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容疑者脱走、余りにもお粗末な警察の対応

容疑者脱走、余りにもお粗末な警察の対応

たまたまのオンパレード

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 8月12日、大阪府富田林市の府警富田林署から、拘留中の容疑者が逃走した事件。聞けば聞くほど、そのお粗末さに唖然とします。
 
 曰く、たまたま、面会室の間仕切り用のアクリル板が劣化していた。
 曰く、たまたま、面会者用のドアは、開閉した際にブザーが鳴る仕組みになっていたが、府警35署のうち、富田林署だけがブザーの電池を抜いていた。
 曰く、たまたま、スニーカーが一足置いてあった。
 曰く、たまたま、3mの塀を乗り越えるための脚立がおかれていた。
 曰く、たまたま、弁護士の接見終了後、1時間40分が経過してしまった。
 曰く、たまたま、住民への周知は9時間後になってしまった。

 こんなに、たまたまが重なる警察の警備体制って、いったい何なの!?と多くの国民は口をあんぐりさせている筈です。無責任の極みです。
 テレビに出演していた警察OBが、アクリル板は毎日、ゲンコツで思い切り叩き点検していた、なんて言っていましたが、誰が信用などできるでしょうか。府警35署のうち、富田林署だけがブザーの電池を抜いていたなんていう言い訳も、馬鹿々々しくて笑う気にもなりません。

内通者がいるのではと疑うほどのお粗末さ

 容疑者の樋田淳也容疑者は、強盗致傷、強制性交など、過去4回の逮捕歴のある、性犯罪の常習者です。犯罪常習者は、量刑が重くなる重要犯罪者です。常習万引き犯とは質が違うんです。
 このような犯罪者の監視方法として、富田林署の体勢は余りにもお粗末です。署長はもちろんですが、県警本部長もそれなりの責任を追うべき事案であると思います。
 それにしても、今回の富田林署の対応のありかた。笑ってしまうほどのお粗末さです。アクリル板がサンダル履きの足で蹴飛ばしたらけ破れる程度の強度しか持っていなかったというのも驚きですが、け破った時の音に約20人いたという所員が誰も気づかなかったというんですから、これも驚きです。
 通常、3mもある塀を乗り越えるのは困難です。その逃走の際にたまたま一足のスニーカーと脚立があったというのも、話が出来過ぎています。誰か内通している者が仕組んだのではないかと思える位に、話がうまくできています。

逃走時間も十分に確保

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 容疑者の逃走が判明した後の同署の対応も常軌を逸しています。弁護士が接見を始めたのが午後7時半ごろ。接見を終えたのが午後8時ごろです。そして、富田林署が容疑者の逃走を知ったのは、午後9時45分頃とされています。接見終了後、1時間45分も経過しています。
 接見室が素通しになっていない以上、これはやむを得ないとも言えます。しかし、逃走を知った後の同署の対応は、いかにもおかしい。なぜなら、周辺住民に知らせたのは、逃走を知った後、9時間後の朝6時28分頃だからです。
 凶悪犯が一般市民の中に紛れ込んだというのに、9時間もの間一切の情報を伝達しないというのは、非常識を超えてもやは犯罪的です。警察署としては、内々で逮捕し、何ごともなかったかのように振る舞おうとしたとしか思えません。
 そうでないなら、凶悪犯が逃走したんですから、近隣住民に即座に知らせてくれれば、戸締りや身の安全を確保するために、自衛的な行動をとることも可能です。また、身体特徴なども知らせてくれれば、多くの住民から有力な情報も得られたはずです。
 9時間も経過してから知らせてもらっても、犯人は、恐らくより遠くに逃走している、と考えるのが常識です。犯人を逃走させたことも不始末ですが、逃走後の同署の緊急通報体制もお粗末極まる、としか言いようがありません。

GPS装着を義務付けるべし

 脱走事件としては、最近も、似たような事件がありました。愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から受刑中の容疑者が脱走したという事件です。この事件では、逃走犯は、22日ぶりに逮捕されましたが、その間、車上荒らしや現金が盗まれる事件が相次ぎ、あとからこれらの事件は逃走中の犯人が行ったものだと判明しました。また、愛媛、広島両県警は延べ約1万5000人もの署員を投入して捜索したのです。今回も、大量の署員を動員して捜索しているのは間違いありません。
 犯人を逃がしてから捕まえることがいかに大変なことであるか、ということを如実に示しています。

