時事寸評 書評コーナー

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北海道泊原発など速やかに再稼働させるべきです

北海道泊原発など速やかに再稼働させるべきです

北海道で起きたブラックアウト

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 心配していた事態が生じてしまいました。9月6日午前3時過ぎに発生した大地震により、北海道に全面停電、ブラックアウトという異常事態が生じたのです。その直接の原因は、北海道の電力の半分近く、約165万キロワットを供給していた苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所が緊急停止したことです。
 道内の電力は、苫東厚真火力を中心に、その他の火力発電所が協調して発電する仕組みになっています。この一つの電力系統の中では、全ての発電機が同じタイミングで回転し、協調して発電しています。屈強な男一人と非力な女性2人、3人で1台の自転車をこいで坂道を上るときに、屈強な男が急に力を止めるとその分の負荷が女性2人にかかり、結果、坂を登れなくなってしまうのと同じ原理というわけです。
 専門家である東京工業大学の七原俊也教授は、このことを次のように説明します。

 大きな力を出していた発電機が急に止まると、他の発電機にかかる負荷が大きくなって回転が遅くなる。そうすると電気の周波数が低下する。低下があるレベルを超えると、発電機を運転できなくなる。

という訳です。
 それならば、東電と関電が相互に電力を融通し合うのと同じく、本州の電力会社から融通を受ければ良さそうなものですが、これについても難しい事情があるようです。
 西日本の周波数が60ヘルツの地域ではすべての発電機が常に同じタイミングで回転しており、緊急時には自動的に電力を融通し合うことができます。東日本の50ヘルツ地域も、本州内は同じようにつながっています。ところが北海道だけは、単独系統になっており、域外からの支援を受けにくい仕組みになっているというんです。ならば、単独系統なら単独系統なりの工夫をすればよいではないか、ということになります。

電気のない社会は原始生活以下

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 今回のブラックアウトで、北海道では295万戸の住宅が電気のない生活を強いられました。1戸平均2人としても、約600万人です。停電から45時間後にかなり回復したようですが、ほぼ丸々2日間、600万人が電気のない生活を余儀なくされたのです。最大震度7の大地震で、家の中が家財で滅茶苦茶になった家も多かった筈です。電気ばかりか水道もガスも使えない。外に出れば、道路はでこぼこ、信号も点かない。住民は、真っ暗闇の中で途方に暮れたのです。
 水の汲み置きがなければ、オシッコすらもできなくなってしまいます。文字通り、原始生活に戻ったような気分だったはずです。いいえ、精神的には原始生活の方がまだマシです。原始人は、生まれた時からその生活をしているから、それが当たり前の日常風景にすぎないからです。
 しかし、私たちは、文明の発達により、すでに豊かな文化生活の中にどっぷり漬かっています。電気やガス、水道、社会的インフラが過不足なく供給されることを前提として生活をしているのです。
 例え、一日といえども、原始生活に戻ることなどできないのです。一日でも電気が供給されなければ、冷蔵庫のものは痛んでしまいます。風呂もトイレも使えず、食事の支度もできません。。原始生活以下になってしまうのです。私も東日本大震災時、計画停電により、数日間ロウソクに頼る生活を余儀なくされましたが、3月という季節柄、かなり厳しいものでした。直接被害に遭われた方は、なお一層つらい思いをされたはずです。
 今般、ブラックアウトの生活を余儀なくされた北海道の方々も、大変つらい思いをされていることと思いますが、これが厳冬期に発生していたら、一体どういうことになっていたでしょうか。大停電は、札幌や千歳、函館といった道南の都市だけでなく、帯広や釧路、旭川といった道央、道北の地域にまで及んでいますから、同じことが極寒で寒風吹きすさぶ1月から3月頃に発生したら、大変な人的、物的被害が出ていたはずです。

