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原発の再稼働や小型原発の開発を急げ

原発の再稼働や小型原発の開発を急げ

高騰する諸物価

 スーパーに食料品など生活用品を買いに行くと、全般的に値段が上がった気がします。値段は変わってないものでも、中身が少なくなった気がする。そんな気持ちになる人が多いのではないでしょうか。実際、食料品の値段は上がっています。新聞報道によれば、生鮮食品を除く総合で100.9と、前年同月から0.8%上昇し、7カ月連続で値上がりしたとのことです。

値上げラッシュ

 物価高騰には、食糧品価格とエネルギー価格の両面がありますが、ここではエネルギー価格問題に特化して述べたいと思います。
 エネルギー価格は、前年同月比で20.8%も上昇しました。第二次石油危機以来、約41年ぶりの上げ幅です。都市ガス代が25.3%、電気代が21.6%の上昇です。生活必需品である電気代、ガス代がこんなに値上がりしたのでは、年金のみで生活している我々高齢者だってたまりません。
 先日、ガソリンを入れたときにも、高くなったなーという実感があります。リッター当たり約170円でした。以前は110円から120円の間くらいでしたから、厳しい値上がりの実感があります。しかも、この170円でさえ、補助金を投入した結果での金額です。補助金がなければ、200円以上になっていたはずなのです。
 このガソリン価格については、注文があります。「補助金」を投入した結果、170円程度に抑えられていますが、本来なら、今問題になっているいわゆる「トリガー条項」を発動すれば、補助金を投入しなくても、170円程度に抑えられているべきものなのです
 つまり、この一連の流れは、本来は値下げすべきものを「東日本大震災の救済に当てる」との名目で値下げせず、その値下げすべき金額を補助金という形で補填しているということです。財務省の立場からすれば、自動的に値下げしてしまったのでは、補助金として配れない。だから値下げせず、補助金という形で恩恵を施す。「徴収し、再度配る=財務省が差配できる=財務省の権限が増える」ということです。余りにも狡猾で無駄、了見が狭い、と言わざるを得ません。

世界的にも一斉値上げの様相

ペルーの抗議デモ

 世界的にも物価は上昇しています。日本でも冒頭に述べた通り、徐々に値上げラッシュが始まっていますが、諸外国の物価上昇に比べればまだ弱いレベルです。ペルーやスリランカ、イランなどでは物価高騰に怒った大衆が暴徒化し外出禁止令が出た国さえあります。あのフランスでさえ、物価高騰の怒りで極右と言われるルペン候補は大幅に支持を増やしました。
 世界的な物価上昇の理由のひとつは、何といってもロシアによるウクライナ侵略の影響が大きい。ならば、日本の物価も、諸外国と同様に上昇してもよいはずです。 しかし、日本の物価上昇は、これまでは企業努力によって小幅にとどまっていました。日本の消費者の目は価格上昇に厳しく、輸入物価の値上がりを価格に転嫁しづらかったのです。企業の自助努力によって、物価の上昇を抑えてきたのです。
 しかし、自助努力にも限界があります。みんなで渡れば怖くない。これからは一斉に値上げラッシュになるでしょう。

特にエネルギー価格の上昇が厳しい

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 電気やガス、水道といった生活の基礎となるエネルギー価格の上昇は、生活者にとって本当につらい。ガソリンや灯油、電気、ガスといった基礎エネルギー価格は生活を直撃するからです。
 しかも、これらの基礎エネルギーの価格上昇は、他の生活物資生産の基盤となりますから、今後は、これら基礎エネルギーを使って生産された諸物価が上昇することは不可避なのです。
 ではどのくらい上がるのか。総務省によれば、2022年4月に消費者物価を大きく押し下げていた携帯料金プランの引き下げ要因が一巡して、物価上昇率の前年比が大きく跳ね上がることが予想される、としています。図に見るとおり、2021年11月の消費者物価の通信費を除くカテゴリーで計算すると、前年比はすでに2.0%と試算されています。すでに店頭価格が上昇しているガソリンに加え、今後は電気代、ガス代の価格上昇は確定的と言ってよいでしょう。経済ジャーナリストの松崎のり子氏によれば、家庭における電気代は月5万円に達するとの見通しを述べています。
 いずれにしろ、ロシアによるウクライナ侵略により、世界経済は混乱し、特に、エネルギー価格の上昇は不可避の状況にあります。
 この場合、本来なら、アメリカがシェールガスを急ピッチで開発し、世界に供給すれば、ある程度エネルギー価格の高騰を抑えることができますが、バイデン政権にそれは期待できません。なぜなら、バイデン政権は、トランプ政権と異なり、脱炭素化の道をまっしぐらにすすんでおり、脱炭素化の流れに逆行するシェールガスを採掘する方向には行きそうにないからです。

