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日本は移民受け入れ政策を見直すべきです

日本は移民受け入れ政策を見直すべきです

成人式報道での驚き

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 1月8日に成人式が行われました。この晴れの日に驚いたことがふたつあります。一つは、晴れ着の業者「はれのひ」の社長が夜逃げをし、折角の成人式を台無しになってしまったことです。こんな理不尽で卑劣な人間が日本人にもいたのか、と大きな驚きでした。もう一つは、東京の成人式で外国人の参列者が8人に一人いたということです。新宿区の成人式では、何と45%が外国人だったというんです。これがビックリしないでいられるでしょうか。
 日本人的感覚からすれば、成人式は、母国で旧友たちとの再会を喜び合ってするもので、「一時滞在中」の外国で行うものではない筈です。これだけ大量の外国人が、「日本の」成人式に参加するということになれば、彼らの意識の中では、すでに「日本人として生きていく」という意識ができているのかもしれません。つまり、彼らの多くは、すでに国に戻らない「移民」とも考えられるのです。

技能実習生という名の移民

 統計によれば、在留外国人の数は、2016年末で約238万人だそうです。すでに人口の2%近くを占めているんです。移民を受け入れていない筈の日本で、なぜこのように多くの外国人が存在しているのでしょうか。その答えは、簡単です。彼らは、日本の労働力不足を補うために来ているからです。
 もちろん、国は労働力不足を補うため、とは決して言いません。国は、こう言います。

<国際研修協力機構ホームページより>
 我が国で培われた技能、技術又は知識の開発途上地域等への移転を図り、当該開発途上地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与するという、国際協力の推進です。

 何という立派な説明でしょうか。しかも、この技能実習生について定めた法律、正確には「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(長いので、以下「技能実習法」と言います。)第3条では、次のように定めています。

第3条 技能実習は、技能等の適正な修得、習熟又は熟達のために整備され、 かつ、技能実習生が技能実習に専念できるようにその保護を図る体制が確立された環境で行われなければならない。

2 技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない。

 わざわざ「労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」と明記しているのです。不足する労働者を補てんするためにこの制度があるのではなく、あくまでも「日本の技能・技術」を習得させるための制度だというのです。

労働者不足の補てんを糊塗しているだけ

 この説明を聞いて、納得できる日本人がどれほどいるでしょうか。なぜなら、技能実習生の働いている職場は、その大部分が、物流や小売り、飲食業界、更には介護、建設業の現場などです。つまり、明らかに労働力が不足している現場なのです。多くのコンビニの店頭や介護の現場に外国人が多く見られるのはそのためです。
 つまり、彼らは、不足する労働力の担い手として来ているのであって、決して日本の「技能・技術」を学ぶために来ているわけではないのです。日本の技能・技術を学ぶというなら、トヨタや日産、それにロボット技術のファナック、安川電機、防衛産業の三菱重工など、最先端の技術を保有する現場でなければ意味がありません。パートのおばさんでも務まるコンビニの店頭や勤務条件の厳しい高齢者介護の現場などを当てがっておいて、日本の技能・技術を学ぶだなんて、文字通りお笑いというものです。
 要するに、この技能労働者制度の実態は、ズバリ「不足する労働者の補充」そのものなのです。技能・技術を習得させるため、なんて言うのは、役人お得意の詭弁に過ぎないのです。こういう時に役人は必ず組織を作ります。天下り先です。国際研修協力機構なるものには、外務省や厚労省の役人が専務理事などの肩書で座っていると見て間違いありません。

労働力不足は現実だが

 もちろん、労働者が不足しているのは事実です。昨年の9月に発表された有効求人倍率は1.38倍と、25年ぶりの高水準だったことが話題になりました。また、総務省が発表した完全失業率も3.0%と1994年12月以来の2%台も視野に入ってきました。
 このように、労働者側から見た雇用環境は、民主党政権時と比べ、はるかに改善しました。このため、前述したように、多くの労働集約型事業分野において、人手が不足していることは間違いありません。
 技能実習制度は、このような背景で生まれたものと言ってよいでしょう。

海外の労働者に頼るのは最悪の選択

 問題は、このような労働者不足の現状をどうするかです。外国から労働者を入れるのは一番手っ取り早い解決策です。隣の中国や韓国には、日本で働きたいという人はいくらでもいます。また、東南アジアからでもいくらでも呼んでくることは可能です。しかし、これほど安易な解決法はありません。このような海外の労働者を大量に入れた場合の弊害は、十分に予測できるからです。
 外国人労働者は、言語、文化、生活習慣が異なります。もちろん、人種、信条、宗教も異なります。このような外国人労働者が大量に押し寄せてきた場合、社会的な混乱が起きることは、頭の中だけでも理解できます。現に、ヨーロッパで起きたテロ事件の多くは、これら外国からの移民によって引き起こされたものでした。
 彼らは、受入れ政策が十分に整備されない中で、大量に流入してしまったために、社会の底辺で生活せざるを得なくなったため、多くの不満が溜まってしまったのです。グローバル経済の弊害ということもできます。日本は、ヨーロッパの失敗を教訓として、決してこのような道を歩んではなりません。