泊原発を一切報じないマスコミ

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 今回の大地震によりブラックアウトを生じたこの事態に対して、マスコミは多くの時間を割きました。報道の大部分は、地震による土砂崩れなど被災状況や大停電による困窮の事実、つまりロウソクや懐中電灯に頼る生活の不便さなどでした。
 例えば、テレビ朝日です。9月8日、夜6時56分から「池上彰と自然災害大国日本の防災を考えよう」では、「危機管理能力チェック今時の常識40連発」などオチャラケ風の番組で、どうしたらこのような事態を防げるか、などという論点はありませんでした。事前に収録したバラエティ番組だったせいかもしれません。が、地震発生2日後の番組ですから、もう少し北海道大地震や台風21号による関空被害などを踏まえた番組にすべきだったのではないでしょうか。
 この番組に引き続いて報じられた9時からの「サタデーステーション」。この番組では、北海道大地震を踏まえて、「北海道震度7で大混乱“想定外”続出なぜ?」などタイムリーな内容になっていました。当然、泊原発についてどのように言及するのか、興味をもって見ていました。が、一言も触れなかったのです。文字通り、一言もです。
 その翌日、9月9日、大地震発生後3日目の朝、日曜日の「関口宏のサンデーモーニング」。この番組は、左翼系番組の雄として知られている番組です。泊原発について、どのように報じるのかじっと見ていました。出席者が一人ずつコメントしていましたが、だれも原発について一言も触れようとしません。あれ?ブラックアウトという深刻な問題が生じているというのに、誰も泊原発が再稼働していないことに触れないのか、と思っていたら、最後に、TBSキャスターの松原耕二氏が次のように述べたのです。
「泊原発のすぐ近くでこんな地震が発生したら大変なことですよ。(稼働していなかったことは)不幸中の幸いと言うべきですね。」
 偏向報道ここに極まれり、というべきですね。彼らの脳細胞には、原発は何があっても悪、悪は取り除かなければ、という思いがあるのでしょう。悪ではなくとも、原発=危険という観念から抜け出ることができないのかもしれません。

福島原発事故のトラウマ

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 福島原発事故は、日本にとって本当に不幸な事故でした。事故原因の第一は、非常用電源の喪失でした。原発は、冷却用の水が確保されることが必須要件です。原発が海辺か川辺に設置されるのはそのためです。この冷却用水を確保するためには、水を輸送するための電気、電源が必要になります。津波などによって一次電源が失われても、高台にある二次電源が稼働できれば、冷却水を供給することは可能です。福島原発もそういう設計になっていました。しかし、実際には、高台の電源はなかった。いや機能しなかった。
 更に、二次電源が喪失しても、緊急用の電源車が稼働できれば、電気は供給できます。つまり、一次電源、二次電源、三次電源と、安全性を高める措置がきちんととられていれば、水素爆発や炉心溶融などという異常事態は生じなかったのです。電力会社でありながら、非常時の電源を確保できなかったというのは、いくら責められても反論の余地はないでしょう。明らかに東電の失態です。
 加えて、事故発生時が菅直人民主党政権だったということも、不幸に拍車をかけました。津波発生後、最初の小爆発段階で、菅総理は東電に出向き、職員を大声で怒鳴りまくったり、混乱している現地に視察に出向くなど、指揮官としての資質を疑われるいくつかの行動をとりました。そのうえ、「ベントを開けろ」だの、純技術的な問題にまで首を突っ込んで指示をしていました。ベントは、爆発を防止するため、高まった内部の圧力を逃がすための装置ですが、そのような判断は純粋に技術的な問題ですから、現場の責任者に任せるべきだったのです。そのような無能且つ出過ぎた指揮官の下で、福島原発事故はより一層拡大したのです。この後処理のまずさが、その後の原発問題をより一層解決困難にしたということは認めざるを得ません。
 民主党政権の隠ぺい体質も露呈しました。経産省の技官が記者会見を行なっていましたが、率直に言いすぎるとして、文官に代え、「安全だ、心配する必要はない」などと、表面的な言い訳のみを繰り返していました。枝野幸男官房長官も、「直ちに被害が生じるレベルではない」など、抽象的な表現を繰り返し、不信感を増幅させていました。
 また、その当時、放射能濃度を即時に測定できる「SPEEDI」というシステムが、100億円もの巨費で開発されており、測定結果も出ていたのに、「国民の無用な混乱を招く」との理由により、公開されませんでした。枝野官房長官をはじめとする政権幹部は、敢えてそのデータを隠していたのです。そのため、住民は、放射能の濃い方角に避難したなんて悲劇もありました。このようなことが、原発のトラウマとなり、必要以上に原発アレルギーを起こしてしまったのです。