エネルギー価格上昇の影響は大きい

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 今の日本、エネルギー高騰の影響をもろに受けたら、一層の景気後退に陥ることは明白です。ただでさえ30年近くの長きにわたって、低迷を続けてきた日本経済が、更に景気後退に落ち込む。想像するだけでも恐ろしい事態です。
 そのうえ、電気代が夫婦二人世帯で毎月5万円もかかるとなれば、生活は持ちません。当然、生活全般を切り詰めることになります。生活全般を切り詰めるということは、極端に消費を減らすということです。
 家計が消費を減らせば、企業の売り上げは減少し、企業の新規投資は抑制されます。その結果、税収は減り、現行の社会保障水準の維持すら困難になります。社会保障水準を維持しようとすれば、更なる増税が待ち構えるということになり、経済の悪循環となります。つまりこれはコストプッシュ型のインフレであり、黒田経済が目指した経済の好循環による弱いインフレとは異なるからです。これでは、日本の行く先は、お先真っ暗です。
 このような事態を回避するためには、エネルギー価格を大幅に下げる、いや、最小限、値上げしないで済むという政策が必要になります。
エネルギー価格を上昇させないためには、次のような方法があります。
① 原油や天然ガスなど既存のエネルギー資源を増産する
② それができないなら原子力発電など代替エネルギーを活用する
③ エネルギー消費を徹底的に減少させる
 このうち、③の消費を減らす方法では、物事の本質的解決になりませんから、①か②の方法しかない、ということになります。
 先ず、①の方法は、サウジアラビアなど中東の原油生産国が生産量を増やすか、米国がシェールガスを増産する方法です。これができるなら結構な話ですが、余り実現性はありません。前述したとおり、バイデン政権は脱炭素化の旗を降ろす気配はないからです。
 一方、サウジなど原油生産国は、油価の上昇は歓迎すべきことであり、価格低下のための増産には非協力的になります。
 また、日本にとって、貴重なロシア産天然ガスも、日ロ関係の悪化により、大幅な増産は見込み薄です。仮に、即時停戦したところで、悪化した日ロ関係が早期に復旧する可能性は低いでしょう。
 では、どうすればよいのか。結論として、原発の活用が一番現実的、ということになります。

既存原発の再稼働を急げ

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 資源エネルギー庁によると、2022年2月現在、日本国内で再稼働している原発は、関西電力大飯原発3号機や高浜原発4号機など10基(定期検査で停止中も含む)です。
 一方、原子力規制委員会の新規制基準に適合していると判断されたものの、まだ再稼働していない原発は、東京電力柏崎刈羽原発6号機、7号機や東北電力女川原発2号機など7基となっています。原子力規制委員会の新規制基準に適合しているのに、再稼働していないものが7基もあるのです。これらを早急に稼働させれば、電気代の大幅削減になるのは明らかです。原発1基でLNG100万トンにも相当するのです。すべて再稼働させれば700万トンの節約です。最近建造された大型タンカーの輸送量は1隻あたり200万バレル、とされています。200万バレルの原油は重量に換算すると約30万トンです。ということは、大型タンカー23隻分が節約できるという計算になります。原油4隻分で東京ドームがいっぱいになる量ということですから、日本がいかに多くの原油を輸入しているか分かるでしょう。
 再稼働させれば、これだけの原油を輸入しなくて済むようになるのです。いつでも動かせるものを動かさず、徒に稼働年数・耐用年数を減少させ、割高の電気代を国民が負担する。本当に愚かな対応と言うべきです。
 この愚かな対応の根源は、福島原発の影響によるものですが、その後の国民の対応は、余りにも過剰です。羹に懲りて膾を吹くの諺通り、一度の失敗にこりて必要以上に用心しすぎです。

