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太陽光発電で日本が世界をリードするか

太陽光発電で日本が世界をリードするか

日本発の技術

 ペロブスカイト太陽光発電という言葉を聞いたことがありますか。私は技術のことは詳しくないので、全く知りませんでした。しかし、このぺロブススカイト発電というのは、日本発の技術で、従来のシリコン型の太陽光発電と比べると次のように、大きく異なる特徴があります。
①低コストであること
②製造温度が低く、軽量(従来の太陽光パネルに比べ厚さは100分の1,重さは10分の1)で柔軟性があること
③プラスチックフィルムに印刷して柔軟性のある太陽電池として使用できること
④窓ガラスのコーティングとして太陽光を吸収できること
⑤曇りや雨の時でも発電が可能であること

太陽光

 このように、低コストで柔軟性があることから、さまざまな用途に利用することが可能である、とされています。長期の使用に耐えられるということも大きな利点です。人工衛星への利用はもちろんのこと、柔軟性があることからさまざまな曲線を持つ車に搭載することも可能になります。もちろんビル丸ごとぺロブスカイトパネルで覆ってしまうなんてことも可能になるでしょう。

発電効率も遜色なし

 太陽光発電は、太陽光を電気に変換することによって発電します。太陽から受ける熱エネルギーを、電気エネルギーに変換する必要があるのです。これらの効率は、単結晶シリコンで最高26.7%、多結晶シリコン太陽電池で最高20%以上とされていますが、これらの発電効率は理論的な限界に近づいている、とされています。
 他方、ペロブスカイト太陽電池セルのエネルギー変換効率は最大25.5%と、研究レベルではシリコン太陽電池とほぼ同じ水準まで高まっており、更に変換効率を上げるべく各種の研究が行われています。
 このように、変換効率でもすでにほぼ同等の水準に達しており、加えて上にあげた様々な利点を考えるなら、総合評価として、太陽光発電よりはるかにペロブスカイトタイプの方が優れていると言えるでしょう。

天候に左右されない

ただいま発電中

 このプロブスカイトパネルの大きな特徴は、前述したように、曇天や雨の日でも発電できるという点です。人工的に作ったペロブスカイトの結晶を太陽電池の素材に使うと、曇りや雨の日、さらには室内の照明でさえ発電できることが発見され、一躍次世代型太陽電池の最有力候補となったのです。
 そして、弱い光での発電を実現させているのが、ペロブスカイト太陽電池のもう一つの特徴である“薄さ”です。ペロブスカイト太陽電池は光を吸収する力が強く、非常に薄い0.1マイクロメートルでも電池として使えるというんです。電子や正孔の移動距離が短く、ロスがほとんどなく電極に到達できます。そのため、太陽光の500分の1程度の強さの光である室内の照明でも発電ができるというんですから驚きです。
 今、全国に設置されている中国製太陽光パネルの”前近代性”を考慮するならば、このペロブスカイト発電の魅力はずば抜けています。

原料はすべて日本で調達可能

ヨウ素生産量

 このプロブスカイト太陽光パネルを製造するためには原料としてヨウ素と鉛が必要です。このヨウ素は、天然ガスと一緒に採取できるもので、日本の世界シェアは南米チリに次いで2位というから嬉しいではありませんか。しかもこのヨウ素、その埋蔵量は日本が世界の3分の2を占めているんです。
 また、もう一つの原料、鉛も輸入に頼らず国内だけで調達可能です。
これだけの優位性があるなら、シリコン型太陽光発電を駆逐するに十分です。

課題をめぐり世界で競争始まる

 ペロブスカイト太陽光パネル発電の優位性に着目し、すでに世界各国でその開発競争が始まっています。

日本の各メーカー

 日本では上の表に掲げたメーカーのほか、シャープやホシデン、リコー、三菱マテリアルといった企業が開発競争に加わり、凌ぎを削っています。
 事業化やその先の普及に向けての課題は何か。それはこのペロブスカイト太陽電池(PSC)は、微量ですが毒性のある鉛を含むということです。スズなど代替材料での研究も進んでいますが、高い変換効率を出す上で鉛は重視されており、実用化時には適切な管理体制の構築が必要になりそうです。
 性能面では大面積での変換効率の低さや寿命の短さも指摘されています。特に、耐久性を20年以上に向上させるためには、いくつかのブレークスルーが必要、という声も聞かれます。

開発者の宮坂教授はノーベル賞候補に

宮坂力教授

 このペロブスカイト太陽光発電の生みの親である桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授は、すでにノーベル賞の候補にもノミネートされているそうです。同教授がペロブスカイト太陽電池を開発したように、電池に関する研究開発分野は日本のお家芸です。
 まだいくつかの課題もありますが、宮坂教授は、「世界で多くの研究者が耐久性の課題に挑んでおり、解決は時間の問題ではないか」と述べています。
 いずれにしろ、日本発の技術ですから、各社の技術力を生かし、実用化・量産化に向け、是非とも世界を牽引して頂きたいものです。(R5・5・29記)

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