沸騰水型より加圧水型の方が安全性高い

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 原子炉には、沸騰水型と加圧水型があるとされています。福島原発で爆発したのは、沸騰水型の方です。アメリカから輸入した施設です。
 沸騰水型(BWR)は、原子炉で水を沸騰させ、発生した蒸気でタービンを回す構造であり、加圧水型(PWR)は、原子炉の圧力を沸騰しないように沸騰水型の2倍程度に加圧してあり、原子炉は冷却水を高温にする役目を果たしているそうです。タービンを回す蒸気は、この高温高圧の熱水を熱源として蒸気発生器で発生させる構造になっているそうです。参議院議員の青山繁晴氏は、共同通信記者の時代、「現場主義」を徹底する立場から、全国の原発を見て歩いたそうです。もちろん、爆発後の福島原発の4号機も吉田所長の特別の計らいにより内部を直接見学したそうです。
 同氏の言によれば、加圧水型は、沸騰水型に比べ、安全性は格段に高いそうです。なぜ安全性が拡大に高いのかは、下の動画からご覧下さい。

◆原発に関する基礎知識は、こちらから→青山繁晴氏の解説

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 北海道にある泊原発は、沸騰水型よりも安全性の高い加圧水型が採用されているのです。
 この安全性の高い、泊原発は2012年5月の定期点検以来、稼働を停止しています。東日本大震災の翌年です。なぜ稼働を停止しているのか。本来は、点検が終わり次第、すぐにでも再稼働すべきでしたが、反原発運動の高まりを受け、すべての原発を一時停止させ、原子力規制委員会の技術審査を受け、審査をパスしたものだけしか再稼働を認めないこととしたからです。

地元自治体は最終決定権者ではない

 原発の設置や再稼働を巡っては、地元住民が大騒ぎをするので、事実上、設置するかどうかは最終的に地元自治体、具体的には地元の市町村、並びに知事の同意を得なければ決定できないことになっています。新たに設置する場合には、このこともある程度止むを得ないでしょう。しかし、再稼働する場合にまで地元の知事の同意を得なければならない、というのは行き過ぎだと思います。もっとも、法的には、設置時であれ再稼働時であれ、知事の承諾は必要条件とはされていません。
 福島原発事故までは、原子力規制員会は経産省に属していたため、許認可庁と技術審査庁が同一組織にあったことから、原発事業推進機関と技術的審査機関が同じなのはおかしい、ということで、現在は、原子力規制委員会は別組織である環境省の下に置かれています。
 規制委員会は、福島原発事故を教訓として、極めて厳しい技術基準を採用しており、この基準をクリアした事業であるならば、技術的安全性は確保されている、という判断がなされることになっています。しかし、その実態は、青山繁晴氏も指摘されているように、「原子力村」との批判を避けるため、原子力の専門家よりも地震の専門家などの方が発言力が強くなっており、見直しの必要がありそうです。
 いずれにしろ、この規制員会によって再稼働を認められたものを地元の知事が「政治的判断」によって再稼働を認めないというのは、行き過ぎだと思います。国家のエネルギー問題の趨勢が、政治家の思想信条によって左右されてしまうからです。