労働力を入れたら賃金は上がらない

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 低賃金の外国人労働者に頼るということは、日本人の賃金上昇に明らかにマイナスに作用します。なぜなら、外国人労働者が存在せず、日本人だけで労働需要を賄うとすれば、経済の原則により、賃金は必ず上昇します。賃金を上げなければ、従業員を雇用することができないからです。
 日本は、これまで20年の長期にわたって、デフレに悩まされてきました。今年よりも来年、来年よりも再来年、物価が下がるという異常事態が生じていたのです。物価が下がるのは結構ではないか。どんどん下がれば、同じ給料なら生活費も安くなる。
 と、考えるのは大きな間違いだ、ということは経済の素人でも理解できることです。物価が下がるということはそれを供給する企業の売り上げが減少し、収益も下がるということです。企業の売り上げ、収益が下がれば、従業員の給料も下げなければなりません。給料が下がれば、家計は買い物を控え、節約志向になるのは当然です。こうした事態が日本全体で起きるんですから、経済が縮小するのは当たり前です。
 日本は、このようなデフレ状態を20年も続けてきたのです。今年成人式を迎えた新成人たちは、一度も物価が上がり、給料が上がるインフレを経験したことがありません。インフレなら、長期ローンを組んで不動産を買い、毎年、返済額が減っていくという期待が持てますが、デフレでは、住宅を購入しようという意欲は起きません。毎年、給料が減り、ローン返済もきつくなるなら当然です。
 前述したように、日本は、正しく、雇用も物価も上昇の気配を見せてきたのです。そのタイミングで、国は、外国から安い労働力を大量に入れようというんですから、正気の沙汰ではありません。
 だからこそ、そういう批判をかわすため、技能実習法では、わざわざ「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」なんて明記したんです。しかし、明記しようとしまいと、コンビニや介護の現場、農業や建設業などの現場に外国人労働者が溢れていることに変わりはありません。労働者不足を技能実習生という美名で、糊塗しているのは間違いありません。
 つまり、国は、これから本格的に賃金が上昇するベストタイミングを、自ら台無しにしようとしているのです。今年の成人式における外国人の数がそのことを明確に示しているではありませんか。

生産性向上の阻害要因になる

 現在、人手不足に悩む業界の立場からすれば、外国人労働者は大歓迎でしょう。当面の労働者不足を解消できるからです。でも、それでは、労働者の賃金が増えないばかりか、生産性向上の芽も摘んでしまいます。
 生産性向上の動機は何か。人手が足りない。外国人も来ない。それなら人当たりの生産性を上げるしかない。そういう発想になるはずです。たとえば、10人の作業員がシャベルで作業をしていた。仕事が増えたので作業員を20人に増やしたい。しかし、同じ賃金ではそんなに人は集まらない。ではどうするか。トラクターやブルドーザーなど、機械力によって同じ仕事をするという発想になるはずです。つまり、労働生産性の向上です。
 この場合、仮にフィリッピンやインドネシアから安い労働力が豊富に供給されたら、賃金は低いままで定着し、一人当たりの労働生産性も向上しません。しかも、これら外国人労働者は、賃金のほとんどを自分の国の家族に送金してしまいます。消費拡大にもあまり寄与しないのです。そのうえ、劣悪な労働条件の下で働かせられれば、本来親日的だった人も、日本嫌いの反日外国人になる可能性だってあります。

外国人労働者は移民ではないのか

 前述の技能実習法によれば、同法に定める外国人労働者は、「技能労働者であって、移民ではない」ということになっています。本当にそうでしょうか。そもそも移民の定義は何でしょう。
 国連の社会経済局の見解では、次のように解説されています。

国際移民の正式な法的定義はありませんが、多くの専門家は、移住の理由や法的地位に関係なく、定住国を変更した人々を国際移民とみなすことに同意しています。3カ月から12カ月間の移動を短期的または一時的移住、1年以上にわたる居住国の変更を長期的または恒久移住と呼んで区別するのが一般的です。

 この解説によれば、技能実習法で定める「最長5年まで」滞在できる労働者は、明白に「移民」に該当します。この法律は、昨平成29年11月1日に施行されたばかりのホヤホヤの法律です。この法律に基づき来日した外国人労働者が、規定通り、5年後に本国に帰ると考えるのは甘すぎます。
 この法律が制定される前でさえ、最長3年の滞在期間が守られず、失踪や不法就労という形で、国内に留まる人が大勢いるのです。5年も日本国内に住んでいた人間を、強制的に送還するなどということは実質的には不可能と考えるべきです。
 なぜなら、彼らの多くは、特定の地域に住み、あるいは緊密な連絡網によって団結し、強制送還を免れる手法を編み出すはずです。日本人の中にも彼らに同調する者も出てきます。結局、国は何らかの便法を講じて、強制退去をしなくてもいいように措置することになる筈です。こうして、外国人労働者はなし崩し的に増えていくのです。

