責任も極めて大きい。何らかの関りのあるというだけで自民党議員を非難するのは、余りにもバランスを欠いた一方的な非難と言うべきではないでしょうか。
 なお、念のため付記しますが、私は、一切の宗教団体と無縁です。地元の神社やお寺にはお参りしますが、儀礼的なものです。ほとんどの日本人は、神社やお寺の前では頭を下げます。それだけのことです。

外国勢力関与の可能性

 フォーカス台湾中央社の日本語版によれば、台湾の謝長廷(しゃちょうてい)駐日代表(大使に相当)は、事件当日の7月8日、フェイスブックを更新し、安倍晋三元首相が死去したことについて、哀悼の意を示しました。また、報道によれば、「先週には表敬訪問の際に訪台を招請したところ、安倍氏が快諾していた」ということも報じられています。

高笑い

 中国がこれに反発したのは当然です。国際的にも発信力、影響力の大きい安倍元総理が台湾を訪問するのは、中国にとって、あってはならないことだからです。安倍暗殺事件が起きたのは、この直後ということです。
 この中国の怒りと、この安倍元総理の暗殺事件が奇妙な平仄を示していることに注目すべきです。そして、上に述べたように、山上容疑者の手製銃器による殺傷能力への疑問、第1弾が散弾銃なのに、誰にも当たっていないことへの疑問、第2弾も安倍氏以外誰にも当たっていないことの不思議、そして事件直後の担当医師たちによる「前からの銃撃」とする見解、貫通した背広の検証結果が示されていないこと、それに事件後の報道の方向性が自民党攻撃に変質していくことなど、不可思議な事実関係を照らし合わせていくと、山上容疑者以外の何らかの外部勢力による関与が疑われるのは、いわば当然のことではないでしょうか。これら多くの疑問点が、何ら解明されていないのです。
 仮にこの外部勢力が中国であると仮定した場合、沖縄知事選を含め、多くの疑問が、過不足なく辻褄が合うことに注意が必要です。かの国にとって、消音器のついた銃器の使用や熟練したスナイパーの用意など、お手のものでしょう。邪魔な存在を抹殺することは、「静かなる侵略」を実行している国家にとって、た易いことなのです。しかも、かの国は、既に日本のマスコミ界にも深く浸透しています。マスコミにとって不都合な真実は報道しないのは、いわば当然なのです。
 報道すべきことを報じず、報道する必要のないことを大々的に報じる。こうして日本という国は、静かなる侵略の餌食になっていくのです。私の耳には、中国の高笑いの声が聞こえてくるのですが、果たしてこれは空耳なのでしょうか。(R4・9・15記)


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