原発再稼働の経済効果も大きい

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 原発が全面的に停止したことにより、国民の経済的負担も大きくなっています。原発の再稼働が容易に認められなくなったため、電力会社は、石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料に頼らざるを得なくなりました。そのための費用は、年間約4兆円に達します。この金額は、消費税2%に相当する金額なのです。
 化石燃料に頼ることになった結果、電気料金は、家庭向けで2割、企業向けで3割も上がってしまいました。企業向けなど自分には関係ないと思うかもしれませんが、企業のコスト負担増は、商品の値上げとして消費者につけが回ってきます。消費者は、電気代の負担増に加えて、商品の値上がりというダブルパンチを食らうのです。企業の従業員やその家族も、事情は同じです。
 つまり、一般家庭も、すべての企業も負担が増大することによって、購買意欲が減退し、消費を冷やす方向に作用します。このように考えてくると、今、為政者が行うべきことは、加圧水型原発については、規制委員会の審査を不要とし、更に、知事の同意も不要とするなど、断固とした方針を示すことです。もちろん、そのためには、総理自身が、加圧水型原発がいかに安全性が高いかについて、きちんと説明する必要があります。
 多くの国民も、事実がきちんと理解できれば、やみくもに反対するということはないはずです。今の日本、原発に関して、余りにも神経質になりすぎていると思います。多くの心ある国民は、原発の速やかな再稼働を強く望んでいるのです。

経済成長でインフラ整備に注力を

 昨年来、日本列島には様々な災害が押し寄せてきています。今年の6月以降だけでも大阪北部地震(M6.1)、西日本豪雨災害、連日35度を突破する酷暑も災害の一種といってもよいでしょう。特に6月末から7月にかけて発生した西日本豪雨災害では、死亡者が200人を超し、住宅の全壊も5,000戸以上に上りました。
 また、台風21号の上陸により、激しい突風や豪雨により、国際空港である関空が水没し全面閉鎖に追い込まれるなど大きな被害をもたらしたと思ったら、その2日後には北海道で震度7の大地震です。
 息つく暇もない、とはこのことでしょう。このような強烈な台風や地震が今後も増え続けるのかどうかは分かりませんが、政治家も、また国民も、これらの自然の脅威に正面から立ち向かう勇気を持たなければなりません。
 そのためにはどうするか。
第一は、前述したとおり、加圧式原発は速やかに稼働させ、それ以外の沸騰水型の原発のみ規制委員会の技術審査に付することとすること
第二は、輸入化石燃料の減少による燃料費節減と消費税増税分は見合いになっているので、消費増税は見送ることとすること
第三は、国家の再構築のため、今後10年間、毎年、国債10兆円を発行する、と宣言すること。消費増税を見送り、今後10年間、国債の増発により、経済が活性化することが見通せれば、企業の投資意欲が活発になり、日本全体のパイ、すなわちGDPも飛躍的に伸びるはずです。パイが大きくなれば、GDP1%のままでも、社会保障費や教育費、公共事業費、防衛費、科学研究費の絶対値は、大幅に増額することが可能だからです。
 

投資用国債について

 投資のため国債発行については、少し説明が必要です。国債というと、条件反射的に、現役世代の人間だけがいい思いをし、借金を将来世代に残すもので不公平だなんていう人がいます。財務省です。正確には野党もマスコミも同じです。とんでもない話です。例えば、新しい道路を造れば、その道路は現在の人だけでなく、将来の人も使えます。ですから、現在の人も将来の人も、等しく費用を負担することは少しも不公平ではありません。痛んだ施設の補修や改築も全く同じです。
 では、投資のための新規国債は、どのようなものに使うのでしょうか。
① 先ず、教育費に充てることにより、子育て世代の負担を軽減することです。子育て世代の経済的負担が軽減すれば、結婚しようとする若者が増え、自然に子供も増えてきます。これも立派な投資です。
② 次に、全国の道路(トンネル、橋なども)、河川(ダムや砂防なども)、水道などの老朽インフラを徹底的に補修又は再建すること、です。
③また、未来を見据えて、科学研究費も充実する必要があります。科学研究は、国家としての基礎的財産であり、経済発展の基礎となるものだからです。

 なお、財政法上、防衛費に投資用国債を充てることは困難ですが、経済の活性化に伴い、全体のパイが大きくなれば、実質的に防衛費の増大につながります。また、国防政策の観点から、対GDP比率を徐々に上げていくことも検討すべきです。
 最後に少し論点がずれてしまいましたが、今回のブラックアウトと呼ばれる大規模停電は、「泊原発が稼働していたならば、絶対に生じなかった災害であり、未然に防ぐことができたものである」、と断言します。北海道の人達は、しなくてもよい苦労を強いられたのです。(H30・9・9記)

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