難民は受け入れている

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 移民と難民は明確に区別されています。移民は、「(永住するつもりで)他郷または他国に移って住むこと。特に、労働に従事する目的で海外へ渡って住むこと。また、その人」と定義されています。また、難民は、「難民の地位に関する条約」で、「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた人々」と定義されています。
 日本の難民認定率は、0.3%(2016年実績)と他の先進各国に比べて低いとされていますが、決して認定の基準が厳しいというわけではありません。
 欧州各国の認定率が高いのは、シリアやアフガニスタン、イラクなど、国連難民高等弁務官事務所の指定する「避難を余儀なくされている人の多い国」からの申請者が多いからです。日本への難民申請は、インドネシア、ネパール、フィリッピンなどアジア各国からの申請者が多いからなのです。要するに、難民ではなく、単なる就労目的の難民申請が多いということです。このように難民と移民とは、明確に区別する必要があります。
 難民に偽装したいわゆる「偽装難民」を断固拒否するのは、国として当然の措置であり、非難されるいわれは全くありません。

今こそ生産性向上で力強い経済発展を

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 これからの日本は、「移民」による外国人の労働力に頼るのではなく、日本人のもつ創意工夫によって、経済発展をすべきです。そのためには、日本人の1時間当たりの労働生産性を、もっともっと高めていく必要があります。
 多くの日本人は、「日本人は勤勉だから、きっと生産性も高い」だろうと思っている筈です。ところが、先進国の中で日本人の労働生産性は、決して高くありません。低い労働生産性を長時間労働でカバーしているだけなのです。その原因は、日本人的体質にあるかもしれません。自分の仕事は終わったのに、上司や同僚の手前、自分だけ先に帰るわけにはいかない、といってながら残業、あるいは付き合い残業なんていうのも多いと思います。こういった日本的労働慣行を改め、生産性を上げるにはどうすればいいのか。
 そのためには日本人の得意とするIT化やIOTの活用です。既に知られているように、コンビニの完全自動レジ化は試行的に進められています。外食や小売りなどのサービス産業でも人型ロボットや無人レジを使い受付や精算などの業務は無人化が進められています。これでより少ない人数で小売業の1人当たり生産性向上を達成することができます。
 物流業界でも、一人の運転手が運転するトラックを無人車両が追いかけるとか、高速道路で、電子的に連結されたトラックを「隊列」として運転する後続車両無人の運搬などの試みが現実化しつつあります。このような省力化、無人化の動きは今後、ますます加速していくことでしょう。
 その昔、駅員が改札口で「カチャカチャ」と切符切りをしていましたが、彼らの仕事はほぼ消滅しました。電話交換手の仕事バスガールの仕事もほぼ消滅しました。多くの職種で、業務の大転換がなされてきたのです。

条件整えば国内で労働者確保も可能

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 このように、これからは、外国人労働者に頼らなくとも、国内で労働者を調達できる可能性が高まります。例えば、自動運転の技術は今後飛躍的に加速していきます。車両の自動運転が実用化すれば、バスやタクシーのドライバーは不要になります。銀行員ですら、IT化の進展により、現在の3分の1の社員がいらなくなる、と言われています。みずほFGは9000人、三菱UFJFGは6000人、三井住友FGは4000人の人員削減案を公表しました。銀行の窓口に行かなくとも、すべて手元のパソコンやスマホで決済が済んでしまうようになったからです。
 このような現象は、あらゆる産業分野で起こりつつあるのです。つまり、労働力不足は国内の労働市場の流動化によって可能になるのです。本当に不足するなら、家庭に残っている主婦や高齢者たちも出動するはずです。今年後期高齢者になる私でも、時給2,000円、1日3時間というなら、いますぐ履歴書を書いて飛んでいきます。
 どこの調査だったか正確に思い出せませんが、30歳以上の女性が、スエーデン並みに就業すれば350万人もの労働者の増加になるそうです。また、65歳以上の男女の労働参加率が上がれば、167万人の新たな労働者の増加になる、との試算もあります。
 労働者を国内で調達すれば、彼らは国内で消費してくれます。その結果、賃金が上昇し、国内需要が増大し、賃金も上昇します。正のスパイラルが生じることになりますから、景気も上向きになります。外国人労働者を入れたことによる、さまざまな軋轢も一切生じないのです。

最後に

 私は、決して外国から入ってくる労働者を、敵視しているわけではありません。日本人は太古の昔から、多くの外国人を受け入れてきました。古今和歌集の編者紀貫之や小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)など、帰化外国人はいくらでもいます。ただ、その人数は、消化不良になるほど大量の人数を受け入れたわけではありません。少しずつ少しずつ受け入れることによって、彼らは日本人になじむような形で同化し、共存してきたのです。
 また、難民として入って来る人まで排除する意図は全くありません。難民と移民は違うのです。国際貢献として、本人が日本行きを希望するなら、ある程度の人数、難民を受け入れることも必要でしょう。
 ただし、その場合でも、言語教育や技能教育など、きちんと教育訓練を行い、社会人として日本社会に溶け込めるようにする必要があります。現在のように、技能労働者なんて言いながら、実際は、単なる不足労働者の穴埋めとして活用する、そういう姑息なやり方は改める必要がある、と言いたいのです。(H30・1・18記)

 

 
 

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