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中国経済の大崩壊に習近平はどう対応するのか

中国経済の大崩壊に習近平はどう対応するのか

すべての経済指標が悪化

中国不動産業1

 中国経済がすでに崩壊しているとの情報は、多くの報道が示しています。累積債務はすでに合計100兆元(約2000兆円)を超えているとされ、格付け会社フィッチ・レーティングスによれば、31ある省、自治区、直轄市の3分の1がデフォルト(債務不履行)状態にあるとのことです。
 恒大集団や碧桂園など、大手不動産業者の崩壊は、すでに顕在化しています。日本なら破産整理の手続きが進められるところですが、破産手続きはなされていません。正確に言えば、アメリカで破産の申し立てをしていますが、本国での申し立てはしていません。
 中国にも企業破産法という法律がありますが、中国には国家の上に共産党という組織があり、党のトップである習近平主席がそれを認めないのです。習近平が認めない以上、裁判所も認めない。そんな無茶な、といってもそれが通るのが独裁国家という異常な体制です。
 習近平はなぜ破産を認めないのか。それは恒大集団という企業一社にとどまらず、不動産業界はすでに市場全体がまるで火だるまのようになっており、恒大集団に破産を認めれば済む、というレベルではないからです。「大きすぎる企業は潰せない」という言葉がありますが、34億人分のマンションを作った不動産業界の負債状況は余りにも深刻で、その整理の過程で、社会的な大混乱が不可避だからです。なぜなら、破産手続きを進めれば、建設業者や資材業者、家具調度品など関連企業などはもちろん、住宅ローンを借りて不動産を購入した一般庶民、ローンを貸し付けた銀行などの深刻な痛手が「確定」してしまうからです。

若年失業率の推移

 この深刻な状況は、地方の自治体にも及んでいます。自治体は、国有の不動産を切り売り、いや、切り貸しすることにより豊富な財源としていましたが、すでに借り手はなく、地方財政も火の車です。ボーナスどころか給料すら満足に払えない自治体が出始めているのです。国民の年金は自治体が面倒を見ていますから、年金すらも払えないという自治体が出始めました。 
 経済がこんな状態ですから、当然、雇用情勢も極めて厳しい。若年労働者の失業率は公式発表で29%超とされていますが、北京大学の研究者の発表によれば、すでに46%に達しているとされています。中国国家統計局は、16歳から24歳までの失業率を公表していましたが、今後は発表しないと決定しました。余りにひどい状態なので、公表できないということでしょう。
 本来、ここは国の出番ですが、習近平は、蛇の生殺しよろしく、この異常な状態を、ただ手をこまねいて見続けるしかないのです。

暴動か大混乱は不可避

 このような手詰まり状態が続いた場合、国家はどうなってしまうのでしょうか。この状態は正しく信用毀損社会ということです。信用が機能しなくなれば、銀行は危なくてお金を貸せない。生活に困った庶民の行きつく先は、「現物取引」か「闇金」に頼るしかない、という状態になるでしょう。
 投資でなく、本当に住宅が必要になった庶民はどうするのか。「信用」が機能しない社会では、ローンは成立しません。庶民は住宅を買えないのです。いや、住宅どころか、食料でさえも、買えなくなってしまうのです。嘗て、ソ連邦が崩壊した時そのような状態に陥りました。食料となるパンなどを求めて、住民が朝から行列したのです。80歳の私でも、このようなソ連国家の悲惨な状態を、同世代人として知っています。東西を分断していた長大なベルリンの壁も、この時に打ち壊されました。

ソ連邦崩壊

 経済が破綻した中国が、打つ手なしの状態で、徐々に国民の不満が蓄積されていったとき、どういうことが起こるのか。何か些細な出来事が生じれば、一気に火が付き、暴動に発展する可能性があります。嘗ての天安門事件のような大規模な衝突が起こる可能性もあります。しかし、当時と今の状況は大きく異なります。天安門事件当時は、学生たちが「自由」を求めて蜂起したのです。しかし、今回は、中国全土にわたり、経済逼塞の状況が生じ、全国民が痛手を受け、現物による物々交換を余儀なくされるという事態です。「自由」を求めるというレベルの話ではなく、「生きるための戦い」なのです。中国国民が共産党支配を許容しているのは、自由はなくとも生活の向上が見込める、という僅かな希望があるからです。自由もなく、生活の向上もないというなら、共産党支配を受け入れる余地はありません。ソ連邦崩壊時と同様の事態が生じる、と予想するのは思い過ごしでしょうか。