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 このようなことを未然に防止するためにはどうすればよいか。端的に言えば、GPS機能の付いた足環ないしは腕時計を装着すべきだと思います。
 GPS機能は、スマホにもついていますから、極めて身近なものです。このような機能を装着すべきだという主張をすると、必ず、人権派弁護士や市民団体などから反対の声が上がります。しかし、拘置所、刑務所という施設で拘束していることそのものが、最大の人権侵害なのです。そういう最大の人権侵害を刑罰という形で科しているんですから、その一環としてGPS機能の付いた装置を装着することは、過大な人権侵害とは言えない筈です。身体を拘束するのが刑罰であるとするなら、GPS機能の装着は刑執行の一部でしかないからです。
 世界的に見ても、アメリカ(半分以上の州)、イギリス、フランス、ドイツ、カナダ、スウェーデンなどですでに実施されており、台湾、オーストラリア、ブラジルでも導入が検討されているのです。
 お隣の韓国でさえ、2008年9月に位置追跡電子装置装着法を成立させ、性的暴行犯を対象に電子足輪付着制度が導入されました。最初は13才未満の児童に対する性暴力犯罪者が対象でしたが、その後、未成年者誘拐犯、殺人犯・性暴行犯、強盗犯にも適用されるようになっているのです。
 足環は目立ちすぎるというなら、腕時計タイプでもいいんです。首尾よく逃走できても、それを壊すことはできないほどの強度を持たせることが必要ですが、技術的には十分に可能なはずです。石や岩にぶつけて壊す場合は、手錠のように、腕が締まってしまうとか、方法はいくらでもあるはずです。
 そうなっていれば、そもそも逃走しようという意欲はなくなります。逃走中に生じる犯罪も未然に防止することができます。もちろん、多くの警察官を動員する必要もなくなります。また、出所後も、性犯罪など常習性のある犯罪の場合には、これを装着させれば犯罪の未然防止に、絶大な威力を発揮するはずです。

お粗末な事件は過去にも

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 今回の事件は、笑ってしまうほどお粗末の連続の末に生じたものです。似たようなお粗末な事件が過去にもありました。既にこのコーナーでも紹介した事件です。
 広島県警広島中央署(広島市中区)で保管していた証拠金8,500万円が盗まれたという事件です。昨年5月8日に発覚したものです。広島中央署と言えば、広島県内では一番大きな警察署です(多分)。その大きい警察署の会計課の金庫に、証拠金として保管していた現金8,500万円が盗まれたというんです。しかも、金庫の鍵は会計課長が直接管理していた、というんですから驚きです。
 通常、証拠品は生活安全課が保管するんだそうですが、多額だったため、臨時的に署長の判断で会計課で管理させていたんですね。金庫は差し込み式とダイヤル式で二重にカギがかかり、キーの保管場所とダイヤル番号は一部の署員しか知らない。そのうえ、会計課の金庫に8,500万円の現金があることを認識していたのは、捜査に関わった生活安全課と会計課の一部署員のみだったそうです。
 臨時的に大金を預かった会計課長が、施錠可能な引き出しの中に入れて管理していたんだそうです。ということは、犯人が、鍵のかかった会計課長の引き出しを開け、金庫の鍵を持ち出したということになります。つまり、金庫の中身と金庫の鍵の保管場所、それに金庫のダイヤル番号を知る人物が犯人です。このすべてを知らなければ、県内最大の警察署内で、こんな大金を盗むなんてことは不可能だからです。
 ところが、今日(H30・8・16)現在、犯人が逮捕されたという情報はありません。このニュースが報じられた時、私は、犯人は捕まらないだろうと予想し、本欄でもそのように書きました。警察は身内に甘い組織ですから、署内に犯人がいることが自明な事件を、必死になって犯人捜しをすることはない、と睨んだからです。

サラリーマン化した警察組織

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 愛媛県での犯人逃走、今回の犯人逃走、そして警察署内での大金盗難事件、いずれにも共通しているのは、警察署内の馴れ合い、もたれ合い、マンネリ化に由来しているように思えてなりません。
 サラリーマンとして、給料さえもらえればいい、という小市民意識が多くの警察官に蔓延しているのではないでしょうか。そうでなければ、こんな笑ってしまうようなお粗末極まりない事件が、次々に出てくるわけがありません。
 脱走犯は、脱走に成功した以上、必死になって逃げようとします。その過程で、次々と別の新たな犯罪を引き起こすことになります。逃走時に、現金や替えの衣類、バイクなどの逃走手段、一切を持ち合わせていません。従って、次々と新たな犯罪を引き起こしながら逃走を続ける、ということになります。
 今回も、既に、樋田容疑者が犯したと思われるひったくりが2件、バイク、自転車の盗難などが2件報じられています。
 こういった新たな犯罪を防止するためにも、GPS機能を装着させることを真剣に検討すべきです。また、不幸にもこのような逃走事件が生じた場合は、周辺住民に対して、緊急放送として、即時に周知させるべきです。脱走犯からすれば、住民の眼こそが一番怖いのです。内々で逮捕し、脱走の事実そのものを隠ぺいしようと考えるから、益々傷が大きくなるのです。たるみきった警察組織の奮起を期待します。(H30・8・16記=本日17時現在、未だ犯人逮捕に至っていません。)

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