自民議連

 私たちの文化は、多くの失敗を乗り越えて成長発展してきました。自動車だって汽車だって飛行機だって、成長発展の過程では何度も事故を起こしました。いや、今でも起こしています。それでも必要なものは改良に改良を重ね、乗り越えてきました。一度の悲惨な経験で、見るのも考えるのも嫌だと思考停止になるのではなく、その悲惨な経験を未来の子供たちのために活かす、という心構えこそ人類の発展にとって大切なのではありませんか。冷酷な言い方であることを承知で言わせてもらえれば、直接、福島原発事故の放射能によって死亡した人は一人もいません。多くの避難者の中から関連死の方が沢山いたということです。
 自民党も原発推進派の議員らでつくる「電力安定供給推進議連」(細田博之会長)が、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、日本国内の電力の安定供給などを理由に、停止中の原発を緊急的に稼働させるよう求める決議し、2022年3月15日萩生田経産大臣に原発再稼働を申し入れました。当然の要求というべきです。

小型原発の開発も必要

小型原発

 このほか、小型原発の活用にも注力すべきです。小型原発の分野については、脱炭素化にも貢献するとの観点から、各国で開発競争がなされています。安全性の向上はもちろんですが、再生可能エネルギーとの共存や、水素の製造、熱エネルギーの利用といった多様なニーズにこたえる原子力技術のイノベーションが進められています。
 そのうち、代表的なもののひとつが、「小型モジュール炉」です。SMR(Small Modular Reactor)とも呼ばれ、世界各国で開発が進められています。
 その特徴をキーワードであらわすとすれば、「小型化」「モジュール化」「多目的化」の3つがあげられます。これらについての解説は、資源エネルギー庁の説明によれば、次のようになっています。
①小型化
 米国NuScale社はSMR開発の先駆者の1つで、これまで米国エネルギー省からの支援を得ながら開発を進めています。初号機の建設はアイダホ国立研究所(INL)の敷地内に計画されており、米国の原子力規制委員会での審査も最終段階にあります。

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②モジュール化
 日立GEニュークリア・エナジー社と米国GE Hitachi Nuclear Energy社が共同開発中です。両社は、原子力発電所の設計・製造経験と、さまざまな製品のモジュール製造経験が豊富で、その経験を活かした原子力イノベーションが進められています。
③多目的化
 こちらは原子炉の冷却に水ではなくナトリウムを使った原子炉です。「高速炉」と呼ばれるタイプの原子炉で、従来の原子炉と比べて廃棄物の有害度が低く、量も少ない。ウラン資源を有効活用できるといった特徴があります。
 このように、小型原子炉の分野においては、各国が技術開発を進めており、技術大国日本も、この分野において、後れを取ってはなりません。
 なお、マイクロ炉、ポータブル原子炉、というものも、検討すべき段階にきているようです。これはトラックに乗せて運搬できるというレベルのものですが、30万KWの発電能力がある、というから驚きです。
 技術大国日本は、この分野で先進的な開発を行い、世界に向けてエネルギー資源確保と価格の安定化に貢献すべきなのではないでしょうか。(R4・4・26記)


▶▶▶<参考動画>日本の技術は超一流!三菱重工の超小型モジュール原子炉のスゴさを語り尽くす!
▶▶▶小型原子炉SMR徹底解説
▶▶▶高市・岸田氏ゲキ推しの小型モジュール式原子炉(SMR)について解説する
▶▶▶【日立】カナダの『次世代原子炉』を受注!【小型モジュール炉】

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