習近平の政策は愚策ばかり

 このような事態が生じたのは、習近平に全幅の責任があります。習近平の行ってきた政策がすべて悪政だったからです。いくつか例を挙げてみましょう。

中国捏造地図

①領土拡張野望の愚
 習近平は、国際法を無視し、領土拡張に異常な熱意を燃やしています。南シナ海に勝手に九段線といわれる線を引き、ここがすべて自国領だと主張し、軍事拠点化を進める。国際司法裁判所の判断すらも「紙屑」と称して無視する。東シナ海においても、尖閣諸島を奪取すべく侵入行為を繰り返している。内陸部においては、インドとも領土紛争を繰り返しています。
②人権弾圧の愚
 チベットやウイグルに対する人権弾圧は苛烈を極めていいます。特にウイグルにおいては、多くの住民を職業訓練所と称する施設に収容し、彼らを無償で太陽光発電機器の製作に従事させたり、収容者に不妊手術を施したり、臓器を抜き取り収益源とするなど、おぞましい行為を繰り返しています。
③教育弾圧の愚
 小中学校での英語教育を禁止したり、学習塾を禁止し、代わりに「習主席語録」なるものを学習させるなど、時代錯誤の教育を行い、多くの国民の反感を買っています。教育関連事業は、中国においても大きな産業分野です。それをいとも簡単に潰してしまったのです。
④反スパイ法改正の愚
 今年7月に施行された改正反スパイ法によれば、国家の安全と利益に関する文書、データ、情報及び物品などが保護の対象となり、これらを窃取などした者が取り締まりの対象とされました。これでは企業の扱っている文書やデータなども取り締まりの対処となる可能性があり、自由な営業活動は困難になります。いつどんな理由で拘束されるか分からない状況が生じ、多くの外国企業が中国に見切りをつけ脱出を始めています。
⑤処理水への言いがかりの愚
 福島原発の処理水は国際原子力機関(IAEA)による立ち入り調査などにより、科学的に安全性が確保された水準にあるにもかかわらず、「核汚染水」と称し、日本を非難し、日本からの海産物の輸入を事実上禁止するなどの嫌がらせ行為を行っています。
 このように、習近平の行っている内政外交の諸施策は、すべてが強権的かつ愚策で国内外に多くの敵を作っている、と言ってよいでしょう。

国民の不満を外に向けるか

住宅市場1

 国民の不満が高まってきたとき、習近平は一体どのような対応をとるか。多くの中国専門家は、「国民の不満を外に向ける可能性がある」と述べています。外敵を作れば、一時的であっても、国民の関心はその外敵に向けられるからです。
 しかし、現下の国際情勢で本当にそんなことができるのか。私は、絶対にできない、と確信しています。その理由は、次の通りです。
①周辺諸国は敵だらけ
 前述したように、中国は、周辺国に敵ばかり作ってきました。南シナ海、東シナ海において周辺国に違法な侵略行為を切り返し、威圧してきました。インドとも国境を挟んで紛争を繰り返しています。いわば周辺国は敵ばかりなのです。軍事大国中国であっても、東と西の2方面で戦争をする力はありません。
②食料・エネルギーがアキレス腱
 中国は、大国であるから食料もエネルギーも豊富にあるように見えますが、実際は、これらを輸入しなければ生活は成り立ちません。中国は、穀物や肉類、鉄鉱石、石油、天然ガスなどの資源を外国から輸入しているのです。中国は世界最大の穀物生産国ですが、国内で消費される量を生産することさえできないため、穀物を輸入せざるを得ないのです。
 また、中国は世界最大の豚肉生産国ですが、豚肉の需要が増えるにつれて、すでに輸入国になっています。豚肉は中国人の大好物です。その大好きな豚肉ですら輸入しなければならないのです。
 このように食料もエネルギーも輸入しなければならない国が、外国と戦えるはずがありません。現在、ロシアがウクライナと戦えているのは、食料もエネルギーも自国で賄えるからなのです。
③米印が緊密に軍事協力
 今年6月30日米国を訪問したインドのモディ首相とバイデン大統領の間で半導体や重要鉱物、宇宙協力、防衛協力に関する合意がなされました。それだけでなくアメリカは国連を改革してインドを常任理事国にすることにも合意したのです。
 また、この会談の前にも、ゼネラル・エレクトリック(GE)の航空宇宙部門がインド空軍との間で、次期戦闘機に搭載するエンジンをインドで製造することで合意し、調印したと発表しました。当然、これは中国を睨んでの合意です。
 この米印の合意は何を意味するか。中国が台湾に進攻した場合には、日米豪英やフィリッピン、インドネシア、ベトナムを敵に回すとともに、「インドをも!」敵に回すことになる、ということです。また、この海事協定の締結により、インド洋で活動する米海軍の艦船が補修作業のため、インドの造船所に立ち寄ることも可能になったのです。そしてインドは米国から無人航空機シーガーディアンMQ-9Bを調達することも合意されました。これらは正に軍事協力そのものであり、中国はこのことに驚愕しているはずです。

内部崩壊

 以上のことを総合的に考えるならば、いかに愚鈍な習近平と言えども、台湾進攻などという強硬手段をとることはもはやできなくなったと言っても過言ではないでしょう。
 最近、政権内部における不審な動きが漏れ伝わってきます。秦剛外相の突然の更迭、ロケット軍トップ二人の更迭、李尚福国防相の不可解な動静不明(9月16日現在)などはその一例です。これら排除された幹部たちは、経済音痴の習近平が、周辺国に敵ばかり作る無謀な政権運営に反旗を翻した結果、とみるのもあながち間違ってはいないように思われます。大中華帝国は、今、音を立てて崩れつつあるのです。日本は、間違ってもこの崩れつつある体制を支えるようなことがあってはなりません。
 習近平よ、この野蛮で横暴、世界中の鼻つまみ国家、中華帝国が完全崩壊するまで、是非とも主席のポストにしがみついてくれたまえ。(R5・9・16記)

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